人狼議事


216 宵闇駆けるは天つ星

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視点:


【人】 真剣師 鬼丞

― 沼への道 ―

[どうやら、この妖は子供扱いを嫌うようだと、反応から知れたが>>2:101鬼丞の方は、小僧扱いには特段に気は取られない。相手が自分より年嵩であろうことは、すでに予想の内だった]

小僧って年でもねえがなあ。

[それでも口だけはそう返して、一歩踏み出した相手に向けて、す、と手をのばしかけ]

うおっと...!

[ふいに、ぼこりと足元の地面が窪んだ事で、体勢を崩し、放ちかけた風の刃は不発に終わる。

何とか転ばずには済んだものの、たたらを踏んで後に下がるが精一杯]

(0) 2015/02/12(Thu) 00時半頃

真剣師 鬼丞は、メモを貼った。

2015/02/12(Thu) 00時半頃


[太刀を振り下ろすと同時、横合いから妖が大口を開けて迫り来る。
このままでは振り解くには間に合わない]

───南無三!!

[咄嗟、左手を太刀から離し、拳を握ると妖の口の軌道上に腕を突き出した。
そうすることで首への噛み付きを防ぎ、妖の動きを一旦止めようとする]


駆け抜けぇ!!

[そこに追い討ちをかけるように、余四朗は己が身を介し、雷を全身に巡らせ放電した。
自身にも影響の出る捨て身の一撃だが、密着した今なら一番効果が高い。
絡みついた尾、深く突き立てられた牙から高圧の雷が妖の身を駆け抜けた]


────っ、ぅぐ……

[焦げるような臭いが余四朗の身体からも漂う。
絡みつき、噛み付いていた妖はどうだったか。
少なくとも、余四朗を絡め取っていた尾から力は抜けたようだった]

………ぉい

[掠れた声を出しながら、相手に意識があるかを確かめる**]


【人】 真剣師 鬼丞

― 沼への道 ―

[同時に耳へと届いた怒鳴り声に>>2:102]

その姿で、そう言われてもなあ...

[ぼやくように口にしつつ、体勢を立て直そうと、鬼丞は風を身体に纏わせる。足元が僅かに地面から離れ、落とし穴にはこれで嵌りはしなかろうが、今は攻め手も無いという状況]

(6) 2015/02/12(Thu) 01時頃

【人】 真剣師 鬼丞

― 沼への道 ―

ひゅるり、ひゅうるり

[風が鬼丞の身を取り巻いて哭く。その風の隙間に届いた妖の言葉に>>4鬼丞は我知らず瞬いた]

妖にしちゃあ...変わった事を言うな。

[己が体勢を崩した瞬間に、更に攻撃を仕掛ける事も出来た筈だ。それをせずに紡ぐ言葉が、まるで説法のようだとは、実におかしな話だった。
およそ、妖と見れば祓う、と迷った事も少ない鬼丞が、どう扱おうかと躊躇う程に]

(7) 2015/02/12(Thu) 01時頃

【人】 真剣師 鬼丞

― 沼への道 ―

[人と共存する妖も居る事は>>11鬼丞とて知っている。だが力を求める妖に、襲われ続ける宿命の煌星を身の内に潜める以上、馴れ合うなぞは論外だった。
人と人との間ですら、星の持ち主は喰い合おうとするのだから]

誰だって喰われるのはごめんだからな。そいつあ言っても詮無かろうぜ。

[だがこの妖が、星を喰おうとも思っていない事はどうやら確かなようで、調子の狂った気分のまま、鬼丞はそう返した]

(13) 2015/02/12(Thu) 01時半頃

【人】 真剣師 鬼丞

[考えあぐねているうちに、相手は再び「遊ぶ」気になったようで、土から生まれた大きな拳を目にすると、鬼丞はがり、と頭を掻いた]

人形遊びをする年じゃねえと、言わなかったか?

[正直言って、コレとまともにやり合って、祓おうという気がまるで起きない。元々めんどうな事は嫌いな性分なのだ、鬼丞という男は。
だが、やる気の相手が見逃してくれるとも思えはせず。

思い出したのは、おそらくこの妖と因縁のありそうだった闇の星持つ影鬼の退魔師のこと]

(14) 2015/02/12(Thu) 02時頃

【人】 真剣師 鬼丞

[ひゅう、と風が先程亀吉と別れた神社の方へと奔り、その途中で、求める気配を見つけて戻って来る。存外、その気配は近くにあった]

...鬼の逃げる鬼ごっこてのも、オツかもな。

[小さく呟いたと同時に、取り巻く風がびょお、と強く巻き上がる]

人と遊びたいなら、もうちっと可愛げてものを見せるんだな、嬢ちゃん。

[言い捨てながら、中空へと身を運ぶ。より高く逃げるではなく、ぎりぎり届かせようと思えば届きそうな高さを保って誘うように、風は奔る。

その先に、退魔師ばかりでなく、樹怪や、別の妖も居るとは、まだ知らぬまま**]

(16) 2015/02/12(Thu) 02時頃

真剣師 鬼丞は、メモを貼った。

2015/02/12(Thu) 02時頃


真剣師 鬼丞は、メモを貼った。

2015/02/12(Thu) 02時頃


[呼びかける声に反応は無い。
けれど、妖は余四朗を逃がすまいと着物を掴み、何事か呻いている>>+1]

ふよ?

………ちっ

[振り解こうと思えば恐らく着物を離させることは出来るだろう。
けれど、余四朗にはこの妖の言葉で気になるものがあった。
故に留めは刺さず、手を振り解きもせずにその場に座り込む。
正直なところ、このまま他の妖を祓いに行けるほど体力は残っていない。
移動するにも休息は必要だった]


[座り込んだ状態で己の具合を診る。
朱蛇や妖に穿たれた傷は幸いにも、と言って良いのか、先程の放電で焼かれ血止めが出来ていた。
頬の切り傷も同様、打撲は痣になっているようで、これは現状どうしようも出来なかった]

……おい。
ふよぉて、おんしん仲間けぇ?

[妖の意識が戻っているかを確かめるのも兼ねて、問いかけを一つ投げてみる。
本当に聞きたいことは別にあるが、いきなり切り込むよりは、と考えての問いだった*]


【人】 真剣師 鬼丞

― 村外れ ―

[狙い違わず、と言っていいものか、少女の姿の妖は鬼丞の後を追ってくる>>23]

おっと!

[次々と風の隙間を狙うように妖力込めて投げつけられる石や土団子は、風を止めるには至らなかったが、すぐ傍で弾けて礫を散らすのは、なかなかに鬱陶しかった]

やれ...本当に、めんどうだな。

[何がめんどうと言って、相手に殺す気がなさそうなのが一番めんどうだと鬼丞は内心考えている]

(28) 2015/02/12(Thu) 22時半頃

【人】 真剣師 鬼丞

[星を喰らおうと襲ってくる妖達のその欲は、ある意味裏も表もないもので、喰われる前に祓うのだと決めれば、それに躊躇いも迷いも無い。
ともすれば、闇星へと向かう衝動も、仕事のおかげで散らす事が出来た。

鬼丞と、名乗り続ける名の通り、その心根はいつか妖にこそ近付いていたのかもしれぬ]

ひゅるり

[いくつ目かの土団子を風が巻き込み吹き散らす、零れた土が鬼丞の着物をぱらぱらと打った]

まったく...鬱陶しいったらねえ...!

