人狼議事


216 宵闇駆けるは天つ星

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視点:


亀吉! 今日がお前の命日だ!


[それにしてもまあ戻る前の小鬼の仕草といったら余計苛立つことこのうえない。
誰に似たのか――と思えば思い当たるのは影の使い手しかいない。なるほど餓鬼どうし似たのかもしれない]


………。

[人を喰おうとした結果も、
それとは別の話か、誰にやられそうになったのかも、推し量りきることはできない。
だが、ともかくも、よくない記憶として根付いている様子に、
しかし妖は眩しげに目を細めて笑う]

………ま、その思いは大事にしておけ。

[小さく呟いた声は届いたか否か]


憑依、じゃと?

[直後、小鬼の姿は霞と消え、
周囲にひときわ凜、とした甲高い音が鳴る。
鈴の音だ。琵琶を捨て代わりに手にした大薙刀につけられたそれ。
地割れに飲み込まれるのは影が防いでいるらしい。
ならば、と再度太鼓を振り下ろす動きとともに、
地割れが音立てて少しずつ、広がっていく。

その間にも接近しようとするのは止めないが、
大薙刀の間合いをすり抜け背後を取ろうとする動きに変わっていた*]


[爪の先が鬼丞の足を掠めたと、感触で伝わる
 その体が揺らぐも、見上げた視線で認めて。
 しかし鬼丞は動きを止めず、背後へと回る。
 姿は見えなくなり、ただ風の啼く音だけが届いた]

[彼に対する間、常に渦巻いていた風が、凪いでいくのを髪先で感じた。
 消えたのではない、むしろ収束し強く研ぎ澄まされていく。
 煌星の如く輝く刃は、目に見えずとも鮮烈な光の気として、妖の肌に伝わった]


[妖は目を閉じ、ふと微笑む。
 枝を再び鬼丞へ向けるだけの力は、もはや残っていない。
 刃が振るわれ、背に打ち込まれるを、ただ、待った]

[ざしゅり。
 横一線に切り裂かれた枝が、ゆっくりと滑り傾いでいく。
 そして妖の背にもまた、一文字の傷が刻まれ、どろりと褐色を零す。
 けれどそれは、人型の胴を断ち切るには、至らなかった]

 ――仕舞いだね。

[体を大きく捻るようにして、未だ毒の滴る右手を、背後へ向け振るう。
 それは喉の辺りを狙い、裂いて。
 更に鬼丞の首の辺りを、親指と人差し指で挟み、持ち上げようとする*]


確かん人も命ば喰ろうとるが…。
人ぁ、人ば喰わん。
そぃがおんしら妖とわしらん違いじゃろ。
おんしら妖は同族も喰らいよる。

そぃに、人は、臆病じゃけぇなぁ。

[妖>>+0に答えながら、己に向けられた複数の目を思い出す。
忌み子だ、呪い子だ言われて過ごした幼少期。
他と違う個は忌み嫌われる。
それが害を及ぼすものであるなら、尚更]

おんしら妖が喰らう対象が動物だのだけやのぅて、人も含まれるけぇ。
そぃがおっとろしいんじゃ。

[妖を忌避する理由として理解は足るや否や]


[意識が僅か風に取られつつある中、問い、責める声>>+1>>+2に意識を妖へと戻す]

……妖じゃから苦しめとるんじゃなか。

不思議じゃったんじゃ。
人と共に生きとった妖がおる言うんが。
じゃけぇ、話ば聞きたぁかった。

わしがこん先、どげんして妖に接すりゃあええんか考えぇために。

[割り切れないことはきっとままある。
その中で折り合いをつけたり、決意するための情報が余四朗は欲しかった]


[そこまで言って、嗚呼、と短く声が漏れる]

…わしも大概身勝手じゃな。

苦しめぇすまんかったき。
一思いにしたるわ。

[一度頭を掻き、ようやく謝罪を紡ぎながら、傍に置いてあった太刀を手に取った。
立ち上がり、切先を下にして太刀の柄を両手で握る]

言い残すことはあっけぇ?

[それが呪言だったとしても、受け止める心算で問いを投げた**]


[体を大きく捻る姿勢に、傷が開き幹を褐色が伝う。
 思わず眉を寄せつつも、爪の先にて鬼丞の喉を捉え。
 言葉交わせる程度に隙間を開けながら、その首を掴む。
 そして歪んだ笑み浮かべる鬼丞の顔を見詰めたまま、姿勢を戻した。
 呼吸を乱した人のように、妖の身は幾度か震え、揺らぐ]

 さて、何か言い残すことは……と言いたい所だが。

[鬼丞と対照に笑みのない顔を、腕を曲げ身を乗り出すようにしてぐっと近づける]

 一つ聞かせておくれ。
 ――あんた、一体誰と話している?

