17 吸血鬼の城
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吸血の欲は、思ったよりも強いもの。
与えすぎては其れまでの全てが消え去ってしまう。
心せよ。
[ローズマリーへ向ける城主の言葉には、彼女が記憶をなくした理由がある
幾度も与え続ける事でより
闇の住人へと変わってゆくはずだった。
それでも、人のこころ、感情と言うものは
中々消え去るものではないようだが]
――…あの詩人は、しかし 惜しかったな
[喰らった後で、そう呟く]
どうせなら、無理矢理に血を与えてやればよかったか。
抗われてつい我を忘れた――…私もまだ、青い
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何度か――
[言葉に詰まる。 大量失踪の原因は――そういうことだったのか。ということは、つまり。 己の後からついてきて、呻いたベネットを心配そうに見やった]
こうやって、一人ずつ『消して』行くのですか。 そして、俺達が恐怖すればいいと。絶望すればいいと。
[ともすれば惹きこまれそうになる。いや、もう惹きこまれている? ひらり招く手の動きに、足がふらり、踏み出された]
(141) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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――…良い子だ。
[城主に従う彼の言葉
思わず笑みが毀れる。
其の先にある彼女たちの、彼自身の
苦しみを思って]
執事見習い ロビンは、扉の側に控え、城主の命令があれば動く*心算でいる*
2010/06/22(Tue) 02時半頃
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――食事の間 前――
[黒髪の女性は体調が優れなさそうで、ふらつきながもサイラスを捜しに向かう後姿に案ずるような眼差しを向けるが、ヘクターの言葉>>129に顔色が青褪める]
……キャンベルの人間?……じゃあ、この人……。
[彼女は、流民だから――それだけの理由で"外つ民"を追い詰め、遂には街を追放した領主の血族]
――……。
[少女の黒髪の淑女の背を見送る視線が、一瞬のうちに冷ややかなモノと変わったことに、誰か気付いただろうか]
(142) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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――客室――
[ヘクターに上着を返し、ショールを外しチュニックとズボン姿で準備が整うのを待つ。これから行なわれることを想像すれば、心臓がときときと早鐘のように鳴り、頬が上気する。 掛けられる言葉に答える声も、どこか上の空で] そっか、お肌にいいんだ。
あは、……やっぱ、緊張するね。
(143) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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ううん、特には。 あ、もしお医者さんがいれば念の為看て貰った方がいいわ。
[広間に戻ると言うローズマリーの様子を見て、ここで別れても問題ないと判断する。自分に向けられた感情にはどこか鈍感なものは未だ残ったまま、笑顔でやり過ごしたのみだった]
私は部屋がちょっと散らかったままだから、一度戻るわ。 私こそ、有難う。お話できて楽しかったわ。
[貴族風のお辞儀ではなく、気楽な身分の様な素振りで軽く会釈をして別れた]
(144) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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[静々と兄に了承の意を告げる。
自分の時は如何だったのだろう。
一瞬過る疑問に眉を顰めた。
知らない。
分からないままでいい。
思い出してはいけない。
何処かで声がする。
けれどもう一人の自分が思い出してと叫んでいる]
――…残念、でしたね。
[詩人に想い馳せる兄に対してそう呟くのは
兄が詩人に少なからず興味を抱いて居ることを知っていたから]
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悪さはしねぇ。 指切りしてもいい。
[そればかりは真顔で云って、ベッドをポンポンと叩く。]
まず、背中からいくか。
(145) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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黒薔薇。 ……武器を持った人間が、増えたのは気づいているな? 猟銃の女だけでなく、客人に等しく目を配れ。
何かあればお前の判断で動いて構わぬ。
[控えている従者へそう告げて、再び視線は目前の人間達へ]
(146) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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いや……こうやって、『喰らう』のだ。 ただ、消すだけでは無いぞ? 私に従うなら この力を授け、新たに生まれ変わらせてやる事も出来る。
[>>141消すと言うのにゆるく首を振った。 流れる銀糸がローブの間から肌に毀れる。 鬱陶しそうに払い]
恐怖と絶望から逃れたいなら 私に身を任せ、深き闇へ堕ちるが良い。
[其の手を取れと言う風に差し出す]
(147) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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――…お医者さん。 ええ、そうね。
[医者と言う言葉に連想してしまうのは薬屋の男。 強張りかけた表情を必死に取り繕う。 部屋に戻るというグロリアに一度頷き]
分かったわ。 またね、グロリア。
[会釈を返し別れた彼女の背に紡ぐ言葉は 城の中にあるというのに、 気をつけて、という妙な言葉]