[妖に近い人と、人に近い妖と、どちらがより「人」らしいのか?そんなことを考えている暇はさすがに有りはしなかったが]

(30) 2015/02/12(Thu) 22時半頃

【人】 真剣師 鬼丞

[やがて、耳に届く琵琶の音と共に、視界に映るのは、紫の影。>>27
鬼丞は、口の端上げて笑みを造ると、とん、と道端の雑木を蹴って速度を上げた]

アレは、任せた。

[よろしくの一言も無く、擦り抜けざまに、亀吉に耳打ちして、そのまま風は空へと吹き抜ける。
挨拶代わりか、置き土産か、小さなつむじ風が、ひゅるりと、小鬼の傍で渦巻いた]

(31) 2015/02/12(Thu) 22時半頃

【人】 真剣師 鬼丞

[中空に身を置いて、見渡せば、刺すような女の視線が鬼丞を捉える。>>25傍には、見かけぬ男と、やはり妖らしい女がもう一人。
男は、妖に対峙している様子を見れば、おそらく退魔師...亀吉の弟弟子というのがこれだろうとの予測はついた]

また会ったなあ。

[ひゅう、と風が高く啼く。ここがケリのつけ時と、鬼丞は悟って、ゆっくりと、地に降りる]

(32) 2015/02/12(Thu) 23時頃

真剣師 鬼丞は、メモを貼った。

2015/02/12(Thu) 23時頃


【人】 真剣師 鬼丞

[鬼丞が降りた先は、丁助よりも更に後方、まだ樹怪の根が届いてはいない辺り、地に足を着くか着かぬか、の、その刹那に]

ひゅう...

(33) 2015/02/12(Thu) 23時頃

[風が渦巻き広がっていく。それはすぐ傍にいた、相反するはずの紫の影までも巻き込んで]

成仏する覚悟は出来たかい?

[言いざま、無造作に振った鬼丞の腕から放たれたのは、風の刃、なんの細工も無く、まっすぐに、美しい樹怪に向かっていく*]


真剣師 鬼丞は、メモを貼った。

2015/02/12(Thu) 23時頃


 ……たぁく。
 人巻き込んで陣張るなや。

[ぼやくように言いながら、巧みに撥を動かし旋律を奏でる。
風に逆らわず遮らず。
けれど、その存在を主張する影の力の広がりを織りなして]

 さて。
 とりあえずは……深紫、舞!

[鋭い声と共に、楽を奏でる。
その音色に応じて、深紫の鴉が風を追おうとする地の妖へ向けて、飛んだ。*]


[意識を戻した妖が向ける警戒の色>>+2。
そこに訝しげなものが混じるのを見て、余四朗は視線を外しながら、ふん、と鼻を鳴らした。
仕留めるのはいつでも出来る。
その自負があるため、今は己の中の疑問を解決することを優先した。
ただそれだけのことではあるのだが、言葉にしなければ伝わるまい。
しばし間を開ければ、たどたどしくはあるが妖から答え>>+3が返って来る]

……別種の妖、てぇゆうことけぇ。

[ふよう。さや。
少ない単語の中で、ふようが別の妖であり、さやがこの妖を示すことは知れた]

なんぞ妖か、知っとるけぇ?

[警戒の色を見せながら、問いには答えた。
ならば何もせずに問えば答えはするだろうと推測し、何の妖かと問いを重ねる。
太刀は手から離れていたが、身の傍にある。
余四朗もまた警戒を解いては居なかった*]


[風が渦巻き。
 妖気持つ髪すらも、激しく揺らして吹き過ぎる]

 悪いけれど。
 あたしにも、放っておけないものが出来たんでね……!

[無造作に振るわれる腕。
 見えぬ力の鋭さを、妖は既に知っている。
 隙間なく突き出した根の防壁に身を隠すが]

 く……

[刃はその壁を斬り裂き、圧し折った。
 刃としての威力は減じたものの、妖の頬に一筋、くっきりと傷が走る]


 随分と久しぶりだよ、こっちを傷付けられたのは。

[傷から朱色は流れない。
 代わりに樹液に近しき褐色が、どろりと滲み伝ってゆく。
 それを拭うこともせず、妖は両袖を地に向け振るう]

 ――そおら、

[隠し武器の如く地に落ちるは瑞々しき茨の蔓。
 片腕につき十を超えるそれを]

 お返しだよ!

[両腕を前方へ振るい、相手の頭上にて交差する軌道で投げ掛ける。
 それらが重なり出来るは歪な網の目*]


[風の刃を放つと同時、その結果も見ずに、鬼丞は再び地を蹴って、風の力を借りて跳躍する。
風刃ひとつで倒せる相手とは思っていない、跳んだ頂点から重ねて風を放とうとした時、伸びて来た茨の蔓が目前に迫る]

ちっ!

[妖に向けて放たれるはずだった刃は、茨を切り裂くことに役目を転じるが、いかんせん、元が広域を狙ったものではなかったから、網の目のように繰り出された茨全てを切断するには至らない]


陣、じゃと?

[どうやら己が取り込まれたのは影の力によるものの方らしい。
出られるか否か。
そんなことを考えるより先に影が動く。
とっさにまだ残っていた土団子のひとつを投げつけるが、
とっさすぎて精度は甘い]

いいから散れい!

[小石と違い爆ぜさせることで広い範囲は賄える、のだが]


………、邪魔する気かのう?


[影の力の使い手に向けて鋭い視線もまた、飛ぶ*]


ほぅけ。

[知らぬ>>+4と言うのなら仕方が無い。
何が何でも吐かせようと言うような雰囲気は出さず、余四朗は直ぐに引いた]

ほぃじゃあ……

おんしとそん妖が会うたのはこん村でけぇ?
おんし、いつからここんおる。

[紡いだ問いは二つ。
少しずつ、疑問の解決へ近付けんと問いかけを続けた*]


[投げつけられた土団子は、精度の甘さもあって鴉の翼を捉える事はなく。
深紫は鮮やかな舞でそれをすり抜け、それを操る青年自身も、軽く飛び退く事で爆ぜるそれの余波を避けた]

 ……ま、そーゆー事やね。
 あちらの旦那はあちらの旦那で、忙しいようやし……何より。

[鋭い視線を真っ向受け止めつつ、けれど、口元に浮かぶのは笑み]

 お前はいつかどつく、ってぇ決めとったんでな。
 ……その機会、みすみす逃すわけにはいかんのよ。

[口調は軽く、笑みも一見すると穏やかではあるが。
巡らせた陣の内、紫影揺らめかせて立つ姿はどこか危険な艶やかさを帯びていた]


 ……てぇ、わけなんで。

[撥が四弦を弾き、紡がれるのは妙なる音色]

 紅緑、暁鼠、浅紫!

[同時、呼ばれた式たちが地を蹴る。
兎は正面、狐と野鼠が右と左から回り込み、その爪と牙を妖へと振るった。*]


[自身と同じ高さに会った男の体は、こちらが刃を受けている間に高く跳躍していた
 咄嗟に上方へ広がる攻撃を選んだは好手だったようだ。
 茨が切り裂かれ、ぷつぷつと断続的な痛みが腕へ伝わる。
 しかし風の刃は全てを切り裂くには至らず]

 そうら!

[腕を引く。
 男を絡め取り、地へと引き摺りおろすために*]


ッ...!