[結界の内にある退魔師は三人、内二人は闇星で、確信は持てぬが鬼丞と話している様子はない。
 そして妖は、結界に入る前にもう一人――それも煌星の退魔師を見掛けていた。
 胸の内にざわめきを感じ、妖の眼差しは険しくなる*]


[先程は―――ふと、思ったのだ。>>+3
かつて故郷で出会った星宿す者も、
この青年のような心がけを持っていればよかったのに、と。

人を面白く思う以外はだいたい妖の本能のまま動く己には、
真似のできない心がけではあるけれど。

だがそれは今のところは教えてはやらぬ。
不思議そうに瞬くのを見て、口元がほんのわずか、緩んだ]


[血が流れおちるほどの傷は獣としての本質をむき出しにしやすくなる。
四足で走る時ほどではないが駆け回る速度も上がる。

横薙ぎに振るわれた一閃が届くより早く駆けやがては背後をとり、>>+4
肩口に獣の手を伸ばし爪を突き立てる]


………っ、 ふふ…、

[薄く笑みをこぼし、しかしそれ以上は微動だにしない。
やがて爪を引き抜き、相手を支えも何もせずにただ問いだけを投げかける**]

なあ、どうすればここから、出られるようになる……?


[問いに答えはなく、代わりに静かな眼差しを返される>>+10]

 フン……教える気はない、か。

[むしろ己の内の不安に対し、その答えは肯定したも同然だったが。
 問い詰めたとて答えが返るとも思えず、ひとまず横へ置くこととした]

 横取り、ねえ。
 ……あたしはねえ、あんたを喰らう気はなかった。
 借りを返す、と言ったろ?

[そう、目的は意趣返し。
 借りとは、力で勝っていながら己を祓わなかったこと。
 なれば男にも同じことをしてやろうと。
 しかし――戦わずして終わったあの時と違い、此度の相手は、生き延びるには深すぎる傷を負っているようにも見えた]


 人喰いの妖が、勝手を言うと思うかもしれない。
 でもね、長く生きた妖は、ただ生きるより別の楽しみを、見付けちまうものなのさ。

[根を己の内に戻し、妖は徐々に背を縮めて、元の人型へ戻ってゆく。
 しかし色の抜けた髪は、朽葉にすら染まらず白のまま。
 鬼丞の首を持つ手は、締まることなくただ震える]

 こっから出しとくれ。
 ――あんたを喰うより先に、やらなくちゃいけないことがあるんだよ。

[奇しくももう一人の妖と重なる問い。
 しかしその問いも、対する答えも届いてはおらず。
 ただ鬼丞一人を見詰め、返答を待つ**]


[こちらの言葉に返る呟き>>+13は、どこか共感を示しているようにも聞こえた。
 ただ祓い、生き延びるのではないその姿勢に、かつて飄々と逃げおおせた男への――怒りに隠れて覚えた、別の想いが形を成すような気がして。
 思わず、目を細める]

[白いままの髪に触れる手。
 既に毒は尽き、また相手にも害意はないと感じたから、ぴくりと震えるもそのまま受け入れる。
 問い掛けを聞けば、目を閉じ緩く息を吐いた後]

 沙耶を――この村で会った妖を、助けに行く。

[真っ直ぐに相手の目を見詰め、ありのままを答える]

 あの子はまだ若い、何も知らない妖だよ。
 人を喰ったことさえないと聞いた。
 出来ることなら……救ってやりたい。

[身勝手は承知ながら、その言葉は真摯なものだった。
 訴えながら、ゆるり、相手の首から手を離す]


[言葉を重ねど道は交わらず。
己の信ずるを貫けば、妖の在り方は理解しがたいものにしかならなかった。
刃の下の妖に在る妖の言葉を待つ。
返るのは、全てに於ける、拒絶>>+8]

んなっ!?

[動けぬと思っていたために、跳ね起きた妖に度肝を抜かれる。
逆手状態の握りの太刀を直ぐに振るうことは出来ず。
それでも追い縋らんと右手のみで太刀を握り、逆手のまま後方へと引いた。
妖の身は既に余四朗の傍を離れ、波間の方が近いほどになっている]


[あの傷で海に身を投げ助かる可能性は如何ほどか。
余四朗は限りなく低いと推測している。
それならば手を出す必要も無いはず、なのだが]

───祓うを放棄なぞ出来ぃもんけぇ!

[それは責任放棄にもなる、と。
半ば意地になりながら、後ろへと引いた太刀を右下から左上へと振り上げた。
刀身から奔る、雷の刃。
妖を討たんと翻るが、その大きさは常の半分以下で、更には逆手故に狙いの精度も低い。
無理な体勢からの射出によろけながらも、追うべく砂地を踏み出したその時]


………────!?

