262 【突発誰歓RP】聖夜におうちに帰れない村
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きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が9人、人狼が1人いるようだ。
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ねえ。見て見て。パン持ってきたんだ。 みんなにはナイショだよ?
(0) 2016/12/18(Sun) 01時頃
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はら、はらり。
寒さに背を丸め、視線を地に、足早に歩く人々すらも
ふとと足を止め、舞い落ちる小さな白い粒を見上げる。
(#0) 2016/12/18(Sun) 01時頃
「あら、雪」
「ママ! ゆき、ほらみてみてゆき!!」
「おろろ、珍しい」
「ほぇー、このクリスマスに…」
降り始めの雪という奴は賑やかな、
まるで親戚のこどもみたいなものなのである。
押し黙った警備員の唇さえわずかにこじ開けて、
感嘆の息を漏らさせるのだから。
夕日は雲の向こうに消え。
煌びやかなイルミネーションの下、
雪はクリスマスを白く柔らかく彩り始めた。
(#1) 2016/12/18(Sun) 01時頃
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……すんませんねぇ。
[虚空に一言詫びを入れる。誰に謝りたいわけじゃない。 ただ、何かこうして忘れることで、大事に手に掬って持っていたものが指の間から零れてしまって……それが酷く悲しい事に思えてきて。
頭を振って、また眩しすぎる街を歩き出す。 両手はしっかりちゃんちゃんこの中にしまっていたけれど、あの記憶の中で感じた温もりは無い。
……娘は何処に行ってしまったのだろう。]
(1) 2016/12/18(Sun) 01時頃
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[はらり、はらり、天から舞い落ちる白に人々の足が止まる>>#1 その隙間を縫うように、ただ目的も無く、せくせくと歩いた。
本当はただこの気持ちの悪い空間から逃げ出したいのか それともいつの間にはぐれてしまった娘を探したいのか
それすら定まらないままに。]**
(2) 2016/12/18(Sun) 01時半頃
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[
犬の首輪が、砂漠を彷徨っている。 ]
(3) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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[>>0:45真正面の方角より歩いて来る、見知らぬ男女。 腕を絡ませるどころかぴったりくっついちゃって、なんともまあ。
俗に言う“リア充”と呼ばれる種族は、 その幸福度と引き換えに常に爆撃の危機にさらされている。 ので、巻き込まれないように電柱の影に隠れてやり過ごした。]
はあ……さみし……。 さむい……つらい……。
[目の眩む照明に泣きそうになっていれば、額に当たる冷たいふわふわ。 眼鏡をくいと上げて空を見れば、灯りに照らされるようにしてきらめく雪の花。
ホワイトクリスマス。だからどうしたっての。 あたしの気分はブルーもいいとこよ。]
(4) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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[赤い、革製の首輪。 名前は書かれていない、古ぼけた首輪。 細長いリードを引きずりながら、きゅるきゅる鳴いて。 蛇行しながら、歩いている、いや、引きずっている。
突然、薄い波が打ち寄せてくる。 水を被った白い砂は、真っ黒に染め上がる。 首輪は困った様にきゅうと鳴き、 波を避ける様に方角を変える。
けれども二層目の波は、 首輪を頭から尾っぽまで丸ごと、 海の中に引きずり込む。]
(5) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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[本当なら今頃は! 友達とプレゼント交換したり趣味の話で盛り上がったりしたのに! 目的を無くしたプレゼントの包み(重い)を小脇に抱えたまま、 携帯を取り出して、オフ会で待ち合わせている友人にメッセージを飛ばす。]
「ごめん、寝」
[そこまで打ち込んだ瞬間、画面が落ちた。 ……充電切れ。
痛恨のミスに唖然とする。 「ごめん、寝過ごして知らない街にいる」と送ろうとしたのに、 半端なところで切れててむしろふざけてるようにも見えるやも。
金も無く、連絡も取れない状況に陥って、 寒空の下、寒いという感覚が麻痺するほどにせつない。**]
(6) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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………ぶぁっ。
[顔面のすぐ側、激しい流水音。 僅か跳ねた飛沫にふと正気に返った。 組んで頭を乗せていた両腕が温かいのに、 床に投げ出した両足はつめたいタイルに体温を奪われ、 はんぶん感覚が無くなっている。 顔を上げれば、緑色のセンサーライトがちかちかと点滅していた。 多分、微睡んで揺れた頭が反応したんだろう。