[折り重なるようにして交差した茨の蔓が、風に弾かれながらも鬼丞の腕や肩を掠め、その刺で皮膚を裂く。
浅くとも、幾筋もついた傷からは赤い血が滲む。
引き摺り下ろそうとする、それを、風ではなく両手で握って引きちぎる]

やってくれるじゃねえか...

[飛び下がりながら、ぐい、と着物の袖で、紅く染まった両腕を拭い、鬼丞は嗤う]

そう来なくちゃつまらねえ...!

[下がった場所から再び跳躍、今度は、真っすぐにではなく、中空で軌道を変えて、怪の右横手へと跳んだ]

ひゅう、ひゅるり

[今度は振り抜いた両腕から、二つのつむじ風、左右に別れたそれは、地に降りて、土を抉り、小範囲ながら樹怪の根を断ち切ろうとするもの*]


[煌星の力に因る結界である所為か、少し胸が疼く。
やがて己の身に馴染んだ闇星の結界が混じれば、生き返った心地がして僅かに安堵し。]

こうしちゃあいられません、ねッ。

[味方の足を引っ張るわけにはいかない。
男は道中差しに渾身の‘力’を込めて]

うおりゃァ!

[風切り音を響かせて枯れた根に左手を拘束する根に斬りつける。
続いて時を速めた右足で蹴りあげ、枯れた根を破壊して。

拘束から逃れた男は地面に着地し、対峙する二人から距離を取った。*]


[避けられたと見れば深追いはすることなく立ち止まる。
そうして投げた視線も問いも真っ向から返される。
あちらの風操る退魔の者が用があるのは、
芙蓉かもう一方の妖か――は今は大した用件ではなく]

ほう、誰が、わしをどつく……とな?
ふっ、……ふふふっ、この期に及んで―――

[まだ“そう”言うか、という突っ込みめいた言葉の続きは、
紫影揺らめかせ立つ相手の雰囲気が常ならぬことからなんとか引っ込めた。
おのずと、笑みが深まる]


―――なんのっ、

[式を呼ぶ声に応じてこちらも手を打つ。
わずかに後退し地を三度踏み鳴らすとともに、
己の正面と左右、三方の地面が盛り上がり壁となった*]


[手がかりにしようとした問いで、抱いていた疑問の答えが返ってきた>>+5]

………ほんまに棲み処じゃったんか。

[返る言葉に疑いを持たなかったのは、答える様子があまりにも幼く無垢であるため。
こちらを警戒するならば答える必要も無いのに答え続けることも理由の一つだった。
得られた情報を繋ぎ合せると、この妖は村の者達に留められていたことが知れた。
人間との約束、村人が消えるまで続いていたと思われることから、お互いいがみ合う事も無く良好な関係を築いていたのだろう]

(じゃけぇ、人喰うゆうてしもうとるしな)

[実のところ、余四朗は共存する妖への対処をしたことが無い。
故にこの妖も言葉の端々から危険であると判じ祓う心算で居たのだが、戦う間に疑問が浮かび、迷いが生じ始めていた]


[身動き出来ずにこちらを見る妖の様子を見遣る。
余四朗よりも多い出血、衰弱した姿。
手を下さずとも放っておけば命を落とすやもしれない]

────だぁくそっ

[眉を寄せ、不貞腐れたような表情で余四朗は無造作に頭を掻いた。
ぼさぼさの頭が更に乱れる]


……旦那、聞こえぇか?

[分からぬ時は相談するに限る。
何かあったら呼べ、と風を付けてくれていた鬼丞へと声を飛ばすが、風の力はどれほど残っていたやら。
届く届かぬに関わらず、余四朗はしばし思考の海へと没する**]


[茨は相手の皮膚を引き裂くも、向こうから引きちぎられたが故に相手を地に落とすには至らない
 短く不揃いになったそれらを枯らし、落とす。
 茨に籠めた妖気諸共朽ちて散ったは、果たして相手に気付かれたか]

 楽しんでられるのも今の内だよ!

[無論みすみす悟らせる気はなく、嗤う相手へ向けこちらも口の端を上げる。
 正面から再び跳躍した、と見えた相手は、中空で軌道を変える。
 横手へ回り込む動きに、根を張る妖は反応が遅れた]

 ちっ……

[土を抉り、つむじ風が迫る。
 根の先から地上に晒され断ち切られていくのを、神経が疼くような痛みでもって樹怪は感じる。
 咄嗟に根を引っ込めはするが、それより風の勢いがずっと早いのは明白]


 やられたね。
 ――でも、ただじゃあないよ。

[風を免れた根より地中の気を吸い上げ、妖の髪は紅に染まりゆく。
 花弁が散り、つむじ風に乗って、上方へと巻き上がっていく]

 先の意趣返しといこうかい。

[甘き痺れ齎す花の香りは、風に触れれば容易く吹き飛ばされてしまうもの。
 しかし風に巻き上げられ空間を満たすならば、さて、どうなるか。
 突破されれば守りの薄き己自身が晒されると知りながら、挑むように妖は笑む*]


[どつく、殴る、という言い回しは、ある種の戒め。
未だ少年の時分に引き起こした暴走──『影鬼』を名乗る所以とも言うべきその一件以来、そこは拘り通していた。

他者を滅するを示す言の葉は、積もればいずれ、己に返る。
それにより『人』の己が消え去り、本能のままに力を求める『人と妖の狭間なるモノ』だけが残るのを避けるための、言わば護りの言霊。

もっとも、そんな説明を逐一する気などはさらさらなく、故に、その辺りの事情を知っているのは退魔の師くらいのものだろうが]

 物言いなんざ、どーでもいいだろーに。
 ……そのためにやる事ははっきりしとるんや。

[途切れた言葉の先は薄ら、察しがついたからさらりとそんな言葉を口にして。
深まる笑みに、く、と楽しげな笑い声ひとつ、落とした]


 ……ちぃ、さすがに守りは固いな!

[地を踏み鳴らす音の後、せり上がる壁に影の獣の爪と牙は阻まれる]

 それなら……深紫!

[阻まれた獣たちは一度散らし、弾いた音は鴉に働きかける。
深紫の翼が一度空高く舞い上がり、真上からの急降下攻撃を試みた]

 ……まだや、二藍。

[動かぬのか、と問わんばかりの小鬼に返す言葉は素っ気ない。*]


 ――逃れたかい。

[そして攻防の間に、妖はもう一つの気配の動向もまた感じていた。
 力を受けた根の成長の阻害
 そのようなことの出来る力の使い手を、妖は知らぬ。
 とはいえ逃れ切るには不足だったようで、男の左手足を戒めることに成功した]

[しかし、そこに結界――特に闇星によるものが張られた時、男が動いた
 枯れさせていたこともあるが、根は容易く破壊され、男は拘束を逃れる]

 ふん、悪くはないね。

[距離を取った男が次にどう動くかはわからない。
 しかし警戒を怠れぬ相手であると、改めて認識する*]


[引きちぎった茨が枯れ落ちたのは気付いたが、そこから妖力が散ったのまでは、気付く余裕が無かった。
軌道を変えて放ったつむじ風は、狙い通りに妖の根をいくらか断ち切ったが、まだ相手が怯む様子は無い]

ただより高いものはねえって言うからなあ。

[ただでおかぬと言う樹怪に、笑み消さぬままそう返すが、こちらの放った風に乗せて返された返礼には、顔を顰めた。
美しい花には刺が有るという通り、紅に染まった花から危険な芳香が立ち上る]

ち...しぶてえな...

