17 吸血鬼の城
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[与えられし純血の魔力は契りの証。
女は満ち足りた様子で聲を紡いだ]
お兄様。
お客様が手持ち無沙汰にならぬように
手を増やすのでしたね。
何方を此方に迎え入れましょう。
[緩く首を傾げ兄の意向を伺う]
嗚呼……そう、薬屋を
眷属に加えてやろうかと思っている。
[声ならぬ聲に囁き返す]
どうやら白薔薇に御執心のようだ。
……いっそ仕えさせてやろうかと思ってな。
白薔薇はさぞ嫌がるだろう
其れに――…メアリー・トレメイン
あれが、彼は無事で居て欲しいと願うのだ。
ならば、殺さず逝かせてやろうと思う。
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[>>266詩人だという彼に、驚いた表情を。]
おお、詩人なのか。 …俺ぁ無学な人間だけどよ、その城主の言葉と詩人の仕事ってのは そんなに変わらねーように思えるんだがね。 詩人だって金の為に筆をとるんだろ? [本屋に置かれるような、詩集を頭に思い浮かべながら尋ねる。]
(271) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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薬屋……
ああ、あの男……
[惨劇の間に遅れてきた薬の匂いを纏う男。
兄の考えは女には理解できず]
そう……。
では薬屋にお兄様が血をお与えになるの?
[未だ兄以外とは血の循環をしたことのない女は
思ったままを問いとして返した]
私がこの血を分け与えるのも可能だが
……そろそろお前にも、力は満ちているだろう
[Yaと返る問い掛けに、城主は其れ以外の答えを返す]
私のローズ
お前が彼を迎え入れてみるか?
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>>278 [ 男の眉がひくりと動き目元に力が込められる。 横目で詩人をみやるが、片目のしかも弱った視力では 顔面の表情筋に覆われた心情など見通すことも出来ず]
……へーえ。 [語尾をあげるような返しをした。]
それとは別にしても、 あんたの言う「詩人であること」ってのは 守らなきゃいけないもんなのか?
[そんなに守る価値のあるものなのか、そう意味を含めて尋ねる。 少し刺のある言い方だと思われても別に構わず]
(285) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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>>283 「タダ酒ならありがたく」 [何度も使ってきた台詞を口に、グラスを受け取り 軽く上にあげて乾杯の仕草。
彼の言う詩人であること、つまり「自由な心の」詩人であることは 遵守すべきものなのか。]
(287) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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――……。
[白薔薇ことセシルには微笑んでいて欲しい。
そう思っているからこそ兄の思惑が理解出来ない。
メアリーの願いに対してもそれは同じ事で]
私が……彼を迎え入れる……?
[思いがけぬ提案に翡翠が瞬く]
私に上手く出来るかしら……
それに、お兄様の渇き、癒す者は他に誰か……
[兄の渇きを案じる聲がか細く響く]
[白薔薇の忠誠心が見たい
メアリーの苦しむ顔が見たい
其れがつかの間、城主の空虚な胸を埋めるのだ]
そう、お前が彼を――
心配はいらない、幾度もお前には私が力を与えている
人を眷属に変えるくらい、出来るはず
[ローズマリーの、城主を案じる言葉に
薄く笑み混じる吐息が漏れる]
私の渇きは、彼等の苦悩で満たされる。
喉の渇きは、ワインでも流し込めば良い。
[食堂にでも向かおうか、そんな事を思いながら]
[兄の言葉が心強い]
――…分かりました。
お兄様の言う通りに致しましょう。
[ゆるく礼をするのは兄に対する敬意。
捕食者たる女は標的へと気をめぐらせた]
信じている
私のローズ
[人を喰らうだけでなく
其の力を分け与えるようになれば、また
彼女は人から遠のいていく
暗い悦びを胸に、期待を込めて名を呼んだ]
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>>290
わっかんねーなぁ。 多分俺にゃあ一生かかっても理解できなさそうだ。 自由でいるだとか、セイレンされた世界だとか―
[詩人の持つグラスの内でさざ波が生まれ、ぶつかり、消える。 手が震えているのかと詩人の表情を盗み見た。 それからまた顔をそらして]
でもよ、美しさだか何だかは理解すんぜ。 背中にそれを彫りこんだからな。 [にやにや笑いを張り付けてグラスに残る酒を一気に呷る。 手酌でもう一杯。 そして詩人の男に注いでやろうかと聞いてみる]
(301) 2010/06/21(Mon) 22時頃
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>>306
夢をみるのは好かんのか。 詩人は夢を紡ぐようなもんだと思ったんだけどな。
[そういって男はワインを置き立ち上がる。 自分で注いだ一杯を喉に流し込んで] 酔うほど飲むのがうめぇのに。
(308) 2010/06/21(Mon) 22時頃
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>>310
[呆れたような面もちで]
…とっことん、あんたのことわかんねぇよ。 難しい生き物だな。貴族しかり、詩人しかり。
[ワイングラスを置きなおし、 さいならー、と後手に手を振り食事の間を離れた]
― 食事の間→石畳の廊下 ―
(314) 2010/06/21(Mon) 22時半頃
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信じてらして、お兄様。
[兄の思いに応えようと気丈にそう囁いた。
目の前にいる薬屋は容易い相手ではない。
一筋縄ではいかぬだろうか。
距離を詰めながら思案する]
成功を願う。
……白薔薇も従者ならば
主人の手伝いをするのは当然だろう
必要があれば、上手く使うが良い。
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[息苦しさを覚えれば、すれ違うのは銀色の城主。 一歩横にずれたのは男の意思ではなく―少なくとも男はそう思った。
息を止めて視線をそらして、銀が過ぎるのを待った。
過ぎてしまえば小さくため息をついて]
…なんか知んないケド疲れた。 詩人てのはよっくわかんねー奴だったな。 [詩人であることに拘るのも、男にとっては理解の範疇ではなく。 むしろ男にとって、“拘る”という事自体が理解しえないものだったが。
もう一度溜息をついて、今度こそ風呂にはいろうと歩き出す]
(326) 2010/06/21(Mon) 22時半頃
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[汗でべとつく肌に服を纏っていたくなくて上着を脱いで脇に抱えた。 着ていた服は、両腕とも、黒い蛇を覆い隠すほどの長さは無い。 肘から上下10センチほどの長さを、皮膚の上を黒い蛇はうねる。 デフォルメされ一対の矢印のように描かれた黒蛇は 歩くたびに、筋肉に力を入れるたびに蠢く。
刺青はそれだけでなく。今は見えない右足首にも 黒く刻まれた茨がぐるりと足首を螺旋状にめぐり、 その上部には一匹の鮮やかな蝶蝶が刻まれている。 背中では腰の右上をタランチュラの写実的な図柄が 背中中部から上部に向かって民族的な図がおとなしめの三色をつかって彫りこまれている。]
(347) 2010/06/21(Mon) 23時頃
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[そして眼帯の奥には―白眼にトカゲの刺青を入れようとして 無残に終わった結果がある。 後遺症でなのか、左目は光の中でまともに機能することはできない。
しかし男はそれでも刺青を入れようとした事は後悔していない。 どうせ――――。
風呂場へ向かう途中、誰にあったとしても軽口は叩くが、 話しこみはしないだろう]
― →風呂場へ ―
(348) 2010/06/21(Mon) 23時頃
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