47 Gambit on board
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[借りた手袋を手に取ったとき
持ち主のことを思い出す。
昨夜、最後にかけられた言葉には
警戒もあり、それに…………
…………ともかく、表情を変えることなく
薄灰を鳶色で見据えるに留まって。]
[何を、考えているのか、いないのか。
腹芸が得意とはとてもいえないイアンは
手袋の持ち主に関して嘆息しか出なかった*]
[ラミケシュの部屋で、ディーンとの会話を思い出しつつ、選定のことを考える。
どうやら2師団について、憂うことがあるようだ。
いずれにしろ、彼もまた、力が、この国の支えとあることはわかっているようにも思えた。
やはり、今、諸国に新帝として構えをさせられるのは、ローレンスではなくレドフォードではないだろうか、とあらためて。そして、今度あえば訊いてみるのもいい、と思っている。]
[だが、表面的には、やはり、4番も宣言していたが、ローレンスを推すものは多いであろう。
このまま、会議がだらりだらりと進むならば、そのまま、きっとサイモンが推すように進んでいくに違いない。]
――……サイモンか。
[表決をとるならば彼。報告もやはり彼がするであろう。
両殿下の支持が拮抗した場合も、サイモンがいれば、きっとそのままローレンスに流れることは間違いないように思えた。]
……ヴェスパタイン皇子に、仕えたい。
[瞑想するような姿勢で、思案する。
会議でも述べた、本心。
直接聞いた、取るべき道の具体性。
何より、戦場を共にした際の雄々しさ。
国を護りたいと、それも嘘ではない。
けれど。
強く率いて行こうと言うものに惹かれるのは、軍人の血か。]
現状、ランドルフ皇子が優勢か。
会議で説得をするのも良いけれど。
[…武力で、意思を通す。対戦により周辺諸国を抑えようとする姿勢をなぞるように。
和平を望むのであれば。
例えば、南の大国がそう言う姿勢に出たとして、跳ね除けられなければ、ならないのだろう。]
[模擬戦と、イアンに告げた気持ちは真実自身の思っている所でもあった。
自分如き、留められなければ和平への道を行くのは難しいだろう。
ある種、試すような。
傲慢にも思える心持ち。]
[意思を、通すには。
ランドルフ皇子を強く推す者が、邪魔だろうか。
その結論は、奇しくも第11師団長と似ているだろう事、気づく事は無い。]
[具体的な動きに関しては、どうすれば良いのか、暫し深く思案する。直ぐに動くのかどうか。それはまだ決めかねている心の内に、少し苛立ちながら。]
[考えている、サイモンをとりあえずは黙らせなければならないと。
そこから、話はまた始まる。
思考は、5番のものと似ていること、もちろん、まだ知ってはいないが、同じ思考ならばサイモンを抑える行為、その時が偶然に重なるかもしれない。
その場にもし、3番もいたならば、その意向も知ることができるか。]
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―自室―
[白い朝の光が差し込んで、薄く目を開ける。 酒も抜かずに寝たのは久方ぶりのことだったので、どこか頭の芯がはっきりしないが、それでも身体を起こせば軍服に着替える。
給仕を呼んで朝食を持たせ、部屋の卓で一人朝食をとった。]
今日は、どうなるか……
[窓の外に目線を向けながら、想いを馳せるのは選帝会議のこと。]
(405) 2011/03/23(Wed) 00時頃
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[朝食を胃の中に片付ければ、するべきことはもうさほどなく。 会議の招集もまだ無いだろうと判断すれば、自然と足は部屋を出ていた。
まだそう日も高くない城下広場には、人影は多くない。 御誂え向きに用意された的が、そこにはあった。
弓を引くのが、何よりも気を晴らすのだ。]
(414) 2011/03/23(Wed) 00時半頃
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ふと、首許に触れる。
ナユタの言葉で思いついたそれは、
こ ち ら 側 の送受信 だ け を 一 方 的 に 切る装置。
[ラミケシュのヴェス皇子を推す考えには、すぐに同意を示したくなるも、あえて、表情、発言には出さずにいる。]
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[外に出る際門番に止められたが、そう遠くない広場に行くだけだと告げれば招集にはすぐ応えるようにと釘を刺されて解放された。
朝の風は夜と違って長髪を揺らすことはない。高い位置に編み纏められた結髪が、オフでないことを示していた。]
――――……
[細く息を吐いてから、背の弓を構え、矢を番える。]
(421) 2011/03/23(Wed) 00時半頃
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……やっぱり"向いていない"。
[やはり無意識で零した通信。
それは、キリシマの作った新たな装置によって遮断されたのだろうか。]
― おそらくは会議がはじまる数時間前 ―
[そして、サイモンの自室前に影が一つ、たつだろう。
いや、それは、隠れたもう一つ、そして、それを見るもう一つもあったかもしれない。
いずれにせよ、サイモンが会議を進めるならば、ローレンスに決まる。それを阻止しようと動いたものだっただろう。]
[最初に立った人物は誰だったか。3番か5番か11番か。
おそらく15番はまだ動かなかっただろう。]
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[ぎい、すたん。ぎい、すたん。 矢は、広場に一定のリズムを刻みながら、的のあらゆる点に刺さっていく。 狙いがぶれているわけではなく、矢を抜くのを面倒がってのことだが。中央。そのすぐ上。左。下。右。また上。渦を描くように、的を矢が埋めていく。
見せるための射撃でないが故の狙い方だが、ただ無心に撃つだけでいいこの撃ち方を、内心気に入っていた。]
(427) 2011/03/23(Wed) 01時頃
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