人狼議事


17 吸血鬼の城

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――…灰に、なる?


[城主の聲に首を傾げてしまうのは
死して灰になった者を知らぬから]


お兄様と同じなら、
   それも良いかも知れない。


[想いが知らず聲となり――
けれど紡がれた聲の、その響きに女は微笑む。
嗚呼、まだ居て良いのだと、そんな事を感じながら]


お兄様が行くなと言って呉れるのなら
私は何処にも行かない。
若し、身体が灰になってしまっても、魂はお兄様の傍に。


[白薔薇の呟きにゆるく瞬く]


セシル、貴方は……
私が刺される事を望んでいるの?

それとも……
貴方が私を、刺したいと、そう言っているの?


[――海の泡。


この名の語源を語ってみせたのは誰だっただろう。


ツキ、と女のこめかみには小さな痛み**]


 可愛らしいことを言う。


[ローズマリーの囁きに篭る想い
純粋な魔たる城主には存在しない思慕というもの
向けられるのはこそばゆくもあり、柔かに笑みを返す]


 其の美しい髪が
 愛らしい貌が
 見れぬようになるのは……厭だな。

 お前は此処に居れば良い
 行く先など、他には無いだろう?


[行くな、と言う言い方をしない。
惑わし、逃げ道を塞いでおく
そんな方法しか、知らぬ故に**]


[ 呟きは無意識のもの
聞かれていたことに、それは目を眇める]

 まさか、そのようなこと。

    ……ただ、童話を一つ思い出しただけです。

[儚い人魚の――人ならざる者の御伽噺]

 お嬢様を刺して、

   私が「戻る」ようなこと、あっても困りますでしょう?

[童話の道理は現実にはない、
からかうように囁いた]


[城主の言葉に女の貌が綻ぶ]


愛しいお兄様――…

私は此処に居ります。
お兄様のいらっしゃるこの城が私の在るべき処。

――…若し、他に行く先が在ろうとも
私はお兄様の傍に……


[逃げ道を塞がずとももう逃げる気などないのに。
傍に居たい、それは本心であるのに。
伝わらぬもどかしさを感じながらも
女はそれを伝えようと言葉を重ねた]


[白薔薇の言う童話の一つを女は知っている。
此処で童話を読んだ記憶もないのに
話の内容はおぼろに残っていた]


――…戻れるか如何か試してみる?


けれどそれなら……
お姫様が貴方で、私が王子様かしら。


[困るとも困らないとも言わず小さく笑う。
胸を深く刺されれば簡単に死ねるだろうか。
それでも今は――置いて逝く心算はないのだけれど]


[白薔薇が声、それに感情は伺えない]

  試しても、よろしいのですか?

[人たる身であれば、
冗談でも言わぬだろうことを紡ぐ。
ぬくもりを失った心に残る感情は、負たるものばかり]


 ――ああ、でもそうでした、
 それでは役割が逆でございますね。

 正しき役割であらば――私は既に刺された身、でしょうか? 

[やわりと微笑う音は途切れる]


――…………。


[良いとも悪いとも言わなかった。
ただ長い沈黙だけが落ちる]


 嗚呼……


[柔かな女の甘い囁き
其れが偽りだと、己が人としての生を奪った結果だと
知っているのに、空虚な胸がひととき塞がる心地]


 愛しいローズ
 お前はお前の望むとおりに、あれば良い
 

[けれど其の口で泡と消えると言う
彼女にかける言葉は
傍に居て欲しいと願うものではなくなっていた]


[書庫に置かれた幾つかの手記
城主が知らぬものなど、無い

あれを燃やし、灰としなかったのは
何故か

何時か記憶が戻り
この手をすり抜けて逝く事を
諦めていたのか
其れとも、其の上でまだ此処へ残ると
可憐な口元から紡ぎだされるのを、望んだのか

今になっては動機も遠く霞む**]


正しき道筋ならば――…
王子様は刺されはしないわ。

別の娘と幸せに暮らしました、でしょう?