[傍に在る風から掠れた鬼丞の声>>+5が聞こえ、直後、風が霧散した。
余四朗の中に、影響されて高まった緊張感だけが残る]

旦那っ……!

[意識と目が、波間へと向かう妖から逸れた*]


[痺れはとうに消え、じわりと痛むは打たれた左脛。
男は点在する幻影を消しながら結界の中を駆ける。

駆けずり回る間に目に収めた分には、
退魔師と戦っている二人の女の妖怪の持つ力は、火を操るものではないようで。

やがて主と思しき黒髪の妖に問うた答えは、先程と同じく捉えようとしてもするりと逃げる。
まるで彼女自身も幻であるかのように。]

他に火を使う輩がいるって事かい?

――なら、あんたの力は何だってのかなァ。

[結界の中心部分。
煌めく星がその身に宿した力を顕現し、白き刃となって樹怪を襲う。
目には収めずとも、その気配を感じ取った男の気は昂ぶった。]


[喰らいたいと、胸がざわめく。
心の臓が脈打ち、血潮が己の身の中を巡るを感じた。

立て続けに力を消耗した所為か。
理性の檻を破ろうと星の本能が騒ぐ。

己の牙が向く相手は、そちらではないと。
男は振り切るように男は首を振り]

あんたがどんな力を持っているのか、見せて貰おうか…ッ。

[力を込めた道中差しを握り締め、男は女妖に斬りかかろうと――]


――ッ?

[男の振るう刀は空を切る。
先程まで己を刺激してきた銀星の力が弱まる気配。
男は眼に妖がいるのを忘れたかのように体を反転させる。]

…ぁあ…ッ。

[樹怪の爪を受け、煌星の退魔師の喉が切り裂かれるのを見た。
紅い血潮が空を舞う。
相手も手傷を負ったようではあるが。]

きらぼしの、だんな、

[ふらりと其方の方に歩き出す。
闇星宿しし者ではなく、退魔師として。
足が縺れ、まろびそうになる。

遠くに太鼓を打ち鳴らす音と、清らな鈴の音が聞こえたような気がした。]


[五歩ほど進んで、足が竦んだ。

手当をせねば。
いや、己の持っている傷薬で癒せる疵ではない。

時を止めるか。
いや、今の己では四半時でも止められればいい方だろう。
力が尽きれば打つ手はない。

ここに‘命’の力を宿す者はいない。
時が経てば、待つのは――]


[先程とは違う形で心臓が早鐘のように脈打つ。
潮騒の音が耳を離れない。]

かめに…。

[男は助けを求めるように出会ったばかりの兄弟子の方を見る。
この状況において、己がどうすればいいのか、分からなかった。
風の気配の濃い方にいたので、彼らの戦況はあまり把握してはおらず。

土を操る妖によって爪を突き立てられた瞬間を目に収めて、
男の褐色の瞳が見開かれ、喉がひゅうと音を立てた。]


[眼前の光景に対して為す術を知らぬ。]

う、ァ…。

[男の周囲を小さな結界が包んでいた。
防衛本能から発動したそれは、男の意識外で張られたもの。
練り上げたものではない故に酷く不安定だった。

時折虫の羽音のような音をさせながら、幾つかの情景が途切れ途切れに映り込む、時の力を帯びた結界。
その中に只一人いる男の輪郭は、時折ぶれて見える。**]


……は、ァ う

[薄墨を浮かべたような色をした結界の中に映し出されるのは男の記憶の欠片。
男はそれを目に収める事もなく、結界の中で荒い息をついていた。
心が乱れた事で嵐のように吹き荒ぶ衝動に、囚われかけ]

…かめに、さん?

[>>+16鳩羽の幽けき鳴き声に、兄弟子の声が重なる。
はたりと目を瞬かせ、我に返った男は続く言葉に耳を傾けた。

それは己への叱咤。
掠れる言の葉は、兄弟子の想いが籠められているのだろう。]


――で も。

でも、俺ァ……

[どうすればいいのか分からない。
己の力はあまりに弱くて、届かない。

惑う男は歯を食いしばって嗚咽を堪える。
心の裡を代弁するように結界の濃さが増し、ぶれて歪んだ。**]


………とぼけたら承知せんぞ。

[紫の影に支えられ立つ相手に、しばし瞑目した後返すのは幾分低い声。>>+11
おおかた出る手段を問われて素直に驚いただけだとは思うが、
念には念を入れ。

やがて返答を聞けばふうむ、となおも低く唸る。>>+12]


解かれるを待てというか。
……はん、面倒な。


さしもの結界も地中までは塞いでおらんとは思いたいが……。

[やがて思いついたのは村の中から外まで地中を通り脱け出すという方法。
だが、それを為すには力を使いすぎ血を流しすぎもした。
よしんば力が足りたところで、人に化けた状態が中途半端に解かれた状態でうろつくのは、
どう考えても面倒の種になる。

力が必要だ。現状を脱却するために―――]


っ、ぐ、……。

[ざわめく何かを押しとどめるように人の姿のままの手を胸に当てる。
その後、風でも影でもない別の力の発露を感じ取り、
視線をそちらへと向ける]


知り合いか……?