しょろしょろと小さくなっていく流水音。 特に流す物は無いというのに無駄に流れてしまった水をぼんやりと見送る。 いや、流れたのかもしれない。 うつつに見たかもしれない、夢みたいなもんが。]
(7) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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[やや広く、明るくも。 薄汚れ、下水の匂い漂う公衆便所の個室にて、 蒲生陽は立ち上がり、控えめに深呼吸した。 男女共用、というか最近よくあるバリアフリートイレ。 通常の個室よりも広く、手すりだとか、更衣用の台だとか、色々な物が充実している割には手入れが行き届いていない。
便器にどのくらいもたれかかってたんだか、時計も無いのでわかる訳もなく。 鮮明さを取り戻していく意識は辛うじて、たたん、たたんという電車の音を拾い上げる。 寝床を求めて。久々にひとの多い場所に来て。ひとに酔って…]
此処にも長居は出来んなぁ。
[…確実にひとりになれる場所。 それが便所、なんてどこのいじめられっ子の発想やら。 あまり使われる事のない、駅の寂しい出入り口の便所は それでも夜になれば保安の為の警備が回り、鍵が閉められるもんだ]
(8) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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しかしまぁー。 ここまで人ゴミに弱ぅなってたんは 誤算やな。誤算…
[収入としての空き缶拾いや雑誌拾いは早朝の仕事。 使えそうな廃品集めだってそう。 『文明』に寄り添ってはいたものの、 『人』から離れた暮らしが長すぎた、なんて 今更に自覚して。阿呆が過ぎるんやないの。なんて自嘲しつつ。 軽く顔を洗って気を落ち着け、便所の扉を開いたら、
雪が、降り始めていた。**]
(9) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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―― 公園:雪の降り始め
あ……雪。 主よ……この聖夜になんという試練を。
[気付けば、空からは白いものが降り始めていた>>#0。 歩いてようやくたどり着いたのはそこそこ広めの公園。 昼間なら、そこで遊ぶ子供たちや大人の憩いの場になってるのだろうけれど、いまは深々と降る雪と夜へと向かっていく寒さで人の姿はまばらな様子。
そんなところになぜ来たのかといえば、流れでっていうのが一番正しいけれども、ここならしばらくいても特に見咎められることもないだろうという判断。
小さいトンネルのような遊具の内側で壁を背にして座り込む。 風と雪はこれでしのげるのだけれども、寒さは防げそうにはないので、またどこかへ移動する必要はあるのだけれど、しばらく休むくらいはできるだろう]
(10) 2016/12/18(Sun) 10時頃
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……連絡手段も、お金もないと、こんな孤立できるものなのですね……。
[大学ゆえに、近くに友人の家はないので、そこに頼ることもできず、電話帳もスマホだよりなので、連絡も無理。 やはり素直に家に上がらせて……、あ、明日の朝無残な姿で私発見されそう]
……はぁ。
[今日何度目かのため息かもわからない白い吐息を吐きながら、少しだけこの場で休んでおく*]
(11) 2016/12/18(Sun) 10時頃
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[ようやく夕方が終わって、夜が来るのと一緒に雪が降ってくる。 スマートフォンに映る時刻が、まだ先は長いと教えてくれる。]
みんな、楽しそうだね。 いいよね、よかったよね……。
[毎年あることじゃない、きっと今年のクリスマスは、みんなの記憶にずっと残る、素敵な日になるんだろう。まだまだ、今日は終わらない。
談笑しながら目の前を人が通り過ぎる。遠ざかる。 あの人たちは信じてるんだろう、今日は満たされて幸福な日になるって。 目に映る全ての人々と、この美しい光景を共有している特別な日だと。]
(12) 2016/12/18(Sun) 13時頃
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あたしは透明なんだろうな……。
[ぶつぶつと、通話のふりした独り言をつぶやきつづける女子高生を、幸福な人々は目にしない。そんな女子高生はいない。
また笑い声が聞こえてきて、身をすくめた。]
あれは削る音なんだよ。
[誰かの幸せそうな姿を見るたび、自分の居場所が世界から削られていく、そんな風に思えた。**]
(13) 2016/12/18(Sun) 13時頃
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あ、いやそのけじめっていうか、お金はないわけではないんですけど今ちょっと引っ張ってくる手段がないというだけでその、
[相手がち、と舌を打つたび哀れなか弱い子羊の体はびくりと縮み上がり、聞かれてもいないことをぺらぺらと話し出す。 まして相手がどうみても
「ああ゛ん!?また今度で済んだら警察いらんわ借りたもん耳揃えて返さんかいゴルァ」
と言っているとしか思えない表情で凄んでくれば、より一層震えるしかない]
(14) 2016/12/18(Sun) 16時頃
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ひぃっ!す、すいません!
