17 吸血鬼の城
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奏者 セシル! 今日がお前の命日だ!
2010/06/22(Tue) 23時頃
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お兄様…… 気が晴れぬなら……
白く美しい薔薇でも愛でて お心をお慰めになっては如何でしょう。
[感情の読めぬ聲が城主へと囁かれる]
(*0) 2010/06/23(Wed) 00時頃
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白薔薇を?
[黒薔薇へ手を伸ばす城主へ かかる声音 廊下へ出て行った彼はこの場に居らず]
追うのは、億劫だが。
[折角の提案ならば。 向かうべきかと気乗りのしない聲を洩らす]
(*1) 2010/06/23(Wed) 00時頃
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億劫と仰られるなら無理にとは申しません。 お兄様のお心のままに……
[兄が黒薔薇と戯れるならそれ以上何も言わず。 気乗りせぬ彼の聲に静かに頭を垂れる]
(*2) 2010/06/23(Wed) 00時頃
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あれが気になるなら ……お前が後を追えば良いだろう?
[聲は幾らかからかう風を持って響く]
(*3) 2010/06/23(Wed) 00時頃
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――……死ねたのに、
[呟きはけれど、耳の良い者には響いた]
(*4) 2010/06/23(Wed) 00時半頃
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私が………?
[からかうような声音に僅かに首を傾げる]
――…私が行って良いのかしら。
[ぽつと呟く聲は感情を殺したように、薄い]
(*5) 2010/06/23(Wed) 00時半頃
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――……っ
[白薔薇の呟きに女の表情が強張る。 嗚呼、彼も私を置いていくのだろうか。 そんなことを思い翡翠は伏せられた]
(*6) 2010/06/23(Wed) 00時半頃
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[死にたかったのか。
彼のつぶやきには少し、驚いている。
だけど、自分も同じようなことを考えている。]
(*7) 2010/06/23(Wed) 00時半頃
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私のローズ お前の思うままに、生きるが良い。
[行って良いのかどうか。 その聲を後押しするように、囁きを向ける]
何度も口にするほどあれが気になるのだろう? お前のしたい事をすれば良い。
それだけの力がお前にはあるのだから。
[従者の呟きは聞こえていても、城主の其の囁きはまだ ひとの身である彼には届かぬもの]
(*8) 2010/06/23(Wed) 00時半頃
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お兄様……
[城主の聲に伏せた亜麻色の睫毛が震える]
気になるから留めたいと思うのかしら。 嗚呼、私はあのひとを留めておきたいの。
[望むことを口にする。 けれど女にはそれが良いのか悪いのか そんなことさえ分からない。]
この力はお兄様に与えられたもの。 この力はお兄様の為だけにふるわれるもの。
[自らに言い聞かせるように小さく繰り返す]
(*9) 2010/06/23(Wed) 00時半頃
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どうした、私のローズ
[傍に居ながら、聲を使うのは 彼女の内なる聲を聞かせたくないと 可笑しな心持ちから。 どの道同族には聞こえていると言うのに]
気に留まれば、喰らいたいと思う事もある 留めて置きたいと思う事もある
そう、お前が其の力を得て、此処に居るように。
(*10) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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如何もしないわ、お兄様。
[返事をするまで暫しの間があった。 それは自らに暗示を掛けるための時間]
――…私はお兄様に望まれたから 今、此処に居るのね。
[今はその事実だけで良い。 それ以前の事を兄に問うことはしなかった。]
(*11) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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そう、私がお前を望んだから お前は永遠に美しいまま、私の傍で咲く事が出来る。
[間をおいた返事に、柔かに笑みを混ぜる。 其れは、崩れていた調子が戻った様子を伝えた]
(*12) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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それなら良いの。 私は――…お兄様を少しでもお慰めできる華でありたい。
[親鳥を慕う雛のように女は兄を心酔する。 兄の笑みを認めれば安堵したようにふ、と微笑を過らせた]
(*13) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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嗚呼
