25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[夜光の視線を受けて、冬色を細める。 主が応えるなら口を挟む事はしない]
(+60) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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[邦夜の無事を願う言葉に、怨の念は幾らか薄れ]
獣であっても、変らぬと。
[獣に裂かれた人の言葉なれば、それは深く心に響く。 迷うように、ロビンへと法泉へと視線が彷徨う]
見えず、聞こえず。 …二人?
[法泉の視線を追いかける。 此岸にいる人々。誰を指しているのかは分からず]
(+61) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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[傍らの花、握る手を強くして]
解らないのなら、解らぬままでも良いのではありませんか。 それとも、解るので考えるのか。
――ここに後どれほどいられるのかわからぬ。 考えるには、時間はあまりに短く。
ここにこのまま留まれるのなら、どれほど良いか。
[あの、二つの花のように。けれども、あの花たちもいつまで]
私は、人を獣をと考えるよりも。 今傍にある花と――。
(+62) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 23時頃
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[主の許可出るまでは、二人の間に口を挟まない。 其の様は飼い慣らされた狗のようでもある。
握られた手に力が篭ると、瞬きを一つ。 見上げ、切なげに眉を寄せた。
瞳を伏せる]
(+63) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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[胡蝶は、正確には華月は、 誰かを怨みつらみする感情が希薄だった。 それは、初めが主に共の死を求められ、添えれなかったが故。 怨まれはすれど、怨むことはできない、と。]
わからんくても、えぇんやない?
[りん――鳴る鈴の音。袖引くに気がついて、ポツリと返す。]
感情いうんは、変わるもんでもあるしなぁ。 見て、聴いて、識って、 それでも変わらんかったら怨めばええんよ。
[鵠に返しながら、夜光にも重ねる言の葉。]
わては頭かしこないから、むずかし考えとったら頭壊れるわ。 どんな答えだしても、鵠は鵠や。 多分、わてが鵠好きや謂う気持ちはかわらへん思うしなぁ。
(+64) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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…恨んで憎んで、苦しんだ人を知ってます。 醜く、何も変らない。
[時には直接身にも受けた。 落花は苦しくてもそうせずに生きられなかった]
……悪いことではなくても。
[法泉の視線から逃れるように顔を背け。 双花の姿にも気がついた]
鵠殿。華月殿。
[華月がどう散ったのかはまだ知れてない。 けれど鵠は。そう。獣に寄らず散らされたのだ]
人も、人を、殺す…。
(+65) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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[花の様子にくつりと笑い]
ロビン、言いたいことがあるのでしたら、言って構わないのですよ。
[人には人の、獣には獣の言い分があろうと、花を見る視線は柔らかく注ぐ]
(+66) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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[夜光が眸に宿す怨のいろ、それがゆらり、ゆらりと変わり往くのに己の紫苑色を重ねる。]
…分からぬままでも、…よい、…?
[法泉と、――胡蝶の言葉と、 重なる。鈴が鳴る。]
――…、―― 己は、知らぬこと、多く 見て聞いて、そして、惑っている。 ……にくめたら、楽なのに
[零した胸のうち。 憎みきれないのだと、そういう。]
…否、胡蝶は、……――凝り固まった己より、余程…、…ッ
[好き、と聞こえた所為か。紅くなった。]
(+67) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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説法師 法泉は、手妻師 華月斎の言葉に、微笑を一つ見せた
2010/08/08(Sun) 23時頃
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[華月の言葉に考える。 邦夜は違うと知っているけれど。若し。 若しも彼が獣で。獣であっても同じに温もりをくれたなら。 自分は、恨むことが、憎むことが出来たのか?
