17 吸血鬼の城
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 23時頃
仕掛けですか―…‥
そうかもしれませんね。
人を悦ばせる為だけの仕掛けだったと思えば、
でも何故、仕掛けなのに此処が痛いのでしょう。
――ねぇ、詩人さん。
[の言葉を聞き、漆黒の双眸を閉じて、左手を胸に置く。]
嫌だと言えば、良かったのでしょうか?
神以外の誰かに助けを求めれば良かったのでしょうか?
それとも何も考えずに身体の感じるままに生きた方が良かったのでしょうか?
[それは生きていた時に答えを逃げていた問い。]
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―中庭―
[グロリアの言葉に、ありがとうございます、と礼を言い、トーニャに向き直る。]
大丈夫……?
[胸に手を当てて瞼を閉じるトーニャにそっと問い掛けた。]
(6) 2010/06/23(Wed) 23時半頃
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[そこがどこだか、しばらくはわかっていない。]
[ましてや、自分を追って、彼女がともに来てしまったことも、知る由もない。]
― 最上階の廊下 ―
[血が、失われていくのと共に、身体が重くなる。
流出していく命。耐え難い倦怠感。
どこまでも落ちていくような、失墜感。
それでも、抱きしめてくれた人と触れあっている、
そのことは、不思議な安堵をもたらしてくれた。
ほんの、瞬きひとつほどの時間。
暖かな気持ちに包まれて――意識が、暗転する。]
どうすればよかったか?
そうだな――
「許して」やれよ。
あんたに痛みを強いたヤツらも、逃げ切れなかった自分自身のことも。
まずは、そこから始めるといいさ。
[ふわりと。
身体が浮くような心持ちを覚えて
意識が、醒める。
視界を巡らせれば、どこまでも続く灰色の大地。
先の見えない、灰色の空。]
―― ここ、は…?
[見渡せども、周囲にあるのは
影よりもなお朧な、不確かな気配たちだけ。]
起きちまったコトは仕方ねぇ。
「あん時どうしたら」は言葉を弄ぶだけだ。
前に進むために「許して」やれ。
― 煉獄 ―
[煉獄。そう、呼ばれる場所であると、魂が告げる。
それは地獄よりも寂しく、天国よりも救いがなく
それでも、娘にとっては――]
からだが…軽い――…
[息苦しさも、胸の重さも。
喉を貫いた刃の熱さも。
全てから解き放たれた身体は、
まるで綿毛のように、宙を舞う心地がした。]
[灰色の大地を跳ね、駆け回って、歌う。
そこが緑の野であるかのように、楽しげに笑う。
それはまるで、初めて
自分には自由に動く身体があるのだと気付いた子供のようで。
だがその喜びは、不意に
心を抉られるような感覚に、遮られた。]
[引き離される骸 に感応したように
失われたその人を、その、痛みを。
心が思い出す。]
―――… …サイラス、さま……
[細い呼び声が、煉獄の、灰色の空を渡っていった。]
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―中庭―
[ことさらに暢気な声を出すグロリアに、一瞬きょとんとしたが、続く言葉に頷き、]
そう、ですよね……。 見失いかけていました。ありがとうございます。
[一礼しているところに、トーニャの声が聞こえて、振り向く。]
どういたしまして。 私にも、同じようにしてくれた人がいたんです……。
[と、悲しげな声で言った。 重い空気になったのを感じたのか、]
ところで、あちらには何があったのですか?
[と、先程までトーニャたちが居た方を指差した。]
(19) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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[とても、疲れていた。
いや、そうじゃない。
毒は、本当に瞬時に、吸血鬼の身体さえも滅ぼした。
それは何を意味するのか。
いや、でも、もうそれもどうでもいい。
とにかく
眠りたかった。]
[目を瞑って、覚悟を決めた男の耳に聞こえるの声。
そしてその意外な言葉にか細い声で呟いた。]
許す―…‥?
父を――、
母を――、
――そしてあの領主を?
