17 吸血鬼の城
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[御伽噺の正しい道筋。
そんな終焉は訪れない。
白薔薇の囁きを思い出し眉を寄せる]
私達は間違ってしまった。
何処から運命の歯車が
狂ってしまっていたのかしら。
[小さな呟きは深い闇に溶けた**]
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―城門前―
[息苦しさで近づいてくる人物に気付いていれば声を掛けられたところで驚くべきもなく。] …いいや。 逃げ出す程の価値あるモンを置いてきた覚えはねー。 で、お嬢さんは会いたい人には無事に会えたか?
[最後に一息、煙を門の向こう側に吹き込んで―男は煙に何を託したのだろうか― 靴の裏で煙草の火を消す。]
(139) 2010/06/25(Fri) 18時頃
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愚かな情など捨てるが良い、同胞達よ
……お前たちは最早ひとではない
同じものを見る事など叶わぬ
[淡い微笑みを白の薔薇に見る。
意識が戻るまえ、耳の傍で戯れに囁くこえ**]
ひとの思う幸せとやらは
我等には訪れぬ。
我等は我等の歯車があろう。
間違えたと言うならば、其れは私に見初められた事と思え。
[白薔薇は恐らく初めて人を憎んだ。
信仰と祈りを礎となし、善美を求めたその心の博愛、
それは生ける者に区別なく平等に齎されるべきもの。
無為なる日々の中、罪を犯しながら己のあり方を捨てられぬ。
自死に至らなかったのは、己の本質に染み付いた嫌悪より。
既に信仰も祈りも失くしたのだから、形だけ戒律に沿うても意味などないとわかっているのに――そう、どこかで捨てきれぬ何かがあった。それが己の血ゆえかどうかは、知らない。
罪深き優しさ。案ずることも優しく接することも、それはそのように造られているのだから当たり前のことなのだ。本質を失った紅茶のように、優しいだけの欺瞞。
けれど、白薔薇は初めて人を憎んだ。]
[そして憎しみという糧は白薔薇を生かした。
対象が失われれば行き場のない感情だけが残った。
―――ただ、それだけのこと]
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>>140
それなりに楽しい毎日だったよ。 [問いに対する直接的な答えは言わないが、十分伝わるように言葉を選び、男は応える。] もとから考えてたんだ、年取って体中にガタがきて死ぬのは嫌だって。 つまらなくなったら死のうと決めて、熱愛なんて起こりようもねー。
…会えなかったのか。 [女を拘束した己のせいで会えなかった可能性が頭に浮かべば、それ以上は何も言えず。
女の目から片目を逸らす事はせず、人になれないと言う言葉を受け止めた。 その真意を測るべく促すようにして、次の言葉を待つ]
(142) 2010/06/25(Fri) 19時頃
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>>145
[ローズマリーの唇が全ての音を発し終えた時 男は静かに目を見開いて、そして目を細めた。 常の癖で皮肉気な笑みを顔に貼り付ける]
死にたいと言ったら不老不死の薬が差し出されるとは なんとも皮肉な話、だな。
ぬくもりを奪うのは嫌、じゃあなかったのか?
(146) 2010/06/25(Fri) 19時半頃
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[漂うは虚無感。
女はただ静かに聲に耳を傾けるのみ――]
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>>147
[男は何も言わず、女の言葉を聞いていた。] 吸血鬼になるってことは、 確かに人として死ぬ事らしいな。
[残念という言葉に、眉を寄せた表情に 耐えきれぬ様に男は大きく息をついた] 今からそれをやろうとしてんのにそんな顔すんじゃねーよ。 殺してやるでもなんでも嘘ついて、その時に やっちまえばいいじゃねーか。 [足を踏み出しローズマリーの横まですれ違うかのように歩いて 避けられなければその頭に軽く手を置こうと。 恐らくローズマリーの本心からでないことは表情から推測できた] 女の嘘を許すのが男ってもんだろう。
―まあ、もう聞いちまったから騙されてやれねーけど。
(151) 2010/06/25(Fri) 21時頃
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小悪党 ドナルドは、奏者 セシルに話の続きを促した。
2010/06/25(Fri) 21時頃
小悪党 ドナルドは、水商売 ローズマリーに話の続きを促した。
2010/06/25(Fri) 21時頃
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>>154 吸血鬼になったら―― そんなに変わっちまうのか。 [そして思い起こす、吸血鬼となった友人。 嫌な予感が胸に渦巻く。]