[強風を起こせばぎりぎり散らす事は出来なくもない、が、それをすれば、すぐ傍に居て、今しも脱出を計っている丁助にその害が及ぶは必定]


ひゅう...

[鬼丞が選んだのは、散らすのではなく、それを風の内に取り込み、閉じ込める事。
渦巻く風が花の香を引き止め内に抱く...が、それを操る鬼丞自身は、その香りを全て避ける事はできず]

は...

[手足が僅かに痺れ、視界が一瞬くらりと歪む。
その足を、なんとか踏みしめ、香りを集めた風を叩き返すように、妖に向けて風弾と為して撃ち放った。
己の香りに害は受けはしないだろうが、凝縮された風は、小さくも重い力を持っている*]


………いんや。これが案外馬鹿にはできないものじゃぞ。
おぬしわしにどつくって言われてみ。
やってやるぞ――って気分になるかい?

[相手のふかーい事情を知らずに返す言葉は妖自身の主観に基づくもの。
もっとも、態度だけでじゅうぶんにやってやるという気を引き出されている現状、
笑み浮かべたまま土壁の向こうから聞こえる声に応じ、
一回り大きい土団子を構える。

正面左右を塞いだならば残りは真上から――
という読みが当たっていた分も込みの笑みだ]


おぬしにはこれを喰らわせてやるわい―――!

[だが、相手もさすがに速い。
ゆえに投げつけてから十分距離を取るということは出来ず、
数歩たたらを踏むように離れてから力を発動させる]


散れい!!

[土の爆ぜる鈍い音が響く。
上空から土埃がぱらぱらと舞う。
それを避けようとしゃがんだ格好で顔をうつむけさせたり、
合間に向こうの様子をうかがったりするのを繰り返している。
残る子鬼にまだ動く気配はない*]


…やっぱり生身には向いてない、か。

[ぽつりと口にした言葉。
拘束を解く為、力によって常ならぬ早さで動かした足はじんと痺れる。
渾身の力を込めた所為で、身の奥に闇星の飢餓を感じた。

見れば兄弟子も近くで妖と交戦をしているようで。
力ある者が集まれば、小物もつられてやって来るのではないかと視線を巡らせた先。
揺らめく陽炎のような存在に気付く。

それが黒髪の妖による加勢である事は知らぬまま。
近くにいた蜥蜴に力を僅かに込めた芒の絵柄のついた花札を投げつける。]


…ッ…。

[触れた瞬間、元の炎に戻って消えたそれは幻影と分かる。]

――成程。
そういう絡繰りか。

[ふ、と口元に笑みを浮かべる。
幻であるならば、力を多用する必要もなかろうと、道中差しを握り直し。

まだ低級の妖怪の姿は見えないが、惑わす存在は少ないに越した事はない。
男は幻影を散らさんと地を蹴った。**]


[芳香を防ぐならば、先のように風で吹き飛ばすものと思っていたが、相手はそうはしなかった
 結界の内側へ他者を入れたことが、ここで仇となったか。
 無論人に害が及ぶことなど気に留めぬ妖は、相手が如何に窮地を脱するか、愉しむかのように口許隠し微笑む。
 芳香が少しでも相手を惑わすならば、その隙を逃さぬよう再び根を張り巡らせながら]

 ――そこだ!

[渦巻く風に香を封じようとしたか、しかし僅かに漏れたそれにより男の足はふらつく
 すかさずその足を掬うべく、鞭の如き根を生やし足許目掛けて叩きつける]


[しかし――見誤っていた。
 己へ向けて打ち返された風弾は、素早く根をうねらせたところで容易く弾かれた。
 慌てて身を護るため生やした根の防壁も、先のつむじ風に荒らされた影響で、風を阻むには薄すぎ]

 ぐっ……!

[薙ぎ倒された防壁の奥、風弾は妖の腹に喰い込む。
 体を折り苦悶の表情を浮かべながら、相手の足許の根を再び振るうが、その動きも長くは続かないだろう**]


 それは、時と場合に寄るわ。

[返された言葉に応じる言葉は短いもの。
同じ言葉でも、相手やこちらの状況如何で受け取り方は変わるものだから、と。
例によってそこの説明は省きつつ、鴉を突っ込ませた先、その視界で見えたのは土団子を構える姿]

 ……深紫!

[とっさ、鴉の名を紡いで回避をかけさせるが、やや遅い。
土の爆ぜる音が響き、直後に感じたのは衝撃。
それは、鴉がその身に受けたものを端的に伝えてくる]


 ……やってくれるなぁ。

[衝撃が過ぎた後、は、と息吐きながら呟き一つ。
さすがに今のは避けきれず、まともに喰らった深紫の鴉は、その名の色の羽一片となって青年の手元に戻ってきた]

 でもまあ、そのくらいやないと、なぁ。

[くすくすと、楽し気に笑う声に合わせるように、周囲の紫影が揺らめき動く]

 ……滅紫。

[やや低い声と共に四弦が音を紡ぐ。
応じて動いたのは──紫影そのもの]


 ……こいつ起こすんは、だいぶ久しぶりやで?

[紡がれる楽に合わせて動く紫影は素早く地を這い、蔦の如く伸びてゆく。
こちらの様子を伺う妖を捕えんとするそれを制する肩の上、残された風を纏った小鬼の手には、いつの間にやら太刀二振り。**]


[風弾は、鬼丞を狙った根を弾き、妖の身に何とか届く。
苦悶の表情を浮かべた樹怪が、力振り絞るようにして、揮った根は、まだ痺れの撮れぬ鬼丞の足を初めて捉えた]

ぬあっ...!

[鞭のような根に打たれて右の脹ら脛が裂け、そこから新たな朱が零れる。左の足首を貫こうとした根は寸前で風の刃が断ち切ったが、すぐには体勢が立て直せず]

びゅう...!

[強い風が地面を走り、砂埃を舞い上げて、退魔師の姿を一瞬その中に隠す。その隙に、自らの身も風に包んで、一度宙へと身を運び距離を空けた]


[樹怪の身も傷ついているが、鬼丞の方も、いくつもの傷から絶えず失血が続いている。余り長引けば、いずれは倒れることになる]

は...やっぱり一筋縄じゃ、いかねえか...

[妖と睨み合う形になりつつ、これは奥の手、を出さねばならぬか、と、思案を巡らせたところで、風が、声を伝えてきた]

...余の字?

[生きていたか、と、安堵した心は、返した声には乗っていたかどうか]

どうした?助けが要るかい?

[こちらも今は命がけの勝負の真っ最中...だが、余四朗との約束を破るつもりは鬼丞には毛頭無い**]


真剣師 鬼丞は、メモを貼った。

2015/02/13(Fri) 01時半頃


……、そいつはごもっとも。

[にんまり顔で頷いた、その様子は鴉を解して見えていたか否か。

ともあれようやっと鴉を打ち倒し。
さてあやつはどんな顔をしているかと、
地面に手を当て、壁を片手に棍棒を持った大きな二本の腕に変え、
遮るもののない視界の先を見やれば、
くすくすと楽しげに笑う姿、ひとつ。
紫影すらも使い手の意を受け楽しげに揺らめいている、ような]


――― これをどうしろっちゅーんじゃ!

