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【人】 手伝い クラリッサ[強い風の音。小さな悲鳴。] (2) 2012/07/21(Sat) 00時頃 |
メモを貼った。
メモを貼った。
―― 天文台・裏手 ――
[ぐらりと体が傾く。そこにあるはずの地面が無い。
身体は重力という忌々しい恩恵により、呆気なく逆さまに落下を始める。
まるであの藍色の隕石のように。]
……、なんだ。
馬鹿みたいな、死に様だ。
[ありがとうと、スティーブンに伝えられて良かった。
セレストに触れることが出来て良かった。
そうして満たされていたのにどうして、不意に胸に込み上げるのは何?
また会いたいと、思う気持ちは何?]
【人】 手伝い クラリッサ冗談とかなら、やめてねぇ? (8) 2012/07/21(Sat) 00時半頃 |
[通話を切っていない携帯電話と
その横に置いたままのシルクハット。
遠ざかるその二つに、余計なものを残したなと冷静に鉄色は細くなる。
落下する、堕ちる身体。
携帯電話から微かに、誰かの声が聞こえるけれど。
もう答えることは出来ない。]
……お前には殺されねえよ。
ばーか。
[最期に天に放ったのは、隕石への恨み言。
怯えた鉄色に僅かに、光が見えた**]
―― 一ヶ月前・天文台:朝 ――
おはよう。珈琲くれ。
[世間が休みの日に、忙しくなる職業というものはなかなかにやっかいである。
穏やかな日差し注ぐ週末、いつものように鉄塔を横切り天文台へと出勤する。闇色のスーツにシルクハット、天文台の職員であると名乗っても、必ず初めは疑われるような格好で。
売店で接客してくれたのはセレストだったか、ホリーだったか。何時ものように朝食を買い求める。]
今日は何入ってんだ?
カレーパンないわけ?
[笑みも見せずに無遠慮に頼むのも、常の光景。]
湿気てんな。
あと煙草も、いつもと同じやつな。
[カレーパンはどうやらないらしい。代わりの焼き蕎麦パンで妥協し、最後に注文するのは常に内ポケットに備えている同じメーカーの煙草。メンソールのそれを好んで買うのは、その銘柄の名前が気に入っているからという理由もある。]
お互い精々勤労に勤しもうじゃないか。
じゃあな。
[代金を支払うと、相変わらずの鉄色を向けて売店から出る。入り口には既にぱらぱらと客の姿が見えて、ふと零す溜息と共に唇は緩く弧を描いた。
天体に夢を見る彼ら彼女らに、その美しさを知らしめてやろうじゃないか。
――今日も、忙しくなりそうだ**]
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【人】 手伝い クラリッサ[じっと、じっと――、天文台を見ていた。 (27) 2012/07/21(Sat) 01時頃 |
【人】 手伝い クラリッサ[高校を出て、さてどこへ行こうか考える。 (29) 2012/07/21(Sat) 01時頃 |
【人】 手伝い クラリッサ[ポケットに入れた携帯に、先程また着信があった。 けれどそれは無視である。 (35) 2012/07/21(Sat) 01時半頃 |
【人】 手伝い クラリッサ[悲鳴は聞こえなかった。 (37) 2012/07/21(Sat) 01時半頃 |
【人】 手伝い クラリッサ「 … す … て」 (41) 2012/07/21(Sat) 01時半頃 |
【人】 手伝い クラリッサ[逃げられない彼女。 (51) 2012/07/21(Sat) 02時半頃 |
【人】 手伝い クラリッサ[終わってしまうと。] (53) 2012/07/21(Sat) 02時半頃 |
【人】 手伝い クラリッサ[そこから、どれくらいの時間が経っただろう。 (57) 2012/07/21(Sat) 02時半頃 |
【人】 手伝い クラリッサ[セレストの携帯がなるのはいつだろうか。 (58) 2012/07/21(Sat) 02時半頃 |
―― 天文台・ドーム ――
はいはい、順番な。
おい馬鹿押すんじゃねえ、お前が弁償できる金額じゃねえのコレは。
[一般客にドームを開放する時間になると、昼間でも天体を観測できる電波望遠鏡にたくさんの人間が押し寄せてくる。
研究員と白で抜かれた緋色の腕章をつけ、望遠鏡にやたらと触れようとする客を威圧するのが今の仕事。
毎日のようにそれを覗き、天を見ている男にとって、そんなに珍しいものかと半ば呆れもするが]
ああそれな、金星。
今の季節は昼間でも空にでてるから、探してみろよ。
[電波望遠鏡を向けた先には金星がある。
何の星か、どんなときに見られるか。疑問に思う声があれば口調はそのままにでも丁寧に解説を加えて]
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【人】 手伝い クラリッサ― 道端 ― (81) 2012/07/21(Sat) 15時頃 |
【人】 手伝い クラリッサ[またメールが届く。暇な人だと思う。 (82) 2012/07/21(Sat) 15時頃 |
[ふと客の中に見知った顔を見つけた。手を挙げればそちらも気が付いたようで、その近くへと寄る。]
なんだ坊主、お前も星見に来たわけ?
……一人でか?
[姿を見かけたのは近所に住む青年。友人と来ているのか、或いは本当に一人なのか。そこまでは男の知るところではない。]
彼女とかと来いよな。
夜はここ、一応デートスポットになってんの。
連れ込むならお勧めしとく。
[周りの客に聴こえぬよう彼の耳に小さく囁き、笑みといっては歪みすぎた表情を作った。]
―― 天文台・ドーム → 裏手 ――
ガキが多い、レンズに触ろうとするやつもいた。
気をつけとけ。
[交代に来た研究員に腕章を渡し、螺旋階段を下って外に出る。館内に喫煙できる場所はあれど、客に見られるのはあまりいいものではない。
研究室の裏口から、外に出た。]
は、何がそんなに珍しいんだか……
[ドームで嬉々として望遠鏡を覗く客。小さく独り言を落としながらスーツの内ポケットから煙草を取り出す。火をつけるそのアクションの後、紫煙の向こう側に人影を見つけた。]
また来てんのかよ、ヒュー。
皆勤賞狙えんぞ。賞金何もでねえけど。
[こんな裏手に来る人間は極限られている。確かセレストと同じ高校生のはずだが、彼は度々この天文台に姿を現していた。]
なんなら望遠鏡監視員とか、推薦してやろうか。
……あー、でもドーム禁煙だしな、それじゃ意味ねえか。
[未成年であるにも関わらず喫煙者である彼、けれどそれを咎めたことは一度としてない。セレストが彼に声をかけるのを見ていなければ、成人した暇な人間だと永遠と思い込んでいただろう。]
今日、セレストいるぞ。気をつけろ。
[売店からは遠く離れているにもかかわらず小声になるのは何故だろう。
果たして彼と彼女の遭遇はあったのだろうか、やはりそれも男は知らない。]
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