だから、なんでそんな表情すんだよ? 泣くなよ、泣いたってどうにもしてやれねーぞ。 [今にも感情の洪水が起こりそうな女に男は苦笑を向ける。 音もなく形作る唇は、逃げろと、そう言っている。けれど]
…そうしなかったら、お嬢さんはどうするんだ。 血だけなら、やれるよ。 [むしろそのまま殺してくれと、苦笑いを深くして。 頭を傾けて首筋をさらけ出す。
ローズマリーの言葉は、吸血の欲から生まれた言葉だと思っていたから。 思いだしたように付け加えるのは]
ああ、ベネットの様子見に行きたいからやっぱ今殺すのはなしな。
(163) 2010/06/25(Fri) 21時半頃
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>>165 [トーニャの存在に気付くも首を傾げたままで声をかけることはせず。 ヘクターがいなくとも生きていこうとしている様子に少し安堵した。
>>167
「望まれたのは眷属にすること」その言葉に傾いだ首を戻して。] こんな安っぽい男を吸血鬼にすることを望むなんて、 趣味悪いぜ。そいつ。
…このまま行ったら、もうお嬢さんには会わないで自殺するかも。 吸血鬼にされるのはあんまり魅力的じゃねーし。 だから
[そう言って親指の皮を、肉を噛みちぎる。 餞別な。とそれをローズマリーの方へ伸ばしかけ >>168新たな存在が出現した]
(170) 2010/06/25(Fri) 22時頃
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>>177 別れがあるから綺麗な記憶のままでいられる、らしいぜ。 だから別れを惜しむべからず。な。
[冷たいその手で支えられ、傷口にかかる吐息。 脈打つ赤い指に唇が触れれば、ぞくりと粟立つ――
少しして振り払うような仕草をした時には、息が上がっていた。 最後に女の唇へ赤い血化粧を施して] じゃあさよならだ。
[そして男は吸血鬼と化した友人の部屋へと急ぐ]
(187) 2010/06/25(Fri) 22時半頃
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[遠く最上階にありながら、
届かぬはずの声を聞き、薄く囁きを零す]
優しくして欲しいのか?
――…此処に居れば、
本能に抗わずに生きてさえ居れば
私はお前を傍に置き、愛でよう。
立派な吸血鬼に育ててやろうぞ。
この闇の城で咲き誇るといい。
血縁を喰らった吸血鬼の、傍らで。
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―→ベネットの客室― [エントランスを抜けてベネットの客室へと向かう男は心なしか青白い顔をして。 しかしそれでも出来るだけ急ぐ。
客室の扉の前で一度息をついたのは、走ってきた鼓動を落ち着かせる為と心の準備の為。 扉を軽くノックし、返事を待たず大きく開ける。 威勢良く入ってきたのに言葉はでてこない]
…ベネット、大丈夫か。
(189) 2010/06/25(Fri) 22時半頃
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……やっぱり筒抜けなんですか。
[むっとした声で囁き返す]
……。
[もう人間に戻れないことは分かっている。それでも、自分はどうするべきなのか――未だに答えを出せず]
お前は私と血を分かつもの。
何処で何をしていようと……手に取るようにわかるぞ?
[其れはドナルドが扉を開くタイミングにあわせて]
――…さあ。
何も悩むことなど、無いだろう
お前は最早人にあらず。
本能のままに、貪り喰らうが良い。
ひとの情など、捨ててしまえ。
[其の後で、あの薔薇のように苦しいと泣き叫び縋り付いて来るならば、其の記憶まで喰らってやっても良い。
思えども未だ口にはせず、揺れる心情を見つめている]
どうした……
お前まで私の命に背くのでは、あるまいな?
其れを我が眷族に。
お前が喰らわぬなら、私が――…
[ベネットへ
追い討ちをかける聲]
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―ベネットの客室― [入り口から覗けば 部屋にあるベッドには―身じろぎしないイアンの姿>>194 最悪の想像をして一歩、ふらりと部屋の中に足を踏み入れる。 ベッドの傍らには服の趣向の違う友人>>200。]
お前は、お前、だよな? 吸血鬼になっても
[まさかイアンを殺す訳―。
眉を寄せ、苦しそうに顔を歪める]
(205) 2010/06/25(Fri) 23時頃
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ドナルドを、眷族に……?
[声に怯えと、恐怖の入り混じる。友人を、自分の手で吸血鬼にしろというのか。怒りがこみ上げてくる]
……嫌だ。誰が貴方なんかの言うことを聞くもんか。
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