17 吸血鬼の城
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― 中庭 ―
大層似合っておりますわ。
[リンダ(>>4;328)にそう返事をしたが]
『見せびらかす気の利いた殿方が近くにいらっしゃらないのが残念ですけど』
[そう心の中で付け足した。少なくても自分が今まだ覚えている中の顔ぶれには]
(3) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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私は貴女達ほど、事態を把握してはいないのだけれど…
[殊更惚けたような、暢気な声を出す]
全ての選択肢は、貴女達自身にありますわ。 それだけは見失わないようになさって下さいね。
(12) 2010/06/23(Wed) 23時半頃
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――ああ、眷属の死には、
墓を用意せねばならないのですね。
[思い出したようにぽつり、呟き]
あれは、短い間とはいえ
我が同族として……逝ったのだからな。
墓くらいは用意してやろうと思っているが。
[呟きに応える
城主の意思は既に影へと伝わっている筈]
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身体の大きく重たい殿方が、 か弱い女二人の手を煩わせて
一人気侭に大鼾――ってところかしらね。
[リンダの問い(>>19)へは具体的な描写を避け、その代わりにトーニャの頭を更に撫でた]
(22) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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あら… し、ろい…
[セシルの影(>>27)が目の隅に止まれば、意識はそちらへ]
トーニャ?
[ほぼ同時に身じろいで怯えた様子の彼女に怪訝な素振りを向けた]
(35) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[苦笑にも似た吐息を洩らす。
情事の名残は其のままに]
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……。
[トーニャの意志は察せずとも、その身体に込めた心の動きを察すれば、彼女に離れず共に墓地へと足を進めた]
あら。
[短い言葉を発したのは、セシルの姿を認めたからではなく、彼が抱えていた躯を見たから]
(49) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[思わず襟でも正そうとしたものの、
両手の塞がるに気づいて、主と同じく吐息を零した]
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私、その人――知っているわ。
[知っているも何もない。散々見てきた筈の相手――なのにも関わらず、そんな事を口にする]
そう……とても腰を低く曲げて――そんなに背丈があった方だったのね。
[誰に聞かせるでもなく、思い出すがまま、口に出していた]
(51) 2010/06/24(Thu) 01時頃
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そう。自死。
[蘇らせる記憶。扉の前で座り込んでいた彼女。その時の自分は彼女に何を言っただろう]
それが自ら選んだ道ならば――
[その言葉をかの人に手向けた記憶はなく、ただ自分の流儀に沿って続く言葉を一人密かに心に埋めた]
その方は――そちらでは弔われませんの?
[代わりというわけではないが、手に抱えられたサイラスではなく、マーゴの事を目の前の男に尋ねた]
(63) 2010/06/24(Thu) 01時頃
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[甘く繰り返された城主の言葉
それは心の奥深くまで沁み込んで――。
いつのまにか其れは真実として心に根付く。
傍に居て良いと言いながら
城主の心は何処か遠く感じられて
女は幾度となく傍にある為の許しを請うた。
無くした記憶の中で一度は抗った女は
仮令記憶を取り戻したとしてももう抗うことはない。
十二年の歳月のうち別の感情が芽生えていたから――]
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正しき弔いを受けられない――そうお思いなら、 仮にも貴方達はホストならば、招いた客人の扱いは最後までちゃんとしてあげなさい。
[セシルの言葉と表情を受ければ(>>68)、...は眉を顰めて、そう窘めた]
他人(ひと)を犯さぬ罪は責めるものではなく、赦すものなのですから。
[無論、それはこの国の神の教えではない]
ゲストとして、求めます。 彼女に、いえ…彼女と同じ扱いを受けている方々に、安らかな眠りを。 墓石に名を刻めとは言いません。せめて土の、下へ。
