52 薔薇恋獄
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『こういうときは、俺より珀のが判るかもな……。』
[眼鏡をかけたとて、想いの残滓が見えるかは謎で。 同調する珀の方が……と、思ったり。 あらましきちんと話していないということは、うっかり忘れてしまっている。]
(*13) 2011/05/19(Thu) 00時頃
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[指にかかる息にはっと我に返る]
…やべぇ、どうかしてる…
[耀に触れた指をぎゅうと拳の中に押し入れて。 その部屋を*後にした*]
(!10) 2011/05/19(Thu) 00時半頃
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麻雀やると、人間分かるって言うヤツが居た気がすっけど……
[じゃらじゃら]
日向、麻雀教えたら、付き合ってくれっかなぁ。
[幼馴染が真面目に調査をしている中。 牌をいじりながら、そんなことを呟いているのだった]
(*14) 2011/05/19(Thu) 00時半頃
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『あー、やはり、判らん。 後で、珀に見て貰った方がいいだろうな、これは。』
[珀が麻雀を愉しんでいる?とは、知らず、視えなかったことに溜息を吐いたりしている。]
(*15) 2011/05/19(Thu) 00時半頃
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……薔薇……、なあ。
[竹の描かれた牌を撫で、ちらりと寧人を見てから] なんか、……?
[もっと濃い薔薇の香りを、誰かから感じたような。 けれど、構わないで欲しい様子に、あまり関われなくて、記憶に留めなかった――]
気のせいか……?
[蘭香がいれば、すぐに分かっただろう答え。 けれど、彼も、本人と対峙している蛍紫もいない自分には、当分思い当たりそうになかった*]
(*16) 2011/05/19(Thu) 01時頃
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[ それは薔薇の一つ一つに魂が宿るから ]
[ 誰のものとは判別し難い、無数の死魂 ]
[ この地で死した、誰かの思いの残滓達 ]
[ それらが今、薔薇に輝きを与えていた ]
[ その魂たちは、今はまだ何も語らない ]
(*17) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ 屋敷を追われ辿り着いたところ ] [ そこは一本の大木のうろだった ] [ わたしは全てから逃れるように ] [ その中へと入って身をひそめた ]
(*18) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ わたしはその中で孤独に泣いた ] [ 暗く沈む闇に希望はもう無くて ] [ そのままわたしはそこで死んだ ] [ でもあの方のこと信じていたの ]
(*19) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ 暁様が再びの逢瀬を望むならば ] [ 有明けの空にわたしは黄泉帰り ] [ ともに愛でた薔薇の姿になって ] [ 二人の時間を紡いでいけたのに ]
(*20) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ あの方の隣にはうつくしい女性 ] [ そのままわたしを忘れて幸せに ] [ どうか幸せになってくれますか ] [ 嗚呼なんで幸せになるのですか ]
(*21) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ *あなたわたしをみすてましたか* ]
(*22) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ツキリとまるで薔薇の棘に刺されたような、痛みを胸に覚える。]
……俺は、珀と違って同調はしない筈なんだがな。 波長の問題だろうか。
[その痛みを、幾多の魂の想いの残滓とすり替えて、ポツリと呟いた。]
(*23) 2011/05/19(Thu) 09時頃
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……に、しても……
[じりじわじりり。 肌が焼けるような、痛み。 生きている人間のそばに居る時は気にせずにいられる程度だが、ひとり廊下へ出れば、少しでも距離をとろうとするかのように、壁際へ寄ってしまう]
……薔薇の方から、だよなあ。やっぱ。
[何を語りかけてこられる訳でもない。 ただ、無数の想いの欠片を、体質が感じ取ってしまうだけ]
(*24) 2011/05/19(Thu) 10時半頃
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日向っ!
(*25) 2011/05/19(Thu) 10時半頃
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[たしかに、痛みも感じたのに。 そこに居たのは日向ではなく。
庭の近いせいだと、自分に言い訳することもなく、ただ、静かに諦めの溜息を吐き]
……まだ濡れてたか?
[掃除は自分に任せた筈なのに、と言外に問う響きで、首を傾げた]
(*26) 2011/05/19(Thu) 10時半頃
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[1度目、日向を迎え入れた時の雫は珀が拭いたことは知っている。 2度目、日向が化け物に変わった後、珀が気を失って後の事は知らない。
拭かれていたならば、珀が拭いたのか……と。その言葉に思う。
大丈夫か?と視線で問うのは、幾多の薔薇に宿る想いが視えるから。 その1つ1つに同調してしまえば、身がもたなそうだと。]
(*27) 2011/05/19(Thu) 10時半頃
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あの中に飛び込みたいかっつーと、お断りだけど。 んな無謀はしねぇし、ひとと居る時はわりと、平気。
[とはいえ、必要とあらば飛び込みもするだろうが。 問われる視線に、へらりと笑って、軽く腕を擦った]
それよか、悪ぃ。……ちょっと、へばってて。 お陰でさっぱり何が起きたのか分かんねーから、蛍紫の知ってること、教えてくれ。
(*28) 2011/05/19(Thu) 11時頃
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[蘭香を……と、話を振ったのは、これまでの説明の布石でもあった。
蘭香を選べといったことに対し、珀がどういう反応を示したとしても、ぼそりぼそりと状況の悪さを紡げば、何故そう言ったかは判ってくれるだろうか。
おそらく、雷が鳴る前に中庭に居た誰か――蓮端が濃厚か、が切欠で、日向が化け物に転じてしまったらしいこと。 その誰かは、暁様――怪談の屋敷の息子に、何か関係があるかもしれないこと。 大須の姿が視えないのは、多分、化け物となった日向の所為だろうということ。
己が判る範囲で、伝えられることは伝えた。 出来れば、蓮端に会って確認してみて欲しいとも。]
(*29) 2011/05/19(Thu) 11時頃
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……話は、分かった。 夕輝先輩も、探してみる。危なそうだし。
[何故、そう言ったかは分かった。 分かったが、はいそうですかと笑って頷いてやれる言葉ではなく]
(*30) 2011/05/19(Thu) 11時頃
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ああ、頼む。 今は、石神井先輩と一緒に部屋にいると思う。 でも、少しだけ時間はあけた方がいいかもしれない。
……それと、鳴瀬先生には、俺の眼のことは伝えている。 いい忘れていた。
[激情の色を見返しつつ、淡々と伝え漏れた情報を付け足した。]
(*31) 2011/05/19(Thu) 11時半頃
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[夕輝が哲人と居ると聞けば、広間前での様子を思い起こして僅か、ほころんだ気持ちにもなったけれど。 湧き上がった熱さに、あっという間に掻き消え]
それで、お前はどうすんだよ。 士朗せんせを選ぶってか?!
