30 ─今夜、薔薇の木の下で。
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─ シャワールーム ─
…… あ
[白濁した左目ごと向けられたドナルドの視線に、再度ギクリとする。 中学時代を思い出す。ある種の方向性に傾いた上級生達に、ある種の方向性で絡まれないよう、彼等の輪の隅に座って過ごしていた日々の事を。暴力や嗜虐心の対象にならないひそやかな努力。ある種の価値が無いと思われる努力。 「不味い」と思った瞬間には、遅かったろう。ふるりと水飛沫を滴らせて首を振るけれど、長い前髪も濡れていては、視界を遮断してはくれない。
薔薇の香りが立ち上る場所に吸い寄せられるよう、ラルフの視線は、獣のように大きなドナルドの生殖器と。それから──それの周囲の燃えるような赤毛、引き締まって厚みのある腹部のくぼみ、胸筋、タオルに隠された薔薇の呪いが刻み込まれた広い肩へ。]
(2) 2010/09/06(Mon) 00時半頃
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その…… 何でも ない。
[視線を逸らしても駄目なのだと。 ドナルドを見詰めたまま、何とか首を横に振った。]
(5) 2010/09/06(Mon) 01時頃
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[ラルフが、濡れたタオルを元々、腰の当たりにさりげなく持っていたのは、シャワーを浴びる前からだ。ラルフは、熱を帯びる身体を冷ます為に、水を浴びに来たのだから。その行為が今、ドナルドの目に身を守るか細い草食獣のように映らなければ良い、と内心でラルフは思い、その後の言葉の流れで、抱いた不安が被害妄想だけで済んだ事に安堵する。]
食堂は二人、先に行って── 俺は……まだ ね。
[なるべく自然な調子で話しをしようと、ドナルドにも軽く手を振り。 ルーカスには話を振る。]
そ、うだ、ルーカスは。 食堂にユーリィが居なかったら、トニーと話してあげなよ。 昼間はトニーもロビンとプールで楽しそうだったから 今は忘れてるかもしれないけども。 薔薇園を確認に行ったんなら。
(10) 2010/09/06(Mon) 01時頃
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…え。ユーリィとトニー。 ドナルドとベネット。 サイラス……、否。
皆、急にここ一日二日で仲違いを──? 変だね、何だか。
[中等部の二人は知らないが、高等部の組はそれなりに上手くやっていたのでは無かっただろうか。違和感。それ以上は、口にするではなく二人を見送り。]
(19) 2010/09/06(Mon) 01時半頃
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─ シャワールーム ─
[ルーカスとドナルドの姿が完全に見えなくなってたのを確認してから。 ラルフは大きく息をついて床に座り込む。カクカクと脚が震えていた。 吸い込む酸素、薔薇の香りが浴室から薄れている事に気付く。 ラルフが浮かべた表情は、何でも無い日常会話を寮生同士で交わしただけ、と言った所ではり付いたように固まっている。]
──… み、 ず
[もう人が居ないのだからと、纏わり付く濡れタオルを床にぞんざいに投げ。 怖かった。と、口の中だけで自嘲するように呟く。 薄氷を踏むような日々を重ねて、最後は逃れた弱者の心地は、踏みにじられ、今は呪いに堕ちた──強い者にはきっと分からない。小さな針が刺す苦痛でも酷く感じられる、鋭敏で繊細な感覚を持った、自尊心の高い少年のことなど、きっとドナルドには。]
(36) 2010/09/06(Mon) 02時半頃
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もうドナルドは“あちら側”の人間なんだ──。
[零れる言葉は断定。 他の者は薔薇その者でなければ分からないだろうけれど──けれども、ラルフには分かってしまった、感覚で。呪いの痕跡がある傷口を見た訳でも無いと言うのに、かぐわしき薔薇園の棘が、ドナルドの鞣し革のような皮膚に食い込み、毒を注ぎ込み血を狂わせる様子が目に浮かぶような心地がする。 上手く言語化する事は出来ないそのヴィジョンは。 今は、誰にも、ドナルド本人にさえも伝える事が出来ないだろうけれど。]
(37) 2010/09/06(Mon) 02時半頃
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/* 役職が多くて占いCOをどうするか考えるのに おそろしく時間が掛かってしまった。 薔薇の毒の効果とかカオス過ぎる……。 ログ読みで、ほぼ誰とも話してないぜ、今日!