感情は変るもの。再び視線はロビンへ。 あれだけ拒絶されたのに、其方から声を掛けてくれた]
……頭が痛い。
[蟀谷を押さえて首を振った。 華月の言葉は頭でなく別の場所で分かる気がした]
(+68) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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[柔かな主の視線に促されて、口を開く]
憎み、嫉み 幾ら向けても構わぬのに。
……道天満月の彼も 同じ道を辿らせる手筈がしくじった様子 二度同じ手は、あるかどうか。
[人食いの花が聞く言の葉は 現世と狭間と、もうひとつ]
まだ、痛みがあるんだ? ……そうだね、色々まだ此処は感じる事が出来る。 彼岸にたどり着いたなら、消えてしまうかな
[冬色の瞳が夜光を見遣り、気遣わしげに揺れた。 拒絶が無いだけで随分印象が変わる]
(+69) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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そう、ですね。
[夜光の言葉に頷いて]
そも、人の生き死にには獣より人が多く関るもの。 縁あるものを屠られれば、人であろうと獣であろうとあまり良い感情は浮かばぬでしょう。
…。
獣を恐ろしいというのなら、人はもっと恐ろしい。
けれど、だからこそ、どちらも恐ろしいものではない。
(+70) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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[おそらくは、乾がロビンを獣でなく花と見ることに、 どうあっても鵠は鵠と思うのは似ているのかもしれない。 乾の微笑にそのようなものを感じ、胡蝶もまた微笑む。]
人も人を殺す。 わても、朧様に殺されたけど、感謝こそすれ怨む気はおきへん。 ま、人それぞれやろ。想いも事情も。
あんま、考えこんだら、頭莫迦になんで? 考えるより感じろ!……とか謂うてみよか。
[光夜に己が死の原因を告げ、傷むという頭を心配した。]
(+71) 2010/08/08(Sun) 23時半頃
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説法師 法泉は、門下生 一平太が痛がる様子に首を傾けた
2010/08/08(Sun) 23時半頃
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……憎めたらええのに、ってのが答えな気ぃもするけどな。 裏返せば、憎みたくないってことやろ。
わては、鵠のそういうとこ、好きやよ。
[そして、好きという言葉に反応した鵠に、 重なるようにまた好きという言葉を向けた。]
なんや、かあいらしいなぁ……――
[紅く染まった頬を突いてみたり。]
(+72) 2010/08/08(Sun) 23時半頃
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……あれを初心と謂うんでしょうね。 幾らか見習った方が良いでしょうか。
[生まれながらに艶ごとは知っている。 経験こそなくても媚態を取るのは人食花 白い鳥が紅く染まっているのをふと見て呟いた]
(+73) 2010/08/08(Sun) 23時半頃
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なっ!
[同じ道をといわれれば、憎しみ浮かばぬわけがなく。 されど冬の瞳は気遣わしげで、以前のそれとはまるで違う]
…変るんだね。 人も。獣も。同じように。
[ほぅと息を吐いて、法泉の言葉に頷いた]
(+74) 2010/08/08(Sun) 23時半頃
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ロビン、私は造られたものはあまり好ましく思っておりませんので。
お前はお前のまま、傍に在るといい。
[花の言葉に僅か目を細めて、白鳥を見やり、また視線を戻す]
(+75) 2010/08/08(Sun) 23時半頃
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[同じ道をと言っても昨夜の話。 それ以上は告げず]
利用して謀る気で近づいたのに 主さまがあまりに心深くいらっしゃるから。
[同じように変わるのか 己の変化については頷いた]
(+76) 2010/08/08(Sun) 23時半頃
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主さま……
[つ、と視線を流し見遣る。 少し下げた眉と、薄く開いた唇。 躊躇い、音にした]
お誘いしたあの時は 笑みも仕草も、計算の上であったのですよ? お部屋に招いて頂いて ……そのような余裕は直ぐになくなりましたが。
造りもの交じりが私の顔なれば 主さまは、幻滅なさいますや?
