人狼議事


285 【突発誰歓RP】逢魔ヶ時に会いましょう

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【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 何処へ行く用向きもない癖に、
 男は階段の途中に何時までも佇んで
 未練がましく空を見上げていた。

 月もなければ星も見えない、
 昼と夜とを別つマジック・タイム。


   ( 道を選びあぐねたワタシを
      揶揄するような色をしている。 )


 戻ることも出来ず、
 進むことも出来ず。


       斜光の照り込む中、
       …崩壊していく街を眼下に臨んで。 ]

(38) riberio 2018/10/13(Sat) 03時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 考えている。 ]


  ( 臍曲がりなキミはワタシの言葉を
    素直に聞き入れてくれただろうか。 )


[ >>2:268きっと考えていることは
 そう違わなかった( はずだ )、と。

  " キミがワタシを生かそうとするように
   ワタシはキミを生かしたかった。 "

 だからこそキミの頼みごとを
 迷う隙もなく冷酷に叩き切った。


     「 キミが振り向かずに行けるように。 」 ]

(39) riberio 2018/10/13(Sat) 03時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 当然男は知っていた。
 人と人との境目に住み続ける限り、
 誰であろうと" 何かを見つけてしまう。 "


 >>2:180時にはお節介焼きを。
 >>1:238時には寂しがりを。
 >>2:159…そして、明るい星を。


 …そう。だから、
 必死になって何かを捜そうとしているうちに
 彼女だって何かを見つけていたはずだ。>>30

 " 見えないのは目を塞いでいるからさ。 "
          ( …ワタシみたいにね ) ]

(40) riberio 2018/10/13(Sat) 03時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 縁の糸の感触を知っているくせ、
 それを態々断ち切ろうなんて馬鹿は
 自分一人で十分だ。

  " キミの苦しみを理解出来るからこそ
   キミをワタシのようにしたくない。 "

 だからどうか、
 この世界に留まりたいと思わないで欲しい。
 手に入らないものばかり追わないで欲しい。 ]


  言えるわけがないじゃないか。
  …一緒に残ってくれ、なんて。


           [ 生きていて、欲しい。 ]

(41) riberio 2018/10/13(Sat) 03時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 


        [ 考え事の、途中で ]

 

(42) riberio 2018/10/13(Sat) 03時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ >>35不意に声が聞こえたとき、
 >>36…言葉が、聞こえたとき。

 男はハッとして階上を見上げ、
 直ぐに酷く安堵した表情を浮かべた。


  ……それは、
  これまで最も聞きたくなかった言葉で、
  今は最も彼女の口から聞きたい言葉だった。 ]

(43) riberio 2018/10/13(Sat) 03時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  オーレリア。キミはワタシにとって、
  どれだけ離れていても見つけられる星だった。

          …さようなら。元気で。


[ 直ぐに翻された白色の髪や
 隠れてしまった碧色の瞳へ向けた
 反射的な返事に演技は混ざらない。

  ( …きっとこの時ばかりは、
    心の底から笑顔を浮かべていたはずだ。 ) ]

(44) riberio 2018/10/13(Sat) 03時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ >>37去りゆく彼女に声が届いたか。
 それはこもう知るところではないし、
 確認するつもりもなかった。

 白と黒とは二度と並ぶことはなく、
 すれ違っては離れていくばかりだ。


  上と下。
  天と地。  …表と、裏へ。


 やがて硝子のビル群の外へ出る頃には
    少なくとも平静を取り戻しては、いた。 ]

(45) riberio 2018/10/13(Sat) 03時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ ……ただ、
 不意に頬を濡らすものがあって
 出てきたばかりの建物の上階を
        一度だけ振り仰ぐ。 ]

(46) riberio 2018/10/13(Sat) 03時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 




[ 落ちたのは雨か涙か。
  男本人にさえわからない、話。 ]**

(47) riberio 2018/10/13(Sat) 03時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

――― Ending ―――

[ 光源である太陽が姿を消し、
 限りなく影のない状態が作り出され、
 幻想的な光に街が包まれる時間。

 日没直後の僅かなそれを
 マジック・タイム、と呼ぶことがある。


  「 太陽の明かりが消えると同時に
    この世界自体も終わるのだとしたら、
    それはそれで、情緒的じゃないか。 」


 一度ロマンチストを気取ったなら
 最後までそう在ってもいいだろ?

