25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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……あまり、私に苦労を働かせるな。 血塗れで来られても突然とどめをさせるほど、 私の素手は剛健ではないぞ。
[冗談めかす花には、瞳細めて花主の顔で。
―――…華月、
離れ、名前を呼んで微笑む花を見る黒檀に憂いはなく]
……喉が、渇いた。
[主から離れることを許す、使い走りの用事。 それから。黒檀が仰ぐのは花主の寝台の方。]
――…後で、つきあえ。
[添い寝だと。 そう言うと高嶺は華月に背を向け窓の方へと向かった。]
(234) 2010/08/07(Sat) 20時頃
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[りん、と。 聴こえた音は華月の言葉に同意を示すのか それとも――…]
…ここまで己は小さくはないと。 華月に文句を言いそうでもあるな。
[そう言って笑う。 頑固な花達だと。其処を好ましく思い選んだから。 譲らぬ華月に主は愚痴れど、叱ることはなく。]
(245) 2010/08/07(Sat) 21時頃
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―――…、
[僥倖、その言葉には黒檀は大きく開かれて。 花主の顔で笑もうとして、上手くいかなかった。 困ったものを見るように、笑む花を見つめて]
お前が刀を持参するのが一番賢い。 腰にでも巻きつけて来るといい。
―――…行け。
[送り出す顔は何かを堪えるように伏せられる。 浮かぶのは哀しみだったのかもしれないし、 喜びだったのかもしれなかった。]
(246) 2010/08/07(Sat) 21時頃
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懐刀 朧は、紙の蓮の花に触れ―――…鈴の音は、華月と共に消え聴こえない。
2010/08/07(Sat) 21時頃
懐刀 朧は、憂い色は何か思い耽るように、常と同じく窓縁に頬杖着いて外を仰ぐ。**
2010/08/07(Sat) 21時頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/07(Sat) 21時半頃
懐刀 朧は、記者 イアン達センターの者が己が花に眼をつけることがなければいいと、そう思った。
2010/08/07(Sat) 22時頃
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― 高嶺の部屋 ― [窓の外を眺めはしていたが、 何を見ているわけでもなかった。
鳴る、ノックの音に出て行った花が戻ってきたのかと。 少しばかり早い気もして緩く首を傾ぐ。 聴こえた声に、花ではないことを知ると]
居るが。
[訪ね主に返すこたえも、それに似た簡素なもの。 それ以上促す言葉も掛けなかったのは、 放っておいたら入ってくるだろうと知っているから。]
(267) 2010/08/07(Sat) 22時半頃
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― 高嶺の部屋 ―
…珍しいな。
[入ってくる本郷の姿に少しばかり首を傾げたのは、 よほどがあってもなかなか来訪しない主だろうと 考えていたこともあるけれどもその常と違う声音に。]
…ああ。 茶を淹れに行かせている。
……用事は、華月にか。
[目の前の男と双花の一輪にはどのような関係があったか。 思い出すのは本郷が出した謎掛けで。
不思議そうに紙の蓮を見る姿があれば、 華月が見せる不思議の術だ、とでも言っただろうか。 余計にわからなくさせただけかもしれないが。]
(276) 2010/08/07(Sat) 23時頃
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―――…本郷、
[呼ぶ名。 黒檀はしばし本郷の鉄色の瞳を見つめて]
(277) 2010/08/07(Sat) 23時頃
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[ゆっくりと、逸らされる。]
……なんでもない。 ――…暫く待てば、戻るはずだ。
[そう言い、黒檀は再び窓の外を仰いだ。]
(278) 2010/08/07(Sat) 23時頃
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―――……
[常とは異なる本郷の様子に 窓の外を仰いでいた瞳は室内へと戻り、 そういえば、扇の音が聴こえないと
代わりに聴こえるのは抑えられた声音と 酷く――…歪んだ、]
―――…如何した、
[黒檀は驚いたような顔をしていただろう。 その後、緩く眉を寄せて。滲むのは憂い。 何も言わずに、とは言われたけれどそう口にして。 追い返すようなことはしない、好きに居ればいいと 窓縁から頬杖を外して本郷の姿を見た。]
(284) 2010/08/07(Sat) 23時頃
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懐刀 朧は、手妻師 華月斎の傍らで今も鈴の音は響いているのだろうか。
2010/08/07(Sat) 23時頃
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―――…、 ほんご…
[苦しいと、偽らぬ声で紡ぐ姿に 立ち上がると、胸元掴むその姿に近づいて
緩く握った手、先程まで二つの花を包んだ手を 触れるか否か躊躇うような覚束無い手突きで 短い髪に伸ばし]
……苦しい…、…?
