人狼議事


97 せかいがおわるひに。

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【人】 負傷兵 ヒュー



 ――…………、バッカじゃねーの

[それでも目蓋の裏に浮かぶのは、最後に見たあの顔だった。
 瞬間的に高くなった体温に滲んで面影は消えた。

 背を預けていた壁から、反動をつけて離れる。
散らばったままの空き缶はビニル袋にいれた。どうしてか、この人のいなくなった高校を汚したままに去るのは忍びなかった。]


 最後に、オニせんせとも会えるかと思ったけど
 人生うまくいかないもんだな。

 ……成人後に一緒に酒飲もうって
 果たせなかったわ。じゃーね。

[人の気配のない高校を、後にした。]

(150) 2012/07/21(Sat) 23時頃

【人】 負傷兵 ヒュー

― 一月前のこと ―

[天文台の裏手、人のこないこの場所は気楽に煙草が吸えた。
吐き出す煙が揺蕩う、その隙間から。よく見るスーツと、金髪が覗く。]

 ……、ども。
 そんな毎日来てねーわ。
 …… 街中歩いてると、色々うっせーんだよ。
 煙草吸ってると猶更。

[軽口のような言葉に返すのは、現実的、というより面白みのないこと。]

(152) 2012/07/21(Sat) 23時頃

【人】 負傷兵 ヒュー



 かんしいん?
 
 んなつまらなそうなバイトするぐらいなら
 ガッコいくわ。よっぽど暇潰せる。

 つかアンタがやりゃいいじゃん。不良ショクイン。

[吸いさしを離し、唇を横に引く。
けれどそれも、告げ口があるまでのこと。]

 …………。
 あいつ今日シフトか、りょうかい
 告げ口あざす。

[指に挟んだままの煙草を振って、礼の代わりにした。]

― 一月前の事 おわり ―

(154) 2012/07/21(Sat) 23時頃

― 一ヶ月とちょっと前 ―

ねーぶちょぉお
あの脚本本気ー?

本気いー?

[ひたすら抗議をしていた。ひたすらだ。
だって馬鹿みたいな脚本で、馬鹿みたいな展開で、馬鹿みたいな ああもう、全てが馬鹿じゃないかと思える映画。

手はずは全て整って、クライマックスの天文台での撮影シーンも、既に許可は取ってあるという。 後輩女子からちょうおじょうさまな衣装の準備も整ってますといわれた。

こういう時の手際のよさはなんなの。まじでなんなの?毎度戦慄く。

映画研究部の部長も3年で、今年の夏休みで作るショートムービーを最後に引退する事になっていた。 それは私もだ。 あと少しだけだから、あんな馬鹿な脚本に修正依頼もださず(修正却下された事柄もかなり多いが)、おとなしく見事可憐で病弱な美少女を演りきってあげたんだけども。]


[絶対似合う。
と、わけのわからない根拠を持ち出して力説する部長の姿にじと目である。このお嬢様が男の好みの塊である事は、容易に想像がついて、睨み付けまくった。]

……

[最悪。と、思いながらも。
どこかで少しほほえましく思ってしまう理由は、何だっただろう。]


― 一ヶ月前 ―

[撮影当日。
あの衣装を着たまま移動するなんて屈辱すぎたので、着替えを持っていった。 トイレを借りて更衣する。
トイレから撮影場所までの道のりが遠い。 本気で、あの二人のシフトが入ってない日でよかった。 この日付だけは死守してもらった。

ルーカスは、セレストたちの所に遊びに行ったときに何度か見かけたので、本当に会いたくはなかったんだけど。
衣装とメイクと演技のせいで、誰かは気付かれないといいと、心底思っていた。 もう来れなくなる。

ドームに隣接する、野外観測用の屋上スペース。
なんだなんだ、と見学者はちらほらと集まっていた。 はずかしい。 にげたい。

でも、しかたないから。 ひらきなおるしかないから。

気合一発。懇親の演技が出来てしまった…。 少し後悔している。

聞こえる観客の笑い声は、救いだった。救いだったんだけども、笑い死ぬほど笑いまくっていた見覚えのある職員を、休憩中にじろりとものすごく睨んだのはよい思い出だ。
いやよくないけど。]