[やがて白薔薇の眷属
御伽噺の結末を語る聲には少しだけ懐かしむ音]


私の望みはお兄様と共にある事――…


[城主の言葉に返す聲には揺らがぬ音色**]


 そう、では其の望みを叶えよう。
 ……永久に私の傍らに……

 愛しい、私のローズ


[意思の篭った風に響く聲
城主は満足気に囁き返す**]


お兄様――…

あのこが、呼ぶの。
あのこの呼び声が、聞こえたの……


[今はもう其れも届かなくなり
感じるのは血の気配と死の匂い。

気が焦るばかりで上手く情報を集められない。
こめかみが酷く痛みを訴えていた]


 ――…私のローズ


[揺らぐ気配
僅かに眉根を寄せる]


 其の娘は
 取るに足らぬただの人の子だ。

 お前とは別の存在だろう?


[言い聞かせるように囁きを送る]


 白薔薇が食事を終えただけのこと。
 片付けは影が間も無く。
 ……何が呼ぶと言うのだ。 


別の、存在……
私とは違う世界の、こ……

分かってる
分かってるのに……


[行かなくてはいけないのだと
無くしたはずの記憶の欠片が告げている]


――……っ!
食事を、終えた……?
白薔薇が…、あのこを……?


[兄の囁く事実に目の前が白むような感覚]


 わかっているのに――…
 なお、行こうと言うのか


[重い呟き]

 ………………――――好きにするが良い。


[やがて間を置いて
突き放すような一言が返った]


 
 
[ 兄の突き放すような聲に 心が 痛む ]
 
 


 ひとつ
 先に言っておこう
 ……其れの墓を作ることは、まかりならん。


 わかっていような?


[書庫の様子に、城主は何時に無く厳しい聲を向ける。
彼女の揺らぎのもとを
特別に扱う事は絶対に、避けねばならなかった]


――…ぅ、……くっ


[酷い頭痛が女を苛む。
城主の聲が、何処か遠く聞こえた]


 私のローズ
 お前が誰のものか……言えるだろう?


[僅かな嗚咽。
城主はうって変わって、穏やかな聲を響かせる]


――…お兄様、の……


[穏やかな城主の聲に返す聲は何処か虚ろで]


 愛しい私のローズ……
 そう、お前は私のもの。


[閨で情人にかけるような囁き。
彼女のひととしての嘆きを拭い
魔へと――己へと繋ぎとめる為の]


 其処にあるのは、遠い夢。
 ……早く此方へ、戻ってくるのだ。

 今其れを影に片付けさせよう。


[白薔薇の嫣然とした吐息、
満たされた今、揺らぎはなく、それは目覚めの時のように]


御伽噺の正しき道筋……


嗚呼、そんな終焉は訪れはしないのですから、

ではどちらにしても

我々は間違ってしまったのでしょうね?お嬢様――…


[彼女が「為した」者の手で、
彼女の「大事なもの」が奪われる、その因果]


良家の娘 グロリアは、ランタン職人 ヴェスパタインの顔を上手く思い出せずにいて、首を傾げた。

2010/06/24(Thu) 22時半頃


【人】 良家の娘 グロリア

― 食堂 ―

お酒を戴きに来たのだけれど、

[...は湯で身を清めると、作業着からドレスに着替えて堂々とした足取りで広間に繋がる食堂へと足を踏み入れた]

お邪魔しても、宜しいかしら?

[その際、目に入ったイアン(>>183)とドナルド(>>179)に声を掛ける]

(188) 2010/06/24(Thu) 22時半頃

良家の娘 グロリアは、メモを貼った。

2010/06/24(Thu) 22時半頃


【人】 良家の娘 グロリア

ありがとう。

[椅子を勧められれば(>>193)、血と酒精と幾ばくかの臭気をも気にせず、グラスを手に取った]

ここで食事を取ったのはいつだったかしら。
未だ食欲が沸かないほど昔の事だったのかしらねぇ…ふふ。

(197) 2010/06/24(Thu) 23時頃

【人】 良家の娘 グロリア

あら、貴方はお食事をなされたのかしら。

[...はセシルに気付けば、ニコリと微笑を向ける]

私の気の所為かも知れませんけど、幾分顔つきが満ちているようですわよ。

(203) 2010/06/24(Thu) 23時頃

[甘い囁きが耳朶を擽る。
其れを心地好いと女は思う。

全てを思い出しても
其れは変わらず――]


貴方が好きよ、
ヴェスパタイン……。

でも、如何して私に優しくして呉れたの?
私は、貴方を傷付けたはずなのに……
如何して妹として慈しんで呉れたの?


[抗ったあの瞬間を思い出し
問う声は何処か不思議そうに――]


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