[素早く伸びる紫影に直接的な打撃とかは効くのか。
惑っている合間に、]


……っ、

[紫影に片足を絡めとられた。
慌てはしたが騒がずに無事な方の足で地を踏みしめ、
土の腕に使い手を直接叩かせんとする。

風を切って棍棒の形をした土塊が振り下ろされる**]


[にんまり顔と言葉は、鴉が捉えた最後のもの。
もっとも、直後の衝撃にそれらはあらゆる意味で飲み込まれる。

紫影への疑問の叫びには、当然の如く答える事はない。
もっとも、同調している事に変わりはないので、殴られれば相応の衝撃が青年にも返って来るのだが]

 ……文字通り、一筋縄じゃいかんなぁ。

[片足捉えた感触に笑むも束の間、振り下ろされる土塊に舌打ち一つ。
四弦に撥あて、音色と弾くと同時に呼ぶのは]


 ……二藍!

[肩で太刀を構える小鬼の名。
呼びかけに応じて跳んだ小鬼の周囲には、煌星の残したつむじ風。
風を纏った影の小鬼は真っ向から土塊に向かい、その手の太刀を十字に振るう。
刃の軌跡は、その身の丈よりも大きく広がり、振り下ろされた棍棒を斬り払う。

その動きに合わせて青年は後ろに飛びずさって距離を取り、小鬼はそのまま紫影が捉えた妖へと向けて宙を舞う。
まとった風が後押ししたか、その跳躍は常よりも軽く、速いもの]

 紅碧、暁鼠、浅紫!

[呼びかけと、四弦から紡がれる音に下がっていた影の獣も再び動く。
兎と野鼠が妖の視界を横切るように交差して跳び、狐は背後を取るべく大きく駆けた]


[そうして影を操りつつ、意識を僅かに向けるのは鳩羽色の小鳥の方。
諸々の要因の重なりもあったようだが、どうやら弟弟子は危機を自力で脱したようで。
揺らめく陽炎に対するために駆け出す姿に、は、と短く息を吐いた]

 ……しかし、いいとこ無茶しいやなぁ。

[そんな呟きがぽつりと零れる、ものの。
師に聞かれたなら、「お前が言うな」と突っ込み入れられるのは間違いない。**]


[暴れ回る根は相手の足を捉えたが、動きを止めるには至らず風の刃に断ち切られる。
 退魔師の姿は砂煙の内に消えたが、元より追撃を掛ける余裕はない]

 ……こりゃあ、やられたねえ。

[人のような臓腑は持たぬが、柔き部分を抉るような一撃はやはり、効く。
 そろそろと身を起こせば、退魔師がこちらから距離を開けたのが見えた。
 言葉を交わす、その先はわからぬが]

 これ以上柔肌を傷付けられたら、たまったもんじゃないよ。


[妖の樹の力に惹かれたか、小さな炎が幾つか周囲に散り、ぼうと幻影を残す。
 儚い幻が舞い踊る中で、妖の脚全体から幾つもの根が地へ向けて伸び、次々と潜っていく]

 化粧もせぬ顔は、人に晒さぬようにしているのだけどねえ。

[一方、地上の根は中心へ、更に天へ向けて伸び、人型の身を徐々に持ち上げていく。
 背や肩からは幾つもの枝が突き出し、衣をはだけ、または破りながら、細かく分かれ広がっていく。
 その高さは、宙を飛ぶ退魔師にも迫るほど]

 さあ。

[幹とほぼ一体になりながら、妖は両手を軽く振るう。
 その手の内で、扇の如く広がるのは鋭き縁を持つ葉。
 背から伸びる枝にも同様に、刃の如き葉が茂る]

 もう、逃げも隠れもしないよ!

[宣言と同時、両手の葉が退魔師に向けて投じられ。
 同時に枝から離れたそれらが、妖の周囲へ舞い散った**]


[樹妖の付近に散った幻影。
男は道中差しを振るって鳥の幻を消す。]

――ン?

[付近の根が蠢くのに気付き、その先を辿って見れば女妖の姿が変じるを見て]

…ッ…。

[背や肩から枝を生やし、幹と一体化した妖の姿に息を呑む。
後方に移動していた男には正面の様子は窺い知れないが、枝の先には刃のような葉が茂るのを見て目を眇める。
本性に近しい姿になったという事は、妖も本気であの退魔師を斃そうとしているのだろう、と。]


…ははァ、こいつァ大した大きさだ。

[付近に葉が飛んできたのを察知した鳩羽が一時影に戻り、男の身を守る障壁へと変じる。]

っとぉ。
ありがとうな、鳩羽。

[応じるように鳴く小鳥。
道中差しを振るって己の方に飛んできた葉を落とし、]

煌星の旦那、頼みますよォ。

[勝手にそう呼ばう相手の邪魔にならぬよう、女妖の付近にある幻を消した後には結界の端へ向かって駆ける。]


幻影はあんたの仕業かい。

[まだ火の妖怪は付近に残っていただろうか。
彼女の姿があったならば、そんな言葉を掛けた**]


[呼びかけに返る声
どこか安堵めいた声に聞こえるのは、向こうが余四朗の状況を知っていたからだろう]

いんや、手ぇは足りとる。
さっきはあんがとなぁ、助かりおうた。

………”さや”言う妖ば降したけぇ。

[祓った、とは言わなかった。
いずれ尽きるだろうと予測しているが、未だ止めを刺していないことが短かな間と紡いだ言葉に表れる]

あんなぁ旦那。
旦那は───……

[悩んでいたことを口にしようとしたが、不意に言葉が止まった]


(……やっぱ聞くもんじゃあねぇ。
 こりゃあ自分で決めぇことじゃあ)

[間際になって考えを改める。
この先同じようなことがある度に誰かに聞くわけにも行かないし、退魔師としての確固とした意思が必要だ。
これは己の問題として、悩んでいたことを口にするのは止めて]

──…旦那の方はどげんね?

[相手の状況を問うものへと変えた*]


なあに、手助けなんざ要らなかったかもしれねえがな。

[余四朗から返った言葉は、妖を降したというものだったが「さや」と名を呼び、祓ったとは言わぬ]

(迷っている、か)

[何があったかは判らない。だが、恐らく「さや」という妖は村を滅ぼしたモノでは無かったのだろう。そうでなければ、余四朗が祓いきらぬわけもない]


[迷いを口にしようとしたらしい言葉は、途中で途切れた。それ故、鬼丞も問い返しはしなかった。

妖を祓うが退魔師の勤め、だが、それだけで割り切れぬ時もある、とは、つい先刻己も身に沁みたこと。
迷いの末に自ら答えを選び取る。そう余四朗も決めたのだろうと鬼丞は思った]

ああ、俺は...

[途切れた言葉の代わりのように、こちらの様子を尋ねられれば、鬼丞の顔に笑みが浮かぶ。
今しも、目前に、擬態を半ば棄て、妖としての本性を剥き出しにした樹怪が天を衝くばかりの勢いでその身を持ち上げる]

これから見せ場、と、いうところさ。

[ひゅう、ひゅるり、と風が哭く。
鬼丞は、余四朗との会話から、目前の敵に心を戻して、我が身の周囲に強く風を巡らせる]


[逃げも隠れもせぬとの宣と共に、まるで舞扇のように両手に広げた葉を、樹怪が投じる。鋭い刃に似たその葉は、文字通り風を切って襲い来た]

ク...アァッ!!

