246 朱桜散華
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[暫しの間其処に佇んだ後で、 何が起きているのかを把握するのが先決と、 往けぬ魂魄はふらりと村を抜け、丘を目指したのだった。**]
(+14) 2016/04/28(Thu) 23時頃
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くっそ、お前にやられるのだけは嫌だったんだけどな。
[悔しそうな、どこかばつの悪そうな顔を浮かべる。 突然の告解は、その声その表情それらは全くもって丁助のそれだった。]
なあ、香兄を殺したのが誰か知ってるか? 亀吉を焚き付けて村の者を殺したのが誰かしってるか?
こいつに乗っ取られたとかそういうんじゃねぇ。 俺が俺の意思でやったことだ。
[乗っ取られたのではない、マガツヒとそして巫女と重なるように同化した。故にマガツヒの意思とは等しく丁助の意思であった。 それでも確かにマガツヒの意志に染められたとも言えるのだろう。だが、全て丁助の意志の元であったのも事実だという。]
力に溺れることが。 誰の命をも自由にできるこの力が愉しかったのさ。
(89) 2016/04/28(Thu) 23時頃
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/* 未だ周辺がゴタゴタしていてどうにもこうにも。 更新直前に一周遅れの回想&死にましたロールすまんかった…
詩乃と亀吉んとこ挟まるのもアレだろうし 兄さんはちょっと離れたところでみんなのこと見てる。
(-42) 2016/04/28(Thu) 23時頃
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おい鬼子!!
[刺さったままの匕首を抑えて置壱を呼ぶ。]
……違えるじゃねぇぞ、一度で決めろよ。
[丁助の身体は震えたまま動かない。]*
(90) 2016/04/28(Thu) 23時頃
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/* 丁度クライマックスだな。 皆を応援しながら正座で拝見している。
んだが、今出先からの帰路の途中でありまして 力尽きたら済まないと先に申し上げます……
(-43) 2016/04/28(Thu) 23時頃
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[突き出した刃は、違う事なくマガツヒを捉える。 確り、と返る手応え。 それにぎり、と歯を食いしばりつつ、それでも、力は抜かなかった。
飛び散る紅が、己が身を染める。
先に自身からも滲んだいろは、刃が捉えたのが何か、をはきと伝えるよう]
……って。 丁助?
[桜の花弁が雪さながらに舞い散る中、聞こえたのは耳に馴染んだ、声]
(91) 2016/04/28(Thu) 23時頃
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……んだよ、それ。
[見知った表情とよく知る声。 それが告げる言葉に、最初に出てきたのはそれだった]
……『依り代』になったから、じゃなくて。 お前が、自分で……やった、っての?
[力に溺れて。力が愉しくて。 自分の意思で、血を流したのだと。 その言葉に、ぎ、と唇を一度噛んだ後]
……おま………………この。 …………ばか、やろ、が。
[零れ落ちたのは、幾度となく口にした、悪態。 他の言葉は、すぐには出てこなかった。*]
(92) 2016/04/28(Thu) 23時頃
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[ 不意の静寂に>>88
祝詞は唇を震わせるにとどめ、 足を止め、音は消える。
続くのはマガツヒの 否。 丁助の告解だった。
あか、あかいろ、朱
あざやかな、朱。
それが、色を失うように、はらはらと舞い散り 頬を撫でた。]
(93) 2016/04/28(Thu) 23時頃
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丁助……?
丁助……!
[ 力に溺れた、と そう、紡ぐ彼の顔を見つめ 悲痛に眉を寄せる。]
この、ばかたれがぁ……。
[ 滲む声は、全てが終わるまで 涙の色にするわけには、いかなくて。*]
(94) 2016/04/28(Thu) 23時頃
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ぎ……ぐがぁ……
[鉈が胸より粉のようになって外れ、徐々に薄い身体ははっきりとした形になってどさりと志乃の前に崩れ落ちる]
……し………の…?
