17 吸血鬼の城
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>>91
狂気へと至る道は如何程に?
[狂気を自覚した女はなるほど、 正気であらば耐えがたいものを手放したのだろうと、 思考を繋ぎ、続く言葉に白薔薇はゆるやかに目を細める]
己が罪人たる自覚があるのならば、 ――裁きを待つが、よろしいのでは?
[たどたどしい指先の紡ぐ旋律、 謳われるその歌詞に白薔薇は小さく嘆息する]
それとも 慈悲を お求めか
[天上の青は憐れみ深いその眼差しを女へと落とす]
(95) 2010/06/25(Fri) 02時半頃
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[その声音は甘く、優しく]
ああ、もう限界なのでしょう? なんて苦しそうな声……おかわいそうに。
我慢など、 なさらなくてもよろしいのですよ? 加減さえ、間違えねば良いのです。
あまり渇きが酷くなってしまってからでは……
嗚呼、本当に
加減を間違えてしまうかも しれませんよ?
(*31) 2010/06/25(Fri) 02時半頃
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お褒めいただき嬉う存じます。 ……旦那様、私はもっと己の魔を深くしたいのです。
深く、深く。
忘れてしまえるように。
[それが唯一つの絶望を忘れる縁。 白薔薇は憂いのため息をひとつ]
(*33) 2010/06/25(Fri) 02時半頃
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>>100 [女の歌が止まれたば、手袋を外した。 鍵盤を這う冷たい指先は彩るように低音を奏で、時折女の指に触れ重なる]
逃避と幻想
救いと狂気
置き去りにされた生存者―――
[ふと、己の記憶にも重なるその言葉、呟けば、 浮かぶのは誰の顔だったか――乱れる心、かすかな薔薇の香]
(104) 2010/06/25(Fri) 03時頃
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>>102
それは……また、
[言葉を聞けば白薔薇は微笑う、 少しだけ愉しげに微笑って]
頼もしいこと、 あなたはどのように我が身を裁かれるおつもりか。
どのような罰を持って、我が身を裁くというのです。
[女の指先が、かたちのついた旋律を 奏で始めれば、白薔薇はその手を引く]
救いがたき罪に、もたらすべき罰とは?
[女の双眸を覗く、天上の青]
(107) 2010/06/25(Fri) 03時頃
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[眷属が呟く声には微笑う気配]
――……旦那様、
[その許可の言葉に、白薔薇の声音は震えて、 今しがた、女の呟きに乱れた心が、ただ闇の救いを求める]
とても……とても、 ありがたく、存じます――…
(*37) 2010/06/25(Fri) 03時頃
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>>113 [女が口ずさむ、 同じ傷を負うことを願うその詩句を。 置き去りにされた罪深き者――
白薔薇はただ、それが選ぶ選択に興味があった。 告げられた言葉に、ふと赦しの言葉を思い出す]
――自分からは死なない。 つまり、自死を選ばずに生きる。
それが、罰だと仰られるのですか?
[しかし問いに答えは返らない]
(117) 2010/06/25(Fri) 03時半頃
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[それは魔の聖堂にて響くには、 いささか不釣合いなほど甘く切なげな旋律。
けれど白薔薇は恋など知らず、 淡く、少年の日、年上だった彼女を思い出せば、 あとはただ、残された我が身を思う。
ひと時だけでも救えたのかもしれなかった友人を、 憎しみのようなものを残していったあの男を、 そして立ち並ぶ墓標に知った深い孤独を思って――]
お役に立てたのでしたら、何より。 ――あなたに慈悲が訪れますように。
[彼女には届かないと知りながら告げて 白薔薇は御堂を後にした――狂気の揺り篭を手にすべく]
(122) 2010/06/25(Fri) 04時頃
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―最上階・城主の間― [御堂を出れば、白薔薇はただ思いのままに駆け出して、 振り乱される髪もそのままに、城主の間へと向かう。 その扉が己が為に、開かれているはずだった。]
―――……、 もう、忘れてしまいたいのです、
死することなど適わないのなら、
己の心乱す記憶など――……
[震える声音の白薔薇、天上の青は濡れた眸に雫を浮かべて、 部屋が主に縋るように闇の褥へとその手を伸ばす**]
(126) 2010/06/25(Fri) 04時頃
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[深い憎しみの爪あとがある、 けれど対象を失ったそれは、どうしたことか痛むのだ]
(-41) 2010/06/25(Fri) 04時半頃
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[蝕む絶望は深く]
翼を、
――私にお与え下さい、旦那様。
[こんなにも求めたことなどなかった。 それは、救いを求める祈りにも似て非なる。 白薔薇には宵闇の他、縋るべきものはない。]