[纏った風で切り裂いても、その勢いは衰えず、尚細かい刃となって、鬼丞の身を襲う。
咄嗟に、両腕で目と胸とは庇ったが、その腕と言わず、胴や足に、十は下らぬ紅い傷を樹海の葉は刻んでいった]


[棍棒の形をした土塊は子鬼の持つ太刀によって斬り払われる。
片腕に痺れに似た感覚が長く走り、顔をしかめて息を詰める。

棍棒を持っていた腕はたじろいだように動きを止め、
残る無手の方の腕が前に出るように相手を追う――がすんでのところでかわされた。
これでは腕により相手を直接狙えない]


ならば――

[ひとつ地を踏み鳴らし狙いを己を捕えている影へと変える。
そもそも、式のひとつたる鴉を撃ち落したことで、
相手は何らかの衝撃を受けていたように見えた。
つまり影を直接叩けば相手に何らかの影響を及ぼすか、
試してみる価値はあるという考え。
両腕が影に向け一度、振り下ろされる]


[一方妖自身は影の獣どもへの対処に追われていた。
鋭く伸ばした爪で横切る獣の一方――野鼠を引き裂くも、
背後に回った獣の動きを追いきれず視線を彷徨わせている間に、
子鬼の接近を許していた]

―――うらっ!

[前方に子鬼の進攻を断つための土壁を作るべく、
地面を踏みしめたが間に合うかどうか]


は...まったく...やってくれるじゃねえ、か...

[今や全身に奔る痛みに、冷たい汗が鬼丞の背を伝う。乱れた息を悟られぬように、とぎり、と歯を食いしばり、無理にでも笑みを貼付けたまま、鬼丞は樹怪を睨んだ]

お前さん、名は、あるのか?

[尋ねたは、何の気まぐれか、鬼丞自身にもしかとは判らぬ。或いはここで命を落とすか、と、思う程の相手の名を知っておきたいと思ったのかもしれないが]

俺は、鬼丞てんだ。まあ、忘れてもいいがな。

[妖の答えがあってもなくても、鬼丞はそう告げて、強めた風を更に速く、奔らせながら身に纏う。
速くなればなるほど、強くなればなるほど、風の力は内に籠もって凝縮され、その圧は、やがて空気を歪め、見えぬ風に形を与えるかの如く]


[視界の端、ちらちらと気に触る炎の幻影を、丁助が滅し、先刻散った葉を避けて、幻影を撒いた相手を追うのが見える]

悪くねえ...

[小さく呟いたのは、丁助には届かなかったろう]


[やがて、巡る風は、鬼丞の胸の辺りに固まって、ひゅるひゅると人の耳では聞き取れぬほどの高い音を立てながら、銀の光を放ち始めた*]


真剣師 鬼丞は、メモを貼った。

2015/02/13(Fri) 22時頃


真剣師 鬼丞は、メモを貼った。

2015/02/13(Fri) 22時頃


いんやぁ。
あれがにゃあ、どげんなっとぉたか分からん。

[地に伏したのは自分かもしれないと、鬼丞の言葉に返して。
挿げ替えた問いへの返答を聞けば、その場に居るわけでもないのに緊張を覚えて口を引き結んだ]

…そりゃあ、邪魔しちもうたな。
気張っちくれぇ。

[何者かと対峙しているであろう緊張感。
それを風から、鬼丞の声から察し、その言葉を持って呼びかけを控えた。
呼びかけを控えはしたが、鬼丞の方で風が繋がれたままであるようで、あちらの様子が時折伝わってくる]


[鬼丞との会話の間、傍らの妖はどうして居たか。
まだ息はあるかと視線をやる。
確認をしてから、余四朗は再び妖から視線を外した]

…わしぁ、村ぁ滅んだ原因探りに来たんじゃ。
妖の気配もあるゆぅち、そんが原因じゃあ思うとった。

妖ぁ人ぉ喰ろうけぇ、なんがなんでも祓うとった。
……人ん一緒ん過ごしとぉ妖なんぞ見たことん無ぇした。

[謝罪は紡ぎにくく、代わりに祓おうとした経緯を口にする。
思い込みによるものだったと言うのは伝わるのかどうか。
尤も、それも妖が意識があれば、の話だが]


(人ぁ喰ろうとらんかった言うても、こん妖は他ん妖を喰うてしもうた。
 生かしても、いずれ力在るもんを喰らいとうなる)

[この妖をどうするか。
考えた末の結論は、助けぬと言う選択。
幼く無垢ではあるが、それは本能のままに動く可能性を示す。
禍根は今絶つ。
それが余四朗の結論だった]


 ……似たようなモン……なんか?

[棍棒を斬り払った後、動き鈍らせた腕の様子に零れたのはそんな呟き。
今の一閃が本体に衝撃を通したのだとしたら、たじろぐような動きも腑に落ちる]

 だとしたら……。

[楽を奏でつつ、思考巡らせ始めた所で感じたのは衝撃。
それは、浅紫の野鼠が裂かれた事によるもの。
僅かな刹那息が詰まり、痛みが駆けるがそれは抑えて]

 ……紅碧……っ!

[兎の名を呼んだ直後に殴られたような衝撃が伝わり、数歩、後ろによろめいた。
何事、と視界巡らせれば、影に向けて振り下ろされた土の腕が目に入る]


 ……ったく。
 奥の手まで、使え、つうんかい……。

[低く呟きつつ、視線で追うのは風をまとって跳んだ小鬼。
影の獣たちの動きは楽が途切れた事で鈍ったものの、小鬼の動きには変化がない。

防壁が築かれた事に気づいた小鬼はくるり、空中で回転した後、できた防壁を蹴りつける事で更に高く跳び。
上空からくるくると回転しつつ、両手の太刀を振り下ろした。*]


[目眩ましの幻影が戒めを解いた闇星に祓われ、樹怪の姿を遮るものはなくなった。
 再び風使いと相対すれば、強く巡る風が、樹と一体となった妖の髪を揺らす。
 人の形を取れば、その肌も見た目同様に柔くなる。
 そうと知りながら、変じてもなお女の姿を残し、その両目で退魔師の姿を追っていた]

 ふ……さすがに防ぎ切れぬかい。

[投じた葉が相手を切り裂くのを見、妖は目を細め口の端を釣り上げる。
 根ではなく枝葉を操るのは、妖にとっても消耗の激しき大技。
 多用は出来ぬものであるが、効果は十分に発揮されたらしい]


[しかし、それだけの傷を負ってなお、退魔師は笑う。
 そして彼が発したのは、思いもよらぬ問い掛け]

 名?
 妙なことを訊くねえ。

[相手は仲間の妖ではなく、命のやり取り交わす敵。
 そして人喰いの妖は、獲物や敵に自ら名乗ることはなかった。
 それでも――]

 芙蓉。

[名乗りと共に、薄紅の花が一房、簪のように耳上で開く。
 相手の名を聞けば、ふと綻ぶような笑みを浮かべ]

 ――忘れないよ。女を怒らせた罰さ。

[名も知らぬ退魔師の顔を鬼丞に重ね、二人分の記憶を刻む]


[強き風が鬼丞の元へ集い、煌星の光を放ち始める
 彼もまた大技を放つのだろうと、妖は察する]

 やらせるものかい。

[枝が意思を持ったかのようにざわりと蠢き、一斉にその先端を鬼丞へ向ける。
 そして鋭く尖った先を、鬼丞の身に突き立てんと殺到した]

[髪に咲いた一房が、濃い紅色へ変じて、落ちる*]


[この妖と土の両腕とは、送った力を介して繋がっている。
力によって体の一部が増えた状態であるとも言っていい。
物理的な衝撃が加わればそれは妖自身にも跳ね返り酷ければ蓄積する。
今はその衝撃が来る心配をしていないのだけれど。

正確には――今はそれどころではない]

こやつ……なぜに動ける!

