17 吸血鬼の城
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/20(Sun) 23時半頃
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――廊下――
それは…… 驚かせてしまって申し訳ありません。
ああ、では空腹を感じましたら、いつでもその影にお申し付け下さいね。呼んで下されば私がお伺いすることも出来ますので。
[小さな客人の影に潜む、影。 それがざわりと蠢くのを嗜めるように一度視線をやれば、 戸惑うような声音が不意に一つの名を紡いだ]
友達…… そうですね、かつては、友達だったかも しれません。
[困惑に寄せられた眉根は、繕うようにすぐに微笑を取り戻す]
(11) 2010/06/21(Mon) 00時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/21(Mon) 00時頃
嗚呼……良い、悲鳴が聞こえる。
[満足気な囁き]
良い子だ
私のローズ
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[問いた気な様子が伺えれば、一度首は傾いで]
人の世で変わらぬものなどありますか? ……いえ、いえ、あるいは……やはり、最初から。
[「友達」などではなかったのかもしれない、 と、先の言葉を否定して、声音の悲しげな様子には沈黙と共に青は伏せられる]
(37) 2010/06/21(Mon) 00時頃
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[絹を裂くような悲鳴に眼差しは声のほうへと滑る]
嗚呼、申し訳ありません。 今は少し、仕事がありましのたで、また。
……今宵はもう大丈夫ですからね。
[そして白い執事は礼を残して、一つの客室へと足を運ぶ。 途中、いずこかに飾られた白薔薇を一厘、再び胸に挿す。
フロレスク――吸血鬼狩りの祓魔の血筋。 その名を名乗った客人の部屋の前、 薔薇は香り、白い花びらは、ひらり と散った]
(40) 2010/06/21(Mon) 00時頃
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奏者 セシルは、扉より覗くサイラスの姿、青は一度向けられて吐息と共に伏せられた
2010/06/21(Mon) 00時頃
お気に召したなら……良かった。
[満足げな聲にほっと胸を撫で下ろし]
お兄様……
そちらも騒がしいようですが……
従者のいずれかを向かわせましょうか?
奏者 セシルは、薬屋 サイラスの呟く声が届けば、憂うようなため息が一つ。
2010/06/21(Mon) 00時半頃
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―サイモンの部屋―
――失礼いたします。
[客人の姿にも小さく会釈を向けて]
ああ、お嬢様、 お客様の前で食事をされては驚かれてしまう、と、そのように申しましたのに。 それに黒薔薇、遅くなって申し訳ございません。
[使われていない暖炉の柵を開く、 内壁の隠された紋章を探れば、暖炉は奈落へと続く暗い口を開いた。
地下室の更に下、迷宮にも似た地下洞窟へと続くそれ。 墓標を持ちえぬ“食事”の後は――]
(51) 2010/06/21(Mon) 00時半頃
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嗚呼、思った以上に
愉しかった。
[胸を撫で下ろすローズマリー
彼女がサイモンに囁いた言葉も
彼の恍惚とした表情も
其の先に待つ未来故に、城主を酷く満足させた]
いや……元凶は部屋に戻ったようだ。
[騒がしいと言うのには、もう済んだと短く答える。
実際の所、始まるのはこれからかもしれなかった]
私のローズ
黒薔薇に、あれの監視を怠るなと
それだけを。
[兄の言葉に嬉しそうな表情が過る]
それなら……
[緩く頷き従者への言伝を繰り返す]
あれの監視を怠るな、ですね。
――…伝えておきます。
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>>57 この場にあっては、 こちら方の心が落ちつかれるようには見えません。 ――お引取りいただいたほうが、よろしいかと。
[生命なき骸は、既に生者に答えることなどない、 メアリーへ向けられる面差しは、黒薔薇とは対照的なもの]
……そちらのご令嬢をお任せしてもよろしいですか?