(*39) 2010/06/25(Fri) 04時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/25(Fri) 04時半頃
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―最上階・城主の間― [濃厚に満ちる魔の気配、白薔薇は招かれるまま 歩み寄れば、屑折れるように主が元に、縋りつく]
……はい、 ありがたく頂戴いたします。
[畏怖と崇拝、どこか惧れを伴ってた主が傍らが今は酷く安らいだ。白薔薇の素肌が宵闇に抱かれる、まこと高貴なる血の香り、本能のままに薔薇が棘をさらけ出せば、魔の口唇が皮膚を掠める]
―――ッ、 生まれ 変わる……では、 今度こそ、本当に終わるのですね、 この ゆめ が………
(137) 2010/06/25(Fri) 13時半頃
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―――ぁ くッ……
[掠めたものは忘れたいと願ったものか、 それを手放すべくここにいるというのに何故であろう。 幸せ、不幸せ、狂気より醒めた女の言葉、矛盾。
過ぎる想いはけれど一瞬、 巡る血の齎す官能に、はしたなくも薔薇は啼いて堕ちていく]
(138) 2010/06/25(Fri) 13時半頃
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[呪いのような甘き囁き、 幾度も聞いた彼女への言葉が、今は己に向けられる]
――……、旦那様……
[昂揚に思考を霞ませたまま、白薔薇は不思議そうに首を傾いだ。 未だそこに残る枷のしゃらりと鳴る]
………同じ、翼を
[白薔薇は天上が色を映したその双眸を滲ませて、 嬉しげに微笑み、まどろみの中へと耽溺すれば――己が目覚めの時を待つ]
(*41) 2010/06/25(Fri) 14時頃
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奏者 セシルは、闇のまどろみの深くに堕ちれば、ただ目覚めの時を待つ**
2010/06/25(Fri) 14時頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/25(Fri) 16時半頃
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[白薔薇は恐らく初めて人を憎んだ。
信仰と祈りを礎となし、善美を求めたその心の博愛、 それは生ける者に区別なく平等に齎されるべきもの。
無為なる日々の中、罪を犯しながら己のあり方を捨てられぬ。 自死に至らなかったのは、己の本質に染み付いた嫌悪より。 既に信仰も祈りも失くしたのだから、形だけ戒律に沿うても意味などないとわかっているのに――そう、どこかで捨てきれぬ何かがあった。それが己の血ゆえかどうかは、知らない。
罪深き優しさ。案ずることも優しく接することも、それはそのように造られているのだから当たり前のことなのだ。本質を失った紅茶のように、優しいだけの欺瞞。
けれど、白薔薇は初めて人を憎んだ。]
(*44) 2010/06/25(Fri) 18時半頃
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[そして憎しみという糧は白薔薇を生かした。 対象が失われれば行き場のない感情だけが残った。
―――ただ、それだけのこと]
(*45) 2010/06/25(Fri) 18時半頃
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[それが目覚めるは闇の中]
(141) 2010/06/25(Fri) 18時半頃
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[瞬き思い目蓋を開ければ、くらり、思考は揺らいだ。 確かに何かが欠けた気がする、何が欠けたのだろう。わからない。わからないと思ったけれど、わからないと思う己自身がわからない]
――……あ、わたし は……
[ゆると、顔をあげる。高貴なる魔性の血色の眸を探す。 ただ、その声だけを覚えている]
私は、白薔薇 ――あなたの白い薔薇……
[躯を何かが脈動している、それは時に己自身を引き裂きそうなほど。強い魔の血、同化を拒絶する祈りの血が己の中が蠢いている**]
(143) 2010/06/25(Fri) 19時頃
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―最上階・城主の間― [髪に触れた指先から、甘い囁きから いばらのように絡みつく、呪縛――
天の青は闇の血色を見つめ 黒い夜着に触れようと、白い指先の伸びる]
愛しい方―― 私はあなたの為だけに咲く、薔薇……
[目覚めた魔性は夢見心地のまま、微笑んで]
――ええ、 あなたが為に誰よりも美しく咲きましょう、 我が身が深紅に染め上がるまで……
[そして、白き薔薇は、 己が花弁を染める贄を求めて、紅の月下へと]
(149) 2010/06/25(Fri) 20時半頃
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―――ああ、硝煙とネズミの匂いがする。
[厭わしそうに呟いた**]
(150) 2010/06/25(Fri) 20時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/25(Fri) 20時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/25(Fri) 21時頃