[振るえた指は喉元に添えた薄い刃の指をを落とす。その軌跡は死んだと言うのに冷たい物を感じさせながら―…‥、
――そう死んだあの時の領主の口づけの様に。]
……いやぁぁ…ぁ……
[あの時、快楽を否定しながらも、私は悦んでいた。
私はあの親の穢れた血を受け継いでしまった。
主は私をお許しにならない、決して、お許しにならない。
美しい詩など書けない……、書く権利などない。]
私は―…‥、私は―…‥、
――許される価値の無い穢れた人間です。
だから愛す事も、愛される事も出来ません。
[弾けた砕けた感情。
男は膝を曲げて、悲しげに灰色の空を見上げる。]
/*
えい。
せっかくなので、中の人モードを発動してみますね。
メモで雑談するのもあれですし。
ああ、もう、みなさまお疲れさまでした。
サイラス様は、ゆっくりお休みになってくださいまし。
まだまだ時間はたくさんあるのですから。
|
―中庭―
[グロリアの婉曲な言い回しに首をかしげたが、その後のトーニャの言葉で悟り、バツの悪そうな表情を浮かべる。]
……そうでしたか。 私も、その、ヘクターさんがゆっくりと休めるようにお祈りしますね。
[と、グロリアに撫でられ目を閉じるトーニャに優しく言った。]
(30) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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―中庭―
トーニャさん……?
[急に何かに怯えたような様子になったトーニャに、心配そうに声をかける。]
どうしたんですか……?
(38) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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/*
ユリシーズ様も、おやすみなさい、なのですよ。
明日は、メアリー様がいらっしゃるのですね。
下が明るくなりそうです。
|
―中庭―
――……っ!
[トーニャの声に、咄嗟に辺りを見回すが、霧に阻まれ、その影すら確認できない。]
あ、待ってください!
[先程指差した方向――墓地の方向――へと歩いて行こうとするトーニャを引きとめようと手を伸ばす。]
(48) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
|
おれは、あの娘に拠り所を残した、その一点においてでも、あんたの価値を認めるがな。
「許されない」「愛されることがない」
――あの城主も、自分のコトをそう考えているんじゃないかと思うぜ、おれは。
…ん、なんか歌ってる声がするな。
新しいお仲間じゃねぇか?
/*
へい、お待たせ。
ユリシーズはおやすみ!
今日も地上は深夜進行だろうか…
この村の参加者は、リアル吸血鬼生活スタイル多そうだなw
/*
あら、ヘクター様、起きていらしたのですか。
てっきり、皆様おやすみになったものと。
本当に、みなさま、深夜まで話しておられますね。
すごい…です。
|
―中庭―
――……っ。
[伸ばした手は、虚しく空を切る。 勢いあまり、二、三歩蹈鞴を踏んだ女は、慌ててトーニャの後を追う。]
―→墓地―
(56) 2010/06/24(Thu) 01時頃
|
/*
その「ヘクター様」ってのが、むず痒いぜ。
別に変える必要はないけどな。
こっちは愛称のままで失礼させてもらうが、許せ。
それとも、「子猫ちゃん」とでも呼ぼうか?
|
[トーニャに追いつくと、そこにいたのは、この城に初めて訪れたときに、自分を出迎えた従者だった。]
どう……して……?
[女は疑問の声を紡ぐ。彼から、城主に似た違和感を感じたことに。 最初に会った時、彼は間違いなく人間だったはずだ。 だが、今は、城主程とまではいかないが、対峙するだけてある程度の違和感を感じる。]
(62) 2010/06/24(Thu) 01時頃
|
/*
遠慮致します、「ヘクター様」。
ふふ。
子猫ちゃんだなんて呼ばれると、
自分がすごく可愛らしいもののような気がします。
そういえば、わたくし、まだ
ヘクター様のお名前を聞いた事がないのでした。
後でおたずねしますね…というのも不思議な話ですが。
/*
あんたは充分に可愛いイキモノだと思うが。
嘘だと思うなら、サイラスの野郎に聞いてみるといいさ。
ああ、プロローグでお宅の馬車に殺されかけた (大げさ) 礼もしてねぇなぁ。
/*
気がつけば、もうこんな時間でした。
私も、今夜はそろそろおやすみさせて頂きますね。
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