17 吸血鬼の城
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―書庫―
[屍骸が完全に目の前から消える 城主は漸く顔を上げた。 ぞっとするほど整った相貌には、深い虚無を映して]
如何して? それは私の台詞だ。
下らぬ事を問うのは何故だ。 記憶を取り戻したなら、私が憎くは無いのか?
[肩を竦めて首を振る。 僅かに血のにおいが漂った]
(56) 2010/06/25(Fri) 01時頃
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>>50 ……お願いだから……それ以上、近づかないで……っ!
[逃げるように寝台の背もたれまで下がり、ぎゅっとシーツを握る。喉から手を離せば、何時も姉の形見を着けていた場所には火傷を負っていて。苦しそうに息を吐くのは火傷の所為か、それとも喉の渇きの所為か。]
(57) 2010/06/25(Fri) 01時頃
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−墓場−
……死は、救いなんかじゃァない。 ただ朽ちて終わる、それだけの話だ。
ヒトはいずれ死ぬ。 吸血鬼は生き続ける。 そもそも、時の流れが違う。
そーいや、先代のボスは言ってたなァ。 『不死の身体が欲しい』、って。 ……その3ヶ月後に、流行り病でぽっくり逝っちまったけど。
[煙の向こうにある墓石を見つめて、呟く。]
なあ……永遠に生きてンのと、どっかでくたばっちまうのと、どっちが幸せなんだろうな。
俺ら人間は、どっちかしか選べねえようなんだ。
(58) 2010/06/25(Fri) 01時頃
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執事見習い ロビンは、鞘に納めた銀のナイフを、左手の指で弄っている。
2010/06/25(Fri) 01時頃
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― 書庫 ―
[美しいひと。 初めて出逢った時と同じ事を思った。 城主から滲む虚無をさびしいとも思う。
魅せられたのは何時からか。 そんな事を考えていれば亜麻色の髪がさらと揺れた]
私にとっては大事なこと、なのに。
[僅かに拗ねるような音色]
哀しいと思ったことはあるけれど 憎いと思ったことは一度もないわ。 ――…憎まれているのは私の方だと思ってた。
(59) 2010/06/25(Fri) 01時頃
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ピアノなら手習い程度――ですけど別物でしょう。 少しでいいから、教えて下さる?
[今の彼女は、かつてセシルが演奏していた時の記憶も持ち合わせていた]
大切? どうなのかしら。
[大切な記憶かと問われれば(>>54)自分でも良く判らない、そんな顔をする]
記憶って、大切なのかしら。 忘れていた方がいい事もあるし、覚えているからこそそれに囚われて前に進めない事もある。
無くしてしまった記憶なら、 無くすだけの理由があった筈。 奪われたのでなく、手放したのであれば――
そんな記憶にどれだけの価値があるのかしら。
[本当に聞いているのは自分自身。それでも自然と口を開いて答えていた]
(60) 2010/06/25(Fri) 01時頃
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― →玄関エントランス→墓場 ―
[とうとうと歩みを連ねエントランスにまで辿りつく。 重たい扉まで歩けば、後ろを振り返った。 このまま帰れるわけでもない、恐らく友人らとはまた会える。 ベネットがイアンを―それは無い、と信じたかった。 根拠もない妄信を胸に抱えて扉を開く。
外は相も変わらず霧が四方を包み、寒さが人の身を包む。 新鮮な空気、のはずなのに何故か生ぬるくて息を吸うのが嫌になった。 そして男は城の周りを歩きだす。
城の裏手、墓場で十字架に囲まれた黒の執事>>58の背中を視界に入れるのはそれからすぐのこと。]
…選べる立場にいる人間は、幸せだと思うがね。 あんたがどっちを選びたいのかはしらねーけど。
随分雰囲気変わるな、敬語じゃねーと。
(61) 2010/06/25(Fri) 01時頃
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[扉の外から、去る気配があった。 呼び止めようとした時には、彼は移動してしまったか。>>56
目を戻す。 シーツを掴む友人の姿が――ああ、辛い。そして、喉元に見えるのは、火傷の跡。
友人は吸血鬼になった。
その事実を反芻して、己の首筋を一度なぜる。溜息を吐いて、壁から身を起こした]
火傷、どうするんだ。 放っとけば治るのか?