[こうして作られた黒歴史フィルムは公開された。
けれど、どういうわけか部長があまり広めなかった。
セレストが知らなかったのもその理由が大きい。

理由は――…。

察しはついたけれど、あんまり認めたくなかったものだから、知らないふりをした。

まあ結局、それがあんな悲しい事件を引き起こすなどとは、*思っていなかったけれど*]


【人】 負傷兵 ヒュー

― 高校→住宅街 ―

[いつだったか、正式にTVで発表があった日のことだった。
 父子家庭の家を飛び出して友達の家に転がり込み、何日か経ったころだった。家人は出かけた、友人はまだ寝ている、夏の日差しに近づいた、からりとよく晴れた日だった。

 どこかの国の大統領が、泣きながら公式発表をしてたから。遅い朝食をいただいていた箸を止めて、思わず見入った。専門的な研究発表なんて全く分からず、言葉は右から左へ抜けていったが、その泣き顔からどうにも目線が逸らせなかった。]


 ……、あ

[――泣けないな。
 そんな言葉が頭を過って、友人の家を出た。世話になりました、と書置きと食べかけの伸びた麺を残し。]

(161) 2012/07/21(Sat) 23時半頃

【人】 負傷兵 ヒュー


[そして今も一人、住宅街を歩いていた。
 数日ぶりだか数週間ぶりだかに通る道の居心地の悪さに、真っ直ぐ前を向くこともできなかった。自分の家など、顔を上げずに歩いてもたどり着ける。住宅街の薄気味悪い、葬式でもしているかのような雰囲気を浴びながら、携帯に手を伸ばした。家に誰がいるともしれない、最初に電話を掛ければ良かった――そう、電話を構えた時に]


 ――、あ?


[どこからかの、爆発音。
 悲鳴のような甲高い音も紛れ、黒煙の上る量が増えた。商店街の方向、後方へと首を向ける。
 瞬間脳裏に浮かんだのは、滲んで消えたはずの、顔だった。被害にあったのかもしれない、確信ではない、気のせいかもしれない杞憂か。それでも。あの顔が鮮明に浮かんで消えた。]

(162) 2012/07/21(Sat) 23時半頃

【人】 負傷兵 ヒュー




 ……、っ !!

[弾かれたように電話を落とし、黒煙の立ち上る方向へ駆けだそうとした瞬間
背後から伸びた手に肩を掴まれた。]

 ん、だよ……!!


[振り返りざま、肘で払おうとした手が別の手により阻まれる。
舌打ちをし睨みかけ、体が竦んだ。青白い顔、顔顔。
目玉だけがぎらぎらと生をかんじさせるような――異常なぎらつきを孕んでいる。
遠くで起きた爆発にもその顔に浮かぶものはなく、
ただ、憎悪の滲む無数の目が男に向けられていた。]

(163) 2012/07/22(Sun) 00時頃

【人】 負傷兵 ヒュー




[逃げなければ。


数拍遅れて、その思考が浮かんだ。
強張る背中に血の気の失せた白い手が伸びる、白だけではない
銀色に光るのは刃物か。鈍色の棒状のものはなんだったろう。
数人の服に付着した赤いものは。

掴まれた上着が脱げた。
足がもつれる。
引き抜かれそうなほど掴まれた腕が軋んだ。
首に手が伸びた。食い込む。]

 ぐ、

(164) 2012/07/22(Sun) 00時頃

【人】 負傷兵 ヒュー



[足が止まる、
引き離そうとした指が首の肉を引っ掻いた。

動きの止まった一瞬、首に掛けられた手に力がこもり後ろに引き倒された。]


[引き倒される、その瞬間。
いままで目をそらし続けた青空が眼前に広がった。
肉眼で見えるぐらいに近づいた隕石。


すぐにそれは、
興奮に頬を赤黒くさせた青白い顔達によって遮られた**]

(165) 2012/07/22(Sun) 00時頃

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