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―霧の中― [玲瓏たる捕食者は獲物との距離を縮めている、 纏うは風に乗る薔薇の香、その気配は魔性のもの。 前よりも、深く濃い闇の気配――]
ああ、……
[口唇が弧を描く、獲物を甚振る猫のように]
(158) 2010/06/25(Fri) 21時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/25(Fri) 21時半頃
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―城門前― [気配は3つ――、 1つは同胞。 とりあえずの獲物は、硝煙をまとうネズミ。 薄れ始めた霧の中――白薔薇にはそれが視得る]
――――…、ああ
み つ け た
[小さな娘を見つめて、天使が如き微笑みを浮かべる。 しかし眸の青は蒼穹を示さない、 煌々と輝きを持ったそれは裁きにも似た雷鳴の青――
ローズとドナルド、 2人の姿など気にも留めず、弄るがようにゆっくりと歩みを進める]
(168) 2010/06/25(Fri) 22時頃
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/* 薔薇は美しく散るべきだよね! と思ったので、やっぱり死ぬ方向でいこうかなあ。
性能チートすぎるけど、肉体強度とか力はヒトよりある程度。
(-53) 2010/06/25(Fri) 22時頃
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[ふと、歩みを止める。 確かなものは唯一つ、あの方のこえ]
[あの女の手で、あの男を眷属にすること]
――……命に、背くと?
[白薔薇の眼差しは、冷たくローズマリーを見遣る]
……使えぬこと。 こちらの戯びが終わったら、
手伝ってさしあげても、よいですよ?
[くすり、と笑みを浮かべれば、娘へと向き直った]
(175) 2010/06/25(Fri) 22時頃
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[名を呼ぶ声には訝しげに首を傾げる]
――なんですか、それは?
私の名は――…… いえ、ネズミに名を名乗るなど、勿体無いですね。
[青はただ蔑むような眼差しで娘を見下ろす]
さて、どのように甚振ってさしあげましょう。
[そしてにこりと微笑んだ]
(182) 2010/06/25(Fri) 22時半頃
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奏者 セシルは、対たる者の気配に―――ふと、一度振り返る
2010/06/25(Fri) 22時半頃
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[女の――ローズマリーの言葉にも、 なんら揺れるものを見せずに白薔薇は、怯えたような気配の娘にくすくすと笑う]
なんのこと? わたしは最初からあの方のもの――あの方の薔薇。
[ふわり、漂う薔薇の香]
逃げないのですか、捕まえてしまいますよ?
[足の竦む娘にそのまま手を伸ばし、 白い手袋のその手は細い首筋を軽く握ろうと]
(188) 2010/06/25(Fri) 22時半頃
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[ふ、と首を傾ぐ。娘の後ろに近づいた気配。 その銀の枷を見て――白薔薇は、ああ、と薄笑いを浮かべた]
従者風情に、 呼び捨てにされるいわれはありませんが。
……ああ、なんといったか、そう。 私と対の名を持つ者……、邪魔をしないでいただけます?
[ゆるりと笑めば、薔薇の香気は強く。主にも似た闇の気配が、漂う]
(192) 2010/06/25(Fri) 22時半頃
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[伸ばしかけた手に、小さな衝撃]
―――…ッ、
[一度手を引けば、白い手袋を切り裂いて ぱくりと割れた赤い傷跡が手の甲に――それは白を濡らし]
……ああ、あの方からいただいた血が。
[見下ろせば、ふ、と哀しげに呟く]
(196) 2010/06/25(Fri) 22時半頃
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[その哄笑に、己が手から視線を外し、黒薔薇をみやる。 娘の姿はすでに目に入っていないかのように、怪訝にそれを見つめて]
……どうなさったのですか。
なにがそんなにおかしいと言うのです。
[見つめる瞳には冷ややかな怒りの篭る、 しかしその呼び名を聞けば、とくり 鼓動が乱れて]
おやめなさい。
笑うのを、おやめなさい――。
[傷ついた手袋を脱ぎ捨てれば、 その手は黒薔薇の頬を打つべく宙に振り上げられ――]
(202) 2010/06/25(Fri) 23時頃
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――……フロレスク、
[呟けば欠けた記憶が揺れる、 祈りの血は脈動する、ふるり首をふれば 血濡れる手でこめかみを押さえて―――
ああ、けれど
そのものに反論をすべく記憶は――もはや何もない。
なにも]
(211) 2010/06/25(Fri) 23時頃
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