[とにかく謝りながら、頭に浮かぶのは何人かの見知った風俗嬢の顔。 土下座して頼み込めば出稼ぎにでも行ってくれるだろうか、いや無理かな、みんな俺がクズなの知ってるもんな。死のうかな。 回る脳内にキリキリとした痛みを胃が訴えてくる。 「僕はここだよ!僕を売ってお金にしなよ!」 そんなテンションで]
[だから、続いた相手の言葉にしばしぽかんとしてしまった]
え、……いいんすか?
[要らない、と彼は言った。 けじめも、上納金も、みかじめ料も……いや後半はそもそも話に出てすらいないけれども。 札を飛ばしてしまったことを詫びる言葉、こちらの怪我を気にかけるような言葉。 青年はここでようやく思い当たる。 あれ、この人もしかしてほんとはいい人なんじゃ……、]
(15) 2016/12/18(Sun) 16時頃
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(いや、油断しちゃだめだ。そうやってこっちが気い抜いた瞬間殺られるかも……)
[そうだ、油断しちゃいけない。なんたってこんな怖い顔してるんだから。 相手が手に持ったあの紙袋、あれだって何が入っているか分からない。もしかしたら銃かも。背中見せたらズドン!ってなるかも。 あれ、それって詰んでね?]
あ、そっすか……ありがとうございます……。 じゃ、じゃあ俺はこれで……。
[別れの言葉を告げて、しかし頭に過ぎるめくるめく恐怖の妄想のせいで紙袋から目を背けることができない。 その結果、ホスト野郎が紅茶の紙袋(だと彼は知らない)をガン見しながら、まるで危険物から逃げるようにじり……じり……と後ずさりする不思議な光景が生まれてしまった]
(16) 2016/12/18(Sun) 16時頃
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ー 現在 ー
[ふと気付くと、儂は大きな通りのど真ん中にいた。 眩しすぎる街並みの中、沢山の人が行き交っている。 仲良く手を繋ぐ者、友達同士なのかはしゃぎ合う者…… 電柱の陰に潜む陰>>4には気付かず、人波の進む方向にふらふらと歩を進める。
はら、はらり、降る雪を見てちゃんちゃんこの肩を合わせた。 ポケットの中にはとても大事なものがあったと思ったのだけれど……手繰ってみてもそこにはみかんが一つと小銭が数枚残っているだけだった。]
(17) 2016/12/18(Sun) 21時半頃
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「あたしは透明なんだろうな……。」>>13
[遠くの世界から聞こえてくる様々な音の波の中、ぽつんと浮かぶボトルメールみたいな呟きが耳に入ってきた。
透明なはずの声が何故聞こえるのだろう。 空耳なんだろうか。
だけれどその言葉が何処か心の片隅に引っ掛かるようで。]
みんな透明なんよぉ。 透明じゃないふりしとるだけで。
[だってこの手に掴んでいたはずの幸せだって、いつの間にか消えてしまっていて……ポケットの中に温もり一つ残さないままどこか手の届かないところに飛んでいってしまうのだ。
幸せを探しにこうして歩き出したことは覚えている。 けれどきちんとこの身体と共に歩んできたはずのその幸せの名前を、儂は見失いつつある。]
(18) 2016/12/18(Sun) 22時半頃
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[まるでテーカップの中でぐずぐずに溶けていく角砂糖のようだ。 確かにそこにあったはずなのに、目を離すと消えてなくなってしまう。]
そう、みんな角砂糖なんよぉ。 儂にはちーそうてよく見えなんだ。
[降りしきる真っ白な雪は、まるで粉砂糖のよう。 そこに確かにあったはずなのに、地面に落ちた途端にこの真っ黒な砂利に同化して見えなくなってしまう。
……だけど、それはそこに雪が無かったこととは違うはず。]
お砂糖さんやーい、お砂糖さんやーい。
[無くしたものの名前は知らないけれど、きっとそれは何処かにあるはず。眩しい光に目が眩むけれど、それでも無くしたものに届くように、雑踏の中そっと呼びかけるのだ。]*
(19) 2016/12/18(Sun) 23時頃
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[ この紅茶屋、40数年この顔で生きてきたのだから、 もう少し自分の顔の怖さに自覚があっても良いと思う。
よく謝る男だなあと怪訝な顔で ( つまりは憐れな子羊を震えさせるに十分な表情で ) 後退りする足取りを見ていた。 背中を見せないとか、やっぱり古風な子なんだろうか。 イマドキ不思議なやつ。
その辺りで漸く、何か寒そうな格好だな、と思い当たり、 ち、 と また鳴るわけである。 自分のからだくらい大事にしろよ。
どうやら今日はホワイトクリスマス。 ちらり、ちらりと白が瞬きはじめた。]
(20) 2016/12/18(Sun) 23時半頃