[反芻する。目の前の青年は何に苦しんでいるのか。 そっと、その頭を一度だけ撫ぜて 離す。]
…休んで…いくといい…。
(290) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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/* ん?メモは何を言っているんだこれは。
今日の吊り票は是非華月に欲しいところです。 確定だろうが殺す予定なんだが…。 襲撃ではなく吊り票で送りたい。私が。 大丈夫だろうか。
(-105) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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―――…、
[鉄色を見た黒檀は本郷の言葉に 憂いを帯びて、伏せられる。 ――…そうか。 そうとだけ、返事が返せた。 高嶺としての言葉が上手く、返せない。 花を喪ったばかりということもあったからか、 裡の願いを口にしてしまったということもあるからか。]
…無理に、花主である必要も無い…
[己にも本郷にも背負う名がある。 その言葉のまま生きることは容易なことではなく]
――…そう、容易に生きられれば楽なのにな。 …お前も、…私も。
[世話、と愁傷なことを口にする本郷に眼を細めた。 ―――…水音は、渇望は 止まない。]
(296) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 00時頃
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/* あ。やっぱりメモにするんじゃなかった。 勝手に一人でしょんぼりなった。
夜光が悪いわけじゃない。自分が悪い。 メモで話決めるの苦手なくせに出したのが悪い。
(-106) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 00時頃
懐刀 朧は、そろそろ華月も戻ってくる頃だろうか。どれだけ勘がいいのか蓮茶を持ってきたことには驚いたろうが。
2010/08/08(Sun) 00時半頃
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/* セシルすげえなあ。 うおおとちょっと鳥肌たった。
(-111) 2010/08/08(Sun) 00時半頃
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/* がんばれってことだな…!
ようし…ようし…
残りpt148
ようし… orz
(-113) 2010/08/08(Sun) 00時半頃
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[扉から鈴の音が聞こえる。 ――…戻ってきたのだろう。 黒檀は本郷から扉の向こうの華月へ]
――…入れ。
[そう促して。 華月が入ってきたのなら常より多い茶葉と その手に持つ刀を見つめ…瞳を細めた。]
…まさか、
[本当に調達してくるとは。 憂う黒檀は、それでも笑みの形を描き]
(305) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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……本郷、…すまないが…
[苦しむ本郷をここで追い返していいのか。 ここで留まらせれば、華月の持つ刀が為すことも 先送りとなるだろう。黒檀は迷うように憂い、]
…暫し華月と二人にさせてくれるか?
[対を喪ったばかりの花と、花を喪ったばかりの主。 それだけで、本郷には通じるだろう。 刀のことを問われれば、手向けの演目の為とそう答えて。]
[もしかしたら本郷は気付くかもしれないが、 それに対して高嶺が何かを明かすことはなく。]
(312) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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――…また、後で…話せたら。
[それが叶うのかは、わからないけれど。 そう言ってから華月の方を見た。]
(313) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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/* 飴、が ほし…
……★
………★
なければ更新時間まで待ってもらうz
★ すまんな…!!!
(-118) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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― 高嶺の部屋 ― [本郷からの謎掛けの答えは出たのだろうか。 少し興味を示すように本郷と華月を見たが、 結局は本郷には出て行ってもらうことになった。]
―――…見られる方が、好きか?