[向かうのは友人の元ではない。床に転がったネックレスへと、手を伸ばそうと]
(62) 2010/06/25(Fri) 01時頃
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小悪党 ドナルドは、執事見習い ロビンに「先代のボスだなんだと物騒だな。」と続けて
2010/06/25(Fri) 01時頃
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あら、御免なさい。 話が逸れちゃったわね。
[...は軽く謝った]
ただ、不意に御堂を見て、パイプオルガンの音を思い出したら、沸いてきた記憶だっただけよ。
だから機会があれば――なんて思っていたのは、いつが最後だったか……覚えていないわね。
[軽い嘘。最後はあの日、全てを失った日。あの日、彼女は自分自身すら失ったのだ。
ただ独り、取り残されたと認めたくなかったが故に]
(63) 2010/06/25(Fri) 01時頃
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−墓場>>61−
[くわえ煙草のまま、声のする方へとゆっくり振り返る。 その声の通り、敬語という仮面を外した従者は雰囲気が違っていた。眼鏡も無く、腕には黒薔薇のタトゥーが刻まれているのがありありと分かる。
ひとつだけ違わないのは、全身を包み込むような、城の従者らしからぬ強烈な殺気。]
……あァ。 アンタか、「紳士」さん。
(64) 2010/06/25(Fri) 01時頃
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―書庫―
……私が憎んでいたなら お前の居場所は、あの墓場となっていただろう
ローズマリー
[血の色をした瞳に、流れる亜麻色が映る。 太陽でも直視したかのように顔を歪めた]
お前を傍におくのは、心地好かったぞ。 私が選び、摘んで来た美しい薔薇のひとつ。
(65) 2010/06/25(Fri) 01時頃
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>>64
[思わず男は引き攣った様な笑みを浮かべる]
あらら。雰囲気違うどころか、ソッチが本職サン? [そこでやっと腕を這う黒い薔薇に気がつく。 先ほど浮かんだ笑みはすぐに消えてしまう]
……あんた、マフィアの黒薔薇、か。 いつの間にか消えた、ってぇ風の噂は聞いたが こんなところにいたとは。
(66) 2010/06/25(Fri) 01時頃
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−墓場−
物騒もクソもねえよ。 元よりこれが俺の素性さ。 ただ、ここの城にゃ似合わねえから使ってないだけの話だ。
……驚いたか? ま、アンタは敬語だとあっちの方が縮み上がるようだから、アンタに合わせて暫くこれで喋ってやるよ。
[笑みが消えた男の片目をじっと見る。]
ああ、ご名答。 俺は、「ブルーノ卿」の「息子」さ。 もちろん血を分けてない方のな。
[先代のボス、と彼が告げた者の名を出した。]
ちょっとした気まぐれって奴で、今此処にいるのさ。
(67) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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>>60 ――ええ、もちろん、構いませんよ。 どなたかに演奏を……というのも、 とても久しぶりですので――上手にお教えできるかはわかりませんが。
[そして、ふと、この廊下を かつて友人と共に歩いたことを思い出す]
過去は己の礎をなすもの。 記憶が存在を作り上げる、といっても過言ではないでしょう。
もっとも欠落もまた、己の一部なれば―― 手放そうが、奪われようが、逃れらぬものなのかもしれませんね。人は空洞を意識するものでしょう。
[あるいは、それは人ならざる魔も同じと、口には出さず思う]
手放した記憶の価値―― 手放すだけの理由があったのならば、大切であろうとなかろうと。 それは自身にとって何事か、重要であることには、代わりはないのでは?
