25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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鬼やのうて、花としてなら、寄れるやろか。 番犬も、花は食わんやろ……多分。
[紫苑色の眼差し受けて、苔色は細まる。 繋いだ指先から意識がまるで伝うかのように、 手引かれるより前に鵠の意図を識る。
白と紅の双花は、連れだって焔の中の童の元へ。]
(+30) 2010/08/09(Mon) 12時頃
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[この場所かなくなってしまったなら、この思いはどこへと逝くのだろう。 手元の花は。
周りに在る花や花主たちは。
彼岸の向こう、極楽浄土があるという。 仏の道にありながら、そのことにさほど信を持っていなかった身。
けれど死した今も今ここに思いが残るのは、今から何処かへと旅立つからではないのか。
輪廻の道へ?
小さく首を振る]
(+31) 2010/08/09(Mon) 12時半頃
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…、そう、だな
[胡蝶の苔色の眸は 何か謂う前に、する前に 想いを汲みとる深い色。 手に触れたまま、焔へ踏み込む。
死者を焔は焦がさない。]
――…、朧様、
(+32) 2010/08/09(Mon) 12時半頃
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離しませんよ。
出来るなら、ずっと。
[導いていけるのなら、そこまで。その先まで]
…同じ獣だったもの同士、矢張り気になりますか?
[童の横にいる獣を見やる。 近づいていく白鳥と蝶の姿]
(+33) 2010/08/09(Mon) 12時半頃
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[彼岸の向こう 逝ける身をもたず 視線を獣あから主へ 傍でちらと見遣る]
……出来るなら、ずっと 離れず此処に居られたら どれほど良いでしょうね。
[頷き]
気になる事はまだ其処に 幾らもあります、主さま
[視線を落とせば炎上する屋敷を駆ける姿]
(+34) 2010/08/09(Mon) 12時半頃
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[花の答えにくつくつと小さく笑う声]
お前が気になるのは、友の事か、それとも、残した種のことか。両方、あるいは邸のことすべてか。
[連れて来てしまった花]
まだお前が生きていたなら、私もどれほどあちらが気になっただろうね。
誰かを気にかけるのは、人も獣も同じ。
最後まで。見届けて逝きましょう。 それまでは、ここに。
[愛しい花。握る手と触れる体を愛おしげに見て、そっと目を*伏せた*]
(+35) 2010/08/09(Mon) 13時頃
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[双花と謂えど、判らぬこともある。 1つと1つだからこそ双つであれるのだから。 ただ、双花であればこそ、向かおうと思ったのは同じだった。
熱さ感じぬ焔の中を、双花は歩む。
白が主の名を呼んだ。 紅は黙り、その傍に添う。]
嗚呼、そうや……――
[しかし、ふと思い出して、呟きを零すと何やらごそごそと。 やがて番犬の態のような本郷に、 鵠と絡めていない方の手で差し出すのは
――鷺を形どった和紙の花。]
(+36) 2010/08/09(Mon) 13時頃
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総て……、そう すべて
何も見なくて良かったのに 何も気にせず居られたのに 主さまがボクを……私を、変えてしまったのでしょう?
[きゅ、と握る手に力込めて 視線は紅く染まる屋敷へ]
人と獣は、相容れぬ 気にかけるは 同じであるようで 違う
人のなんと浅ましいこと 獣のなんとさもしいこと
(+37) 2010/08/09(Mon) 13時頃
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[狼はただ、くあ、と口を開けて欠伸を一つ。 意地が悪いと言われようが、狼と言われようが 実に自分の時間の流儀を貫き通す。
守っているというよりは、ただ傍にいるだけというのが正しい。 それは生きている間の己と童がそうであったように 必要なら踏みこみ、必要でないのなら踏みこまない関係。 今は踏み込むところではない。だから傍にいるだけ]
───。
[差し出された花を見て、獣はふるりと首を横に振った。 其の鉄色は見上げて鈴の花へと。 己にはもう、それは必要ないと告げるかのように]
(+38) 2010/08/09(Mon) 13時頃
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なんや?いらへんのん?
[狼の仕草に、苦笑を向けて、促されるまま、 白鷺を繋いだ手の人の、みどりの髪へと止らせた*]
(+39) 2010/08/09(Mon) 13時半頃
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[紅が差し出す、鷺の形の花は微かに揺れた。 狼は欠伸をする。 踏み込まず、離れず、そこに在る。 そこにただ在ることの、なんと大きいことか。]
…本郷、さま?