[浮かべた微笑を振り返り、城主は吐息を洩らす]
お前が何時も満ち足りて 美しく咲いている事が 私を慰めてくれるのだ。
其の微笑みを曇らせる事のないように お前はお前が望むままに、生きると良い。
(*14) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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[これは女が失った過去の記憶の欠片。
女は良家の娘として人として生を受けた。 元来身体が弱く外に出る事も稀だった。 唯一知る外の世界は白薔薇の咲く庭園。 遊びに来てくれた二人の兄妹だけが心の慰め。
医師から二十歳まで生きられぬと宣告されていた。 長く生きられぬと知りながらそれを嘆くことはなかった。 もう少しだけ丈夫であれば、と思ったことはあるけれど 限りある生をひたむきに生きていた。
残る時間があと二年に迫った時―― この城の城主と出会う。 出会いは白薔薇咲く庭園だった。
――美しくも哀しげなひとだと女は思った。]
(*15) 2010/06/23(Wed) 02時頃
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[無知な女は彼を魔性だと気付かない。 気づいた頃にはすでに手遅れ。 城主は女の命が短い事を知り憐れに思ったのか 時を止める術がある事を明かす。
このままで良いのだと、女は抗った。 神から与えられた命をまっとう出来るだけで良い。 家族や親しいあの兄妹と離れるのは辛いと ――そう、一度は拒絶したのだ。
けれど次に目覚めた時には 抗った記憶も人だった記憶も失っていた。
否、本当は何か大事なものをなくしたのだと それだけはわかっていたのだけれど
此方を見詰める城主の眸が何処か寂しそうに感じられて その日から、城主の傍にあることが自分の存在する理由となった]
(*16) 2010/06/23(Wed) 02時頃
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――…私の望みはお兄様と共にあること。
お兄様がそう仰って下さるなら 私は限りある生を――…
[言い掛けた自身の言葉に、瞬く。 何を言おうとしていたのだろう。 緩く首を振りその言葉を打ち消した。
続けるべき言葉が見つからず女の聲がぴたりと止んだ]
(*17) 2010/06/23(Wed) 02時頃
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[記者を連れ歩きながら 知人に先立たれ独り生き延びてきた過去を振り返る。 若いうち、未だ人と己の区別がつかなかった頃
幾度求めた手を振り解かれたか 幾度理由も無く虐げられたか あまりに遠い昔の話は、霞がかってしまって
鮮明なのは、此処数年の出来事]
(*18) 2010/06/23(Wed) 03時頃
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[未だ、城で宴を催す前の事だった。 食事の度に夜の街を彷徨い 月明かりの下、白薔薇の庭園でひとりの娘を見つける。 儚い夢のような娘だと感じた。
其の理由は直ぐに知れる。 警戒心も無い様子で、語りかける声 ならばと、正体を明かし 其の身に永遠をくれてやろうと誘いかけた。
美しい華が、枯れる前に散るのが惜しいと思う。 珍しいことだと自嘲した]
(*19) 2010/06/23(Wed) 03時頃
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[喜ぶかと思った娘は、首を縦には振らなかった。 思い通りにならぬ歯痒さ。 彼女もまた私のものにはならぬと言う 拒絶した彼女に 気付けば牙を立てていた。
血を分け与える行為は、微妙な匙加減が必要なもの。 女の血を吸い尽くす手前で止め 命の散りかけた其の身を次は己の血で満たす。 人ならざるものへと変わっていく 其の身で受け止めきれぬほどの快楽が 彼女の記憶を何処かへ飛ばしてしまったのか]
(*20) 2010/06/23(Wed) 03時頃
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[意識を飛ばした娘を連れて、城へと戻り 熱が出たのか毒を中和すれば良いのかと、 下僕に薬を買いに走らせる。 今思えば愚かなことだ]
……私のローズ。 永遠を生きるもの。 共に――…
[翡翠の瞳を再び見る事が出来た其の時から 刷り込みのように、幾度も繰り返す言葉。 ぴたりと止まった彼女の聲>>*17 城主は甘く優しく囁き続ける。 錯覚も永遠に続けば、其れが真実となるだろうから*]
(*21) 2010/06/23(Wed) 03時頃
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――…うそつき。
[死を望んでいた白薔薇に対する聲は 震えの混じる情けないもの]
(*22) 2010/06/23(Wed) 04時頃
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――……聲が、
聲が、震えておいでですよ、お嬢様――
[半覚醒のなかで囁きに応じる聲。 常の柔らかな響き、 けれど、どこか硬質な――]
(*23) 2010/06/23(Wed) 04時半頃
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[――新たな聲が聞こえた。 自らが招いた事だというのにそれが怖ろしく哀しい]
――……、
[逡巡するような間が生じた]
貴方の気のせいよ。
[沈む聲がそう答えた]
(*24) 2010/06/23(Wed) 04時半頃
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ああ……
[目覚めの吐息がひとつ]
――気のせい…… 左様でございますか、ならば結構、
――お可愛らしいことですね?
