17 吸血鬼の城
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薬屋 サイラス! 今日がお前の命日だ!
2010/06/23(Wed) 23時頃
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――ああ、眷属の死には、 墓を用意せねばならないのですね。
[思い出したようにぽつり、呟き]
(*0) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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あれは、短い間とはいえ 我が同族として……逝ったのだからな。 墓くらいは用意してやろうと思っているが。
[呟きに応える 城主の意思は既に影へと伝わっている筈]
(*1) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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[ 甘やかな吐息が 零れた ]
(*2) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[苦笑にも似た吐息を洩らす。 情事の名残は其のままに]
(*3) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[思わず襟でも正そうとしたものの、 両手の塞がるに気づいて、主と同じく吐息を零した]
(*4) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[甘く繰り返された城主の言葉>>4:*93 それは心の奥深くまで沁み込んで――。 いつのまにか其れは真実として心に根付く。
傍に居て良いと言いながら 城主の心は何処か遠く感じられて
女は幾度となく傍にある為の許しを請うた。
無くした記憶の中で一度は抗った女は 仮令記憶を取り戻したとしてももう抗うことはない。 十二年の歳月のうち別の感情が芽生えていたから――]
(*5) 2010/06/24(Thu) 01時頃
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[幾度も幾度も囁く言葉。 其の意味を真に理解していなくとも 似た色が惑わせて行くのだろう]
――…
[傍にあれと言う癖に 城主の傍には見えぬ壁が立ち塞がっている。 其処を越えようとするものは 数百年の歳月のなか、現れた事が無く
何時しか己自身ですら、忘れ果てていた]
(*6) 2010/06/24(Thu) 02時頃
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[悦楽に身を委ね 人を恐怖と憎悪で歪め壊し 満ち足りた其の後に襲う虚無
孤独に苛まれ 消滅の恐怖に怯え 取り憑かれたかのようにまた人を襲う
負の連鎖は たとえ周囲に薔薇を散りばめようと 埋まる事は無いのか]
(*7) 2010/06/24(Thu) 02時頃
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[宴の最中であると言うのに
何時に無く胸の内が酷くざわめいている]
(*8) 2010/06/24(Thu) 02時頃
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[――愛しいお兄様。
そう口にする事はあれど
私のお兄様。 私だけのお兄様。
そんな台詞を聲に出す事を憚られた。
所有を示して良いのは兄だけだと思っていた。 それを口にして嫌われてしまうのが怖かった。
だから女はただ想うだけ――]
(*9) 2010/06/24(Thu) 02時半頃
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[婦人に向けられた言葉>>84] [ざわめきのようなものを感じて呟く]
旦那様――…
[立ち並ぶ墓標、その慰めは誰のためのものか]
(*10) 2010/06/24(Thu) 02時半頃
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嗚呼、聞こえている。
[白薔薇の囁きに、溜息混じる聲を零す]
己の――人間の尺度ではかろうとするのは愚かな事だな。 此処を何処だかも知らぬらしい。
たかが食事と、同族の死を同じとするはずが無いだろう。 ひとと我等は違うのだから。 其れとも人は食事のたびに墓を立てるのか? 慰めかどうかなど、愚かなことを問う。 眷族なれば墓に入れる 食事を終えた後のゴミは捨てる それだけの事だと言うのに。
(*11) 2010/06/24(Thu) 02時半頃
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伝えておけ。 ……此処は私の城。
お前たちの世界とは、違うのだと。
[魔の城で人の常識など通用するものかと。 嘲りを含む聲を投げた]
(*12) 2010/06/24(Thu) 02時半頃
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[目覚めたときの昂揚は遠く。白薔薇は憂う]
――…はい、それは。 然りと、お伝えいたします。
[言いよどむような間の後]
……ただ、わたしはふと…… あれほどの同胞の死を、旦那様が見つめておられたこと。
今までそれに気づかずにいたことを、知りました。
(*13) 2010/06/24(Thu) 02時半頃
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――…嗚呼
[何の事かと、ふと思い出す]
もう、数えることも止めてしまった。
あれは……宴に招き眷族としたもの 街で浚い、血をわけたもの……
眷族を幾人か傍においた事はあったが 皆先に逝ってしまうのでな。
(*14) 2010/06/24(Thu) 02時半頃
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[眷属とした者の死に心は痛んだけれど 死は人であった頃の記憶と近くて 触れることを出来るだけ避けていた]
――…私も死んだら其処に眠るの?