[誰かの名のような単語が耳に届けば呟くのはそんなこと。>>+15
やがてゆるりと視線を戻して]


ま、安心せい。
あやつが闇星に喰われるようなことにでもなったら、
その時はわしがあやつを、……喰らう。

[そうなれば、人だからとためらう理由は、妖の中から消えるのだから。>>+16

この距離では丁助とか呼ばれた方にも聞こえてしまったかもしれないが、
別に構いやしなかった*]


[血を吐き笑う男>>+14を見ながら、妖はこの男をどうするべきか逡巡するように、数度手を握っては開いた。
 喰らえば失った妖力すらも取り戻し、思うがままに力を振るえるかもしれない。
 しかし、それよりも結界が――と。
 そう思考するのも何処か、己の中の決着を先延ばしするようでもあった]

 変わったのは……ここに来てからだよ。

[気ままに生きてきた妖に、他者を思う気持ちが目覚めたのは。
 例外は一つあるが、それにしたって似た力を目にしなければ、そのまま忘れていたであろう出来事だ。
 そしてその力は、そよ風のように力なく、頬を撫でるのみ]


 妖でなくなる?
 目覚めた時から妖だったあたしに、それを言うのかい。

[妖でない自分として脳裏に浮かぶは、物言わぬ樹の姿。
 そうでないとするなら、それはもう己の身を捨てよと言われたも同然]

 それは、出来ない。
 それじゃあ沙耶を、助けられない……。

[助ける。
 しかし、沙耶は今どうしている?
 鬼丞の話していた相手が、既に沙耶に勝利した後であったなら――沙耶はまだ、助けられるような状態にあるのだろうか?]


[わからぬまま動きを止めていると、鬼丞の方へ動く気配があった
 しかし、彼は足を止め、不安定ながら結界を生じさせる]

 あんた。

[時折輪郭をぶれさせる男に、軽く肩竦めてから]

 ……林の中程に血止めの薬草がある。
 ここから出られるならひとっ走り行ってきな。
 気休め程度には、生き長らえさせることが出来るかもしれないよ。

[それを教えてどうするのか、自分でもわからない。
 半分は打算、かもしてないが。
 立てぬ男に向け目を細めた後、鬼丞へ向き直った*]


[風が掻き消えたと言うことは、その維持が出来なくなったと言うこと。
それに加えて、聞こえて来たあの言葉。
嫌な予感ばかりが募る]

………ちぃっ!

[波間へと向かった妖がどうなったかを確認せぬまま、余四朗は逆の方向へと駆け出した]


………。

[ついさっき知り合った相手だとは思わず、
親しい間柄であることを示す言葉に何とはなしに笑みを浮かべていたが、>>+19
眼前の相手にしては珍しい険しい視線を向けられればすぐに引っ込めた]


なんじゃ? ……まだやる気かの?
お役目熱心なもんじゃのう。

[先程退魔の者に与えられた指令については聞いていたから、>>+17
そう告げて、痛む獣の腕を、わずかに動かした。

影の使い手がああ言ったのは、頭領からの指令を果たすためとは別の、
強い思いによるからだとは、おぼろげながらも、判っている*]


[鬼丞の口調>>+21に、彼はもう意識を長くは保てないのではないか、と予感する。
 それでも、途切れ途切れの彼の言葉を、聞き逃さぬように耳を傾ける]

 そうかい。
 ……枝を強く曲げれば、元に戻ろうとする力も強くなる。
 結界とやらの仕組みも同じようなものかい。

[内にある妖気が強ければ、結界もまた反発しより強固なものとなる、と。
 鬼丞の言葉から推察したのはそのようなもの。
 しかし、思考しながら言葉紡ぐ様子は、彼自身にも確証はないのだろうと感じられた。
 冗談交じりの言葉に肩を竦めて]


 折角ご親切にも教えてもらったんだ。
 試してやろうじゃないか。

[退魔師という妖力の絶好の糧を前に、妖が出した結論はそれ。
 ゆっくりと、手足の爪を引っ込め、地に張った根も戻していく。
 それは同時に、鬼丞を喰らわぬということでもあった]

