17 吸血鬼の城
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―廊下―
[廊下に出て、今自分に出来ることを考えていると、ふと人の視線を感じて慌てて振り向く。 視線の先には、一人の青年。]
な、なにか用ですか……?
[右手でロザリオを握りながら、警戒した様子で声をかける。]
(250) 2010/06/21(Mon) 20時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/06/21(Mon) 20時半頃
靴磨き トニーは、奏者 セシルの天青を思い出した。
2010/06/21(Mon) 20時半頃
靴磨き トニーは、薬屋 サイラスが天青と対峙していることを知らない。
2010/06/21(Mon) 20時半頃
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―廊下―
[慌てて振り返った人影は見覚えのある者だった。 確か、ドナルドと話していた時にすれ違った女性だ]
――あ、すみません。 驚かせちゃいました、よね。
[謝ってばっかりだと苦笑しながら、なるべく気安に声をかける]
お一人で出歩かれるのは、危ないですよ。 ただでさえ得体の知れない城なんですから。
[自分の事はとりあえず棚に上げる]
(251) 2010/06/21(Mon) 20時半頃
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[主が次に向かったのは、書庫。 細やかな細工の扉を開くと、篭ったにおいが外へ漏れる]
……
[犠牲者の名を書き連ねていた紙束が無い事を知っている。 それから、手記が一冊戻ってきた事も。 ゆったりとした袖が舞うように書棚へ伸び、革装丁の手帳を取り出す。 古びた其れを手に、紙を捲れば徐々に乱れる文。 最後に残った頁、其処には一言]
……愚かな……嗚呼、
[苦い声は誰も聞いたことの無いもの]
(252) 2010/06/21(Mon) 20時半頃
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[空白を睨みつけ、手記を棚へ戻す。 ローブを翻し、足早に廊下を進む。
襤褸を纏う子供が先に見えた]
(253) 2010/06/21(Mon) 20時半頃
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―廊下―
……いえ、大丈夫です。
[気安く声をかけてくる青年に、若干警戒の色を緩めながら、答える。]
それは、わかっています。 けれど、部屋の中にいたところで、安全とは限りませんから……。
[何しろ、相手はおとぎ話の中にいるような存在なのだ。 ならば部屋にこもったところで、なんら意味など無いだろう。]
そういう貴方こそ、見たところお一人のようですが……?
[自分に注意を促しながら、一人で出歩いている青年に、女は訝しげに問い掛けた。]
(254) 2010/06/21(Mon) 20時半頃
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>>249 [男の語る言葉、 硝子を掻くようにそれは不快感を伴う。 けれど気づいている、言葉が感情を波立てるのは真に触れるからに他ならない]
――…ならば私の血は既に、 家名に沿うものではないのでしょう。
[順に見据えていく眸に、 嗚呼、フロレスク――また鼓膜にその名が落とされる。
首をふる、飴色が揺れる、枷が鳴る。白手袋の爪が壁を掻く。 乱れた青は、けれど、掠れる声で言葉を絞りだし]
……私の望みなど、そんなものは存在しない。 あなたはなにがしたいのです、家名の責務を果たせとでも?
[浮かんだのは白薔薇とは形容しがたい、 投げやりなまでに華やかな微笑み]
(255) 2010/06/21(Mon) 20時半頃
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――廊下――
[椅子に腰掛け、ぷらぷらと足を振りながらメロディを口ずさむ。 城主に見られていることには、まだ気付いていない]
(256) 2010/06/21(Mon) 20時半頃
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小悪党 ドナルドは、ランタン職人 ヴェスパタインに話の続きを促した。
2010/06/21(Mon) 20時半頃
小悪党 ドナルドは、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/06/21(Mon) 20時半頃
小悪党 ドナルドは、靴磨き トニーに話の続きを促した。
2010/06/21(Mon) 20時半頃
牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/06/21(Mon) 20時半頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/06/21(Mon) 20時半頃
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―自室/現在軸― [結局、ワイン片手に歩いてみれば自室にいつの間にかついていた。 借り物の礼服ではあったが、精神的に疲労していた為 なんら頓着することなく床に脱ぎ捨てベッドに潜り込んだ。 高級そうな感触に顔をしかめた理由は自分でも分からぬまま、瞼は下がっていった。
そして目覚めてみれば 脱ぎ捨てたはずの礼服は影によって 整頓され、男自身の服が既に用意してある。
着慣れた服に袖を通そうとして汗ばむ肌に気付いた。 替えの服が無いからと、しょうがなく着る事にして] えー…と 風呂借りまーす…。 [ぼそり、と宣言すればどこからか影が現れ、男を先導する。 移動の途中、>>240揺らめく光を見た気がしてそちらの方向へと] ―→食事の間―
(257) 2010/06/21(Mon) 20時半頃
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[薔薇色の液体は、相変わらず減る事は無く、ランプの灯りの中で緩やかに波打って、時計の刻む音だけが響く―…‥、 そしていくばかりの時間が経った時――]
Aus tiefer Not schrei' ich zu dir, Herr Gott, erhoer' mein Rufen―…‥
‥…―Wer kann, Herr, vor dir bleiben?
