24 明日の夜明け
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[フィリップとメアリーは、走っていってしまっただろうか。 それでも、そちらを向けもしないまま。
告げられた言葉が、頭から離れない。 いつもは、楽しいことばかり思い出す頭は、呆れられたり、怒られたり、そんな場面ばかりぐるぐる映す。
迷惑かけたくない。 嫌われたくない。 置いていかれたく、ない。 でも、それは。
ぎゅう、と赤い光が欠片も入らないほど、強く目を閉じるも]
(442) 2010/08/05(Thu) 23時半頃
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……えっ?
[もっと、安らぐいろの光が、目蓋をくすぐる。 それに力を緩めれば、虚のなか、きらきらと零れるひかり]
これって、
[ば、と頭上を振り仰げば、あれだけ赤みをぎらつかせていた月のいろも、雲がかかっていくように、うっすらと落ち着いて]
(443) 2010/08/05(Thu) 23時半頃
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お兄ちゃん!
[思わず、そう、振り向いて声をあげた。 囲まれている状況も、負った怪我も知らず、ただ、いつものように。 面白いお菓子をみつけたんだ、と他愛なく語るのと、同じ笑みを浮かべて]
(444) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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テッドは自分の身を窶して何体もの狼と戦っている。何人かも、樹を守るために集まっている。
みんな、みんな戦ってる…。
[ふと気づくと、窓の外、自分のグラウンドの真下に気配があっただろうか。
{6}5〜6:女狼 1〜2:はぐれた狼 3〜4:居ない]
(445) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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[胸ポケットの上から、濃紺の守り袋を、軽く掴む。 同時、巨躯の狼が上を見た。
つられるように見上げた空には、僅かな変化]
……月の、色が……。
[赤が、少しずつ、薄れている]
も、ちょっ、と……!
[もう少し、もう少しだけ、逃げおおせれば。 そうすれば、みんな、助かる。 ふと、そんな考えに囚われ──それは、そのまま隙となった]
(446) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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/* サイモン、女難の相があるんじゃ。
(-160) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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……って、やばっ……!
[再度、振り上げられていた、巨躯の狼の、爪。 気づくのが遅く、後ろに下がろうにも、周囲は狼たちが取り囲んでいて、それも叶わず]
……くっ……!
[右手は濃紺の守り袋を握り締めたまま、せめてもの抵抗と、左腕を頭の上に、かざした]
(447) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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/*テッドの邪魔をしちゃったのかなー だとしたら、ごめんよー。
(-161) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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[ソフィアが頭上を見上げるのにつられて空をみる]
さっきまで禍々しい色を放っていた月が、こころなし少し霞んだ気がしてソフィアの呟きにひとり事のように答える]
うん…もしかしたら。
(448) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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[……けれど、それも束の間]
[赤い月の光は、余力をすべて注ぎ込んでやるといわんばかりに、再び空を刹那、以前よりももっと強い赤で染めた]
[緩やかな、明滅]
(#14) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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[腕に食い込む、爪の感触。 痛いというよりは、熱いような気がした。
衝撃に、ぎ、と歯を食いしばる所に、微かに聞こえた、呼び声>>444]
……ソフィ……?
[まだ、外にいたのかよ、と。 頭を過ぎったのは、どこか日常的な言葉だった]
(449) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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[上を見上げた瞳の中に真っ赤な赤が写る]
う・・・うそっ テッド……は?
[震えながらグランドへと視線を移した]
(450) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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[目の前で危険な目に合っている友人。 なぜソフィアは助けに行かないのか、とか、考える余裕がなくて。間髪入れずに走り出すけれど。 背後から聞こえた声>>429に、びくりとして]
[フィリップに腕を掴まれて。>>431目を覆われた>>439]
……離して!離し……。
……ふえぇぇ。
[カルヴィナの声>>427も僅か聞こえていた。だから]
[ソフィアの方が自分よりも悲しいのに、辛いのに、とか思っても。 その涙は止まらないから。 せめて声も涙もソフィアに見せない様に。 フィルの胸に顔を隠して泣いた]
(451) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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/* メアリー、黒いなあ。狼ぽいなあ。
ふりほどいて、いいんだよ?
(-162) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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…… おにい、ちゃん……?
[何処だろう。 確かに、揃い並んだ影の向こうに、いつも追いかけてた姿を、見たのに。
きょとん、と目を擦ってみても、ただ黒い影が蠢くだけ。 むしろ、どうして、こんなに視界が赤いんだろう?]
…やだ。何処。 もう、あたしだって、かくれんぼで喜ぶトシじゃ、ないよ。
[勝手になる心臓が煩い。 勝手に動く足が、ひどくぎこちない。
それでも、気づけば走り出していて]
お兄ちゃんっ……!!
(452) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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[メアリーを抱く腕に、ぐっと力を込めた。 テッドの腕から鮮血が散る]
………っ!
[駆け出して、助けたい。逃げ出したい。 動きたく、ない]
(453) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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