 でもね、忘れんじゃないよ。
 ――沙耶がどうなったかはわからない。
 もうあたしにはどうにも出来ないかもしれない。
 そんでも、あたしはそうと確信するまで、絶対に沙耶のことを諦めない。

[髪は白いままで、背の傷も塞がりはしない。
 それでも、人の形の顔で艶やかに笑んで]

 だからあんたも、諦めんじゃないよ。
 あたしが見逃してやった命、粗末にしたら容赦しないよ。

[尊大に、まるで見下ろすように言ってやる。
 そう、これは意趣返しだ*]


[太刀を鞘に収め、己が作り出した結界の端まで駆ける。
雷の網は依然張り巡らされたまま。
異相の結界の境目であるそれに干渉すれば、他に張られた異相の結界へと渡ることも出来る。
残り少ない力を以て他の結界を探れば、ここ以外には一つしか形成されていないことが知れた。
これならば迷うことなく渡ることが出来る]

通せ、わしぁ行かにゃあならん。

[伸ばした手、その先で小さく雷が爆ぜた]


[現実より隔離された空間は距離を縮め、もう一つの結界へと余四朗を運ぶ。
渡りの時間は長いような短いような。
それでも、探し回るよりは格段に早く目的地へと着いた]

っ、とと。

[渡りの影響で浮遊感の強かった体に重力が戻る。
鑪を踏んで体勢を戻した後、結界の中を探ると煌闇混在した気配を結界から感じ取った]

もしかしゅうて、亀きっつぁんも…?

[退魔師の数の割りに結界が少なかった理由を悟る。
二人分の結界であるためか、規模はそれに準じたもののようで、余四朗が着いた場所からは鬼丞達の姿は見えない。
恐らくは中心部に居るだろうと予測を付け、可能な限り早く着けるよう足を動かした]


………。

[膝をついた相手を真っ直ぐに見返す。>>+22
途切れた言葉の先、おそらくは決意のこもったそれを。

やがてはあっと大げさにため息をついて近付いていくと、
獣への変質を遂げていない方の手で盛大に額を指で弾く。それも一度ではなく]


…ったく、 口では立派なこと言ってる割にその有様ではないか。
わしが温厚さを見につけておらねば、
とっくに、喰われていてもおかしくなかったぞ? んん?

[よどみなくそう告げてから、にんまり顔で離れていく。
その様はどこか満足げでもあった]


さぁて、そろそろ休ませてくれんかのう……。
なに、おぬしらが手を出さぬというのなら、わしもおぬしらには手出しはせんよ。

もしこん中の妖を祓いたいっていう輩がまだいるのなら――

  ――命を大事にせい、としか言いようがないのう。

[その声は他の――たとえば別の結界を渡ってこちらへ来た退魔師へも届いたか。
ともあれ自らの意思を示せばその場にどっかりと腰を下ろすのだった*]


[鬼丞>>+23の困り顔に、思わずといった風に笑みを零し]

 悪いねえ。加減を知らなかったんだ。
 何せ、人喰いなもんでね。

[眉尻を下げながらも、口角だけは上げて軽口を叩く。
 実際、致命傷を負わせるは本意でなかったにしろ。
 真面目に謝られた所で、鬼丞も困るだろう。
 だからそうした態度で、気休めにでもしてもらう以外に術はなく]

 フン……――

[人の身に変じた女怪に、鬼丞の声が掛かる。
 その目に宿る強い光。
 返す女の眼差しもまた、冷たく鋭きものとなり]

 この次だって、追い返して――生き延びてやるさ、何度でもね。

[それを最後に踵を返す。
 人のものとなった素足で、地を踏み駆け出し]


[そして間も無く。
 人の身の樹怪は、結界の内に現れた、新たなる人影と出くわした]

 おや、あんた。
 ……驚いたね、向こうからこっちには入れるのかい。

[驚愕を隠し、平然を装って語り掛ける。
 こちらは人の身へ変じ、力をなくしたも同然の状態。
 しかしだからと言って、退魔師がそれを見逃すとは考えにくく]

[そしてそれ以上に、沙耶と対峙していたはずの彼が、この場に現れた意味を考えない訳にはいかなかった*]


[居るだろうと推測して進んだ先は、元の地形が分からなくなっている場所もあり、熾烈な戦いがあっただろうことが知れた。
そこまで来ればそれを為した者達の姿も容易に確認が出来る。
退魔師は劣勢と言える有様だった]

っ、

[動向を探りながら近付く最中、牽制するような声が届く。
思わず足を止めると、人の姿をした者が余四朗へと声を掛けてきた]

……結界内じゃったら、移動は出来ぃけぇ。

[短く返しながら、鬼丞と亀吉の様子を横目で確認する。
まだ息はあるよう。
けれど、あまり猶予は無いように見えた。
更にはもう一人の闇星が異様な状態になっていることを知る。
余四朗も余力はあまり無い。
この状況をどうするか、先ずは妖達の動向を見極めようと視線を投げた*]