[記者に向ける言葉は場違いに柔らかな声であったが、 この場から立ち去るように、との要求には違いなく]
(69) 2010/06/21(Mon) 01時頃
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良い子だ。
後で……部屋へ向かう。
啜った其の血を、私にも分けてくれ。
[循環を目的と言いながら
城主の狙いは彼女の記憶を薄め
純血種に近づかせる事にある]
さて……集った人間達は
どう出るか
是から、愉しくなると良いが
私たち二人ではゲストが手持ち無沙汰になるやもしれんな
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>>63 旦那様のご希望でしたら、 それは、仕方ありませんね。
[満ちたりたその頬の上気する様に、 まぶしげに目を細めれば、銃声は響いて >>67]
……嗚呼、そちらがお忙しければ、 こちらは私一人でも構いませんよ、お気をつけて。黒薔薇。
[走り出した彼に声が届いたかはわからない]
(76) 2010/06/21(Mon) 01時頃
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>>79 ――弔いならば、 己の心が内で如何様にもなりますでしょう。
[しろいばら、その声が届けば。 亡骸に己が胸の薔薇をそっと抱かせて、記者の言葉に答える。
睨む視線にはただ眼差しを伏せるのみ、 恐れはない、もっと畏ろしいものを知っている]
……ご賢明なこと、なによりです。
[少女へ促す姿に、ぽつり、呟いて]
(88) 2010/06/21(Mon) 01時頃
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奏者 セシルは、あらたに足を踏み入れる者の気配に す と、曇りない青を流した
2010/06/21(Mon) 01時頃
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[>>96 主からの要請に異論のあろうはずもなく]
――かしこまりました。
[状況を見守るべく、戸口へと控えれば >>100 薬売りの声が傍らに、状況を問われている。
けれどフロレスクを知られている者に名を呼ばれていること、 それに心が波立つ]
――……呼び名を、 白薔薇 では、いけませんか。
[囁くように声は掠れて、 見つめた曇りない青は少しばかり沈んだ色になる]
(109) 2010/06/21(Mon) 01時半頃
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お兄様の為なら幾らでも捧げましょう。
私はお兄様の為にあるのだから……
[兄の目的など知らぬまま
言葉どおり受け取り]
それでは手を増やすために
誰かを私と同じにしてしまうの……?
[兄を誰かに取られてしまいそうで
少しばかり不安げな聲が漏れた]
嗚呼……そんな聲を零すな。
私のローズ
幾度も血をわけてきただろう?
お前は特別だ。
[人としての記憶が薄れるほどに、血を分け続けた
彼女は純血ほどの力は無くとも、ただ眷属となった者よりも
魔力に秀でているはずで]
お前と同じにするためには
幾年もの時間が必要だ。
そう簡単には、選ばぬよ。
[其の為従者は何時までも人のまま。
彼らを人である身から解き放つのは容易いと言うのに]
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>>113 [――薔薇の香は、かすかな血臭と混ざり合う。 答えのないことに、その眸の色は薬売りを詰るように憂いた。 けれど、ここで問うべきことでは、ないのはわかっている]
――……いえ、今宵はもう、 心安くお休みいただけるはずですよ。
お連れの方も、そのような身体でわざわざいらっしゃらずともよろしいでしょうに。……ご病気でしょうか?
[抱えられる少女を見る、 病の身ならそれは主らに“相応しくない”]
(124) 2010/06/21(Mon) 02時頃
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[>>106 客人とのやりとりの合間を縫って、 影のささやきが音なく耳を入るを聞けば、小さく囁く]
……ええ、こちらは大丈夫ですから。 あなたもお気をつけて。
[>>120 そして客人の一人が部屋を辞するを見れば]
よろしいのですか? ――……お休みになれなければ、 酒精をお持ちすることも出来ますので。
[ゆるやかに頭を下げて送り出す]
(129) 2010/06/21(Mon) 02時頃
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――…私はお兄様のモノ。
[ふ、と繰り返すのは記憶が蘇る事を怖れて。
特別、と囁かれると安堵の色が宿る]
嗚呼、早くお兄様のもとへ行きたい。
[花飾りの少女と話しているとこれまでの自分が揺らぐ]
お兄様に選ばれた者はしあわせね。
だって、私も……
お兄様の傍に居られて、しあわせ、だもの。
[それは幼子が甘えるような口振りにも似て――]
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>>132>>140
――……、今宵は そうである、と そのように、言い付かっているだけです。
[問われた言葉には、肯定も否定もしない。 わずかばかりの警戒心を滲ませるように。 そして疲れているだけだ、とその割には少女の慎重に扱われるそれを見据えたのだけれど。
――戻ってきたその姿に青は呆れたような色になる]
……物好きな、方ですね。 亡骸に興味があるのですか、それとも
私から何か聞きだせるとでも思ってらっしゃるの……
[言葉は途切れる、囁かれた名――吸血鬼を屠る者、 白手袋に覆われた手は男の何がしかを押さえようとしたのか、泳いだ]
(144) 2010/06/21(Mon) 02時半頃
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そうだ、お前は……大切な妹。
特別なのは、言うまでも無いだろう?
