241 線路上の雪燕
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––––––––All aboard!
10時17分。
老齢の車掌の、猛禽の勝鬨の様な発車合図と共に、ジリジリと激しいベルが鳴り響いた。
喧しすぎる程のそれは、乗客達の為の物でもある。
不意の発車に蹌踉めき倒れたり、飲み物など零す者が居ないように。
人をいっぱいに詰め込んで尚、構内は騒がしい。
旅人を見送る人々の挨拶や嗚咽、車窓越しにしつこく軽食や新聞を売りつけようとする売り手達の掛け声だ。
車輪はゆっくりと回転を始める。
走り出した雪燕の乗車口に慌てて飛びつき、乗り込もうとした誰かが居たならば
車掌は”足を切断しても知らないですよ”と咎めつつもその手を引き、無事に乗せてやるだろう。
「全く甘いんですから。じいや…じゃなくて、車掌ったら」
「何だ、叩き落とされたいかい? 君ったら。」
乗客の1人の言葉を冗談に混ぜつつ。
彼らは幾つかの指差しを行い、チェック表を埋めていく。
「不自然な空席が少数」…との走り書きは、検札を終えてから書かれた物。
然れど誤差の範囲内、冬の冷え込みで体調を崩す旅人など星の数ほど居るのだから。
(#0) 2015/11/29(Sun) 00時頃
徐々に加速していく風景。
遠くなっていく、構内の群衆の顔の一つ一つ。
それら全てを振り切る様に、雪燕は気高く、景気良く、歓びを叫ぶ様な汽笛を一つ鳴らした。
ちゅぴちゅぴ囀る余韻と真っ白な煙霧を7番ホームに残して、機関車はスピードを上げながら旅路を進み始めた。
「皆様、ご乗車誠に有難うございます。
この汽車は明日午前7時着の、スウェルグ行きとなります。
車掌はわたくし、パルック・ハロー。明日の朝までのお供となります。
シーツの乱れ、靴磨き。入用あればお申し付け下さい…
飲食物は食堂車及びラウンジにて。
お手洗いは一等車両と二等車両の間、二等車両と三頭車両の…………」
車両の廊下に立ち止まり、順繰りに挨拶を述べていく車掌。
やがて車窓から見える寒冷の都市の風景は、昼の太陽を受け輝く大河によって分断される–––––––
(#1) 2015/11/29(Sun) 00時頃
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