(-4) 2010/09/06(Mon) 02時半頃
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/* 聖痕者が、ルーカスかサイラスだよね。 トビーは片思い当たりなのかな。 役職が分かる占い師(名前なんだっけ)になりたかったでござる。
(-6) 2010/09/06(Mon) 02時半頃
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─ シャワールーム→食堂 ─
[排水溝へ流れて行く透明なシャワーの水。 タイルの上に膝をついて覗き込んだ所の、下肢の熱は幾分ゆるやかではあるものの、先刻感じた記憶の痛みを経ても消えることなく渦巻いている。誰にも気付かれなかったのは(弱みを人にさらしたくないという意味で)幸いだったと思う。 自分の手で熱を解放すると言う事は、その作業の過程で想起するものも含め、今のラルフにはけして認められない事だ。だから、身体が冷たくなるほど水を浴び続け、熱がおさまるのを待って、シャワーを出た。
食堂でも先に出た二人は、その年頃の少年の通常の食欲を考えるなら、またすれ違いになる頃だろう時間を経て、ラルフも食堂へ入った。 緑豌豆だけが残った皿の側に服を着てあれば、しょげた大型犬のような姿に見えるドナルドに、]
──… ねえ、ドナルド。 そっちの部屋は、仲直り出来ないの?
(45) 2010/09/06(Mon) 02時半頃
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─ 食堂 ─
[ドナルドには、何でも無い自然な会話だけをしようと思って話し掛けた。
それにしても、食堂にはすでに生徒の姿はほとんどない。 ここ二三日、まともに栄養のあるものを摂取していない所為で、胃が弱っているにも関わらず、ラルフはとても空腹だった。牛肉をこってりと煮込んだスープに、パンとバターを多めに皿に取り、緑豌豆が食べられないわけではないが、温野菜の類いはあまり取らない。
食事を取ると決めた時のラルフが食べる速度は、見た目に似合わず案外に速く。骨付きの肉片にこびり付いたほぐれた筋繊維を丁寧にねぶって、皿の端に避ける指先は器用。 ソースをすくうパンを手に取る前に、肉汁で汚れた指先を舐め、ホウと息を付く。満腹になり過ぎると後で胃痛で後悔するのだが、餓えている時、欲望を満たす手を止める事は無いのだ。]
(54) 2010/09/06(Mon) 03時頃
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[ドナルドに、目を丸くされて、]
空腹ってよく出来てると思わない? 食べるときと食べないときの差が激しいからかもしれないけど。 俺は、足り無い栄養だけ、すごく欲しくなってるんじゃないなって時がある。 セロリとレバーペーストがやたら美味しかったり。 トマトを何個食べても平気な日も。
[今日はそれが牛肉だったと言う風に。]
(66) 2010/09/06(Mon) 03時半頃
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[日常の会話をする内に、シャワー室で直感的に感じとった事実への不安や、火傷するかもしれない箇所を何度もなぞる行為の不穏さは薄れて行く。 シャリと早生種のまだ青みが残る西洋梨を口に含みながら、]
…ん。 身体に足り無いものを、 意識しなくても、身体が知ってる──。 知ってるから欲しがるみたいに感じる。
──…… 身体が大きいとそう、なのか。 何時でも足り無いって事になるよね。すぐに。 背は、無いよりも有る方が良いよ。 目の高さが変わるだけで、(扱いが)変わるもの。
(73) 2010/09/06(Mon) 03時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/06(Mon) 03時半頃
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[最後の言葉で薄くくちびるを開いたままうつむいた所為で、果実の雫がぽたり机に零れそうになり。慌てて手で拭い苦笑して誤摩化す。]
俺も、もう少し背を伸ばしたいけど。 最近、食事以前に不眠が酷いから── そろそろ止まってしまうかもしれない。
[それは、厭だなと呟き。膝の関節はまだ痛み続けているけれどと思う。]
……そう言えば。 ベネットは俺より、もっと食べないね。 今夜は食べたのかな。
[ベネットの事を口にだすのもドナルドに話し掛けるのと同じ、彼に醜いと言ってしまった後ろめたさから来る事なのかもしれなかった。]
(78) 2010/09/06(Mon) 04時頃
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─ ラルフの部屋→トビーの部屋 ─