[閨で囁く子守唄のように、甘く低く聲を届かせる]
嗚呼、私も早くお前の顔が見たい。
其処へ行こうか、私のローズ。
[永遠とも思われる虚無を彩る華の名前を呼び
城主はつと気配を向ける]
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>>146 余りよろしくない、探究心ですね……
[肯定の言葉がつらつらと列なる 遺体には慣れた、とはいえ、それは好んで見たいもの、ではない。
小さく嘆息を零せば、続く男の言葉]
―――……、
[薄くあがる口端、この男はその名の意味を知っている。 聖性を逸した、浅ましい己の生き様を――。 青は一度花咲くように見開けば、重たげに伏せられて]
――…そのお話はまた、後ほど。
[天の青は静寂のまま、冷えていった]
(157) 2010/06/21(Mon) 03時頃
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[薬売りの耳朶を掠めて囁けば、その傍らからは離れて]
――……お嬢様、 ご気分が優れぬご様子ですが。
お送りいたしましょうか?
[そのように問うのはまだ“仕事”がすんでおらぬせい、 すべきことが為されていればその揺らぐ翡翠を案じるままに沿うのだけれど――]
―――…旦那様、
[空気は揺らぎ変容する、 現れた主が気配に、ただ頭をたれた]
(160) 2010/06/21(Mon) 03時頃
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お兄様との逢瀬には
此処は少し無粋だから……
部屋に戻ってから、と思ったのだけど。
[存外早く兄に会えた事に喜びながらも
ぽつぽつと言い訳染みた言葉を紡ぐのは
手を煩わせてしまったかという心配から]
嗚呼、そうだな
ただ
私が待ちきれなかったのだ。
[態々出向いたのは
影伝いに視る彼女の異変に
幾らか危機を感じた為でもあった]
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/21(Mon) 03時頃
私もお会いしたかった。
だから……
お兄様が来てくれてとても嬉しかったの。
[兄の訪れにより女の不安は掻き消えた。
彼の姿があればメアリーの言葉に
女の心は揺らがないはずで]
お前が望むなら、私は何時でもお前の傍に。
……さあ、血の循環を
私にお前の喰らった其れを、分けてくれ。
[閨へ誘うような色を持って、妹として愛でている彼女へ囁く。
揺らぐひとの心も何もかも、この純血で記憶の底へ
封じ込めてしまう為に**]
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ああ――… ならば、よろしうございました。
[彼女の声音が変われば、安堵を向けて。 絶対者たる主の存在に――畏怖より崇拝へと、天秤は揺れて傾くのだ。]
――…かしこまりました。
[主へ向けては礼の姿勢を崩さぬまま、 主が妹を愛でる様は己の視界にはいれず。
しかし、彼女と少女の語ったところ―― サイモンの亡骸を、一度見やる。 このまま奈落へと“落として”しまってよいものか、と躊躇が一つ]
(168) 2010/06/21(Mon) 03時半頃
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愛しいお兄様。
私が望まぬわけがないでしょう……?
いつでも、お兄様の意のままに。
私はお兄様の為に在るのだから。
[緩く首を傾げれば亜麻色の髪がさらりと流れ
白く細い首筋をあらわにする。
誘いを喜びこそすれ拒絶はありえない。
出逢った頃は如何だっただろう。
ふと持たぬ過去を考えかけて僅かに目を伏せた]
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――…かしこまりました、 ではしばらくはそのように。
[>>170 告げられる言葉に、 惑うような視線を思えば了解を示し、彼女と主のその姿を見送る。亡骸の傍の少女をしばらくは見守る算段で]
(171) 2010/06/21(Mon) 04時頃
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[ふ――と窓の外を見やる。 霧は晴れていない、ましてや暁星など 見えるはずもないものを探してしまった]
――…皮肉なものですね。
[堕ちた天使――と主は言った。 最も名のある堕天使、明けの明星、 それは天にあってはセラフ(熾天使)と 呼ばれる者ではなかったか。]
(172) 2010/06/21(Mon) 04時頃
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