(148) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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嗚呼……本当に、残念だ。
生まれ変わる時の、絶望の産声が聞きたかった。
[心底惜しいと呟く。
彼女の心のうちで叫ぶ声までは、聞こえない]
だが
まだ人間は幾らも居る。
……次の余興を考えるのもまた、愉しいものだ。
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―――……、
[――やがて寝台より立ち上がる。 呆けていても仕方がないが、このまま人前に出られようはずもなく。 気だるさの残る身を清めるべく、脚は浴場へと向かった。
廊下ですれ違う客人があれば、 常のように礼はすれど、言葉をかけることはない]
(149) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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……うん。分かってる。 ヘクターは大丈夫だって、信じるよ。 [じっと黒紫の瞳を見つめるが、やがて]
だって、ヘクターは胸とかお尻とか大きい方が良いんだもんね。
[冗談めかして付け加える。 勢い良く服を脱いでベッドにうつ伏せに横たわり、華奢な背中を晒した]
(150) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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>>137 [魔力でも篭っているのだろうか。ひらりと動かされた手に、これ以上近づくことは止そうと思っていたのに勝手に体が動く]
……あ……
[はっと我に返ったときにはあと数歩前に出れば銀糸に手が届きそうな距離で]
(151) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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絶望の産声………
[単純な思考の女には兄の高尚な趣向はよく分からず]
全てが全て絶望するのかしら。
[ぽつ、と零されるのはこれから眷属に迎えようと
思う者に対しての思案。
自分もまた絶望したのだろうかという不安。
そんなことはない、と否定の言葉を欲し問う]
この享楽の宴はお兄様のためのもの。
お兄様が愉しめることを私は望みます。
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消えるのと同じですよ。 城の外では、彼等は失踪者として扱われるんです。葬られる事すら無く。
[縋らなければならない現実。 忘れてはならない現実。言い聞かせる。自分に]
――力を授け、新たに? この上、俺達を化け物にしよう、と――……
[何故か言い淀んだ。 化け物。だが、彼等は捕食者だった。自分たちに対しての、絶対的な強者]
あなたは、深い闇の底で何を見ているというのです。 何を見る事を望むんです――
[絞り出すように、縋るように。理解が出来ない。外の世界とは、あまりにも違いすぎる。ミッシェルも、こうやって呑まれていったのか。こうやって―― 白い手が、とてもはっきりと映って。 気がついたら、そちらに手を伸ばしていた]
(152) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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おめぇはいい子だよ。
[トーニャがベッドに上がれば、自分も膝を突いて、その躯をまたぐ形になる。
腰を浮かせて体重はかけないまま、左掌をトーニャの脊髄に沿わせると、順次、下ろしてゆく。 呼吸をあわせ、時折、確かめるようにプッシュした。 尻の手前まで来ると、今度は躯の脇たどり、再び、上へ。
その手が「天使の翼の名残」――肩甲骨のあたりでしばし止まる。]
…ほう、こいつはカワイイな。
[“視得た”モノに破顔する。]
トーニャのトーテム(守護獣)はスナネズミか。
(153) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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此処、何処だったかしら……
[緊張感が剥げ落ちた思考のまま、この身を心配してくれる視線(>>148)にも気づかず]
あら、嫌だ。 また私、爪を噛んでたわ。何時の間に。 恥ずかしい……。
[いつしか噛んだ親指の爪に気付いて、羞恥の色を見せた]
――さんに、笑われちゃうわ。
[クスっと笑ったその時だけ、先程の笑いとは異なり、今までの狂気の混ざった口元に*なっていた。*]
(154) 2010/06/22(Tue) 02時半頃
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良家の娘 グロリアは、墓荒らし へクター達の事を不意に思い出した。
2010/06/22(Tue) 03時頃
良家の娘 グロリアは、水商売 ローズマリーと親しげに話せた事を嬉しく思った。
2010/06/22(Tue) 03時頃
良家の娘 グロリアは、自分の部屋に戻り、記憶を掻き集めつつ衣服を畳み直す。**
2010/06/22(Tue) 03時頃
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[広間へと続く廊下を歩きながら女はじっと自らの手を見る。 グロリアのぬくもりは冷えた肌にはもう残ってはいない。 それが少しだけ寂しくて女の貌には憂いが宿る]
――…貴女の幸せはなぁに?
[既に其処にない彼女に問う言葉。 答えが返ることなど期待してはいなかった]
(155) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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どうした……ベネット お前も此処へ来るが良い。
[擽るような声音で名を呼び、首を傾ぐ。 伸ばされたイアンの手を握り、くいと引きながら あいた片側の手を、白い指先をつと伸ばす]
――…化け物は、ひとを喰らう私か? 其れとも、醜い心を持つお前たちか?