[囁くそれは、砂糖菓子のような甘い聲]
(*25) 2010/06/23(Wed) 04時半頃
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[城主の甘く優しい囁き>>*21が鼓膜を震わす。 幾度となく繰り返された言葉がじわと染みて]
やはりお兄様にお任せすれば良かった。
[求めた白薔薇の変貌に女の心は追いつかない]
お兄様――… 私はまた、間違えてしまったのでしょうか。
(*26) 2010/06/23(Wed) 05時頃
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[甘い白薔薇の聲に心が震える]
可愛くなんて、ない…… 偽りは、…やめて……
[これは違う。 違うのだと自らに言い聞かせながらも 途惑いは隠せず上擦る音色]
(*27) 2010/06/23(Wed) 05時頃
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[ツキン、と、鈍い胸の痛みが女を苛む**]
(*28) 2010/06/23(Wed) 05時頃
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[上ずる声音を聞けば、吐息に笑みが混ざる]
……ああ、ではどんなお言葉でしたら、 信じていただける?
あなたのお望みのままに、 謳って差し上げますよ、お嬢様――……
[その声は耳触りだけは、まろやかでやさしい**]
(*29) 2010/06/23(Wed) 05時頃
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[ふと、
声が増える 増えた。]
――……セシル?
(*30) 2010/06/23(Wed) 08時頃
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[声ならぬ聲が混じる。 よく知ったおと 瞼を閉じれば、其の先に 手元に置きたいと思った蒼天は色を変えて]
ふ……ふふ
[吐息の間で笑みを浮かべ、可笑しなことだと囁き零す]
(*31) 2010/06/23(Wed) 08時半頃
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私のローズ お前の望みは叶っただろう?
……セシル……目覚めたか
[愛しい そんな感情が魔物に存在するものか。 是は執着 朱に交わり染まる蒼がただ惜しいだけ 胸に渦巻く甘い痛みの説明を 誰も城主に授けてはくれぬ**]
(*32) 2010/06/23(Wed) 08時半頃
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[重なり響く己の名の音]
おはようございます、旦那様――…
嗚呼、心根のかろやかなこと、 ―――…私は、今まで何に捕らわれていたのでしょう。
[失われたのは闇にあって尚、善美に焦がれる心 枷なき薔薇は、棘を恥らうこともない]
(*33) 2010/06/23(Wed) 12時半頃
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ふふ…… つまらぬひととしての未練に囚われていたのかどうか 私はお前で無い故に、わからぬが。
良い目覚めを迎えたようだな 私の――…白い薔薇。
[蒼天は地に堕ちた。 胸を鳴らすこれは、其れを惜しいと思う何か。 けれど淫猥に囁く声音に曇りは無く 新たな眷属を歓迎している]
(*34) 2010/06/23(Wed) 12時半頃
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[響く声、
そして、フロレスクは完全に落ちたか。 と、思えど、
それをもう何かいう資格はまるでない。]
――……
[声は出さぬが気配は伝わっただろう。]
(*35) 2010/06/23(Wed) 13時頃
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はい、目覚めはとても心地よく、 感謝しております、旦那様――……、
[惜しまれたものを省みることはなく、 声はまどろむような甘えを滲ませて]
(*36) 2010/06/23(Wed) 13時頃
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[何処かで己の名を呟いたような、声に]
――ああ、そうだ。 あなたへの感謝も、まだでしたね……?