[接した感触がしだいに暖かな慈愛のような、人の気持ちに触れだすと正気に戻って記憶を辿らす。] …ぼく…は…
…僕はとんでもないことを…
[悔いても戻らない深い罪の意識が自分を襲う。自我が消えそうになってその場に泣き蹲った]
(+15) 2016/04/28(Thu) 23時頃
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[鉈の柄を引き抜くと共に、それは粉のようになり掻き消えていく。 柄を握った志乃の両手には何も残らず、目の前に整然と同じ姿の亀吉が現れた>>+15]
かめにぃ…! よかった……
[救うことが出来た、と。 志乃は安堵の表情を浮かべる。 己のしたことを理解し、泣き崩れる亀吉の傍へと寄ると、そっとその肩に右手を添えた。 落ち着かせるように緩やかに撫でてやる]
…かめにぃ、
桜、咲かせようとしたのは、どうして?
[今際の刻の記憶は薄い、けれど。 亀吉が桜を咲かせようとしていたのは薄らと聞こえていた。 志乃は自分を手に掛けたことは問わず、その原因となったことを問いかける]
(+16) 2016/04/28(Thu) 23時半頃
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[ここまでか、と思ったそのとき>>81]
桜……?
[マガツヒの足元に伸びた桜の木の根。 それがマガツヒの動きを封じている。]
……、どうして…?
[戸惑ったのは、一瞬。 聞こえてきた兄貴分の声に其方を振り向けば>>82 自分と、マガツヒのあいだに割り込むようにして、 手にしていた匕首を突き刺した。]
! 兄さ…っ
[彼が突き刺した匕首は、躱される事無くマガツヒの、 否、丁助の身体に突き刺さった。 赤い、花びらのように彼の身体から血が飛び散る。 亀吉を差したときの、あの光景を思い出した。]
(95) 2016/04/28(Thu) 23時半頃
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……。
[いつの間にか、聞こえていた声>>66は消えていた。 代わりに聞こえてきたのは風鈴の音と、祝詞の声。
そうして、風は桜の枝を揺らすのを止め、 あたりにはただ、桜の花びらが雪のように舞い降りるばかり。]
……、……。
[マガツヒの、否、丁助の告解を、 言葉もなく、ただ静かに聞いていた。>>89]
…………。
[こういうときにかけられるような、 気の利いた言葉は全然思い浮かばなくて。 ……香月ならば、何か思い浮かぶのだろうか、とぼんやりと思う。 亀吉ならば、何か優しい言葉をかけられるのだろうか。 志乃ならば…、否、そうではないはずだ。]
(96) 2016/04/28(Thu) 23時半頃
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……あなたも、さびしかったのか?
[ぽつりと、口をついて出た言葉。
魔は、人の心の弱さに滑り込むと、 どこかで誰かが言っていたような気がする。>>2:180
今、ここにある自分でいることに耐えられない。 ありのままの自分でいることに耐えられず、 人ならざる力を求めずにはいられない。
人の心の弱さとは、そういうことなのではないのだろうか。]
(97) 2016/04/28(Thu) 23時半頃
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[名前を呼ばれる>>90 顔を上げれば、一度で決めろという丁助の声。]
……うん。
[刀を構える。 その腕が震えるのは、決して怪我のせいばかりではないことは自分でもわかっていた。]
…。
[呼吸を整えて、再び柄を握り直す。 ……もう、腕は震えてはいなかった。]
[彼と目を見合わせて、彼が覚悟を決めたのを見てから。 ―――手にした刀を振り下ろした**]
(98) 2016/04/28(Thu) 23時半頃
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/* 整然……一発変換めえええええ
(-44) 2016/04/28(Thu) 23時半頃
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……俺はお前が嫌いだったんだよ。
[その剣閃は違わず、死に至るだろう。]
……いつもいつも卑屈そうな顔しやがって。
[静かに言葉をつづける。]
……だけど、今の顔は中々良かったぜ。
……置壱、男ってやつはやっぱそうでなきゃいけねぇよ。
なぁ、辰、日向……そう思うだろ?
(99) 2016/04/28(Thu) 23時半頃
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───ちきしょう、やっぱ痛ぇな。
(100) 2016/04/28(Thu) 23時半頃
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災いは何度でもやってくる。
それを覆い隠し忘れるならばいつか大きな災厄となる。
人の子らよ、それを避けたいと思うなら目を背けるな。
───また会おう。
(*5) 2016/04/28(Thu) 23時半頃
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[ふらりと倒れると、二度と目を開けることはなかった。]**
(101) 2016/04/28(Thu) 23時半頃
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丁助……丁助!!!