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[ 風下に揺らした“Christopher=Robin”の袋の、 紅茶缶がからん と軽い音を立てる。 思い立ったように客回りなんて嘯いた名残。 目線の先が紙袋な気がして、多少揺らしてみたのだけれど、 とりあえずチャカではない何かだと言うことは伝わったと思う。
…別に重たい金属だと疑われているなんて、 全く思っていないけれど
コイツは彼の金の代わりにはならないだろうし、 上着の役目も果たさないから、 どうにも役立たずだ。 少なくともポットとカップとお湯がないと何にも成らない葉っぱであある。 まだ炙ったり吸ったりできる葉の方が役に立つかもしれない。
男にとっても全くもって用無しなのである。 寧ろ彼が寝るまでに紙袋を空にしたい。邪魔くさい。]
(21) 2016/12/18(Sun) 23時半頃
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……、どうしても何かしたいなら コイツ一つ引き取ってけよ。
[ 無造作に一個、紅茶缶を投げる。 紙袋から直で放られた其れが、 コンクリに落ちようとごみ箱に入ろうと(勿体なくはあるけれど)まあ、チラシみたいなものだ。 諭吉分の価値はないけれど、という微かな贖罪もある。
放物線の行方も確認せず、紅茶屋はひらりと、手を振って、 先に背中を見せることになるだろう*]
(22) 2016/12/18(Sun) 23時半頃
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[ かつ、 黒の革靴の先に、白が付き、 いつの間にか消えていく。
待受にポップアップされた妻からのメッセージは芳しくない。 そりゃあ、子どもにとっても特別な日だ。 簡単に寝てしまうのは勿体無いと、幼心に察して── ……いるとは、思えないけれど、 そんなときもあるだろう。彼らにだって。]
(23) 2016/12/18(Sun) 23時半頃
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[ 然し、]
── 寒、
[ 大人ひとり、自分の意思で外で待つことを決めたとはいえ 感覚が死んでいるわけではないし、寒いものは寒い。 白花のお陰で景色も冷たく、呼気の白にもうんざりする。
趣味のよくない豹柄を引っ張りあわせて、 また、明るい窓と屋根の下へ、 ケーキ屋だ、と覗き込んでから気がついた。
──そうだ、土産物はケーキにしよう。 真っ白に赤の映える、ショートケーキがいい。 待受画面の再来を願い、暫し立ち止ろう**]
(24) 2016/12/18(Sun) 23時半頃
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[賑やかさとガラス一枚隔てた、 ひんやりとしたショウケースの中。 ひよこたちは囀りもせず、待ち続ける。
また誰かが、そのちいちゃな黒い瞳に吸い寄せられるみたく 手袋に包まれた指をさして、 また一羽、生クリームの布団の上につまみ上げられ、 ちん、と座らされた。]**
(25) 2016/12/19(Mon) 00時頃
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/* (おじいちゃんとかひなこちゃんとかすすむくんとか がもうさんとかみてると
萌だけ詰めこむのやめろよってきぶんになる)
いつものそろーるしやすいキャラ設定何処においてきたんだ…
(-0) 2016/12/19(Mon) 00時頃
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/* 今回関わる気しかないもんな…紅茶ばら蒔く気でいた…
一個前の反動か何かか
(-1) 2016/12/19(Mon) 00時頃
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[刻はわずかに進みゆく。 けれど、流れる人影は変わらずに賑やかなようで。
−−さりり。 剥き出しの指先を擦り合わせながら、 当て所なく雑踏に紛れる。
人の熱気に紛れて、鈍った感覚も。 冷えた指先にかえって、気付く。]
(ゆき……?)
[ちらちらと舞い始めた、白い。 それは暮れた街によく映えそうなのに。 けれど、イルミネーションの、細かい光に ちらちらと紛れて、反射して。
だから、彼は。ぐうっと首を逸らして、空を見上げた。]
(26) 2016/12/19(Mon) 00時半頃
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[画面いっぱいに黒。 端は、なんとも言えない暖色のようになっている。 街の明かりが強すぎるのかもしれないけれど。
そこにさしこみ、迫る、細やかな雪の。
まやかしかもしれないが、今は。 目を凝らせば、そのひとつひとつの結晶のかたちまで、 見ることができそうな気がして。
そう悪くもない眼をぎゅっと眇める。]
(−−……きれい、だ?)
