[フェンスを登り、ルーカスの前へと飛び降りる。
右足に激痛が走ったが気にもせずに、ただ、―――抱きついて。
ぎゅう、と、力を込めなければいなくなってしまうとでも言うように]
……っ、わた、し、っやっぱり、消えたくない。
ごめん、かんたんに、そんな、ことっ、言って、……ごめんなさい。
[押し付けた顔。溢れ出す涙を見られたくなかった。
押し殺そうとしても無理で、声は震え、言葉にもならなくて。
しゃくり上げる。あごの先から、涙がぽたぽたと零れ落ちた]
……いっしょに、いたい。……いたいよ。
[消えない罪悪感と、悲しみと、――離れたくない、気持ちと。
そして、ルーカスがここにいることへの感謝。メアリーへの想い。
それ以上何も言えずに、ただ嗚咽だけが漏れた。
会長、会長、と、何度も存在を確認するように、呼びながら*]
(165) soranoiro 2010/08/15(Sun) 07時頃