もし……冤罪であればあの世で殿下と陛下にそう言ってくれ…。
騎士団長は判断を誤り……大切な仲間を斬ったと……。
あの世で俺を恨んでくれればいい……。
今回の件が終わったら…責任をとって、俺は自ら処罰、いや処刑されるつもりだ。
[そのために、今身につけている騎士団長の礼装は、自決を覚悟した時に身に付ける白の礼装。]
この白の礼装に誓って……その時は、俺を好きなだけ罵ってくれ…。
[彼女を分断した大剣は、大きく振って血を弾く…。
彼女が仮に、最後にズリエルを見たのならば、顔を伏せたまま、静かに笑みを浮かべるだろう。
隣にいた騎士もまた、その彼の笑みを見て、不審に思うだろうが……。]
……すまない…。
[最後の言葉は少しばかり態とらしく、騎士達に聞こえるような小声。
…息絶える寸前か、直後か、謝罪した口元は、僅かに歪み…。]
(69) 2013/02/23(Sat) 20時頃