きちんとお礼に伺いますよ。
(*37) 2010/06/23(Wed) 13時頃
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[暗き空を見て、どくり、と身体がうずく。 いや、そこから落ちれば、人ならば命がない場所に
惹かれるのは、なぜか。
いや、違う、飛べるような気がした。 さきほど、飲んだ狩人の血が、 一層力を高めたのだろうか。]
(*38) 2010/06/23(Wed) 13時頃
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――……ッ
[ふと響いてくる白薔薇の声。 微かに目を見開く。]
感謝?
[テラスで結果佇みながら…白薔薇の妖艶な声に眉を顰めた。]
(*39) 2010/06/23(Wed) 13時頃
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[物言わぬ気配を感じながら 白薔薇へと微かな笑みを送る]
感謝は、私ではなく……彼等に。 望みを叶えて遣るがいい。
(*40) 2010/06/23(Wed) 13時頃
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君は、もう フロレスクを完全に捨てたのだよな。
[しかし、問うてみたくて、そう声を響かせる。 城主やローズにも聴こえるだろうが。
聖なる血族にあって、落ちた彼の真の心裡はどうなのだろうと…。]
(*41) 2010/06/23(Wed) 13時半頃
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――案じる心など、 そのようなものは欺瞞です。
[女の声に思い出したように、 答えるはただの魔性の声]
ええ、感謝しております――お嬢様。 欺瞞を捨て去り、わたしは望むままにあれるのですから。
(*42) 2010/06/23(Wed) 13時半頃
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――まだ、その名を紡ぐのですか?
[かつて抉られた心 けれどその柔い部分は失われて、ただ不機嫌そうに呟く]
[一度交わってしまった白は、 あとは容易くその色に染まるのみ]
(*43) 2010/06/23(Wed) 14時頃
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君が君であった
その名というだけだ。
[ただ、同じ名を呟いても、 もう、それで揺らぐ彼はそこにはなかった。]
(*44) 2010/06/23(Wed) 14時頃
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――…私の、望み
[兄の聲>>*32に闇に溶けた女の気配が揺らぐ。 叶ったとも叶わなかったとも言わず]
愛しいお兄様…… 私が望むのはお兄様の傍にある事だけ。
[今はそれしか望みはないのだと切なく漏らす]
(*45) 2010/06/23(Wed) 14時頃
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貴方の施したものが欺瞞だったとしても――… 私にとっては違うものだったの。
[白薔薇の聲にぽつと紡ぎ]
感謝ならばお兄様に…… 全てはお兄様の為に在るのだから……
(*46) 2010/06/23(Wed) 14時半頃
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[そして、相変わらず耳端に聞こえるのは、ローズの城主に対する愛慕だろう。
いつでも、憂いを持つ彼女を血をもらったことが、 自らには影響しているのだろうか。]
ああ
[城主の孤独、ローズの憂い 彼らは通じ合っているように見えるのに、 それでも、
なぜ、幸せにはみえない?]
(*47) 2010/06/23(Wed) 14時半頃
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――……感謝……。
[ローズが感謝を兄にという。 そう、さきほど、セシルが呟いたその言葉。 それが、理解できない。]
[ああ、それとも、彼らは、望んでそうなったというのか。 それほどに、人間であったころが…。 なれば、
自分がこの中で異質なのは認めざるえない のか。]
(*48) 2010/06/23(Wed) 14時半頃
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そうか? ……ならば傍へ来るが良い、私のローズ
[切なげなローズマリーの聲 ひとで有った時の迷いを捨てた白薔薇の聲 未だひととしてのこころ捨てきれぬ風の、薬師の聲 城主は増えた囁きに耳を傾けながら、淡い溜息を洩らす。
何でも持っていると、あの子供は言ったけれど 満たされても満たされても 必ず其の後に訪れる深い虚無感 ヘクターは最期感じ取ってしまったのかもしれない 闇よりも深い絶望の味]
何時でも――…私はお前を案じているのだから。
[言葉は簡単に口にする事が出来る。 案じるという行為を真に理解出来ずとも**]
(*49) 2010/06/23(Wed) 14時半頃
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――…お兄様。
[今すぐにでも向かいたい衝動に駆られながら 女は甘く切なく名を紡いだ。 兄の傍にある気配を影が伝える。 女は何もかも心得た風に]
お客様との戯れを中座させるような無粋…… 私には出来ません。 愛しいお兄様…… 如何かお愉しみになって……
[案じるという兄の言葉を素直に受け取る。 たとえ、真に理解されずとも 時折掛けられるその聲が女には嬉しかった]
(*50) 2010/06/23(Wed) 16時頃
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ふふ……お前の心遣いがこそばゆい。
[薄く笑みを浮かべ、聲を返す。 ローズマリーに呼ばれる度、胸に広がる薄い膜 不快ではない其れは何と名のついたものか]
嗚呼 そういえば……私には愉しまねばならぬ義務があったか。 宴の捧げものはどうしている?