  残り少なな時間を空を見上げて費やしても。
  ( 残念ながら星はやッぱり見えなかったが。 ) ]

(113) riberio 2018/10/15(Mon) 07時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 理由は大したこともない。
 、、、
 したいことだって少なくはなかった。
 ( 何処かへ行くことだってできた )

 それなのに、
 何時までもそこへ留まってしまった理由は

            …… …… ……。 ]


[ 自問自答をする暇も、
 気紛れ起こす時間も、もう、ない。 ]

(114) riberio 2018/10/15(Mon) 07時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 



[  ―――― 星が、降ってきた。>>59 ]
 

(115) riberio 2018/10/15(Mon) 07時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 男にとって、
 この場はすでに舞台の上ではなく
 自分自身が生きている現実だった。

   役者は舞台を降り、
   一人の人間に戻ってしまった。

 そこには真実のみが存在する。
 " 取り繕うことはもう、できない。 " ]

(116) riberio 2018/10/15(Mon) 07時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

      …  オーレリア っ!!


[ 生きて欲しいと願ったのは誰だ。
 帰ってくれと押し付けたのは誰だった?

 願い事を一方的に押し付けておきながら、
 未練は掠れた声になってキミの名を叫ぶ。


          ( 馬鹿だ、ワタシは )


   最後の最期は淡白に別れようと決めていたのに
   キミと目が合ったワタシはきっと、

       …酷く情けない顔をしていたんだろう。 ]

(117) riberio 2018/10/15(Mon) 07時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 逢魔ヶ時に白星がふたつ。
 天から落ちて燃え尽きた。

 残された男は一人、
 崩れかけた街に涙色一粒、落として
   …何処かへと静かに去っていく。 ]


[ 夕暮れと日没の境目、
 闇に飲まれかけた光と影の街で
 ―――― 最後の仕事をするために。 ]

(118) riberio 2018/10/15(Mon) 07時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ ラジオの話をしたのは、確か…
 贔屓にしている店の兎店主にだったと
 この男は記憶していた。

 思い出したのだ。>>0:#1
 不可解な予報がラジオから流れだしたことを。
 お偉いサマからかかってきた電話のことを。

 もしかすると、
 " 電波ならばあちら側に届くんじゃないか? "


 それは単なる思い付き。
 根拠もなければ保証もない。

 でも、沈みゆく街に残った男に出来ることは
 最早これしか残されていなかった。
                  、、、
                ……芝居だ。 ]

(119) riberio 2018/10/15(Mon) 07時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ いつか図書館で少女と出会った頃
 >>0:94聞かれなかったのを好いことに
 男は本のタイトルを彼女に教えなかった。
 ( 内容なんて猶のこと! )

 抱えていたのはいつも、同じ本。
 中身は図書館の本を参考にして
 好き勝手に書き綴った芝居が一本。


  その最初の観客になるはずだった少女に
  " 見せる "ことはできなくなってしまった から ]

(120) riberio 2018/10/15(Mon) 07時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

 " ユニコーンは角と一緒に仲間も失った。
  世界中の何処かにいる自分の仲間たちを。

  だから彼は最後まで幸せにはなれなかった。 "


[ せめて" 聞かせる "。

 男は根城から持ってきた痛んだ本を片手に
 世界が崩壊していく様子を眺めながら、
 不思議な言い回しから始まる一人芝居を始める。

 どこへも届かないのかもしれないし、
 どこかへは届くのかもしれない。
 それとも、誰にも聞こえないのかもしれない。

 それでも構わなかった。
 果たせない約束を此処で果たせるのなら、何でも。 ]

(121) riberio 2018/10/15(Mon) 07時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 街の片隅。
 寂れた電波塔にほど近い高台の土地で
 相応に長い時間を台詞に費やした男は
 最後の一頁に並べられた文字を、 ]


  … それでもね、幸せでなくとも
  " 彼は馬も仲間たちも愛していたのさ。 "


[ 躊躇なく読み切ると、
 それきり本を閉じて放り投げてしまった。

 小々波が寄せては返すように足許で闇が揺れ、
 投げてしまった本の行方はもうわからない。

 それどころか瞼が段段と重さを増してくるから
 男はいつものように口を開き、こう言った。 ]

(122) riberio 2018/10/15(Mon) 07時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 


