52 薔薇恋獄
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無いって。そりゃ嫌われてはねーみたいだけど、そういうんじゃないだろ。
[声を掛けて来たときもそうだったが、蛍紫にも懐いている様子だし。 自分が特別な感情を抱かれているとは自惚れられなかったから、へらりと軽く笑って腕を抜いた]
ん。オレも、風呂入んなきゃな……タオルも置きっぱだし。
……その前に、ちょっとやっぱり、薔薇見てくる。 夕輝せんぱいのトコ行くにしても、あんまり邪魔はしたくねえから。
[彼の手が髪に触れれば、やはり一瞬、跳ね除けてしまいそうになって、身体を強張らせたけれど。 緩くまぶたを閉じて、その感触を受け入れた。
むしろ、あっちのが大丈夫なんだろか。 よろよろ去って行く背を心配げに見送ってから、自分も階下へ*]
(557) 2011/05/19(Thu) 16時半頃
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こっちの台詞。
[にへらと笑って、むしろ心配な背を見送った*]
(*46) 2011/05/19(Thu) 16時半頃
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―― 庭園 ――
いて、いって、……いってえええ! ほんとに雨かよ、これ!
[薔薇は生き生きと咲いていて、五月蝿いほど。 霰に傷ついた様子もないし、自分の肩を打ちつける強さだって、欠片が飛び散るわけじゃない、のだが]
おまえら、頑丈すぎ。 ……それとも、それだけ、強ぇの。
(630) 2011/05/19(Thu) 22時頃
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[花を輝かせる、想いの強さ。 ひとつひとつ、余す花無く感じられるすべてに。 誰かの遺した、想いの欠片がきらきらと眩く胸を刺す。
只中に居ると、今感じている痛みが、花々から感じるものか、雨によるものか、分からなくなる。 このまま、薔薇のいたみに埋もれて、千々に散っていきそうな感覚]
っ、
[ぶん、と頭を振った。 いけない。 今は、引き摺られかけたら声を掛けてくれる相棒は居ないのだ。 しっかりしなくては。
その相棒は、自室で蘭香にもふもふされて気分の良いとこを。 闖入してきた調音に、警戒真っ盛りなのだが、知る由は無い]
(*47) 2011/05/19(Thu) 22時頃
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……なにか、
[ともかく、何か。 引き摺られないように、生きていることを実感できること、考えなくては。 いきて、そう雨の中呟くくちびるに、気づけば指先は引き寄せられて]
っ、
[ひた、と触れれば、はっと我に返る。 何してるのだか、こんな所で。 雨は酷いが、誰が見ているとも限らない。
意識を戻すには過ぎるほど強烈な思い出に。 慌てて指を引けば、一輪の棘に引っ掛かった]
(*48) 2011/05/19(Thu) 22時頃
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[ふと、指を掠めた赤い薔薇。 根元が少し、優しい黄色がかっているのが、まるで赤に染まってゆくさまのよう。
くすっと笑う。 そのいろに、ご飯を共にした先輩のことを思い出したから。
自分の家族は普通のひとたちだったし、蘭香の家族も、蛍紫の家族も、良いひとたちばかりだったから。 その思い出と理想が混じって、自分にとっての家族像というものが、おおよそ暗かったり悲しかったりする点のない、ゆめまぼろしに近いものだとは、知らないでいる。
だから、桂馬の家族が実際どうであったか、かけ離れた想像をしているのだとしても、気づかずに]
嬉しかった、って。そう言う先輩、ほんとに嬉しそうだったし。 どんな子だったんだろ。オレよりちっこい先輩とか、想像出来ないけど。
[桂馬を信用出来ないわけではなかった。 自分を、信用出来ていなくて。 問いには答えられなかったから、その思い出話の時は幸せそうだった顔を、曇らせてしまったのは、悲しかった]
(632) 2011/05/19(Thu) 22時頃
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でも、何で赤くなったんだろ。
[何か不作法をしてしまったかと、慌てて視線を巡らせたけれど、特に変わったことはなかった。 覗き込めば、髪の下から見え隠れする耳まで赤くなっていたのを、可愛いなあとくすくす笑ってしまったけど。
何でだろうな? と赤い薔薇を弾いて、首を傾げた]
(633) 2011/05/19(Thu) 22時頃
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……にしても、こう…… 外れ、かな。
[実際に、無限に広がっているわけではないのだが。 まるで、薔薇の砂漠に立ち尽くしているような気分になってきた]
(634) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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[克希の失踪と、日向が無関係だとは思わない。 けれど、暁とやらが関係しているとして、彼女が悪意を持って彼をかどわかしたとも、思えない。 理由が断定できないうちは、何かを幽霊の悪意のせいじゃないと考えるのは、癖のようなものだけど。
怪談だけが彼女の全てでは無いだろうと。 すこしでも、話を聴いて何か、してあげられることがあるなら、してあげたいと。
今でもまだ、思っているから。 彼女の足取りを辿る何かが、それか克希の行方を探る何かが、ありはしないかと、雨の中、薔薇の砂漠に立ち尽くした]
(*49) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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煉獄なんだろ。地獄じゃ、ないんだろ。 だったら……
[寧人の声が蘇る。 救われる。救い。 あるのなら、この煉獄のあるじにこそ。
そうして、雨の降りしきるなか。 あとは、黙々と、薔薇を掻き分け続けた]
(635) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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―― 庭園 ――
……くそっ、…………?