あれも、私への捧げものと言うわけではあるまい。 寂しければ其れと戯れていても構わぬぞ。
[ふと思い出した葬列の娘の顔。 けれどあれには毒が混じっている。 純血たる己は恐れるに足らぬものではあるが]
(*51) 2010/06/23(Wed) 17時半頃
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私のローズならば恐らく問題有るまい。
……サイラスは、白薔薇は、どうなのだろうな あれの血を飲み干す事は 出来るだろうか。
[愚かな人間が作り出した哀れな娘。 ひとの毒が効くとすれば、未だなりきれぬ眷属か。 思考は聲となり零れ落ちる*]
(*52) 2010/06/23(Wed) 17時半頃
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[城主の声が聞こえる。
毒華も、城主やローズには効かぬだろうと。]
(*53) 2010/06/23(Wed) 19時頃
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[毒は、城主には、おそらく効かない。 なれば、もし、その身を捧げたとしても、
彼女の人生には何の意味も残らなくなる。
それは、させたくなかった。]
(*54) 2010/06/23(Wed) 20時半頃
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葬列の乙女が来ても、
食らわないでくれませんか。
[そして、そう城主に願いの言葉をかけてみる。 無駄なことだとはわかっていても…。]
(*55) 2010/06/23(Wed) 20時半頃
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[城主の囁きが女の耳朶に心地よく響く。 薬屋が愛慕と感じた其れさえ女自身は気づけずにいた。 指摘する者さえ居なかったのだから其れを意識する事もないまま]
――…哀しい事を仰らないで。 愉しまねばならぬ“義務”ではなく お兄様には愉しむ“権利”があるのでしょう?
捧げもの………? 嗚呼、そういえばそのような娘もいましたね……
[あまり興味がなかったのかそう呟き]
お兄様が問題無いと仰るならそうなのでしょう。 だって、誰よりも私の事を知っているのはお兄様だもの。
(*56) 2010/06/23(Wed) 20時半頃
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[婚礼衣装のようなヴェールを被り、最上階へ向かう 葬送の娘の様子には、気付いている。 彼女が最上階へたどり着いたとしても 其処には影が立ちふさがるのみ。
城主は其処に居ないのだから]
(*57) 2010/06/23(Wed) 20時半頃
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|
[血を与えし眷族の願いが聞こえた]
――…欲しいの? それとも、あの娘を憐れんでいるの?
[それだけを問うて。 女は兄の意向に従うのみ――]
(*58) 2010/06/23(Wed) 20時半頃
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|
葬列の乙女を、喰らうなと? ……私に命令か。
[サイラスに薄く笑みを混ぜ答える。 同時、ローズマリーの呟きに、柔かな声をかけた]
そう……私には全てを手にする権利があるのだったな。 葬列の娘は、黒薔薇が気をつけろと。 ……しかし人の毒が私に効くはずが無かろう。
私の血を幾度も分けたお前とて、同じ。 ただ、万一があっては……困るな。
早々に処分しておくか?
[眷属となった薬師の願いを聞きながらも、冷たい提案を口にする]
(*59) 2010/06/23(Wed) 20時半頃
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>>*58
――……ッ
[ローズマリーの言葉に、まともに動揺をみせる。 欲しいのか、哀れんでいるのか。
ああ、こんな自分であるのに、 それは二つとも、思える感情で……。]
――……ッ
[ただ、苦しげに息をつく音。]
(*60) 2010/06/23(Wed) 21時頃
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>>*59
[処分、の言葉には目を見開いて…。 唇を噛み締める。]
(*61) 2010/06/23(Wed) 21時頃
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|
――…ええ。 義務ではなく権利なのです。 私を好きにして良いのもお兄様だけ。
[柔らかな兄の聲に女はうっとりとした様子で]
黒薔薇が気をつけろ、と……? あの者はよく働いてくれること…… 人の毒がお兄様に効かずとも 毒を得た血はお兄様のお口には合わないのでは?