[そして自分の傷ついた掌を見せて]
それと、後でいいですけど傷薬をいただけるかしら。
[悪戯っぽく微笑んだ]
(73) 2010/06/24(Thu) 01時半頃
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良家の娘 グロリアは、奏者 セシルに「そう。有難う」と薬の手配の礼を言った。
2010/06/24(Thu) 02時頃
[幾度も幾度も囁く言葉。
其の意味を真に理解していなくとも
似た色が惑わせて行くのだろう]
――…
[傍にあれと言う癖に
城主の傍には見えぬ壁が立ち塞がっている。
其処を越えようとするものは
数百年の歳月のなか、現れた事が無く
何時しか己自身ですら、忘れ果てていた]
[悦楽に身を委ね
人を恐怖と憎悪で歪め壊し
満ち足りた其の後に襲う虚無
孤独に苛まれ
消滅の恐怖に怯え
取り憑かれたかのようにまた人を襲う
負の連鎖は
たとえ周囲に薔薇を散りばめようと
埋まる事は無いのか]
[宴の最中であると言うのに
何時に無く胸の内が酷くざわめいている]
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あら、そう。 ではその抱きかかえているその方は、果たしてどなたの慰めなのでしょうね。
[破けた手の皮からの血の香りに反応したセシルを見つつ]
私、宴とは主催が客人をもてなすものと思っていましたけれど、 連れ込んだ客人に興を殊更強請って、 褒美をちらつかせるものもそう呼ぶとは――
[明らかに突然巻き込まれた感じのリンダの顔をチラリと見て]
寡聞にして知りませんでしたわ。
[嘆息した]
(84) 2010/06/24(Thu) 02時頃
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[――愛しいお兄様。
そう口にする事はあれど
私のお兄様。
私だけのお兄様。
そんな台詞を聲に出す事を憚られた。
所有を示して良いのは兄だけだと思っていた。
それを口にして嫌われてしまうのが怖かった。
だから女はただ想うだけ――]
[婦人に向けられた言葉]
[ざわめきのようなものを感じて呟く]
旦那様――…
[立ち並ぶ墓標、その慰めは誰のためのものか]
嗚呼、聞こえている。
[白薔薇の囁きに、溜息混じる聲を零す]
己の――人間の尺度ではかろうとするのは愚かな事だな。
此処を何処だかも知らぬらしい。
たかが食事と、同族の死を同じとするはずが無いだろう。
ひとと我等は違うのだから。
其れとも人は食事のたびに墓を立てるのか?
慰めかどうかなど、愚かなことを問う。
眷族なれば墓に入れる
食事を終えた後のゴミは捨てる
それだけの事だと言うのに。
伝えておけ。
……此処は私の城。
お前たちの世界とは、違うのだと。
[魔の城で人の常識など通用するものかと。
嘲りを含む聲を投げた]
[目覚めたときの昂揚は遠く。白薔薇は憂う]
――…はい、それは。
然りと、お伝えいたします。
[言いよどむような間の後]
……ただ、わたしはふと……
あれほどの同胞の死を、旦那様が見つめておられたこと。
今までそれに気づかずにいたことを、知りました。
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ふふ、御免なさい。 年甲斐も無く拗ねてしまって。 そのヒトは、私の知己。 彼だけでも弔ってくれて、有難う。
[口先とは裏腹に思い描くのは過去の記憶。
神が己を模したヒトを作ったのなら 人を模した存在は――
私を残したあのヒトは、 果たして人だったのか、人ならざるものだったのか]
私にもわかる時が、くるといいのだけれど…。
[自分の中だけで結ばれていく言葉と話と記憶の糸を脳裏に浮かべつつ、そんな言葉と共にセシルを見送った]
(88) 2010/06/24(Thu) 02時半頃
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――…嗚呼
[何の事かと、ふと思い出す]
もう、数えることも止めてしまった。
あれは……宴に招き眷族としたもの
街で浚い、血をわけたもの……
眷族を幾人か傍においた事はあったが
皆先に逝ってしまうのでな。
[眷属とした者の死に心は痛んだけれど
死は人であった頃の記憶と近くて
触れることを出来るだけ避けていた]
――…私も死んだら其処に眠るの?
[城主と白薔薇の聲にことりと首を傾げる]
出来ることなら……
私は海の泡になりたいわ。
[見たことない青を思いながらそんなことを呟いた**]
――……ただそれが、
とても寂しいことだと思ったのです。
[並ぶ墓標をみやれば、
主が声に応えるように呟いた]
……お前は……どうだろうな
此処に眠るは、眷族ばかり
幾度も私と交わったお前は、若しかしたら
純血の我等と同じく
灰となり消えるのかもしれぬ。
[幾度か見た、同じ純血の一族の死
最後に立ち会ったのはもう思い出せぬほど昔]
嗚呼、だが私のローズ
死ぬなどと……お前まで私を置いて何処へ行くのだ**
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