[良く見えないのを、雨と自分の目のせいにしていたが。 ふと顔を上げれば、もうとっぷりと日が暮れていた。 目は良いほうだが、これでは見えるわけが無い]
は……、ぁっ。
[収穫は、ゼロ。 自分が雨と泥と、薔薇まみれになっただけ。
さすがに、徒労の疲れで身体が重い。 冷えて強張った腕を摩るも、上手くいかない。
このまま此処で、眠ってしまいたい。 雨も気にせず、泥のように寝られる。今なら]
(636) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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[けれど、まだやらなければならない事があるし、そんなことをした日には、幼馴染らに要らぬ心配を掛けるどころではない。 ふたりの顔を思い出せば、すこし元気も出て。 重い足を引き摺って、別荘へと戻っていった]
(637) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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―― 洗面所兼ランドリー ――
あれ。
[誰かが乾燥機に入れてくれたのか。 文に借りたタオルは、からっとすっきり乾いていた。 ありがとう誰か、と感謝しつつ、しかし身体は拭かねば廊下を水浸しにしてしまう。
いっそ風呂に入りたかったが、今入ったら寝てしまいそうで。 ぐっしょりになったタオルをまた干すと、乾いた一枚を頭に被った格好で、洗面所を後にした]
(652) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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―― 大広間/紅子さん ――
『ヤサイー。コトコト? ジックリ? タベルタベル』
[食事の場に連れて来られたのは初めてなのか、紅子さんは緊張気味。 時々声を引っくり返しながら、野菜なら何でも食べる心づもり]
(654) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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/* だから紅子さんのタイミングがああ
(-267) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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―― 大広間/紅子さん ――
『ハナレナイ。イッショ。イッショ。 ランカとゴハン!』
[差し出されたキャベツを、つんつん確かめるようにつついてから。 ぱく、と咥えた葉は、もしゃもしゃ嘴の奥に消えていく]
(659) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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―→ 2階廊下 ――
……あれ。
[1階には無いから、夕輝の部屋は2階のどれか。 なので、タオルをひらひらさせながら、重い足取りで階段を上ったのだが]
せんぱい達、せんせ…… 何してんすか?
[集まった先輩たち、薄く開いた戸。 哲人が居るから、多分そこが夕輝の部屋なのだろうけど、何事なんだろう。
比較的近くに居た文の腕を、つんつん。 問い掛けてみた]
(667) 2011/05/19(Thu) 23時頃
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/* >>666 なかのひとなどいない!
どれだけオカルト設定が許されるのか分からないから出さないけれど、居るといえば居ます。
(-270) 2011/05/19(Thu) 23時頃
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―― 大広間/紅子さん ――
『ナカノヒトナドー……イナイ。カモー』
[何故か寧人から目を逸らす紅子さん。 キャベツアリガト、とくるくる喉を鳴らしている]
(673) 2011/05/19(Thu) 23時頃
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―― 大広間/紅子さん ――
『スープタベレナイ。 フーマ、メ、ッテイウ。
ベニコサン、ニオイスキ。 ジックリ? コトコト? イイニオイ』
[ザンネン、と言いつつも、もしゃもしゃキャベツを頬張る紅子さんは不満げではない。 蘭香が一緒なのもあるし、賢いと言われているのが分かっているのもあるかもしれない]
(683) 2011/05/19(Thu) 23時頃
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―― 2階廊下 ――
[文の返答>>670に、なるほどと頷き。 覗きこむつもりは無かったが、扉が開けば視線は自然と引き寄せられ]
……っ!
[薔薇の香り。 濃密に絡みつく野薔薇のイメージ。 その気配は、彼女に良く似ていて。
痛む胸を押さえ、壁に手をつく。 息を堪えていれば、哲人と夕輝の会話を聴く余裕は無かったが、ふたりが寄り添ったのは、視界の端に映る]
…… せん、 ……っ、
[呼ぼうとしたのは、哲人だったか、夕輝だったか。 けれど、どちらであっても声にならず]
(697) 2011/05/19(Thu) 23時半頃
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[詰まる息を整えていれば、別の意味で声を掛けられない状況というか、雰囲気になってきたから。 意味をなさないかもしれない忠告と、彼らの時間を天秤にかければ、かこーん、と忠告は吹っ飛んで]
…… せんぱい、オレで良かったら一緒するから。
[溜め息をつく桂馬>>686に、そうひそりと囁いて。 もうご一緒した相手でも良ければ、下へ向かうつもり]
(699) 2011/05/19(Thu) 23時半頃
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えっ?
[突然向こうから声を掛けられれば>>698、思わず挙動不審気味に、わたわた。 咄嗟に何のことか、分からないくらいには慌てたけれど、感想と言えばひとつしか思い浮かばない]
へへ。ありがとうございます、先輩。
[なにか吹っ切れたような、好い軽やかさの笑顔。 つられて、何だか自分も嬉しくなって、にへっと笑い返す。
やっぱり、余計なことは言わないでおこう。 先輩が、こんな良い笑顔をしているのに、曇らせたくは無い。 そう思って、やはり感じたことは何も、告げないことにした]
(704) 2011/05/19(Thu) 23時半頃
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/* Σ って調音ー!?
・・・。 ・・・もし、今日片思い相手投票だったら、オレ吊られてたかもしんない気がするんですけど、気のせいですよね。ね。
(-290) 2011/05/20(Fri) 00時頃
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