[ちらと見た限り影を殴った一撃は使い手には効いていたというのに。]


[そういえば。
宙を舞う小鬼の周囲にひゅるりと舞う風を見た。
まるで力を与えているかのような―――]

ったく、つくづく厄介な。
だが――っ!

[盛り上がる壁を使ってさらに高く飛ぶ子鬼に対応しようにも土団子は使いきった。
太刀を受けると引き換えにするように鋭く伸ばした両の爪を子鬼へと向ける。
届く間合いへ入れば容赦もなく引き裂こうと]


く、ぅ ――…もう少しじゃ。
もう少し殴れい。

[痛みに呻きながらも両腕に力ある声を飛ばす。
折角効いたのだ、こうなったら駄目になるまで打撃を与えてやる。そうすればまた動けるようにもなるだろう。
両腕は断続的に振り下ろされることになる*]


[返った余四朗の声に再び返答する余裕は、鬼丞には、すでに無い。
更に速く、更に強く、風は、煌星の輝きを抱いて、鬼丞の手の中で練り上げられる。
それは、たたらの内で生まれる玉鋼と、どこか似ていた]

芙蓉、か、似合いの名だな。

[正直返らぬだろうと思っていた問いに名乗り返され、忘れぬと言われれば、鬼丞の笑みは深くなる。
けれど、余裕があったのはそこまでで]

は...!まったく、女は、こええ、な!

[樹怪の使う手は、縦横無尽、葉を散らしたばかりの枝が、確かな意志を持って伸び、無数の木槍と化して、鬼丞へと殺到する]


[生み出された炎の幻は、妖と対峙するヒトの邪魔をすべくゆらゆらと動く。
そうして意識が己から逸れた隙に、妖は少し離れた物陰にてそれぞれの戦いを眺めて居た。
力持たぬ幻はいつしか掻き消され、じわじわと数を減らしてゆく。
主に妖と退魔師の間で駆けずる一人の男の手によって]

さぁて、何のことやら。

[やがて掛かる声に黒い髪を掻き上げながら、妖は嘯いた**]


[練り上げられた風は、まだ使えぬ。そして使えぬ間は反撃も出来ない。
みすみす枝に貫かれるわけにもいかなかったから、鬼丞は今、可能な唯一の逃げ道を選んだ]

ひゅう...!

[風が鳴り、鬼丞は、すんでのところで枝先を交わしながら、宙を駆けた。向かうは、対峙する相手、芙蓉と名乗った樹怪の方へ、敢えて近付き目前まで迫ろうとする*]


真剣師 鬼丞は、メモを貼った。

2015/02/13(Fri) 23時頃


[小鬼が動けるのは、風の助力の影響も確かにあるが、それだけではない。
力の源たる影より生じたもの、という点は変わりはないが、他の式とはそもの生まれ方も青年との縁の在り方も違う。

なぜに、という疑問に小鬼が浮かべるのは、青年のそれと良く似た三日月の笑み。
太刀は躊躇いなく振り下ろされ、伸ばされた妖の腕を斬り裂く。
間合いに飛び込んだ事で振るわれた爪もまた、小鬼を捉えるものの。
直後、離れて様子を見守っていた兎が突っ込み、小鬼を跳ね飛ばしていた。
爪は兎を捉え、その衝撃が青年に伝わる]

 ……すまん、紅碧っ……!

[指示を出すより先、本能で動いた式に短く詫びた後、は、と息を吐く]


 ……っとに……二藍、滅紫、引け!

[残った狐に牽制をさせつつ、一先ず紫影は引き戻す。
小鬼も跳ばされた先からぴょい、と跳んでこちらへと駆け出した]

 ……っとに、やってくれる……。

[土の腕によって立て続けに与えられた衝撃が大きい。
消耗を補おうという無意識が、遠くない所で煌く銀光に惹かれてざわめいた]

 ……だから、俺は人は喰わん言うとろうが。

[ぼやくように言いながら、撥を胸元に当てて]

 ま、それでも。
 ……つかわにゃどつけんようやし……奥の手、使うとするかねぇ。

[く、と笑んで、四弦に撥を当てる。
紡がれるのは、場には不釣り合いな妙なる調べ。*]


[妖は嘘偽り無く言葉を紡いでいた>>+6。
それを拾いきれていなかったことが更に謝罪を押し込める。
もはや”間違いだった”では済まされぬ状況なのだ。
それならばその理不尽を蒙り誹られるを享受するしかないと余四朗は考えた。
鬼丞との会話の先、妖への言葉に返る声>>+7には少しぶすくれた声を返す]

喰わんわ。
ただん動物と一緒んせんね。

[動物は喰らっても妖を喰らう気はしない。
煌星は祓うが役目。
闇星の者達がどうかは、知る由も無いが]

おんしの体は、清めて還すき。

[輪廻があるならばそこへ。
そうでなくとも、肉体を自然へ。
それが余四朗のやり方]


[妖と言葉を重ねる最中。
鬼丞の風から声や音が届く。
その中に一つ、気になるものを見つけた]

…ふよぉ?

[何故鬼丞がその名を、と一度首が傾ぎ、一拍の後にそれが鬼丞が対峙する相手だと気付く]

なんが因果じゃろうな。

[余四朗に繋がる者と、”さや”と言う妖と繋がる者。
それらが対峙していることに因縁めいたものを感じる。
零した名について、弱る妖は反応を示すや否や*]


[こちらの名乗りに、鬼丞が笑みを深くしたのが見えた
 似合いだとの評が聞こえて、妖の眼差しは、凪いだような穏やかなものへと変わる。
 それは風を練る男の隙を突くまでの、ほんの一瞬のことだったけれど]

 妖にとっちゃあ、褒め言葉さ!

[再び獰猛な笑みを浮かべ、枝の向かう先を見詰める。
 殺到する枝先をかわすべく、鬼丞の選んだ逃げ場は前方]

 正解だよ。

[しなやかな枝といえど、鋭角には曲げられぬ。
 寸前でかわされた枝先は、勢いのまま彼の後方へ流れていく。
 目前へ迫り来る鬼丞――しかし、妖の表情は、変わらない]


[両手の指が、鋭き枝に似た爪が、伸びる。
 その先端に、滴るほどの毒を含んで]

 さあ、来なよ……!