[真意を問うような苔色の瞳には微苦笑を浮かべる。 黒檀が映すのは憂い、寝台へと向かい]
…湯浴みを済ませたにしては少し早いな。 ―――…構わぬが。…来い、華月。
[指す先に続くのは部屋を出る前に告げた添い寝の話だ。]
(322) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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― 高嶺の部屋 ― [華月の出した答えに、本郷はどう答えたか。]
―――…私があまり好かん。
[苦笑いには、そう言って返す。 厭わぬ言葉、それは主を選んだ時も変わらず。 胸中宿る思いはあるけれども、 拒まれぬのは今は丁度――…都合がいい。]
……構わない。 …お前は楽しめんかもしれんが…、――…許せ。
[告げる黒檀には微かな艶が宿るだろうか。 羽織ってきた着物を乱すことなく寝台へとそっと押し倒し 華月に―――…己の花に、触れる。]
(329) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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[触れる手は背中の瑕の悦を思わせるような動きはなく、 月を宿す花の名の花弁をも傷つけてしまわぬようと、 優しく――、ただ優しく 時間を掛けて慈しんで]
(334) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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/* 飴1あると思ったらなかtt 花に与えていたな…。
(-127) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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[涼やかな鈴の音が鳴る、 鳥の声を思わせるかのような。]
…私の手の中で…咲け…
―――…華月…、
[―――…鵠…、 鳴る鳥の声、もう一つの名は口に出さず呼んで。
苔色から零れる雫に口付けて。 美しい、と囁くは自然と零れた言葉。 りぃん、布擦れの音と共にまた鈴がなく。
花が疲れて寝てしまうその時まで。 華月の花へと性急に強いることは最後までなく――]
(348) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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[華月が寝たのを確認したのなら、 珍しいその毛色の髪を撫ぜて―――… 名残惜しむように、撫ぜて。
着物の乱れを直すと寝台から降りる。 ……目的を、果たす為に。]
[先程まで花を慈しんでいた手が持つのは、 白鳥の名の花を討った、その太刀。]
(351) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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[光る白刃はよく研がれたもの。 その切っ先は胸元、鵠の瑕と同じ場所に宛てられる。
その切っ先が、迷うように揺れたのは一寸。
死を望みながらも、欲した二つの花。 この二つなら、何時かは高嶺を殺すのではないか。 そんな期待を込めて。 この二つとなら…高嶺であることも楽しいかもしれぬ。 そんな希望を…抱いて。 成った――…大事な、大事な…大事な、]
―――…蝶の姿に戻っても… ……花であった姿を偶には…思い出せ……。
(366) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[…朝には、白鳥の血を。そして今、胡蝶の血を。
柄を握る手に力が篭められ――… 憂う黒檀に映るのは、高嶺に美しく咲く 紅の華。]
(367) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[高嶺の部屋に華が咲いた暫し後、 部屋から出でる太刀持つ血濡れの花主の姿に 屋敷の使用人が、劈く悲鳴をあげた。]
[高嶺の花主は紅の色を床へと落とし、 向かうのは己がもう一つの花の眠る場所へ。]
(368) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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懐刀 朧は、血塗れた花主が己の花を屠ったことは、直ぐに屋敷中に知れ渡るだろう。
2010/08/08(Sun) 03時頃
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/* これで華月が処刑されていなければ
私は――…泣く!!
(-137) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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[赤を零し辿り着いたもう一つの花の眠る場所。 その胸元に飾られるのは、 蝶の血を吸い紅に染まった紙の蓮。]
―――…誰か、鵠を高嶺の部屋へ。
[その声に、応える者はいただろうか。]
――……それがかなわぬなら、華月を此処へ。
[何故そのような、と誰かが訊いたのならば 高嶺は紅滴らせ 花にも劣らぬ美しい笑みで言った。]
(379) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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[…私の双花は…並んだ姿が一番美しい…と。**]
(380) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 03時頃
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