[こちらの問いに、退魔師から短い答えが返る]

 そうかい、便利なことで。
 ――妖は、そういう訳にはいかないのだろうねえ。

[ふ、と溜息こぼす。
 見極めるような視線に、相手はこちらを有無を言わさず害する気はないのだと判じて]

 あんた、沙耶――海の妖と戦っていた退魔師だろう?
 あの子はどうした。

[彼がここにいることが、何よりの答えではあるのだろう。
 それでも、彼からはきとした言葉が返ってくるのを、樹怪は待った*]


[警戒は消さぬまま、出くわした妖の言葉を聞く。
紡がれる言葉、繋がりの在る者の名を耳にし、この妖が”ふよう”と呼ばれる者なのだと知った。
問いには相手を見据えたまま一度だけ首肯する]

…そうじゃ。
あやつは───……海じゃ。

わしにゃなんも残さんち言うて。

[刹那の一撃が届いたかは確認出来ていない。
けれどあの妖の体は確かに海へと向かっていた]

全部、海にやるゆぅとった。

[そこまで言えば、”さや”と言う妖の意図も目の前の妖にも伝わろう]


行きとぉなら、わしん通った道使ぃ。
こん先にある結界の窪みじゃ。

[ここで阻んだところで何の益も無い。
行きたければ行けと、余四朗は道を開けた*]


[退魔師の返答に、瞬いて。
 何も残さない。
 その言葉の意味に、人喰いの妖は、思い当たる]

 ……そうかい。海に、か。

[しばし顔上げて、見通せぬ遠くを見た。
 それから、道を開ける退魔師に、視線を戻す]

 いいのかい?
 あたしは、沙耶を――……。

[言い掛けて、言葉を切る。
 沙耶は少なくとも、男の手の届かぬ場所に行ってしまった。
 だからこそ、彼はここに来て、こちらに道を示すのだろうと]

 わかった。……ありがとうね。

[退魔師に目礼を向けて、教えられた道へ向けて再び歩き出す*]


[礼を言われて、余四朗は妖から視線を外して、ふん、と鼻を鳴らた]

礼なぞ要らん。
わしも優先したいもんがあるけぇ。

[言って、一度視線を鬼丞へと向ける。
余四朗は鬼丞を助けるために来た。
故に妖が仲間を助けに行くのを止める理由は無い。
開けた道を妖が行くのを見遣った後、余四朗もまた先へと歩を進めた]


鬼の旦那っ、

[歩は徐々に走となり、余四朗は鬼丞の下へと駆け込む。
いつ命の灯火が消えてもおかしく無い状況。
けれどその顔には諦めぬ意志が見える]

早急ん医者ん診てもらわんといけんき。

[汚れていなそうな着物の裾を破り、鬼丞の喉元へと当てる。
しかし結界が崩れたとしても医者の下まで運ぶのが大変だ。
血止めだけでも出来れば違うのだが、と余四朗は思案の色を見せる*]


[かつて悪戯に引っかかった時のような表情見せる相手を、
かつてのように盛大に笑う暇は、なかった。
実に残念である。>>+25]


なるほど。 ……わかったようなわからんような。

つまり、こん中で力がぶつかって……、勝ったり負けたりをやっとれば呪は解けるのかのう?

[ぼそりと零された、呪の消える術を示す言葉の意を、>>+26
自分なりに噛み砕けばそんなことを。
その時はまだなんにも思い至っていなかったが、
座り込んで小鬼の鳴き声やら、
人喰らいの樹の妖と見知らぬ退魔の者が話している声を聞いているうちに、
ようやくそれに思い至る]


なあ、なあ、つまり此度はわしの勝ちってことでええんじゃな?


[向けた表情はどこまでも楽しそうなものだった。
悪戯に引っかかった者の様子をご丁寧にも確かめに行く時とさほど、変わらず**]


― 海辺/結界内 ―

[退魔師は鬼丞の方を見る
 彼が鬼丞と会話していたを思い出し、ならば助けに来たのかと頷いて。
 彼と入れ違いに結界の窪みへ向かい、その向こうへ手を伸ばす]

 ――……っ

[結界の境は、弾くことなく樹怪を受け入れた。
 宙へ浮かぶような、奇妙な感覚がしばらく続いた後、周囲の風景は一変して。
 思わず転びるようにしながら、岩の上へ着地する]

 あの場所、か。

[間違いなく、沙耶と会った場所であると確かめて。
 妖は岩場を歩み、波の被るぎりぎりまで近付く。
 目に入る所に、あの幼い妖の姿はなかった]


 沙耶、

[樹の妖は泳げない。
 海に潜り、妖の行方を探すことが出来ない]

 沙耶!