[普段だったら、何も気づかずに居た頃なら、何時の間にそんな仲良くなったんだ、なんて茶化していただろう言葉。 けれど今は、それすら裏切りのように感じて。 士朗へ感じた八つ当たりの憤りと、蛍紫に対するもどかしさの混じった憤りを、叫んだ]
(*32) 2011/05/19(Thu) 11時半頃
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何故、そこで鳴瀬先生がでてくるんだ?
[きょとんとした表情をしていただろう。 何を言っていると……。
少し息を吐いて、押し倒された格好のまま、手を伸ばす。 怒るとは思っていたけれど、ここまでとは思わなかったので、これ以上は言わない方がいいと、口を紡いで。宥めるように頭に伸ばす手。
触れたなら、それに何かを思い出す。]
……そうなったら、俺はお前を選ぶよ。
[けれど、何かを掴むことはなく、その代わり零れる飲みこんだ筈の言葉。はっと、それに気がついて、誤魔化すように]
お前が蘭香を。俺がお前を……そうしたら3人だろ。
[苦笑を浮かべた。]
(*33) 2011/05/19(Thu) 12時頃
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[それだけ状況が悪いというのは、蛍紫自身が話したこと。 だから、たとえば、なんて仮定で済ませられるとは、感じられず]
……何で?
[きょとんとした表情に、問い返す声は、きっと眼差しに反して冷やか。 そんなつもりも無かったけれど、そうなってしまった。
だから、手が髪に触れたときも。 思わず、つよく振り払ってしまった手のちからだって、そんなつもりじゃなくて]
(*34) 2011/05/19(Thu) 12時半頃
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……っ、ごめ 、
[蛍紫より、自分のほうが驚いた。 まるく見開かれた瞳は、いま庭園で雫にうたれている薔薇の葉と、似た潤みを湛え]
…………それでも、オレは、蘭香だけを選ばない。
[苦笑に、きっぱりと答えた表情は。 おなじ場所で、意識を失う前、ごめんと告げた、泣き笑いに似たそれと同じだった]
(*35) 2011/05/19(Thu) 12時半頃
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[髪を撫でれば、首にかかる圧力に、思わずぐっと喉を鳴らすけれど。抵抗せぬまま、濡れた葉の色を見て、苦笑を深める。]
何もかも……と思っていると そのうち抱えきれなくなって、全部取り落とすぞ?
[つっと眼を細めた段階で、眼鏡が飛んでいることに気がついた。 泣き笑いのような表情から逃げるように、指先が眼鏡を探った。]
(*36) 2011/05/19(Thu) 12時半頃
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そうなったらなったで、……蘭香とお前には、迷惑かかんねーようにするさ。
[逸らされる視線には、気づいたから。 ちいさく苦く笑って、身を起こした]
(*37) 2011/05/19(Thu) 13時頃
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俺は、別にお前に迷惑かけられても良いのだけどな。 今更だろう……。
[冗談を言えというから、冗談を言ってみたという声音で、重くならぬように言う。]
俺が言っているのは、そういうことではないよ。 お前が心配なだけだ。
[己の放った言葉に、またデジャビュを覚えながら、身を起こす際に揺れる相手の髪を見つけた。]
(*38) 2011/05/19(Thu) 13時半頃
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もう、十分掛けてるじゃんか。
[これ以上どうしろと、と肩をすくめて笑う。 今更といえば、今更でもあり]
オレだって、お前が心配だよ。
[甘えている自覚はある。 けれど甘えられた覚えは無い。 迷惑かけようとしないのはどちらだと、思う]
(*39) 2011/05/19(Thu) 13時半頃
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そうか……。
[珀の言葉に、ふっと唇の端を持ち上げた。 その言葉だけで十分だという思いと。 そうでない想いが混ざって。
その話題に関しては、それ以上言葉を紡げない。
まるで無意識に、百瀬の質問から逃げたように。]
(*40) 2011/05/19(Thu) 13時半頃
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そうか、世界は3人だけで閉じている訳ではないものな。
[ぼそっと呟いたのは、百瀬が去った後だろうか。]
決めつけられれば、怒る、か。
[判っていたけれど、実際の所、判っていなかった事実を百瀬につきつけられた形。 世界は3人だけでないということだけでなく、幼馴染達もそれぞれ恋愛をするだろうということも、実際に同性同士に芽生える恋愛感情があるということも。
……と知らされて、ん?と何か引っかかったように、眉間に皺を寄せる。自身については、まだ、判っていないという風。]
(*41) 2011/05/19(Thu) 15時半頃
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