[案じるような聲は無論兄のためのもの]
私に異論はありません。 お兄様の為の捧げものなのだから お兄様のお気の向くままに。
(*62) 2010/06/23(Wed) 21時頃
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|
――――……
[白薔薇のひそやかに微笑う気配]
(*63) 2010/06/23(Wed) 21時頃
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|
[サイラスの動揺が、伝わる]
――…嗚呼。
[苦しげな吐息に呼応するかのように 女の胸が僅かに痛む。 引き摺られそうになる感情を抑えようと 女の柳眉が一瞬微かに寄せられた]
(*64) 2010/06/23(Wed) 21時頃
|
|
[薬師の揺らぎが囁きを通じて伝わる。 送る気配は気だるさ交じりに]
毒の混じる血は左程美味いものではないだろうな。 嗚呼、ローズ あれは宴の為の捧げもの お前にも弄る権利はあるのだぞ?
[其れはつまるところ、吸血鬼への捧げものなのだからと あえかな笑みを浮かべ]
勿論……お前たちも。
[白薔薇と薬師へも、そんな言葉をかける]
(*65) 2010/06/23(Wed) 21時頃
|
|
[城主のかける言葉に、 動揺だけをみせるも、
しばらくは、沈黙をしていたが…。]
なれば、私が…。
ですので、 手を出さないで、いただけます か?
[願いを…。]
(*66) 2010/06/23(Wed) 21時頃
|
|
左様でございますか……?
――ならば、我が身に毒が効くか否か、 試してみるのも、愉しいかもしれません。
[主が言葉が向けられれば、涼やかな声はそのように]
(*67) 2010/06/23(Wed) 21時頃
|
|
くく……ふ、ふふ
[眷族と加わった二人からの応えに 思わず笑みが毀れる]
……ならば、 其の娘を先に捕らえた者に権利を与えようか。
好きにするが良い。
(*68) 2010/06/23(Wed) 21時頃
|
|
承知……。
[城主の言葉に答えながらも、 笑う、白薔薇も気にする。
ともかく、でも、そんな場合ではないのだと…。]
(*69) 2010/06/23(Wed) 21時頃
|
|
あの娘が好い声で啼いて呉れるなら ……それも愉しいかしら。
[啼かせる気もないのに悪戯に聲を響かせ]
――…嗚呼。 狩りならば、私は見物にまわりましょう。 他の客人のお相手も、必要でしょうから。
[其々の聲を聞きながら女はすっと目を細めた]
(*70) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
|
|
――…よほど欲しかったのね。
[獲物をサイラスが見つけた事を影を通じて知った女は くすくすと愉しげな笑みを漏らした]
(*71) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
|
|
強い執着は時に命取りとなるやもしれんが ……さて、あれはどうするのだろうな?
[愉しげな気配混じる声音。 城主の部屋に近い場所、 霧の届く場所ならば全てを見通せる 蠢く影達はあるがままを己が主人たちへと伝えてゆく]
(*72) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
|
|
――ああ、つまらない。 最初から、近くにいるのがわかってらしたのでしょうに……。
[少しだけ拗ねたような声音が呟く]
(*73) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
|
|
――…そんな聲を出さないの。 あの娘以外にも“獲物”はたくさん居るでしょう?
[拗ねた白薔薇の聲に宥めるような聲が重ねられた]
(*74) 2010/06/23(Wed) 22時頃
|
|
ふふ…… 私はお前の拗ねた貌が見たかっただけかもしれぬ。
[白薔薇の声音に、くすくすと笑み混じる囁きが返る]
そう、私のローズが言う通り 獲物はまだ幾人も残っている。
宴はまだ続いているだろう?