(27) 2016/12/19(Mon) 00時半頃
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[白くて、小さくて、ふわふわ、ふらふらと。 来ては消え、来ては消えを繰り返すそれに。]
(ばーちゃん)
[彼は祖母を重ねて、眇めた目尻にそっと、しずくをためた。]
(28) 2016/12/19(Mon) 00時半頃
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/* 紅茶屋さんかわいいなあ……
(-2) 2016/12/19(Mon) 00時半頃
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/* 紅茶欲しかったから分かってくれて嬉しい、使い道定まってないけれども←
(-3) 2016/12/19(Mon) 00時半頃
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/* >>28 (*´∀`)ノ ジジイだけど
(-4) 2016/12/19(Mon) 00時半頃
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/* こう、絡みに行きたいんだけどねぇ。お互いの位置が分かってない的なやつ。
(-5) 2016/12/19(Mon) 00時半頃
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(−−……え?)
[その時。雑踏の向こうから、呼ばれた、気がして。 知り合いか、何か。
とにかく、センチメンタルにひたった姿を見られたくなくて。
数刻前までの陽の下ならばいざ知らず。 今は日の暮れて、すっかり夜。
冷えて、雪のふる街には不釣り合いになった、 剥き出しの学生服の袖口で目元を拭って、そちらを向いたなら。]
(29) 2016/12/19(Mon) 00時半頃
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……あの、失礼ですが。どちら様でしょう。 どこかで、お会いしましたっ……け?
[佐藤さん。 目の前にいる老人に、 そうやって彼の名前を呼ばれた気がして。>>19
はて、この年頃の知り合いは限られる。と。
ご近所さんか。祖母の俳句サークルの仲間か。 いつかボランティアで行った、老人ホームの入居者か。
なんて、褪せた宝石のことなんて彼方に追いやって、 ぐるぐる。ぐるぐる。考え込んだ。]
(30) 2016/12/19(Mon) 00時半頃
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[その間にも、白いものは。
降ってはアスファルトに消え。 降ってはアスファルトに消え。**]
(31) 2016/12/19(Mon) 01時頃
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[暗く狭い、 パイプの這い回る道を通り抜ける。
ファミレス。学生達が大騒ぎ。
油の匂いでいっぱいの、 建物と建物の隙間をぬって歩く。
カラオケ。オールを決め込む若人たち。
峡谷みたいな、 灰色の壁の隙間をすり抜ける。
居酒屋の裏。 おうさまだーれだ!なんて、歓声。
室外機の冷風に当てられ、 耳がちぎれそうなほどに冷えて、 ………息切れがしてきた。]
(32) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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あかん。
[ぼす、と尻餅を付く。 派手な色のウィンドブレーカーが壁に擦れ、 ビニコン袋みてぇな安っぽい音を立て。 幅2mほどの薄暗い、店舗と店舗の隙間。 素っ気ない鉄の階段だの、 どこに繋がっているのかわからん迷路みてぇな。 茶色く焼けた室外機が壁じゅうを這い回ってん。
此処に俺の居場所はあらんのや。 いや、 じっく昔から、んな感じやんけ。]
(33) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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[路上生活者には二種類居んのよ。 街をリビング代わりに使う 蜘蛛みてーな連中と、 忘れ去られた土地に尻尾巻いて逃げ込む、 野犬みてーな連中。
俺は圧倒的に、後者なんやな。 別に犯罪なんざ犯した訳やないんやけど。]
……ん。
[尻餅をついた場所が少し暖かくて、 蒲生陽は自分が尻を置いたそれを指で撫でて一瞥する。 端っこの欠けて、ぐずぐずになったスチレンボード。 ほぅ、と白い息を吐いた。
発泡スチロールというものは、意外にも暖かいのだ。]
(34) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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|
[隣のゴミ箱を見やれば、 ペンキ缶ばかりが山盛りになっている。 恐らくは工務店か何かのゴミ置場なのだろう。]
…おお。 上等やんけ。
[さうさね。 結局俺は、置き去りにされた獣の糞ちゅーコトや。 俺とオソロイに置き去りにされたモンと一緒に、 何とかやってくしかねーっちゅーコトなんや。
スチロール板を小脇に抱え、 ゴミ箱を適当に漁る。 ここのゴミ箱は他はダメそうだ、 新聞紙はしこたまよぉわからん液体で汚れてる。]
(35) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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[けれども、上等な物を一つだけ、見つけた。]
らっきー。
[ビニール傘。 骨は一本折れているけれど、使えるもんだ。
狭い通路でそれをさして、 ずんずんと奥へ、奥へと進んで行く。 ジングル・ベルの音楽はどんどん遠く、薄れ。 もはや彼の耳には聞こえない。]
(36) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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[
犬に置いてかれた首輪は、 二度と、犬にゃあ追いつけん。 ]
(37) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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だ っと。
[そうやって、人気の無いシャッター店舗とケーキ屋の間からボロ傘をさして抜け出たところで、 スズランテープの靴紐が排水パイプに引っかかり。 ぶち、と音を立てて千切れた]
あー。 …しゃーない、上着の紐で何とか…
[情けないが、 今は正直新しいテープを買うのも惜しい全財産なので。 ウィンドブレーカーの紐を抜き取り、 靴の穴に通そうと屈んだ瞬間、]
………………、 おおう?