(+77) 2010/08/08(Sun) 23時半頃
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…、…――
[頭が痛い という夜光へ 気遣わしげな視線を向けた。]
いたい、 まるで――生きていた頃の、ようだ。 ……人は変わる、……変わる、か…
[呟き、惑いは晴れない。 胡蝶の声に、顔を向ける]
――…、……そう、なんだろうか
[もう一度聞こえてくる声に、 視線を彷徨わせて眼を伏せた。]
…や めろ。
[困ったように頬を防御した。]
(+78) 2010/08/08(Sun) 23時半頃
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心深いかどうかは、さて。 私はただ、欲深いだけのような、気がしますから。
[白鳥と蝶の戯れる様子を目に映す。 やがて視線はあちらへと向いた]
どちらも。 滅びの身を向かっているように、見える。
人も獣も。
(+79) 2010/08/08(Sun) 23時半頃
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[冬花の声に視線巡らせ。 鵠と胡蝶の様子を見れば小さく頷いてしまったり。 羨ましいとも思うのは、どうにか心の裡のみで]
そう。それは。 良かったと、思う。
[獣を厭う思いもまだ消えないけれど。 そこには共感できるものが確かにあって。 まだ蟀谷押さえながらも、冬の瞳に小さく頷きを返した]
(+80) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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ああ。 だから、私はお前の顔をもっと見たかった。
手折ればその表情は変わるだろうかと。 手折ってなお変わらぬようなら。
どうしていたでしょうね。
[花へと向ける笑みは変わらず穏やかに]
幻滅などするなら最初から花と認めず、 ――造り物が混じるのがお前の顔なら、それもまた良しと。
今は思っておりますから。
(+81) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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[夜光の頷きを見遣り、少し眉を下げる]
良かったと、そう謂ってくれるんだ。
[冬の蕾の仕草。 大分間を置いて]
ありがとう。
[瞳閉じて呟いた]
(+82) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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[もう一つの気遣わしげな視線に、再び鵠を見て。 変るというのを肯定するよに小さくコクリと頷いた。 変れると思った。何かが変ったと、今でも思う。のだけれど]
邦夜様…。 違います。邦夜様のせいじゃない。
[此岸に意識が引き寄せられ、聞こえた声に何度も頭を振る]
役に立ちたいと。 まだそこから変われてなくて、間違えてしまったのです。 僕が自分で引き寄せてしまったこと。
(+83) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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[無力な光が何度も何度も。 否定するように舞うけれどそれは。
此岸ではあまりに儚くて。見え難い]
(+84) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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[頬を防御する表情まで、あいらしい と、謂えば照れを越して怒るのだろうか。]
わてには、そう見えるけど、本当はどうか判らんわ。 でも、急がんでもええんよ。 この先どうなっても……共に飛んでくれるんやろ?
[悪戯はやめて、真摯に告げた。]
(+85) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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[法泉から言葉が返ると、ちらと視線を上げる] 試されていたのですね、矢張り。 味見だけに留まらなかった理由 一つは其れでしょうか。 ……獣は、己を造らねば 人の中では生きられません。 生まれながらに偽る術も、この身に。 また良しと、思っていただけるなら
たまには違う私もお試しくださいませ? ロビンと謂う花は、多才多芸で名を売っておりますから。
[束の間、愁いを忘れたように そう謂って笑った]
(+86) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 00時頃
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[もし、あいらしいなどと聞いたら、 うろたえた後、どうしたらいいか分からず怒るだろう。]
――…、…自分で、 自分自身がわからない、のに。
……――嗚呼、
[じ、と苔色の眸を見返し]
飛ぶよ。 …それは、変わらない。
(+87) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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味見に留まらなかったのは――。 いえ。
お前の表情が、もっと見ていたかったから。
[じぃと、冬色を見詰めて。 違う私を、という言葉には少しだけ考え込むように]
それもお前なのでしょう。 なら、愛でることに変わりはなく。
白鳥と同じようにされると、少し罪悪感が沸いてしまいそうですが。
[笑う花の額へと唇を降らせて、顔を上げる。 目の端に映った白鳥の反応が、眩しい]
(+88) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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そやったら、えぇんよ。
[悩む愛しい片割れに、飛ぶが変わらないなら佳いと。 悩むだけ悩んだらいいのだと、少し身を抱き寄せた。
そして離すは、夜光の気持ちを慮ってか。 これ以上、初心で愛らしい様を、他者に晒したくないと思ってか。
紫苑色を見詰め返す、苔色は穏やかだった。]
(+89) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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