[だから、呼ぶ。
 答えが返るまで、何度でも、何度でも]

 沙耶あっ!

[気付けば両手を着き、海を覗き込む姿勢となっていた。
 常ならば決して見せぬその姿にも気付かぬまま。
 海風と波音に向かって、ただ、呼び掛け続ける**]


[鬼丞の言わんとすること>>+32は分かる。
実際、余四朗の傷は雷で焼いて止まっているようなものだ]

無茶言いよぉなぁ……。

[腕や足などならば躊躇うべくもない。
心の臓から離れているならば、多少の無理も利く。
しかし今回は喉、心の臓に近いもさることながら、失敗すれば喉を潰しかねない]

……焼く痛みで叫ばんちくれのぉ。
動きおうたら危ないき。

[けれど、現状他に手段があるわけでもない。
命を預けるという言葉>>+33を聞き、心を決めると余四朗は太刀を抜いて両手で握り、鬼丞へと向けた。
焼く範囲を広げるため、切先の側面を傷口へと当てる。
幸い、高圧流を流せるほどの力は残っておらず、焼く程度の雷の制御は苦心せずとも可能そうだった]


始めぇで、旦那。

[緊張に一つ息を吐き、吸い込んで息を止める。
強者と対峙する時のように神経を尖らせ、傷口を焼くだけの雷を太刀へと奔らせた**]


[男は退魔師が死にかけるような事態に際した事はなかった。
>>+18混乱の最中、先程よりも厳しい兄弟子の声が降る。
確かに師匠であれば拳骨一つでは済まされないだろう。

力を酷使して色の抜けた髪のままの樹怪による知恵や、
>>+20彼女に咽喉が傷つけられた煌星の退魔師の声まで風に乗って聞こえて来れば]

…ぅ、…

す、すいません…。

[気を鎮めろ、という言葉を受けて男は瞑目し、呼吸を整えようと務めた。
結界の色は息をするように濃淡の移り変わりを繰り返し始める。

そんな頃、岩場で感じた雷の気配が近付いてきた。]


[結界を渡って来た退魔師は樹怪と何かを話し、人の姿に戻った彼女はどこかへ消える。
脂汗を浮かせた男に彼女が結界を渡っていったのだと悟る余裕はない。
やがて彼は瀕死の疵を負った風使いの元へと赴く。

早く医者に、という言葉が耳に入って]

…あ…

[医者に見せる事が叶えば、助かるのだろうか。
否、諦めてはそこで負けたも同じ。
諦めないで手を施そうとする人が其処にいるのだから。
こんな所で力に飲まれているわけにはいかない。

男は歯を食い縛って眉間にぐっと力を込める。]


[羽音に似た音と共に薄墨の結界は砕ける。
その残滓は煌星と闇星の張った結界の中に溶けた。

結界を破った男の身体は僅かに傾ぐ。
足に力を込めて踏み止まると、腰に提げた印籠と巾着を探る。
血止めの軟膏や手拭いなどを取り出して、]

雷の旦那、疵口にはこれを当ててあげて下さい。
宿で洗ってから使っていませんから。

…風の旦那、ちょいと染みますが失礼しますよ。

[かなり出血をしていたようだから、これ以上の出血を抑えねばと。
蔓や葉で傷ついた疵に血止めの軟膏を塗る。

足りねば薬草を取りに教わった林に向かって全力で駆けた。
そう動く男の瞳には怯えはなかった。**]


[鬼丞の意地>>+36を受けて、余四朗は喉の血止めを進める。
着物の袖を噛み締めた口端から零れる呻き声>>+37。
ここで動揺しては惨事が起きる、と処置が済むまでは心を鬼にし手早く傷口を焼いて。
焼け焦げる臭いが漂う中、余四朗は太刀を鞘へと収めた]

旦那っ、

[血止めに呻く鬼丞の体を支え、声をかける。
声の代わりに返るのは緩く握られた拳と緩やかな風。
生きていると示すそれは余四朗に安堵を与えた]


おぅ、助かるけぇ。

[処置の間に己を取り戻したらしい青年から手拭を受け取る。
喉の傷口は焼いて出血を止めたものの、代わりに火傷がその箇所に残った。
火傷も晒したままでは傷に障る。
手拭は首の傷にあて、緩く首の後ろで縛った]

亀きっつぁんの方も血止めせぇにゃいけん。
薬足りぃけぇ?

[傷が多いようなら薬は足りそうに無い。
方法が無いかを問うと、樹怪に薬草が在る場所を聞いたと教えられた。
場所が分かるなら、とそちらは青年に任せることにする]


亀きっつぁんも、焼くけぇ?