[城主と白薔薇の聲にことりと首を傾げる]
出来ることなら…… 私は海の泡になりたいわ。
[見たことない青を思いながらそんなことを呟いた**]
(*15) 2010/06/24(Thu) 03時頃
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――……ただそれが、 とても寂しいことだと思ったのです。
[並ぶ墓標をみやれば、 主が声に応えるように呟いた]
(*16) 2010/06/24(Thu) 03時頃
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……お前は……どうだろうな 此処に眠るは、眷族ばかり
幾度も私と交わったお前は、若しかしたら 純血の我等と同じく 灰となり消えるのかもしれぬ。
[幾度か見た、同じ純血の一族の死 最後に立ち会ったのはもう思い出せぬほど昔]
嗚呼、だが私のローズ 死ぬなどと……お前まで私を置いて何処へ行くのだ**
(*17) 2010/06/24(Thu) 03時頃
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寂しい、か……
[最早感じるこころなど 凍てついて久しいと、思うのに]
私には、解らぬ。
[己の胸の内が、解らない。 ただ、墓が一つ増えるたび 帳面に名前が一つ増えるたび 胸の何処かを風が吹き抜けていくだけ**]
(*18) 2010/06/24(Thu) 03時頃
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……海の泡になどなるくらいなら、
刺してしまえばよろしいのに――
[かすめた囁きに、ぽつり呟いた]
(*19) 2010/06/24(Thu) 04時頃
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――…灰に、なる?
[城主の聲に首を傾げてしまうのは 死して灰になった者を知らぬから]
お兄様と同じなら、 それも良いかも知れない。
[想いが知らず聲となり―― けれど紡がれた聲の、その響きに女は微笑む。 嗚呼、まだ居て良いのだと、そんな事を感じながら]
お兄様が行くなと言って呉れるのなら 私は何処にも行かない。 若し、身体が灰になってしまっても、魂はお兄様の傍に。
(*20) 2010/06/24(Thu) 09時頃
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[白薔薇の呟きにゆるく瞬く]
セシル、貴方は…… 私が刺される事を望んでいるの?
それとも…… 貴方が私を、刺したいと、そう言っているの?
(*21) 2010/06/24(Thu) 09時頃
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[――海の泡。
この名の語源を語ってみせたのは誰だっただろう。
ツキ、と女のこめかみには小さな痛み**]
(*22) 2010/06/24(Thu) 09時半頃
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可愛らしいことを言う。
[>>*20ローズマリーの囁きに篭る想い 純粋な魔たる城主には存在しない思慕というもの 向けられるのはこそばゆくもあり、柔かに笑みを返す]
其の美しい髪が 愛らしい貌が 見れぬようになるのは……厭だな。
お前は此処に居れば良い 行く先など、他には無いだろう?
[行くな、と言う言い方をしない。 惑わし、逃げ道を塞いでおく そんな方法しか、知らぬ故に**]
(*23) 2010/06/24(Thu) 13時半頃
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[>>*21 呟きは無意識のもの 聞かれていたことに、それは目を眇める]
まさか、そのようなこと。
……ただ、童話を一つ思い出しただけです。
[儚い人魚の――人ならざる者の御伽噺]
お嬢様を刺して、
私が「戻る」ようなこと、あっても困りますでしょう?
[童話の道理は現実にはない、 からかうように囁いた]
(*24) 2010/06/24(Thu) 13時半頃
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[城主の言葉>>*23に女の貌が綻ぶ]
愛しいお兄様――…
私は此処に居ります。 お兄様のいらっしゃるこの城が私の在るべき処。
――…若し、他に行く先が在ろうとも 私はお兄様の傍に……
[逃げ道を塞がずとももう逃げる気などないのに。 傍に居たい、それは本心であるのに。 伝わらぬもどかしさを感じながらも 女はそれを伝えようと言葉を重ねた]
(*25) 2010/06/24(Thu) 15時頃
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[白薔薇>>*24の言う童話の一つを女は知っている。 此処で童話を読んだ記憶もないのに 話の内容はおぼろに残っていた]
――…戻れるか如何か試してみる?
けれどそれなら…… お姫様が貴方で、私が王子様かしら。
[困るとも困らないとも言わず小さく笑う。 胸を深く刺されれば簡単に死ねるだろうか。 それでも今は――置いて逝く心算はないのだけれど]
(*26) 2010/06/24(Thu) 15時頃
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[白薔薇が声、それに感情は伺えない]
試しても、よろしいのですか?
[人たる身であれば、 冗談でも言わぬだろうことを紡ぐ。 ぬくもりを失った心に残る感情は、負たるものばかり]
――ああ、でもそうでした、 それでは役割が逆でございますね。
正しき役割であらば――私は既に刺された身、でしょうか?
[やわりと微笑う音は途切れる]
(*27) 2010/06/24(Thu) 15時半頃
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――…………。
[良いとも悪いとも言わなかった。 ただ長い沈黙だけが落ちる]
(*28) 2010/06/24(Thu) 15時半頃
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