[…ビールケースに湿気て張り付いた、 皺のない諭吉>>0:39と、目が合った。]
(38) 2016/12/19(Mon) 02時半頃
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…………、…。
[拾い上げ、ビニ傘越しの街灯に透かす。 しっかりと、白い空白の中にもう一人の諭吉がすかしで浮かび上がる。]
………………、…?
[諭吉の向こう側、曇った夜空を見上げる。 赤い服を着た老人の駆るソリとかは、見えなかった。
いや、金を撒き散らすサンタとか悪趣味なモンが居っても困るんやけど。]**
(39) 2016/12/19(Mon) 02時半頃
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「 ……あの、失礼ですが。どちら様でしょう。 どこかで、お会いしましたっ……け?」>>30
[雑踏の中から不意に呼びかけられてふと目をとめると、目の前には少年が1人。 さてこの少年に思い当たるところはないし……そもそも儂が彼をどうやって呼び止めたか>>19すら思い出せないのだ。]
はぁ……なんやすんませんねぇ。
[一体自分が何に謝っているのかも判然としないが、呼び止めてしまったことに頭を下げて詫びた。]
(40) 2016/12/19(Mon) 20時頃
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落としもんしたような気ィがしましてな。 大事に大事に取っといたんが、いつの間にやら 手ェの隙間から落ちていくんです。
ちらちら降っては落ちて消えていく ……雪みたいなもんですわァ。
一体どこを探してみたらええのかも分からんでェ ほいでここらを探しよるんですわ。
[何かを探していて、偶々彼を呼び止めてしまったのだろうけれど……儂は一体彼をなんと呼んだのだろう。 何となく歩いてきた目的を話してはみたが、己の中でも形になりきっていないものをうまく吐き出せず、何度も喉の奥で唸った。
そうして再び頭を下げると、とぼとぼと歩き出すのだ。]*
(41) 2016/12/19(Mon) 20時半頃
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[ ちらり、ちらり、と 白が瞬き、 アスファルトに溶けていく。
楽しげな子どもの声も、少しの寂しさと、 少しの大人の楽しみを擽って
霞んだ空気に、融け、]
(42) 2016/12/19(Mon) 21時頃
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[ちらちら、きらきら。
淡い白のかけらが、人々の元へと降り注ぎはじめた。
それはもちろん、目の前の優しい紅茶屋さん(怖さMAX)を不思議がらせている自覚なんてどこにもない残念な子羊の元にも]
ぶぇっくしょい!……うおっ、
[いっそう冷え込んだ冬の外気に盛大なくしゃみを放つと同時、放物線を描いて放られたそれ>>22は綺麗に彼の胸へと収まった]
(43) 2016/12/19(Mon) 21時頃
|
|
(え、なんだこれ?)
[もしかしてあれか?炙ったり吸ったりするタイプのやつか? 問いかけようとも既に相手は雑踏の中へと消えていて。 おそるおそる開けてみると、ふわりと優しい香りが漂った。
これは……、]
ティーバッグ……?
[下着の方ではない。勿論ズドンって撃たれたりするやつでもない。煮出して、飲んで、香りとか味を楽しんだりするあれだ。 普段紅茶になんて縁のない彼でも、その名前くらいは知っていた。 ティーバッグの紐の部分をつまんで覗き込みながら、頭にはてなをいくつも浮かべていたけれど]
(44) 2016/12/19(Mon) 21時頃
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|
……ぶえっっくしょい!
……さっっっむ!!
