66 【突発】世界滅亡のお知らせ。
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【人】流浪者 ペラジー 10/04 09時頃
(26)
― 世界中の根元、サイモン・ドナルド・リンダ ―
[現れたのは、一対の男女。
眼帯の男が、サイモンに声をかけた、その時。
彼は『いなくなった』。
崩れた数多の世界と同じように。]
【人】流浪者 ペラジー 10/04 09時頃
(27)
ああ――…
[残念だ、と思った。
だが、悲しい、とは思わない。悲しみを感じるには、彼との関係性は薄すぎる。]
君たちは?
[僕は新しく現れた男女に問う。
世界の終わりのその時まで、こうやって人間を見ていられたらいいなと、思う]
【人】流浪者 ペラジー 10/04 10時半頃
(28)
[僕は元々、ただの器だった。
アンドロイド、レプリカント、ウォーカロン…
時代によって呼び名は様々だったが、要するに、ロボットみたいなものだ。
普通と違うのは、僕にはある人間の頭脳が搭載されている、ということ。
僕のパートナだった、彼女――ソフィアは、ある事故で身体の大部分を失った。だが、脳だけは無事だった。
そこで、とある実験が行われた。
人間の脳に、機械の身体を与える事が出来るのか?]
【人】流浪者 ペラジー 10/04 10時半頃
(29)
[実験は成功した。ように見えた。
いや、正確にはやはり成功していた。彼女の脳は、新しい身体を問題なく操り、義足や義手を得た普通の人間のように、生きる事ができるようになった。
しかしひとつだけ、博士たちが思いもよらなかった事態が発生した。
彼女が新しい身体を得たように、機械の身体のほうも、新しい意識を得てしまったのだ。
博士たちは、この事象を彼女の精神的外傷による乖離性同一性障害、と、判断した。
だけど、事実はそうじゃない。それは、僕らしか知らない事。]
【人】流浪者 ペラジー 10/04 11時頃
(30)
[とにかく、そうして僕と彼女はパートナとなった。
自由に動く体を手に入れた彼女は、世界中を旅して回ることにした。僕は勿論、彼女の選択に異論なんてない。]
【人】流浪者 ペラジーは、メモを貼った。
10/04 11時頃
【人】流浪者 ペラジー 10/04 11時半頃
(31)
[一年をすぎた頃から、彼女は壊れ始めた。
はじめは、悪夢をみた。
砂上の城のように崩れていく幾つもの世界。
荒れ果てた大地と、そこに根を張る巨樹。]
『逃げなきゃ。ここももうすぐ消える』
―それは夢だよ、君は夢に憑かれているんだ
『ねえ、行こう。』
―どこへ?
『ここじゃないところ。ああ、崩れる』
[そして、僕は見た。世界が音も無く崩れる瞬間を。]
―なにが、起こって
『逃げなくちゃ。逃げるの。』
―逃げるって、どうやって…
『ねがえば、いい』
[気がついたときには、見知らぬ街にいて]
【人】流浪者 ペラジー 10/04 12時頃
(32)
[それからは、二人で『世界』を転々とした。
だけど、何処へ行っても崩れる世界は追ってくる。
そしてついに、彼女は完全に…壊れて、消えてしまった。
『つぎがさいご。つぎですべてのせかいが、おわる』
鏡の中の虚ろな瞳が呟いた。
『わたし、つかれちゃった。さきに、いくね』
それが最後だった。]
【人】流浪者 ペラジー 10/04 12時頃
(33)
[――そして。彼女が消えて、僕にも彼女が見ていた景色が見えるようになった。
砂上の城のように崩れていく幾つもの世界。
荒れ果てた大地と、そこに根を張る巨樹。
次が最後。
終焉の地に自ら赴くか、追ってくる滅びに身を委ねるか、ほんの少しの間迷って。
僕は、願った。
滅びの地へ。
すべてが消えてしまうというのなら、
それがもう決まった事だというのなら。
生きている理由ももう特にないけど。
せめて、最後まで見届けよう。]
【人】流浪者 ペラジー 10/04 19時頃
(35)
[帽子の女の問いに]
僕はペラジィ。
終焉を見届けに、来た。
嬉しいよ、こんなところでもまだ、人間がいる。
[僕は彼女に片手を差し出した。さっき、サイモンにしたように。
彼は結局、その手をとることは無かった。]
【人】流浪者 ペラジー 10/04 22時頃
(43)
…?
[よくわからぬまま、リンダへ一歩、歩み寄る。]
【人】流浪者 ペラジー 10/05 00時頃
(49)
…え。
[突然抱きしめられて、戸惑った。]
ん…
怖くは、ない。
寂しさは…少しだけ。
僕のパートナは、消えてしまったから。
【人】流浪者 ペラジー 10/05 08時頃
(68)
―ありがと。
[小さく呟いて。]
【人】流浪者 ペラジー 10/05 08時頃
(69)
[そっと、彼女から身体を離し、樹の根元に座ってみる。
さっきまでサイモンが座っていたところ。
遠くの景色が、さらさらと崩れて消えていくのが見える。
きっと、もうすぐ、此処も。]
【人】流浪者 ペラジー 10/05 23時半頃
(85)
もうすぐ、僕は消える。
そうしたら君に、逢えるのかな。
そうだといいね。
[その先は無だと、解ってはいるけれど。
願わずにはいられなかった。]
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