      ……おやすみ、マリア。


[ インク瓶を倒したように黒色の広がってゆく視界の中、
 無数に散らばった硝子色を見た気がして  ―――― ]*

(123) riberio 2018/10/15(Mon) 07時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 斯くして境屋エルゴットの物語は終わりを告げた。


  誰との約束も果たせず、( …果たさず! )
  一人で満足して消えていくことを選んだ。

           ……望み通りに。
      ( 叶えたかったのは本当に、それだけ? )

 、、、
 だから、 ]

(177) riberio 2018/10/16(Tue) 15時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット



[  ―――― この先は、彼自身も知らない話。 ]

(178) riberio 2018/10/16(Tue) 15時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 彼にもう少し踏み込む勇気があったなら、
 >>2:142扉の中を覗き込んでさえいれば。

 彼の存在を欠いた生家の居間に置かれた写真立ての奥に
 自分によく似た" 弟 "の姿を見ることが出来ただろう。

 金髪の天使の横で幸せそうに、微笑む
 まるで自分のドッペルゲンガーの如きその姿を!

  " 同じ人物が同時に複数の場所に姿を現したとき。
   それは片方の人物の死ぬ予兆であるとされる。 "

 そのあまりの皮肉に冷笑すら零したことだろう。
 人間のエゴイズムにはここまで限りがないのかと。 ]

(179) riberio 2018/10/16(Tue) 15時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ とどのつまり、彼の両親は
 天使に飽き足らず" 彼 "をもう一度作ろうとした。

 何故なら天使はそれ単体では輝かない。
 凡庸な(自分たちの様な)人間が必要だから。

 その結果、彼らはまた同じことを繰り返す。


 出奔した兄の遺伝子情報をそのまま組み直し
 天使とかけ離れた容姿の" 弟 "を作り出した。

 天使になれなかった失敗作を意図的に作り出した。 ]

(180) riberio 2018/10/16(Tue) 15時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ その結果は ――――、
 四角く切り取られた写真が明らかにしている。

 劣性遺伝子の調整のために
 生まれてから長らく入退院生活を繰り返したため、
 白い壁とリノリウムの床が世界の全てで
 外の――ましてや" 裏 "の街になど行ったこともない。

 " 彼 "とは似ても似つかない彼の、弟。
 彼の遺伝子調整の最終ステップが終了する日が、
 奇しくも彼の兄が事故に遭った十月十日であったことは
                 ……誰も、知らない。 ]

(181) riberio 2018/10/16(Tue) 15時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

――― after the end ―――

[ 肌寒い日も少しずつ増え始めたある秋の日。

 休日の午前10時。
 小奇麗に整えられた赤い屋根の家の玄関。
 右手の小指の爪だけを赤く染め、
 眼鏡で" 変装 "した彼は初めて一人で外へ出る。

  行先は言っていない。
  放任気味な父や母は兎も角、…心配性の姉は
  彼がどこへ行く気か告げようものなら
  絶対に着いてくると言いそうだったから。

       マニキュアを拝借したのはつまり、
       彼にとっては約束のつもりだった。

   " 門限までには帰る "――という、自分との。 ]

(182) riberio 2018/10/16(Tue) 15時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 彼には兄がいたらしい。
 、、、
 らしい、というのは
 姉も、彼も兄を見たことがなく
 両親ともその話をしたがらないからで。

 年々増えていくアルバムの中にも、
 家族の団欒の中にも兄の名前も影もない。

 …ただ、
 長い時を過ごした入院生活で一度だけ
 存在を示唆する両親と医者との遣り取りを聞いた。

   " あれは裏の街にいますから "

 見たこともないような母の声と、父の貌とを見た。 ]

(183) riberio 2018/10/16(Tue) 15時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  ( どんな人なんだろう )


[ ただただそればかりを気にして、
 会える日を願って、…過ごして、
 ようやく掴んだチャンス。


          …だけれど、 ]

(184) riberio 2018/10/16(Tue) 15時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 裏の街と表の街の、境。
 あと一歩でも踏み出せば…という場所で
 彼は何となく立ち止まってしまった。

 立ち入れば帰れない、とか
 入ってはいけない、とか
 散々と聞かされてきた場所だ。

 躊躇と警戒が先に立って、
 うろうろ うろうろと境目を行き交う。

     もういっそ、引き返してしまおうか。
     …そんな諦念すら浮かび始めたとき。 ]

(185) riberio 2018/10/16(Tue) 15時半頃

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