[12月の寒さに精神をビンタされ、二発目のくしゃみと鼻水を止めどなく垂れ流しながら再びあてもなく歩きはじめたのだった。
とりあえず、貰った缶は胸元に抱きしめたまま。*]
(45) 2016/12/19(Mon) 21時頃
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ああ、いえ。こちらこそ。
[何故か謝られて、そして。>>40 何故謝られたのかわからずに、だからこちらも。 なんだか申し訳なくなって、眉根を下げてかえす。
そうして目の前の老人が、何やらわけを話す、そのあいだ。>>41
くるり、くるくる。くる。くるり。 頭を回して回して考えたけれど、はて。
ついぞその老人の姿形の答えには辿り着けずに。]
(46) 2016/12/19(Mon) 23時頃
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|
落し物……ですか。それは、まぁ。なんとも。 ……不思議な落し物をされているみたいですね。
[その老人の話す、落し物。 その形容が、あまりにも抽象的なもので。
まだ、至らぬ若人にはそのありかの心当たりがなかった。]
すみません。僕にはそれが何か、わからないようです。 どうやら僕の勘違いで呼び止めてしまったみたいですし。
どうか、あなたの探し物が。 きちんとあなたの元へ帰ることを願うしかできません。
(47) 2016/12/19(Mon) 23時頃
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|
[すみません。と、もう一度謝って。 それから、老人にならって、彼は。
深く深く、頭を下げて、その後ろ姿を見送った。
こんな日の、こんな時間に探し物をするのだろう。 それは、きっと。よほど大事な『何か』なのかも知れない。
降っては消える。
それは、今朝方までは確かにあって。 けれど、今はすっかりと無くなってしまった。 祖母のすがたと重なって、 何度も、何度も。幾重にも連なって。 頭にこびりついた。*]
(48) 2016/12/19(Mon) 23時頃
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/* 体調崩してる人はお体御自愛下さいませー。
しつつ、うーむ。やっぱり低速の人が多めの村でちょうど良い感じになる自分の今の状況に悩む。
(-6) 2016/12/19(Mon) 23時頃
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[目の前の少年はぺこり、と頭を垂れる>>48 儂の勘違いだったのかもしれないし、少年の勘違いだったかもしれないけれど、ともかく儂が探しているのは彼ではないらしい。 少々肩を落としてしまう。]
あんたも探しもんしとるんけェ? 見つかるとええなァ。 ポケットに入っとりゃあせんかね? 地面ばっかし見とってと気付かなんだよ。
[わはは、と一笑してみせたものの、儂とてしっかり掌に込めたはずのものを零して落としたのだ、人のことは言えないと慌てて口を噤む。
彼は何を探しているのだろう。 この多くの人達は一体何を求めて何処に行くのだろう。 人波にまた身を任せ立ち去ろうとして、彼に一言だけ。]
(49) 2016/12/20(Tue) 00時頃
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あんまり気ィ落とさんでも、 雪はようさん降ってきますよって。
[落ちた1粒こそが彼に必要なものだったのかもしれないけれど、これだけたくさんの雪が降るのだ、もう一つくらい捕まえることができるかもしれない。 年寄りの巧とばかりに言ってのけたらゆっくりとまた当てどなく探し物の旅を続けよう。]*
(50) 2016/12/20(Tue) 00時頃
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[>>18 独り言になぜか返事があった気がして、ぎょ、と身をこわばらせながら周囲を見た。 雪の中を歩く老人は、幸せの光景の中には少しそぐわないと感じる。]
……。
[>>19 何かを探しているのか、うろうろとしている姿を見ると、彼の視界に入るのを避けるべく、日南子はそっとその場から離れた。 うっかり彼の気を引いてしまった挙句、こちらに寄ってこられても困る。日南子には対処する能力がないし、人混みの中で一人ぶつぶつとしゃべり続ける姿は怖かった。]
(51) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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/* 本日のおまいう・・・
(-7) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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[それでも、ああいう老人は交番へ連れて行ったほうがいいんだろう。]
でもそうしたら、あたしもあぶないし……。
[うっかり補導されて、家族を呼ばれるのは困る。 今日は、家に帰ってはいけないと自分に誓ったから。
>>30 そっともう一度だけ振り返れば、青年が老人に話しかけていた。
大丈夫、日南子が手を貸さなくても大丈夫。 勝手に青年に託して、逃げるように雑踏のなかに紛れ込んだ。]
(52) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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ー ある日のこと ー
[その夜は特に冷え込んでいた。 火鉢の温かみもとうに消え、私はただ布団の中で小さく小さく縮こまっていた。 何度も手をすり合わせ、息を吹きかけても、冷えていく指先は温めることも出来ない。 産まれたての小鹿のように震えながらまだ遠い朝が訪れるまでの時間を数えたっけ。 でも……それでも心細かったから、つい隣の布団で眠るお袋に手を伸ばしてそっと呼びかけたのだった。
かあちゃん、かあちゃん、さむいよ。
お袋は五月蝿そうに耳元で手を払って、手の届かないもっと奥深くに沈んでいく。 それが嫌で、私は何度も呼びかける。
かあちゃん……かあちゃんてば。
そうしてやっとお袋は眠そうな眼をあけてくれる。]
(53) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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[独り言は、つい中断してしまっていた。 いつか、自分もあんな風になるんだろうか……。 そう思ってしまったら、怖くなったから。
片手に握りしめたスマートフォンに視線を落とす。時間の進み方がゆっくりすぎて、所在ない。 何かを振り切るように上を見上げれば、色とりどりの光たちがまだまだ幸せな夜を演出し続けようとしていた。**]
(54) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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[寒くて寒くて眠れないのだと小声で訴えると、お袋はそっと起きて……又隣で眠る親父を起こさないようにそっと台所に立ってくれる。 火を起こしてしばらくすると……ふんわりと甘い匂いが家の土間に立ち込めてきて、その頃にはとっくに痺れるような寒さは収まっていたけれど私はお袋が出してくれるものが楽しみで仕方なくなっているのだった。
漸くして私の小さな湯呑みに注がれたのは、白くてふわふわと甘い香りがするものだった。]
『甘酒さ。飲むと温まっからよ。 ほれ、飲んだら寝っちまいな。』
ほんのり甘い米の味引き立つ甘酒は、少しだけ生姜を効かせるのがお袋の味だった。 それを飲むと喉からじんわり温かなものが染み広がって、漸く私は眠ることが出来たんだ。
子どもの時分、眠れない夜があればお袋はそうやってよく甘酒を作ってくれた。 それもまた、よく覚えているものの一つだ。]
(55) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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/* ちょっとしょんぼりだぜ!!!