[軟膏で間に合わないようなら鬼丞と同じ処置をする、と亀吉に問いかけた*]


力、などと。
そんな大層なものは持ち合わせておりませぬ。

[僅かに首を傾けて、妖は男を見遣る。
口許には笑みを湛えたままに]

おやまぁ、物好きな御方。
……そこまで仰るのでしたら。

[僅かに気が逸れるのも感じたか、深まる。
切りかかってくる刃に向けて、片方の腕を翻し――]

[けれど何も起こらなかった]


あらあら。

[こちらに無防備に背中を向ける男
片腕を掲げたまま、首を傾げて見つめる。
襲いかかる事はしなかった]

これは大変。

[その周囲に小さな結界が生み出されるのを、そこに垣間見えた絶望の表情を、
妖はただ笑って見ていた]


[亀吉の返答>>+40に、嗚呼、と声を零す。
物騒であっても手当てが優先、と気が急いていて、己らに宿るモノの相性をすっかり忘れていた]

ほぃじゃあ縛るだけ縛るけぇ。

[勿論薬も塗り圧迫してとなるが、薬が足りなくても縛る心算で。
手は借りぬ、となるならば任せてしまう心算だ*]


いえ、本当は冷やせた方が良いンですが。

[向けられた言葉にはゆると首を横に振り。
喉の火傷は痛そうに顔を顰めつつ、其方の処置は彼に任せた。

己の意志外で発動した結界の負担は身体を重く感じさせる。
無理矢理にねじ伏せた星の本性は胸の裡で燻ってはいるけれど、もう飲まれる心算はない。]

…ちょっと足りないかもしれません。
あ、でも先刻旦那と話してた妖に薬草の場所を聞いたンで、ひとっ走り行ってきます。

[軟膏がなくなりそうだと気付いた頃合いに声を掛けられれば、そんな風に返して。
男はちらと兄弟子の様子を見やった後に林の方へと全力で駆け出す。

その間に疵口を焼くかという話をしていたとは知らず。]


お待たせしましたァっ。

[師匠から薬草の種類は教わっていたので、林に行けば目的の薬草は見つかった。
採って来た薬草を手持ちの火打ち石でつぶし、疵口に宛がう。
そうして手甲を外すと小袖の先を裂いて、当て布をした後にぐるりと巻き付けて固定した。]

亀兄さんも、失礼しますよ。

[まだ彼と戦った妖は傍にいただろうか。
片腕が獣性を色濃く残すそれとなった彼女をちらと見て、黙って一礼する。
それは兄弟子を殺さないでくれた礼。彼らの関係は男は知らない。
己が闇星に飲まれる云々の話も結界の中でははっきりとは聞き取れず。

了解を得られたならば、先ずは肩に出来た傷の処置をしようと。*]


―少し前―

[微笑みを湛えたままの妖は己の調子を崩さぬまま。

気が昂ぶったまま振るった刀は、彼女を屠る為というよりは己が星の本性を振り払う為のもの。
彼女の力がどんなものであるのかは分からないまま、突進する形となった。
師匠が見ていたならば、この阿呆が、と云った事だろう。
女怪の細腕が応じるように翻される。]


[陽炎の主と思しき女怪は気が逸れて背を晒した男に一撃食らわせたりはしなかった。
ひどく狼狽した男にはそれに気付く余裕はなかったが。*]


[手当についての亀吉の返答>>+41には、そうけぇ、と返すに留め。
薬草取りから戻って来た青年の手際の良さに感嘆の声を零す。
手当てに慣れているようであるため、細かい部分は任せ、余四朗はこの場に残る妖に視線を投げた]

[どちらも止めを刺そうとしなかった者達であるため余四朗も手は出さないが、警戒だけは緩めない。
尤も、余四朗も満身創痍であるため、何かあった時に対処しきれるかは甚だ疑問ではあるが*]


[素直にそうだと答えてはくれない、どこか拗ねたような響き帯びる、声。>>+34
まるで聞き分けのない子供を相手しているようだ、と、ふと思う。
もっともそんなこと実際には言ってはやらないのだけれど]


………… ふっ

[宣言かました後ふいと視線そらしてしまった青年を小さな笑い声だけが追う。>>+35
浮かべた笑顔は常より穏やかなもの]


[さて、とりあえずひとまず休むと決めたものの、
多少気になるのは芙蓉のこと。
朽葉色だった髪は白く染まり、力をずいぶんと消耗したことがうかがえる]


海、………か。

[おそらくはそこにいる妖に用があるのだろう、
見慣れぬ退魔の者が通ってきた場所に向かってから、
彼女の気配は弾かれたようにこの場から消えていた。
追いかける気はなく、ただそちらの方に視線を向けるだけ]


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