17 吸血鬼の城
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グロリア、さんですね。
[名乗りをあげるグロリアの名を確認し、静かに控える彼女にぺこりと頭を下げる。]
ト、トーニャさん!?
[急に瞼の縁を濡らすトーニャに驚き、慌てて駆け寄る。]
大丈夫、ですか?
[近寄り、取り出した懐中時計をその耳元へと近づける。]
時計の秒針の音は、胸の鼓動に似たリズムを刻むそうです。
[自分に、この方法を見せてくれた詩人の顔を思い出し、胸に痛みが走ったが、堪える。]
……落ち着きましたか?
[しばらくして、トーニャに尋ねた。]
(323) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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――……これから、どうなっちゃうんだろ。 どうすれば、良いのかな……。
[助けてくれる大きな背中はもうない。 紋様は血と泥に汚れ、ところどころ消えかけていて、まだ役に立つのか少女には分からなかった。
俯いた頭をグロリアに撫でられながら、ぽつりと不安を零してしまう]
(324) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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其処までして得るほどのものか。 可笑しなことだ。
[首を振る。 己の部屋の傍、崩れ落ちる眷族の姿は 城主には理解出来ぬもの。 あれもまた過ぎた執着の結果かもしれぬと内心思いながら、爪先だけでなく、指で、掌で、鼓動を聞く]
恐怖し、絶望した人間の心の音とは違うぞ。 これでは――足りぬが。
[そういえば未だ、全てを投げ捨て自分の醜い部分まで晒し、命乞いをする姿を誰も見ていない]
啜って欲しいなら、そら……首を出せ
[掌を胸元へ這わせたまま、再びゆっくりと身を寄せる。漂う色香はひとのものに在らず]
(325) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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わたくしも、ともに―――
[サイラスへと覆い被さるように前へと倒れれば、 短剣の鋭い刃は、あっさりと喉をつらぬいて。
あかい血が、高く、吹き上がった。]
(326) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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>>316 ん……?
[ベットから上半身を起こして声がした扉を見る。たしか今の声は黒い服を着た方の従者。もしかして、聞かれただろうか? 扉を開けばやはりそうで。あせりを声に出さないようにゆっくりと喋る。]
……こんな場所で何をって。 客室で休んでいることは別に変じゃないと思うんですけど……
(327) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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―――……、
[無言の気配はミセリコルディアを握る]
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―中庭―
えっ、ああ、はい……。
[グロリアの言葉>>320に頷く。]
替えの服が、無かったもので。 この様な服は、着慣れていないのですが……。
[と、ドレスの裾を摘み、確認するように視線を遣る。]
(328) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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[その身体からは白薔薇が香ってはいるだろう。]
(329) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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[薔薇の香気が満ちる中
折り重なって倒れる二人の身体は
あかく、あかく――そまっ て い く …]
(330) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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白薔薇に求めたのは、何だったのか。
白薔薇をそれでも、護ったのはきっと…
そう、お前の望みのままに。
[甘く幾度も同じ言葉を繰り返す。
其れが真実なのだと、惑わせるために]
遠ざけることなど、あるはずもない。
……私は何時でも、お前の傍に――…
[紡ぎ終える前に混じる眷族の呻き。
城主は暫し沈黙し]
――――解せぬ、薬師
[一言、零した]
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 23時頃
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『人は死ぬ――いつでもどこでも、 唐突に、理不尽に』
[リンダの出した懐中時計を眺めつつ、霧に塗れた空を眺めた]
(331) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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それは紅く、染まるけれど。
(332) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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