[それは深い淵からの主を呼び求める歌。 時として救ってくれる主を呪った―…‥
――でも気付けばこれをいつも口にしていた。]
(258) 2010/06/21(Mon) 20時半頃
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―廊下―
……唄、か 少し懐かしい
[何時の間にか、城主の姿は子供の横にあった]
随分と毛並が違うようだが 影はお前に着る物も用意しなかったか?
[気だるさを残した切れ長の瞳が流し見遣る先 襤褸を纏った子供の頬へ向けて、細い指を伸ばす]
(259) 2010/06/21(Mon) 20時半頃
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―廊下―
ああ……まあ、そうですよね。 変な影みたいなのが、いつの間にか現れてたりしますもんね……
[部屋の中も安全ではない。 城の外にも出れない。 今の青年には、恐怖よりもその理不尽さに対する苛立ちの方が勝っていて]
――ええ、俺も一人ですよ。 狭い所に居たら、どうにかなっちまいそうで……。
[問いかけにはあっさりと答える。そして、周囲を見回した。吸血鬼の影が無いかどうかを確かめるためだ。目立った影が無い事を確認すれば、苦笑を交えながら――しかし、苛立ちも隠せずに]
いや、もう、本当。この城の住人は……何なんでしょうねえ。 俺には全く理解が出来ない。
(260) 2010/06/21(Mon) 20時半頃
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小悪党 ドナルドは、詩人 ユリシーズの紡ぐ外国の言葉にぱち、ぱち、とやる気のない拍手。「才人だこって」
2010/06/21(Mon) 21時頃
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― 広間 ―
[純白のドレスを纏う女が広間に姿を現す。 食事を終えて間もない女に渇きらしい渇きはない。 これはただの気まぐれ]
――…セシルもロビンも居ないのね。
[辺りを見回して呟く。 誰が何処にいるかなど分かっていて紡ぐ]
紅茶でも頂こうかと思ったけれど 影に淹れて貰ったものは味気ないのよね。 如何しようかしら。
[さして困った風でもなく広間に窓辺に背を預けた]
(261) 2010/06/21(Mon) 21時頃
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詩人 ユリシーズは、静かな間に異なる音が入り、双眸を開く。
2010/06/21(Mon) 21時頃
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>>255
望みは存在しない ですか?
[望みを持たぬものが、 首に枷をつけられてなお、眸に蒼穹を持つ、だろうか。
だが、それがよほどの意味を持つのか。 白薔薇は乱れ、清廉だった美しさではなく、 まるで、商売女にも似た、自虐的な笑みを称え始めた。]
いや、君は、望んでいる。 そう、君は堕ちた、だが…帰りたいのでしょう。
[そして、その頬に手を寄せた。 その眸は、蒼穹は、空を欲しているようにも見えて……。]
君は、彼らになぜ従う? 何を彼らはくれるんだ?
(262) 2010/06/21(Mon) 21時頃
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才人ではありませんよ、私はしがない凡人です。 幼い頃は聖歌隊に入ってましたから、多少歌える程度ですよ。
[皮肉めいた言葉に、笑みを浮かべて言った。]
(263) 2010/06/21(Mon) 21時頃
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>>263 [反応の如何はここ、入口からでは視力の悪い男には見えない。 壁際に寄りかかりながら 返された言葉に]
歌えるだけすげえよ。 [俺は聞いたってサッパリだ、といつもの笑みを]
歌の邪魔したようなら悪ぃね。 蝋燭の灯が揺れてたもんで、誰がいるのか気になって来てみたら
―あんた、城主サマと険悪ムードになってた人、だっけ?開演の挨拶の時に。
(264) 2010/06/21(Mon) 21時頃
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―廊下―
そうですね……。 それに、あの城主さまも、霧と共に現れていました。 おそらく、この城内ならば好きな場所に現れられるのでは……。
[言葉を紡ぐほどに不安は大きくなり、その不安が恐怖を呼び起こした。 青年の、苦笑交じりの苛立ちの言葉を聞き、頷く。]
どうして、こんなことをするのでしょうね……。
[不安に震えた声で言った。]
(265) 2010/06/21(Mon) 21時頃
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[与えられし純血の魔力は契りの証。
女は満ち足りた様子で聲を紡いだ]
お兄様。
お客様が手持ち無沙汰にならぬように
手を増やすのでしたね。
何方を此方に迎え入れましょう。
[緩く首を傾げ兄の意向を伺う]
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[>>264の言葉に苦笑しながら、]
険悪ですか、ただ私は枷を付けて、楽しませろと言う言い分我慢ならなかっただけです。
詩人の心は自由でなければ―…‥
[何処か遠くを見る視線。 同時に自分自身に言い聞かせるように。]
(266) 2010/06/21(Mon) 21時頃
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>>262 [何故―― 何故、不用意に名乗ってなどしまったのか。 男の言葉は聞くに堪えがたい、 誘惑者の甘言は本来闇に招くものだというのに、逆だ。]
帰りたい、などと…… 私はただ、堕ち切れぬだけ、それはただの甘さに――…
[手が触れる、けれどその手は冷たくはなかった。 違う、とぽつり、呟いて――青は空を見ない、ただ熱を持って滲むだけ]
――……稀なる、悦びを。
[答える声に潜むもの、それは甘やかな情欲の吐息。 頬に触れた手に白手袋の指先が一度添えば、離れた]
(267) 2010/06/21(Mon) 21時頃
