164 天つ星舞え緋を纏い
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― 雷門の屋敷 ―
坊さん、あたしを……いや、みんなを。
[身の内に在る風の力。
失われた法泉の左手。
見比べるようにしながら、鼓動を止めぬ肉体を感じるかのように胸に手をやる]
ありが……と……
…………あ……
[礼を言うか言わぬかの内に、法泉は畳の上に座り込む]
坊さん……?
[霊体の身では支えることなど叶わない。
なれど、咄嗟に彼に駆け寄り、背へ手を伸ばしていた]
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―長の家―
[ふたりも、という言葉>>52にはやはり頷きを返していた。 運ばれ辿り着いた長の家にて、明之進を隅へと降ろす。 己の膝も限界近かったので、その傍に座り込んで]
ありがとう、ゆうちゃん。 ……助かった、よ。
[夕顔には礼の言葉を向けつつ。 先と同じに紡がれる声を聴きながら、やはり置かれた狸>>53に眼を向けて]
(58) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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[一時、浮かんだ想いは横に置き。
進んだ先、見えた闇星の姿に目を細める]
……雪客、さん?
[知れなかった最後の一人の名を小さく呟く。
ふと、思い返したのは山車を彩った鮮やかな織物のいろで。
それは、日向の呟きに途切れた]
……怪我が酷く?
[その意は知れぬものの、移動するらしき闇星たちについて先へと向かい]
…………やかましい。
[途中、聞こえた呟きに、ぼそ、と突っ込んだ。
そこは密かに、気にしている部分。
間違えられた理由も、知ったら怒るは必然か]
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[直後、坊主が崩れ落ちた>>56]
……、御坊様っ、
[駆け寄ろうとするも上手くいかず。 よろめき、転げてしまう。 痛みを堪えつつ、顔を上げれば]
…… 琥珀、兄様、が。
[差し出される狸の人形。 すとんと、胸の奥で何かが落ちた]
(61) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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嗚呼。 貴方様が、狐、なのですね。
[狸は兄、では狐は誰だろうと、ずっと思っていた。 彼の顔を見る時、狐人形がちらついたのはきっと、そういう事なのだと。 這うようにして、そちらへと手を伸ばす。触れて、掴んだ]
(62) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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─ 雷門邸 ─
…………。
[たどり着いた先で見たものに、言葉は出なかった。
ただ、ひとつ、息吐く仕種を落として。
そのまま静かに、場の様子を見つめる。
たどり着く先、時の向かう先。
それを、見届けるのが、『時』の力宿した身の役目、とも思うから]
[狸が法泉から一平太へと渡される]
……わいが居らん時だけ兄呼びしとんやないで。
[顔を合わせれば芸名で呼ばれること数年。
その間「兄」と呼ばれるのを直接耳にした事はない。
呼ぶ声を耳に出来たのは嬉しいが、居ないが故の呼び名のように聞こえて、小さく笑みながらも寂しげな色が表情に混ざった]
[坊主の真意はわからない。
ただ、人として足掻きたいと思った日向の意志に、生きてそれを為す可能性を与えてくれたのは確かだった]
[伸ばした手を、彼の体は当然のごとく擦り抜ける。
何も出来ぬまま、肩を落とし数歩下がった]
[明之進は、何も言わない。
結局日向も沈黙したまま、その先を見守った]
[肩落とし、下がる様子に、浮かべるのは微かな苦笑]
……大丈夫、だよ。
[小さく呟いて。
手が届くならまた、頭をぽふ、と撫でる仕種]
おまえどこまで生臭やねん…。
[雪客への言葉には呆れて突っ込まざるを得なかった。
こいつ本当に何で坊主なんてやってるんだろうと、度々思うことがある]
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[心配気に駆け寄る夕顔と、火傷を癒そうと試みる雪客。 死にはせん、と坊主が言うから、それでも心配そうに見守っていたが]
……嗚呼。
[坊主らしくない言葉>>66に、やや表情を崩しつつ。 渡された狸を、胸元で握り込んだ]
(67) 2014/02/22(Sat) 01時頃
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……兄様。
[呟く声は、小さい**]
(70) 2014/02/22(Sat) 01時頃
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え?
[明之進の仕種を、きょとんとした表情のまま受ける]
あ。ん……
そうだ、よね。
[そうしている間に、坊主は雪客に向け軽口を叩いていた。
呆れたような、怒ったような顔で刹那固まるが、一喜一憂せず場を見守る余裕は生まれた気がした]
門下生 一平太は、メモを貼った。
2014/02/22(Sat) 01時頃
[好きに、生きる。
坊主らしくも、星の宿命宿す者らしくもない一言を、法泉は言い切った。
鋭き眼差しは、まるで霊体である己らすらも射抜くよう]
ん。生きる、よ。
人として在る、ために。
[相手には聞こえぬだろうから、己への誓いとしてそう宣する。
傷付き倒れた身に戻った後、どれだけ取り戻せるかはわからぬけれど――]
諦めない、から。
[眼差しを、雪客の方へ向け。
そう、小さくともはきとした声で呟いた]
……む、なんじゃぞろぞろとあわただしいの。
夕顔に……一もおる。……ぬ、雪は戻っておったのか!? なんじゃ顔くらい出さぬか心配かけおってからに……。
あれは……あぁ、荒れ寺の坊主か。そうか……
[門をくぐって館に入っていく奇妙な4人を上から胡坐の姿勢で見送る。それから坊がなにかしていたようだが、生憎自分の位置からは見えなかった
しかし確実に、力を感じる。曖昧な体と空気の境界に、一本線が引かれたような心地を味わう
同時に感じる。あの者たちこそが、闇の星を宿した者たちだと]
……闇は暗し、のぅ……。
[狸が一平太の胸元で握り込まれるに合わせ、華月斎の位置も自然一平太寄りとなる。
繋がりの糸は未だ切れず、それが綱となっていることは華月斎自身知る由もない]
…ほんま、らしゅうなぁ。
[法泉の言葉に深く息を吐くも、その口許には笑み。
それから、ふ、と思い出して]
あぁ、ようやっと渡せたかぁ。
[華月斎が狸の中に居た間は、その傍らに狐も居たはずだ。
しかし一平太へと渡されたのは狸のみ。
狐は法泉が持ったままなのだろう。
その事実に華月斎は満足げな笑みを浮かべた]
[坊主の軽口に固まる様子に、く、と楽しげにひとつ笑み。
それから、場にいるものをぐるり、見回す]
……ちゃんと。
言わないと、な。
[言わなかった言葉たちと、問いの答えと。
それを想い呟く様子は。
諦めぬ、と宣した時と、変わらぬ態]
さて……この里は……いや、もう里と呼べるのかの。
あの者たちがどうするのかわからぬが……儂もいつまで見届けられるのかのぅ。
[生まれ育った里を、高い所から眺める。
光覆われた空の下、広がる景色は………赤く]
ばあさんや、儂では何かの役には……たたなかったようじゃ。
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