(68) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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[憎まれていた訳ではないと知れば過る安堵。 歪む城主の表情を認めれば女はゆらと立ち上がり ゆっくりと、僅かに覚束ぬ足取りで彼に歩み寄り]
貴方が時間を与えてくれようとしたのに 怯えて拒んで……貴方を傷付けて…… ごめんなさい……
[白く儚い手が、城主の頬へと伸ばされる]
私も貴方の傍が心地好かった。 傍に居てくれる事が、嬉しかった。
(69) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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執事見習い ロビンは、小悪党 ドナルドに、「おひとつどうぞ」と、おどけた仕種で、煙草を差し出した。
2010/06/25(Fri) 01時半頃
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[歩きながら、思う。...は思い続ける]
(倦んだ永久の主は、 人の感情を獲る事を以って退屈への糧とする。
―――今の私はかの主のお気には召さないことだろう。)
[居もしない獣を狩るべく、目的が適う事など無い復讐者を気取って、記憶と真実を拒絶してきた気違いを以って、自分を保たせてきた。そんな自分だからこそここに招かれたのだろう。見世物としては適当だった。]
(けれども……
目を背けていた事に気付き、忘れたいものを忘れられず、 正常を心に押し付けられれば、
――私に、先はない。
"冷めた"ことで、持ちえる筈の深い絶望や諦めすら、既に置き去りにしてしまった。 そんな人間、餌としても果たして美味いかどうか……)
(70) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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>>62 ……イアン、さん…… いつまでも我慢できそうに無いんだ……お願いだから、早く部屋から出て……咬みたくないよ……
[声を絞り出して訴えて。シーツの上にぽたり、透明な雫が落ちて広がる。]
あ……
[先ほど鎖をちぎって投げてしまった、姉の形見の銀の翼。]
火傷……分からない。わからないよ……っ、
[また渇きが襲ってくる。]
……イアンさん、……それ。持ってってください……僕には……もう、触ることすらできない。 きっと、姉さんもイアンさんなら許してくれるから……
(71) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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―書庫>>69―
可笑しな事を言う。 確かあの時…… 人を喰らう事を頑なに跳ね除けていたのでは無かったか?
[先刻のベネットの様子に重なる。 望んで受け入れるものなど、ほんの一握り。 欲しいモノは無理矢理に奪うのが常。 与えられる事に不慣れな城主は 伸びてきた手を避けるように、ひとつ後ろへ下がった]
魔力を分けた相手だ 傍に居れば心地好いのは、当然のこと。
(72) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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>>67
[己に合わせた言葉遣いで、という元マフィアに そいつは有り難ぇこって。 と居心地の悪そうな表情で告げる。]
へーえ。 ちょっとした気紛れで組を抜けられるほど 家族の団結ってやつは緩くないと思ってんだけどな。 あんたは、有力な―何て言ったらいい、始末屋か? それだったらしいし。
[男は正直に言って、この元マフィアとの距離を測りかねていた。 マフィアは相手にするのは面倒臭い相手だと認識していたから余計 接し方というのを探しあぐねて。その思いは表情にでていたかは判らず。 ただ元マフィアの刺青は男の興味を充分に惹いた。 自然と目線は腕へと集中する]
(73) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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――食事の間――
[中庭でセシルに示唆され、グロリアの言葉と意思を受けたことで。自分に何ができるか、何をしたいのかを考えた]
『ヘクターの仇を討って、この城を出る』
[そう出来れば最善――けれど、非力な刃が魔物に届くとは到底思えない。 ヘクターが視た自分のトーテムは卑弱なスナネズミで。 それは、怯えて逃げ回るだけの自分を象徴するように思えたけれど]
――それでも、スナネズミにも立派な牙と爪があるんだよね。 [両腕に浮かび上がった紋様に視線を落とし、人狼の牙に手を触れる。それは、大切な人がくれた力。 スナネズミに与えられた、ささやかな武器だ]
(74) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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>>73 ――いいえ、 とても興味ぶかいお話でございます。
[御堂はすぐそこ、ステンドグラスは飾られど、 そこに7色の光導く陽光はない。]
ええ、そうですね。 何かの切欠で思い出す、ということもありますね。忘れていたつもり、の何かを……
[>>70 どこか思い耽るような婦人、 その横顔を見れば、白薔薇は薔薇がごとくに沈黙する]
(75) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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記憶が存在を作り上げる――ね。
[(>>68)そうだとすれば、あの人を失ってからの自分はどんな存在だったと言う事か]
なくしてしまえば…… そう、なくなってしまえば……
きっと不幸で、幸せだったのよ。
[矛盾したことを平然とその薄い唇から漏らす]
生きていたのだと思う私と、 生きていなかったのだと感じる私。
生ける屍人――なんて気取る気はないけれど、 そうねぇ。
[自分の心の中だけの思い出をなぞって喋る...は正気であっても十分に異質だっただろう]
もっと賢ければ、もっと強ければ、違ったのかしらね。
(76) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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小悪党 ドナルドは、執事見習い ロビンに「……これはどうもご丁寧に」と微妙な表情をしつつ一本受け取る
2010/06/25(Fri) 01時半頃
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>>71
[ベネットの言葉にゆっくりと頷きつつ、屈んで銀の翼を手に取った。 許してくれる――苦しむ友人の声が聞こえる]
一応、聞いて良いか。 俺がこのまま部屋を去ったとして、お前、どうするつもりだ? 吸血鬼の渇きは、耐えようと思えばいつまでも耐えられるのか?