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嗚呼……そう、薬屋を
眷属に加えてやろうかと思っている。
[声ならぬ聲に囁き返す]
どうやら白薔薇に御執心のようだ。
……いっそ仕えさせてやろうかと思ってな。
白薔薇はさぞ嫌がるだろう
其れに――…メアリー・トレメイン
あれが、彼は無事で居て欲しいと願うのだ。
ならば、殺さず逝かせてやろうと思う。
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――廊下――
[不意に声を掛けられ、メロディは途切れる。 顔を上げればそこに居たのは待ち人ではなく、恐ろしい――けれども美しい紅]
身体が緊張に強張る]
用意してもらった、けど。 私には、……似あわないから。
[瞳を直視するのが怖くて、目を伏せたまま答えを返した。冷たい指先が頬に伸びるのを感じて、びくりと身を縮込ませる]
(268) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/06/21(Mon) 21時半頃
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[静かにしていて、と薬売りに言われたにもかかわらず、 ふわりふわりとした足取りで、城の中を歩む。
目指すのは、パイプオルガンが聞こえてきた場所。
しばらく城の中を彷徨った末、御堂を見つけて、中へ入る。]
(269) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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―廊下―
霧と共に? ……好きな場所に?
[女の言葉に唖然とする。 そして――呻いた。それはつまり、いつどこで危険が訪れるか自分達には全く予測できないという事ではないか!]
……それじゃあ、本当にどうすればいいんだ……
[どうして。 どうしてこんなことをするのか。ローズマリーの微笑みを思い出したが、単に食欲を満たすためだとしたら――あまりにも趣味が悪すぎないか]
……あなたは、この状況をどう思って……?
(270) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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[>>266詩人だという彼に、驚いた表情を。]
おお、詩人なのか。 …俺ぁ無学な人間だけどよ、その城主の言葉と詩人の仕事ってのは そんなに変わらねーように思えるんだがね。 詩人だって金の為に筆をとるんだろ? [本屋に置かれるような、詩集を頭に思い浮かべながら尋ねる。]
(271) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/06/21(Mon) 21時半頃
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― 御堂 ―
[長年、慣れ親しんでいた毒の苦しみが、和らいでいる。 それだけで、なにか、天に昇るような心地だった。
天井の高い御堂の中、そっと、細い声を出す。 それから、もう少し大きく。 そして、もっと大きく。
響く声は、やがて歌になる。]
(272) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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― グロリア客室 ―
'Tis the last rose of Summer, Left blooming alone;♪
[嵐のような一夜が過ぎた――但し、彼女の中でだけ]
All her lovely companions Are faded and gone;
[黒い何かが現れて、乱暴な手つきと言葉(>>81)を投げかけていったようだったが、良く覚えていない。唾棄されることには慣れている]
(273) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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薬屋……
ああ、あの男……
[惨劇の間に遅れてきた薬の匂いを纏う男。
兄の考えは女には理解できず]
そう……。
では薬屋にお兄様が血をお与えになるの?
[未だ兄以外とは血の循環をしたことのない女は
思ったままを問いとして返した]
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No flower of her kindred, No rosebud is nigh,
[今はただ、ベッドの上に座りながら静かな声で歌を歌っていた]
To reflect back her blushes, Or give sigh for sigh…
[膝の間に抱えられた猟銃を抱きながら、静かに季節外れの歌を歌う。目尻と頬には涙の跡があり、彼女の脳裏にはそんな跡は残されていない]
(274) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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カリッ
[歌の終わりは、爪を噛む音。感じるのは扉の向こうからの人の気配(>>148)。城に棲まう闇など一切気付かず、目にも入らず。なのにも関わらず人間だけは、その意思だけは明確に嗅ぎ取っていた]
いるのね、其処に。
[呟き。今自分がどうしてここにいるのかすら覚えていない。何一つ、判っていない]
(275) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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莫迦みたい。 私はとっくに―――
[伝わるのは鉄の臭い。手袋ごしにひんやりと冷え切った銃身だけが彼女を形作る]
『生きてなど、いないのだ』
[乱雑に広げられた衣服と鞄を漁り、銃弾を拾い上げる。一つは装填し、一つは口に咥えて噛み切った]
(276) 2010/06/21(Mon) 21時半頃
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