人狼議事


290 ある冬の終わり、微睡みの世界にて

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【人】 地下軌道 エフ

─ 某県某市 ─

 ご無沙汰してます、豊田さん。

[訪れたのは姉が入所している施設。直接訪れたのは十年ぶりになるが、あの頃と何も変わっていないように見えるのは、自分が変わっていないからか。]

 電話でお伝えした通りです。
 ええ、姉を退所させようと思います。

[あの街から帰ってすぐのこと、所員である豊田という男に連絡を取って退所の手続きを進めてもらった。
それともう一つの話を了承するために。]

(3) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 13時頃

【人】 地下軌道 エフ

「若菜さんは……
 外で生活する上で特に支障はありません。」

[それはもう何年も前にここの医者が示した見解。過去の記憶を無くし、自分が誰なのかもわからない。
それでも姉の時間は過ぎていって外を知らないまま十年をここで過ごした。弟であり身元引受け人である文典が難色を示していたから。]

 もう、これ以上姉を縛るのはやめようと思います。

[それは自身の妄執でしかない。そんなことで姉の人生を縛ってはならないと、そう思うようにたったから。]

 それと、豊田さんの申し出をお受けしようと。

[豊田が驚きに目を見開いていた、]

(4) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 13時頃

【人】 地下軌道 エフ

[ちょうど一年前、ここの所員である豊田から連絡があった。

『お姉さんを私に預けてくれませんか。』

耳を疑った。心が壊れ自分が誰なのかも思い出せない姉と結婚したいと言い出したのだから。
豊田は姉がすでに自立できるほどには回復していること、過去を失っても未来は作れること、それはもう情熱的に説得してきたが、文典の答えはノーだった。
どこの誰かもわからない男にこんな姉を任せられるはずがない。

だが、そんなのはただの誤魔化し。
わからないのなら調べればいい、自身にはそれができるのだから。だから当然調べた。そして信用に足る男であるとわかった。
それでも答えは───ノーだった。]

(5) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 13時頃

【人】 地下軌道 エフ

 豊田さん、あんたの言う通りだ。
 俺は姉の未来を奪っていた。

[自分の妄執に、僅かな希望に縋ることで、姉を過去に縛り付けていた。
だけど、それももう終わりにする。許すとか認めるとかではなく、深々と頭を下げて頼む。]

 姉をよろしくお願いします。

[───必ず幸せにしてやってくれ。]

(6) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 13時頃

【人】 地下軌道 エフ


 それじゃこれで。
 何かあったらこれまで通り連絡を下さい。

[そのまま帰ろうとした文典に豊田は姉にあって行かないのかと問い掛ける。
振り替えて自嘲を浮かべて答えた───俺は“過去”ですから。]

「藤枝さん?」

[───嗚呼、あんたはいつもそうだ
      いつだって空気ってやつを読まない。]

(7) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 13時頃

【人】 地下軌道 エフ

「もう帰るんですか?」

 帰ります。最後にあんたに会えてよかった。

[十年ぶりだと言うのにすぐにわかるものなのか、十年経っても“藤枝”のままなのかと。胸に去来する思いは複雑で、だけど不思議とどこか清々しい気持ちだった。]

 おめでとう姉さん。
 さよなら。

[小さく呟いた言葉は誰の耳にも届かない。
豊田を見つけて嬉しそうに駆け出した姉にも───だと言うのに。]

(8) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 13時頃

【人】 地下軌道 エフ

───またね、文ちゃん

(9) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 13時頃

【人】 地下軌道 エフ

[あるはずのない声に思わず振り返れば、豊田が頭を下げていて、その隣で姉は微笑みながら小さく手を振っていた。
目を瞑り軽く会釈をしてから二人に背を向ける。]

 ……余計なことをしやがって。

[フッと笑って悪態をつく。
一枚の桜の花びらがゆらりゆらりと舞っていた。]**

(10) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 13時頃

【人】 地下軌道 エフ

─ 某日、事務所 ─

[空気の乾いた日、特に仕事もなくデスクでウトウトとしていると携帯の着信音が響いた。仕事の依頼だろうと、同じく暇そうにしていた部下に目で“出ろ”と合図を送る。]

「はい、エフでーす。
 え?ああ文さんね。
 文さーん、でんわー女のこー。]

[同時にスマホを投げてよこす。壊れたらどうするんだ、と思いながらキャッチして番号を見るが覚えがない。]

 はい、藤枝だけど……だれ?

[一体誰だろうか。]

(18) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 19時半頃

【人】 地下軌道 エフ


 ああ。

[電話の向こうから聞こえてきたのはあの街以来の声。
店に行っても既に辞めていたのでもう夢の中だけのことにしたのかもと思ってもいたが、そうではなかったらしい。]

 どうした?歌?

[緊張しているのかどこか歯切れの悪い話し方。
夢の中と違って怖がられているのだろうか、店で会ったときはそうでもなかったような気がしたけど。]

 じゃあ今から出てこれるか?
 場所は───

[繁華街のど真ん中にある広場を指定した。
何処に行くにしてもそこなら何とでもなるだろう、と。]*

(20) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 20時半頃

【人】 地下軌道 エフ


 じゃ、あとでな。

[ピっと通話を切る。
席を立つと「文さん、お仕事?」なんて聞いてくるから不敵に笑って軽口をたたく。]

 ばぁか、デートだよ。
 留守番頼むぞヒビキ。

[えー、なんて不満そうな声は黙殺した。
どうせやることもないんだからいいだろうって。]