[鉄色は紫苑色を見た。 紫苑色は、彼とかわした声を思い出し 少しだけ揺れる。
りん、と――鈴の音。 鷺の花を見る。 焔の中、染まらず白い。]
(+40) 2010/08/09(Mon) 13時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 13時半頃
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…、え、
[瞬き1つ、鷺が髪に止まる。 またたきひとつして胡蝶を見た後、 繋いでいない手でそれにそっと触れた。]
――… 白い、…鳥の花 か
[花にはひとつの逸話が添えられている。 白鷺は託されながら潔白を届けられなかった ――その無念ゆえ、鷺草が咲いたのだと。
今一度、鉄色の眸をした狼へ視線を移す。
獣だ。 人を食らうものだ。 けれど、憎むことは、到底できそうになかった。]
(+41) 2010/08/09(Mon) 14時頃
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迦陵、カルヴィン……火が直ぐ傍に
[冷ます事も消す事も叶わない 冬の色でただ見ているだけ。
視線を逸らした先に、黒い獣。 変わらず場を動く事も無い様子を見て少し眉を下げた]
(+42) 2010/08/09(Mon) 14時頃
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[くぁ。 狼はもう一つ口を開いて]
…まったく、お前は。
[するり。 獣は人へと転変し、童の横に腰掛けたまま]
もともと私が持っているために頼んだわけではない。 何のためにわざわざ白鷺の花を選んだのかも、解らんのか。
[髪に飾る様子を見ると、意地の悪い顔を浮かべ それから男は童のほうを見やる。今は何を見ているのだろうと]
(+43) 2010/08/09(Mon) 14時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 14時頃
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[この手にあった鳥篭に、今は迦陵頻伽の姿無く 冬に咲いた櫻は、月のしたで花弁を落とし 変わってしまった友ふたり 冷たい冬の空の色した瞳で、また追いかける 視界が朱に染まっていく**]
(+44) 2010/08/09(Mon) 14時半頃
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[燃える色のべべ着た童の姿は朧に霞み。 輪郭も今に消え入りそうな儚き型は記憶の残滓。
傍に添う、黒の獣の気。一度だけ、いぬ、と呼んで。 啜り泣く幻影は何も言わず、狼が傍に在ることを許す。]
(+45) 2010/08/09(Mon) 15時頃
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[朧と名前を呼ばれ、上がる童の顔は涙で泣き濡れて。 はたはたと、雫を零すは黒檀の瞳。
糸繋がる先、童が大事に抱く二つの花。 其れと同じ色の双花を見上げ]
(+46) 2010/08/09(Mon) 15時頃
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―――……共に、在りたい……
(+47) 2010/08/09(Mon) 15時頃
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[幼い声。願うは、誰に―――… 花を抱きしめた童の姿は、炎の中に溶けるように消える。
糸が断ち切れたわけではないことは、花達には解かるだろう。*]
(+48) 2010/08/09(Mon) 15時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 15時頃
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[遠くなっていく足音。 遠ざかっていく姿。
炎の勢いが強くなっていくのが良く見える。 冬の残したもの。 霞が残そうとしているもの]
…遠いな。
[小さく呟く。 気づいて、そんな言葉になった。
自分はそういえば、何も残してこなかったのだと]
(+49) 2010/08/09(Mon) 15時頃
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本屋 ベネットは、傍らから消える童に手を伸ばしかけて───下ろす。
2010/08/09(Mon) 15時頃
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───霞。
[生きていれば、その選択をとめることはできただろうか。 止めても、変わらなかったように思う。
ため息だけが落ちる。 手が視界を覆う。一瞬だけ。 目を逸らすのは、好きではないから]
(+50) 2010/08/09(Mon) 15時半頃
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…、―― な、
[狼から、人間へ。 目に映るその光景に、紫苑色を見開いた。>>+43
意地の悪い表情に 今一度瞬いて胡蝶を見る。 その間に、本郷の視線はこどもへと向かい。
焔は燃え上がり、 その横顔を白く浮き上がらせた。]
(+51) 2010/08/09(Mon) 16時頃
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[焔の嵐に紛れてしまいそうな ちいさなこどもは朧と揺れる。 泣き濡れた眼は黒檀で、
嗚呼 紛れもなく
と、腑に落ちる。
きらり、糸は確かに繋がり 見上げる眸を見下ろす二色]
(+52) 2010/08/09(Mon) 16時頃
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…、おぼろ、――
[在りたい、と
願いを口にし消える黒檀のこども。 空いた方の手を伸ばす。
――りん
と、鈴が鳴って。 白鷺の花は揺れ。 指先は空を切る。
されど、確かにつながる絡めた指先の糸。]
(+53) 2010/08/09(Mon) 16時頃
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――――…迦陵
[折り重なる身を、ただ見ていた 唇から音が毀れた]
(+54) 2010/08/09(Mon) 16時頃
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初めから、鵠の為の花やった……ってことやろか?
[瞬く紫苑色に苔色は微笑み、相手の視線の動きをなどるよう。 意地の悪い貌を浮かべる狼を見遣る。]
わて、頭ようない、いうとりますやん。
[聊か拗ねたように、唇を尖らせて文句を謂うも、 苔色は穏やかなままだ。 紫苑色を追って鉄色を見た苔色は、 次はその苔色を追って黒檀を見詰めた。]
(+55) 2010/08/09(Mon) 16時頃
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[朧に霞む黒檀から露。開いた唇から零れた願い。 嗚呼――と、花の一つは息を吐いた。
絆、断ち切れたわけでなく、消える姿を見送る。
―――りん。
鈴がなれば、胡蝶の唇が開く。]
共に在りたいんは……―――
[霞む月だろうと、呑みこむ言の葉。 「生きろ」――謂った言葉に嘘はなかったろう。 でも、真実でもなかったのだろうと。
――……人は、矛盾を孕みあるものであるから。
願いの一つの形は、朧の双花に垣間見れた。]
(+56) 2010/08/09(Mon) 16時半頃
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…――…共に、か…
[手につながる糸を 眼を伏せるようにして見ながら]
…霞の月は、 迦陵頻伽と旅立って、しまった。
……
(+57) 2010/08/09(Mon) 16時半頃
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迦陵と?
[二つの花が交わす言葉 ふ、と笑み零し]
……あの方は随分と欲張りで 欲しいものは総て浚って行きましたよ 月はひとつに。 其処におさまっているでしょう
[崩れ重なる身体を指す]
(+58) 2010/08/09(Mon) 16時半頃
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…――、
[ぱちり
と、瞬くひとつ]
…嗚呼、 …そう、なのか?
[燃え盛る、焔。 それは、壮絶なまでにうつくしい]
……欲深い、ことだ。
(+59) 2010/08/09(Mon) 16時半頃
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