(-8) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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/* うん、なんていうか、絡みづらいとは思うけどその言い方は若干傷つくやつやー
(-9) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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[湿って、力のいれ方を間違えたら千切れちまいそうな一万円札。軽くぴらぴらと振って、水気をズボンで吸ってから折る。 行き先はポケット。交番に届け出られる様な身分の男じゃあないもんで。]
ったに。 クリスマスに浮かれちゃあこんなモンも落とすんかね。
[でもまぁ、とても助かった。 こいつがありゃあ、生活をほぼゼロから作り直すこともできよう。 要りようはまずカセットコンロ…と、ガス缶… それから拾いモンを直す為の工具類。 思えば大晦日になれば、いろんなモノがゴミ捨て場を埋め尽くすのだし…]
ぶえっくしゅ。
[…いや、そん前にこの夜を越せんのかね。 心の中でひとりごちて、足早に歩き出す。
居場所を。巣を。作らにゃならん。 探さにゃならん。打ち捨てられたものを。]
(56) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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ー現在 ー
[しばらく歩いたところで、ふと眩しい光の中に自動販売機を見つけた。昔は温かいものが手に入ることは無かったのだけれど、コインを入れれば当たり前のように望むものが手に入れられるのだから便利だ。
なんだか甘くて暖かいものが飲みたい。 小銭を持ってきていたっけ、と服の上から叩くように手繰ってみれば、ちゃんちゃんこのポケットの中に数枚の小銭があった。
手当り次第に小銭を入れて、適当にボタンを押せば……ガシャン、という重い音とともに何かが吐き出される。 拾ってみれば、確かにそれは温かい。
多少開けるのには難儀をしたが、漸く開けたそれを、儂はゆっくりと喉に流し込んだ。]
(57) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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に、苦っ!!
[よく見たら吐き出された缶は珈琲だった……。 まあ珈琲でも温まることは出来るだろう。 いや、温まりたいから珈琲を飲もうとしたんだっけ? それとも別なものを探していたんだろうか。
また訪れた混乱に、儂は缶珈琲片手にまたふらふらと歩き出すのだった。]**
(58) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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[誰も居ない場所を。 誰も行かない場所を。
この、クリスマスの日に。 白雪が世界を包む日に–––––]
…あ。 せや、せや。
[ふと、思い立ったように、男は立ち止まり。 当て所ない足先が急に意思を持ち。
力を持って、歩き始めた。]
(59) 2016/12/20(Tue) 01時頃
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[少年とも青年ともつかない、はざまにいる彼は。 老人をすっかりと人の群れの向こうに見失った、そのあとに。
−−ほう。と、また。白い息を吐き出して。]
(ばーちゃん。どこ行ったんだろう)
[ようやくその考えにたどり着いた。
自分以外に身寄りはない。から。 行きそうなところに心当たりはないけれど。
きっと。俳句仲間にはあの、 ギンギラな男の話は出来ないだろうし。 まして、自分の娘が。 どこの誰とも知れない男の子供を身篭った話も。 それを捨てて。親である祖母でさえも捨てて。 消えてしまった話さえもできるわけがないだろうし。]
(60) 2016/12/20(Tue) 01時頃
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[じゃあ、他に。 彼以外の誰に。誰が。
祖母の支えになるのだろう。
家さえも、もう。あそこも。 金と引き換えに、他人のものに戻ってしまったのに。
降るものよりも、消えるものの方が多い。 積もるどころか、大地は寒さに枯れてしまうようで。
ああ。それでも降る雪は確かにあって。 ならば、積もらせようと。
穏やかな土の上ならば、きっと。
自分がそうあれるかはわからないけれど。**]
(61) 2016/12/20(Tue) 01時頃
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