(22) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 21時半頃

【人】 地下軌道 エフ

─ 広場 ─

 さぶ……。

[雪が降るほどでないにしろ2月の空気は冷たい。
モッズのエリを首元に絞めると頬にふれるファーの感触が気持ちいい。]

 やっぱ夢ってわけじゃねぇんだな。

[辰巳曰く、夢ではなくもう一つの現実。そういうことなら渡した名刺も多分そのままなのだろう、煙草の箱も空になっていたし。
さてどういう感じでやってくるのか少し楽しみだった。]*

(23) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 21時半頃

【人】 地下軌道 エフ


 なんだその反応。
 会うのはこれが初めてじゃないだろ。

[あまりのリアクションに思わず笑ってしまう。
夢で会って以来とはいえ、その前に見せて何度か会っているわけだし、まるで存在を疑われるとは思わなかった。
店といえば、店でのドレス姿や夢での格好に比べて随分と地味な印象も受ける。確かにストリートらしいといえばらしい恰好だが。]

 デート……って感じじゃないな。
 まぁいい、どこに行く?約束通り奢るぜ。

[ポニーテールのせいだろうか少し幼くも見えるか。]

 でも、そういう格好も似合ってるな。

[そう言ってポンと頭に手を乗せた。]*

(25) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 22時頃

【人】 地下軌道 エフ


 ばぁか。

[子供扱いされてムスっとした顔をみせる姿が余計に子供っぽくてハハと笑いが漏れる。
そんなことをいいつつも背伸びをしてこなかったのは”タバサ”ではなくいつもの自分を見せたかったからだろうか。]

 子供扱いしてるなら誘っててねぇよ。
 ……意味、わかるよな?

[そっと肩を抱き寄せる。
腕にすっぽりと収まる感じは───悪くない。]*

(27) JohnDoe 2019/02/13(Wed) 23時半頃

【人】 地下軌道 エフ


 ちゃんと返して貰うからな。
 覚悟しとけよ。

[いつものように醒めた笑みを浮かべながらも、その雰囲気は店で会ったときや夢の中よりも随分と柔らかに。]

 それじゃ、行くか。

[抱き寄せた肩を離して歩き出す。
桜の季節など未だ遠い二月の寒空、もしかしてこの日はお菓子メーカーが潤う日だっただろうか。
そん日に向かった先は───]*

(29) JohnDoe 2019/02/15(Fri) 12時半頃

【人】 地下軌道 エフ


 どうしたんだ急に。

[ロックグラスを傾けて琥珀色の液体を流し込めば、独特な香りを残しながら強めのアルコールが喉を嫉く。]

 まだ、何かあるのか?
 “探し物”なら力になるぜ。

[例の疎遠になってしまった男のことだろうか。もしさとみが望むならその足取りを掴むことも不可能ではない。或いは別の何かかと、少し薄暗い半個室で並んで座るさとみの横顔を伺うと、後ろで纏められた髪を指でそっと撫でた。]

(38) JohnDoe 2019/02/16(Sat) 06時頃

【人】 地下軌道 エフ


 縁起でもねぇな。

[髪を撫でていた指が今度はさとみの耳に触れる。
縁をなぞるように撫でて、耳朶を挟んでふにふにとその柔らかな感触を愉しむ。]

 どっかに行く予定なんかねぇよ。

[もしかしたらいつかどこかで野垂れ死ぬこともあるかもしれないが、きっと自分は最後まで足掻くだろう。例えどんなことがあろうとも、逃げることも自らその命を絶つこともしない。それだけは確かなこと。]

 お前こそ。
 支払い踏み倒して勝手にどこかへ行くなよ。

[そう冗談を口にして悪戯な笑みを浮かべた。]

(40) JohnDoe 2019/02/16(Sat) 07時半頃

【人】 地下軌道 エフ


 俺を何だと思ってんだよ。
 喧嘩は弱ぇんだ、だから攫われんなよ。

[腕っ節に自信はない。自慢じゃないが喧嘩で勝ったことないなんてほとんどない。]

 ま、そうなったとしても。

[スコッチを呷ればピート香が鼻孔に煙る。
空になったグラスを置くとカラリと氷が音を立てた。]

 必ず見つけ出してやるよ。
 ───どこに行ったとしてもな。

[眼鏡を外してテーブルに置く。
カタと音がすると同時に顔を近づけていき、さとみが避けないのなら───そっと唇が重なる。]

(42) JohnDoe 2019/02/16(Sat) 10時頃

【人】 地下軌道 エフ


 どうだろうな。

[今度は肩を抱いて少し乱暴に唇を奪って深く口づける。
落ち着いた、それはどちらのことだろうか。自分は変わったようには思わない。もしも変わっというならそれはさとみ自身のことだろう。誰しも自分の変化には疎いものだから。]

 お前はよく笑うようになったな。
 いい顔をするようになったぜ。

[ふとした柔らかな笑み。
店で見せていない愛想笑いや、無理に作った笑いではなく、自然な笑みを浮かべるようになった。
あの夢の街を経てさとみが変わったのなら、それはきっといい変化なのだろう。]

(44) JohnDoe 2019/02/16(Sat) 12時頃

【人】 地下軌道 エフ

 ん……。

[さとみからの口づけを迎え入れる。
舌先、そして粘膜の触れ合い。より一層深く官能的な大人のキス。
その間にもジーンズの上からさとみの太腿に触れ、それから膝頭を撫でる。もう一方の手で身体を抱き寄せてれば触れ合う面積が大きくなる。]

 スイッチ、入ったか?

[唇が離れれば、男の視線は強く女を求めて射抜くように瞳を覗き込んだ。]*

(46) JohnDoe 2019/02/16(Sat) 15時頃

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