私が望むのは、お前たちが私の下で踊る姿。
[微笑を浮かべ、肌を汚す血と同じ色の瞳を細めた]
(156) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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……ひゃっ。
[ヘクターの掌が背中に触れるのを感じて、上がりかけた悲鳴を飲み込む。 背中を辿る手が尻の方に降りれば、緊張で身体に力が籠りそうになるのを辛うじて堪えて]
――んー、可愛いって何だよ。
[肩甲骨のあたりで手を止めたヘクターに、照れ隠しにぶっきらぼうな口調で問えば、自分のトーテムはスナネズミだと告げられ]
へぇ……そういうのも、分かるんだ……。 でも、どうせなら、もっと強そうなトーテムが良かったな。 ……狼とか鷲とか。
(157) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/06/22(Tue) 03時頃
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自分の心が、醜くないと――?
[銀糸。赤い瞳。引かれる腕。 全てが遠い。血の匂い。骸。
ベネットの無事を祈りつつ、意識はただ呆然と――**]
(158) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/06/22(Tue) 03時頃
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スナネズミにだって、立派な牙と爪としっぽがあるだろう。 おれのトーテムなんかヤマアラシだ。
――ちょっとひやっとするぞ。
[警告してから、ハーブウォーターを指先につけて、トーニャの陽光に灼けた小麦色の肌に見えない護符を描いてゆく。
こんな風に気を読むのを許している相手ならぱ、経絡に沿って官能を呼び覚ましてやることも可能なのだけれど。]
スナネズミ、スナネズミ――…
[そう唱えれば、欲を伴わない愛しさだけが笑みになる。]
(159) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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背中は終わりだ。 仰向けになれ。
[タオルを投げて、なんなら顔を覆ってろと示唆する。]
(160) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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>>152 ……!イアンさんっ!
[のばされた手をとろうとする姉の友の名を叫ぶ]
>>156 ……っ。
[伸ばされた白い手しか見えない。いや、手以外を見ることができないのだ。]
……貴方は、貴方にとっては人間なんてとるに足らないものなんでしょう?ただの餌なんでしょう? ならただ喰らえばいいじゃないか。力を与えるだなんて、……なんでそんなこと。
[にらむも虚勢をはっているのは明らかで]
……。
[化け物は吸血鬼か人間か。その問いには答えられずうつむく]
(161) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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[見えすぎてしまう魔性の目が少しだけ疎ましい。 見なくて良いものも見えてしまった。 女の魔力の量は城主ほどではないけれど 長い時を掛けて与えられたそれは侮れぬ量に膨らんでいる]
――……私は、
[きゅ、と自らの手を握り締める。 何も掴めぬその手は虚しさだけを女に与える]
(162) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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―浴場― [とさり、と、指先からシャツが落ちる。 纏うものが無くなろうとも、首には銀の首輪が残った。
すらり、と一厘の立ち姿には、傷ひとつない、 耳の後ろの噛み痕は、髪が乱れなければ人目に触れることもなく。
流れる水を目で追う、 身をうつ冷たさは心地よくて、目蓋を閉ざせば――]
――……、
……大食漢なのはどちらですか。
[かすかな眩暈に小さな悪態。 壁に手をつきながら浴場を出れば、その姿は常の白薔薇のもの。 ―――ただ二つの噛み傷を除いて]
(163) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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お前たちが言う化け物に 心があるとでも?
[>>158テーブルに座った状態では、引き寄せた相手を見上げる視線。 腕に顔を摺り寄せて、切なげに返す言葉。 >>161俯いた青年に伸ばした指先は 彼の袖を引くだけに留めた]
ただ喰らうだけでは……
力を与え、同族を増やしたいと思うのは 私が 誰より孤独だから、かもしれぬ。
[心が無いと言った其の口が孤独を呟き、 其れから自嘲気味に笑みを浮かべた]
(164) 2010/06/22(Tue) 03時頃
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……いいじゃん。ヤマアラシって強そうだし。 [そう言って、口を尖らせる。
ひやっとするぞ、と警告されればぎゅっと目を瞑じて、その瞬間を待てば、指先が流れるように蠢き、素肌に複雑な紋様を描いていくのを感じる]
もう、からかわないでよ――。
[スナネズミと繰り返し唱えるヘクターの裡は知らず。 ただ、信じて施術が終わるのを待つ]
(165) 2010/06/22(Tue) 03時半頃
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