[ 覚悟なんてとっくにしていた。 でも、こんなときに限って都合のいいことを考える。
依り代となった人間は解放され 巫女だけが、還っていくだとか、そんな。
倒れ伏した彼のそばに駆け寄って、 置壱と、丁助を交互に、見て]
……そうだねえ
[ 潤む眸のまま、素直に、置壱の貌が立派であったと、 丁助の最後の問いに、頷いた。*]
(102) 2016/04/29(Fri) 00時頃
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[丁助が置壱を呼び、置壱がそれに応じる。 目を逸らす事はしなかった。
見届けるのは、語り部の一族の務め、と。
そんな意識もどこかにあって]
……ああ。そーだな。
[求められた同意には、ひとつ、頷いて]
…………お前と意見があうとか。 何年ぶりだよ……ったく。
[ぼやくような口調で、そう言って。 は、と大きく息を吐いた。*]
(103) 2016/04/29(Fri) 00時頃
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う…うう… [泣き崩れた自分に差し延べられた手、志乃とはっきり認識するものの顔はあげらずにその撫でてくれる手にただただ泣くばかり。しかし理由を聞かれて記憶を辿り。
少しずつ彼女にその始まりを話していく]
声が…
血を…血が…必要だって…
美しい…女性の声が僕を誘うんだ……
父が…母が……あっ…ああ…あ…
[再び錯乱し、頭を抱えるとぶんぶんと振り乱す。]
(+17) 2016/04/29(Fri) 00時頃
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なーんで、桜は咲いたんだろうなぁ。
[ 怒りはすべて、丁助の死が攫ってしまった。 悲しみはいつか、怒涛のように押し寄せるだろう。]
ほんとうは、咲きたかったのかもしれないね。
[ 花は咲くから美しい。]
……うん。
[ 咲かず桜はきっと、寂しかったのだろうね、と。>>97]
(104) 2016/04/29(Fri) 00時頃
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[ はらはら、はらはらと 桜の雪は村中に降り注ぐだろう。
流れた鮮血を白く染め、 冬が来て閉ざした部屋の中で 暖め合うような光景を、想い。
いつか麗らかな春が、また 訪れることを、予兆するように**]
(105) 2016/04/29(Fri) 00時頃
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声……女性の、声…。
[血が必要と求める声。 伝承の通りならば、それは桜、ひいては巫女の声だと言うことになろうか。 丁助は異形となっていた。 ならば亀吉は。 刀を使っていたことから人の身のままだったのだろうと推測する]
… うん … そ っか
[父も母も手にかけたと思しき言葉>>+17にしばし返答に窮した。 頭を抱え振り乱す亀吉を、尚も撫でてやり]
(+18) 2016/04/29(Fri) 00時頃
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…かめにぃ、
ととさまとかかさま、きっと居る から、 謝りに行こう?
今回のことは、桜の怪異が引き起こしたこと、だから…
このまま、自分を責め続けるより、謝りに行って。
それから、自分をゆるしてあげて? かめにぃ、さっきまでずっと、痛みを受け続けていたのだもの。 罰はもう、受けているのよ。
[自分を責め続けてしまえば再び先程のようなことになりかねない。 それを防ぎたくて、志乃は諭すように言葉を重ねた]
(+19) 2016/04/29(Fri) 00時頃
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/* 村の雰囲気的に、ここで独り言を使っていいのか ものすごーーく悩んでいたけど、使ってしまえ!
なんかね! 風呂敷広げすぎて 回収できないみたいになって、ごめん……。 たぶん本編中かなり矛盾してると思う。 うわあああ。
おもん姉さま出した意味は 大してなかったんだ!!百合にしたかtt
(-45) 2016/04/29(Fri) 00時頃
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/* いやしかし、本当エピが こ わ い 。 すごい方ばかりいらっしゃるんじゃないか……。 楽しみなような……ビクビク
(-46) 2016/04/29(Fri) 00時半頃
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/* ……駄目だ、こう、言葉にならないorz ただ、感謝しかない。 優しい人たちに恵まれた、良い村だったと思います。 本当にありがとうございました。
(-47) 2016/04/29(Fri) 00時半頃
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