(*75) 2010/06/23(Wed) 22時頃
|
|
――……ここは、下がってもらおう。
[白薔薇が拗ねた声を出すのとは対照的に、 暗い声を出して……。
そう、彼らにとっては、なんでもない、余興の一つ、きっと自分のことも滑稽にみえているのだと、わかっていても。]
(*76) 2010/06/23(Wed) 22時頃
|
|
―――お嬢様、 この狩りのこの“獲物”はそれのみ、ではありませんか。
[宥める声に答えるは、まるで道理を諭すように]
ああ、旦那様まで、 意地の悪いことを仰られて……
ですが、我らが同属は“獲物”に逃げろなどと。
[声音には冷笑の混じる]
(*77) 2010/06/23(Wed) 22時頃
|
|
喰らわぬのですか? ―――毒花を。
いらぬのならば、もらいますよ?
[恐らくその毒は、己が身にも効くだろう。
予感していながら、囁きは流れて]
(*78) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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まさに 度を越えた執着、だな。
[なるほど。 薬師の様子が 丁度部屋で話すイアンの喩えに当てはまる気がして 呟きを洩らす]
白薔薇 今宵の狩りは、薬師が勝ったのだから あれの好きにさせて遣れば良い
……しかし、其の娘がひとり逃げるかどうか
(*79) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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いや、 彼女を、
いや、獲物を、
捕らえれば、いいの だろう?
[白薔薇の言葉にそう返しながら…。]
(*80) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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――…お兄様もそう仰っているのだから、 別の“獲物”になさい、セシル。
……逃げろ? この宴から本当に逃げられるとでも思っているの? 逃げられなどしないわ。 そうでしょう……? お兄様。
嗚呼、けれど…… お兄様への捧げものに逃げろ、だなんて…… いけないこ、ね。
(*81) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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[絶望など消えたはずなのに――]
あれが良かったのです。 あの、毒が。
(*82) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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っふふ……宴から逃れる方法は幾つかあるぞ?
[ローズマリーに]
ひとつは、魂だけで逃げる方法 ひとつは、身代わりを置いて逃げる方法
[前者は死を意味し 後者は犠牲を意味する。 魔物狩人と名乗った男が選んだ道を思い出し、 薄く笑いながら告げた]
後は……我が眷族となる道もひとつの逃げではある、か? 二度とひとには戻れなくなるがな。
(*83) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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[隻眼の男のぬくもりが 失ったぬくもりを思い起こさせた。
同じようでいて違う。 違うようなのに似ている。
白薔薇の呟きにふ、と息を吐く]
それでも…… あの娘はサイラスの獲物なのよ。
(*84) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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――…そう、なの…?
[兄の囁きに不思議そうな聲。 けれどそうだとしたらサイモンの魂は逃げられただろうか。 それともまだ城の何処かに囚われたままなのだろうか。 あの優しい男のこと。 魂だけの存在となっても妹の事が心配で逃げずにいそう。 そんなことを思いながらも緩く首を傾げ]
如何してそんな話をするの、お兄様。 私は、逃げる為にお兄様と同じになったのでは、 ない……、でしょう……?
(*85) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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……そうだな お前は望んで、私の妹となったのだから。
[無理矢理与えた真実を隠し 城主は彼女の聲に同意を向ける]
中には、そのような者もいた、と言うだけの事。
(*86) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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――ああ、また。
(*87) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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私が望んだから…… お兄様が与えてくれた。
[疑う事なく記憶のない女は兄の言葉を受け入れる]
……そう。
愛しいお兄様…… 如何か私を遠ざけないで……
[切なる聲が微かに紡がれる]
(*88) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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――………あ
[最後は、本当に呆気ない、呻きが一つ……。]
(*89) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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――……、
[眷属たる男の呻きに女の翡翠が微かに揺れた]
(*90) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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―――……、
[無言の気配はミセリコルディアを握る]
(*91) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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白薔薇に求めたのは、何だったのか。
白薔薇をそれでも、護ったのはきっと…
(*92) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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そう、お前の望みのままに。
[>>*88甘く幾度も同じ言葉を繰り返す。 其れが真実なのだと、惑わせるために]
遠ざけることなど、あるはずもない。 ……私は何時でも、お前の傍に――…
[紡ぎ終える前に混じる眷族の呻き。 城主は暫し沈黙し]
――――解せぬ、薬師
[一言、零した]
(*93) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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