[まだ身は起こさない。 シーツを掴む彼と、同じ目線になるように]
俺はな、良かったって思ってるんだぞ。 ミッシェルに続いてお前まで死んだら――死んだら、話すら出来ないんだからな。
(77) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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あ、別に少しの時間で上手に弾きたいなんて思ってはいないわ。
[...は童女のように笑った。かつてそれと共に見せた気の触れた素振りは既に潜めていたけれど]
ちょっと、触って満足したいだけ。
[リクエスト曲はStabat Mater(スターバト・マーテル)。聖母マリアの悲しみを共に偲び、苦しみを重ね合わせることで神の恩寵を請い祈る歌]
(78) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/25(Fri) 01時半頃
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−墓場>>73−
さっきも言ったろ? 俺は「ブルーノ卿の息子」であって、今のヨアヒムの豚野郎の息子じゃァねぇ。おまけにアホみたいな御家騒動まで勃発しやがってなァ……。
……って、まあいい。それは重要な話じゃあねえ。
まだ俺がファミリーにいたころ、偶然見ちまったのさ。この城で、吸血鬼がヒトの首噛んで血を吸う所を。
それが俺がここに来た理由だ。
(79) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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― 書庫 ―
私は人だったから…… 同じ人の命を奪うことが怖かった。 けれど、私は変わってしまった。 貴方と同じ魔の者になった。
[伸ばした手は城主に触れる事が叶わず 何処か残念そうな表情が過った。 理由を示されればふるりと首を振り]
それもあるかもしれない。 けれど……、それだけではないの。 私に触れられるのは、いや……?
[諦めず触れようと離れた一歩を埋めて手を伸ばす]
(80) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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私のしたいこと――……私の出来ること。
[出来ることは――魔物たちの隙をつき、この城から逃げること。 したいこと、後のことは――それから考えれば良い。 此処を出られれば時間は幾らだってあるのだから] ……よし、はじめようか。
[食事を終え、ぱんと頬を叩いて気合を入れる。 城主や召使達に脅されれば、すぐにへし折れてしまうかも知れないけれど。
それでも、目を瞑って待ち続けても悪夢は醒めないから。 誰かが手を差し伸べてくれるのを待つだけの、自分が嫌だから。
少女は立ち上がる]
―― →グロリアの客室へ――
(81) 2010/06/25(Fri) 01時半頃
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>>79
それのどこがここに来る理由になんだよ。 [思わず突込みを入れて]
吸血鬼に憧れた、から?吸血鬼になりたくて、 だから元マフィアのあんたが従者やってんのか?
それぐらいしか思いつかねーんだけど。
…んでさ。その話ししながらでもいいから、刺青見せてくんね? さっきから気になって気になって。 [そう言って、男は黒い薔薇を指さす]
(82) 2010/06/25(Fri) 02時頃
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―書庫―
ひとの記憶が戻っても……人を喰らうに躊躇はせぬと? それでは、お前の苦悩する顔が見れぬではないか。
[曇った表情を見遣り、一度首を振る]
……好きにするが良い。
[距離を埋められると僅かな溜息を漏らし 瞳を伏せた]
(83) 2010/06/25(Fri) 02時頃
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>>77 ……。
[泣きそうに顔をゆがめる。シーツから手を離して膝を抱え]
……分かってるよ……いつまでも耐えられるものじゃないって…… でも、嫌なんだよ……あいつらの言う通りになるのは、姉さんを喰ったバケモノと同じように……血を、飲むのは……
[死なないでよかったと、その言葉はうれしかったけれど――その代わりに得た代償は、大きい]
(84) 2010/06/25(Fri) 02時頃
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[>>78 あどけなく笑う女から、 伝えられた曲名にはひとつふたつ瞬いて]
……それは、また楽しい曲、からは遠いものですね。
[御堂へ足を踏み入れれば、 そこは暗い七色の降る空間――
魔性の城の聖堂で、白薔薇は女に向き直る。 それは懺悔を問うが如くに]
悲しみにくれる聖母――
悲しみがあなたの、手放された記憶? 賢ければ、強ければ、と後悔に似た何かと共に。
[薔薇の香はかすか、青は静かに見下ろして]
(85) 2010/06/25(Fri) 02時頃
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