[懐へ飛び込まれれば、枝も根も届かず、対峙するは己の身一つ。
 それでも、彼が奥の手を使うより早く、一撃で仕留めんと。
 妖は両手を振りかざす*]


[己に向けて殺到した枝が後方へと流れていく、伸びた枝に日が透けて、まるで、小さな林の内を飛ぶような錯覚に陥りつつ、鬼丞は妖の顔を見る。
枝を躱されても慌てる様子なく、退魔師を迎え入れるかの如くに両腕を広げた]

ちっ...!毒、か。

[長く伸びた爪から滴るのが毒とは、風の匂いが教える。あれが刺さればそれこそ命取り、鬼丞は、芙蓉の爪が届く前にと、宙に身を翻し、枝の無い上空へと身を運ぼうとする、叶えばそのまま、女怪の上を飛び越えて背後へと回り込むのが狙いだったが、無傷で逃れられるかは微妙だった*]


…んなっ、

[兎が小鬼を庇うように突っ込んできたのには、
さすがに驚いた声をあげるが振りかざす爪は止まらない。
元より止めるつもりはない]


………ふん。
命拾い? ……したな。

[退いていく小鬼に向けて不機嫌そうな口調の言葉が向く。
紫影も退いたものの、一番厄介そうに見えた小鬼を、
腕差し出しても倒せなかったことには若干の苛立ちが募る。
流れ出る血を押しとどめようとでもするかのように獣じみた毛が右の腕を覆う]


だが、……だいぶ効いた、かの。


[どこぞへとぼやく相手に向けるのは苦笑交じりのにんまり顔。
やがて相手が琵琶によって妙なる調べを奏で始めれば、
何か思い立ったという風に目を丸くし、懐から何かを取り出した。

棒状の持ち手がついた小さな太鼓である。
太鼓の両側には先に玉のついた紐があり、この玉が太鼓に当たることによって音が鳴る仕組みとなっている。

獣の片手と人の片手で持ち手を回しつつゆっくりと近付いていく。
妙なる調べと絶妙に噛み合わない風に小さな太鼓が鳴る。

半分くらい距離を詰めたところでふと足を止めた]


さっきなんぞ言っておったが、
誰か、喰らいそうになったのか?


………そいつはさぞ、悪くない気分じゃったろうな。


[直後、太鼓を地面に向けて振り下ろした。
鈍い音とともに地割れが一直線に相手へ向けて奔る。
同時、妖自身も地割れを避けて斜め前方から相手へ向けて突っ走る。

それは、そう、人をからかうばかりの妖が見せなかった、喰らうための動き。
爪を立て身を引き裂き血をこの身に浴びねば喰らったことにはならない、と*]


[喰わぬのに殺すのは人の業とも言えよう。
己が欲望のため、身を護るため、理由は様々。
この村の者達は、その中でもある意味清廉で、幼い妖と付き合う術を見出していたのだろう]

…なんぞためぇ生きて来たかは、おんしが考えぇことじゃ。
わしが与えるもんじゃあねぇで。
少のぅとも、誰かん血肉になるんだけが生きぃ意味じゃあなか。

[村の者達とは教えられたものだけでやって行けただろうが。
けれど、退魔師は妖を祓うことを生業とする者。
妖たるこの娘>>+8>>+9とはそもそもが相容れぬ]

わしがこげなことするんは仕事じゃからやが…。
そぃが他ん奴護りぃに繋がるけぇ。

被害ば未然に防げぇも、わしらん仕事じゃ。

[言葉にはするものの、相容れぬ相手では納得はされぬやもしれない]


おんし、怒りからなんがしらんが、わしば”喰らう”言うたじゃろ。
切欠がわしじゃったとしても、人ば喰らう妖は放っとけんき。

じゃけぇ、わしぁ他ん奴護りぃためぇおんしば祓う。

[その信念は覆せぬものだったから、余四朗はしっかりと妖を見据えて言い放った*]


[滴る毒は誘うように甘く香るが、退魔師がそれに惑わされるはずもなく。
 真正面から突っ込むかに見えたその身は、上空向けて翻される]

 逃がすものか……!

[人型へ直接攻撃されなかったは上首尾であるが、枝の届かぬ上空や背後へ行かれては、動けぬこちらは対処が難しい]

 ちい……っ

[爪を最大まで伸ばし、更に髪へも毒を含ませ上空向けて逆立てる。
 髪は一瞬紅へと変わるも、その後急速に色褪せ始める。
 これほどの毒を一度に生み出すことなど今までになく、妖力は限界に近付いていた。
 それでも、一撃でも、針穴一つ分でも鬼丞の身を傷付けんと、全てを全力で己を越え行く男へ向ける。
 それはまるで、天へ向け両手掲げるようでもあった*]


[不機嫌そうな言葉に、小鬼は振り返ってべぇ、と舌を出す仕種。
そのまま青年の肩へと飛び乗ると、何故か太刀を収めた。
青年は青年で、にんまり顔に、薄い笑みを返し。

どこかずれたような楽琵琶の音と太鼓の音に僅かに目を細めつつ、近づく妖との距離を測り──]

 ……は?

[向けられた問いかけに、ひとつ、瞬いた]


 ……ああ、まだガキの時分にな。
 どーしよーもなく腹減ったー、って星が泣きよるもんで、それに負けて、人、喰おうとした。

[さらり、告げる言葉は何でもないような口調で紡がれる]

 ……は……生憎、自分がやられて死ぬほど痛かったこと、人にやっても楽しゅうなかったわ。

[それでも、そう返す時は口調は珍しくも吐き捨てるようなものへと転じ。
同時に走った地割れに、舌打ちしつつ、四弦を掻き鳴らした後]

 ……滅紫!

[呼びかけるのは、紫影そのもの。
青年の基本的な身体能力では、これをすぐさま避けてどうにか、というのはできぬ相談。
故に、影を足場に安定を図りつつ]


 ……二藍、内に戻れ……影鬼、憑依!

[上げた声は鋭いもの。
応じて鳴いた小鬼の姿は、二藍色の霞となって青年の内へと消える。
直後、青年が取ったのは、手にした楽琵琶を天へと放り投げる事と]

 ……紅桔梗、でませい!

[翳したその手に力集わせ──細身の外見に似合わぬ大薙刀を作り出す事。

大薙刀に括りつけられた二つの鈴が、りりん、と甲高い音を立てた。*]


[樹怪の上を飛び越えようとしたその後を伸ばされた爪が追う]

つっ!

[爪の一本が、鬼丞の左足、踝あたりに届いて、そこに浅い引っ掻き傷をつけた]

ぐ、う...

[背後へ飛ぼうとしていた身体がゆらりと揺れる。
小さな傷からでも毒は確実に身体に回る。回り切る前に勝負をつけねばやられる、と、鬼丞は覚悟を決めた]


[揺らぎながらも樹怪の背後へ回ろうとする軌道は変えず、その手に凝った風をぎゅう、と握りしめ完全に手のうちに押し込める]

おおっ!

[気合いに似た声と共に、風がびょう、と鬼丞の拳の中で啼いた]


[鬼丞の操る風は、術者の身を離れれば離れる程力を失う。それは逆を言えば、近ければ近い程、強い、ということ。
最強なのは、身に纏う風。だからこそ、纏う風はつねに護りの鎧ともなる。だが、その護りの力を攻めの力に転ずる術が一つだけある。
鎧を脱ぎ捨て、刃に変えるその技は、刀鍛冶たる鬼丞が、風を打ち上げ刀と為すにも似て]

びゅう…!

[輝く風が、鬼丞の腕から細く長い軌跡を描いて、すう、と伸びる。煌星の色に、その腕から流れる紅を滲ませ波紋のように揺れる様は、朱の乱れ紋浮かぶ白刃の如し]


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