[食事を終えて、部屋に戻るとディーンのタオルケットとシーツだけが部屋の前に重ねてあった。部屋に運び入れるのは当然。けれども、運ばれた時の薔薇の移り香>>27に目眩がして。無言で窓を開く事になる。]
……気持ちわる、
[シャツのボタンをはだけて、何時もの机前の椅子に座り。 机の上に積み上げたままの本と、寝台と、それから窓の外に見える元々のディーンの部屋に順々に視線を移し。今の状態が、部屋を出る前とほぼ変わっていないと言う事実にラルフは気付いた。 困ったように眉を寄せ、細長い脚を組んで窓枠に引っ掛ける。 椅子の上で背を反らすようにして、両目を手で覆って隠した。]
そう、だ。 トビーにアイマスク借りるんだ。 食堂では会えなかったし。
[部屋で待つ時間が減るのは幸いだと、ラルフはトビーの部屋の扉を叩く。]
(79) 2010/09/06(Mon) 04時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/06(Mon) 04時頃
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/* >>79 トビーって、何と言う人狼審問。 すまなかっt
(-13) 2010/09/06(Mon) 04時頃
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ラルフは、トニーの部屋の扉をトントンとノックした──。
2010/09/06(Mon) 04時頃
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>>50
[流石にユーリィも戻っているだろうと、トビーの部屋の扉をノックしながら。先刻、ドナルドに話した事を思い出す。「こういう時って、どうすりゃいいのか…わかんなくて。>>50」と言うドナルドには頷いて、]
相手を怒らせた──のかな 戻って来てくれなくなった原因は、 どうにも出来ないの かな。
[と、慎重にこたえた。相手の気持ちが如何なものかドナルド知っているのだろうか、尋ねてみたのかと。それから、食事量の話をした時に、健康を損ないかけると心も弱く、不安定になるから──と。食事を持って行ってはどうかとまでは言わないものの。 そう、ラルフもベネットが不幸になれば良いとまで思っている訳では無いと思う。おそらく。けれども、三組の同室者の仲違いのうち、ディーンとサイラスは……まだ。今夜と言わず明日もディーンが居れば良いのにと思う。]
(84) 2010/09/06(Mon) 04時半頃
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─ ラルフの部屋 ─
[尋ねた部屋のトニーはどんな様子だっただろう。 彼等の部屋で起きた出来事を知らないラルフは、年下の子どもに問う態でユーリィと仲直りは出来たのか?とトニーに軽く尋ねた。もし、ユーリィの不在を聞く事が出来れば、夜中に外を探そうとしてはいけないと口にするだろう。
青い薔薇の香りは、夜闇が深くなるほどに濃密さを増す様で。 と──アイマスクを借りて、部屋に戻ったラルフは、窓を開け放っても変わらぬねっとりとした空気に、重くるしい息を吐いた。]
──……
[眠ろうとするわけではない。 ディーンを待つ間、ただ視覚を遮断して暗闇を味わう事を試みようと、アイマスクを付けて、何時もの椅子に座った。投げ出した脚は、あやういバランスで窓枠に乗せたまま**。]
(86) 2010/09/06(Mon) 04時半頃
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ラルフは、ディーン──暗闇の中で目蓋を閉じ、薄くくちびるを開いて呟く名は**。
2010/09/06(Mon) 04時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/06(Mon) 04時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/06(Mon) 04時半頃
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─ ラルフの部屋>>86 ─
[両目を覆ってしまうと、視覚を失う分だけ受ける刺激の種類が減り、少しは楽になるような気がした。けれども、重くるしい身体。中心となるその箇所から熱のかたまりが全身に広がり、投げ出した手足の指先までを覆うよう。 窓の外から時おりおとなう風が産毛を撫でても、肌が粟立つ。 嗚呼、これもまた──ままならない事。 茨が渦巻いているのは、身体の外ではなく、ラルフの内側ではないだろうか。
熱源には触れることなく、苦しさにじっと耐える。 忍耐と言うのはきっと案外に得意だ。思春期に入ってから何時も身体の何処かが軋むように痛んでいて、それをすべて外に漏らしているわけにもいかなかったし、目立たぬ生徒でいる為に翼を畳み、膝を、心を幾らでも折って来たはず。
「デカ過ぎても、それはそれで目立つだけ>>95」 食堂でドナルドが言った言葉の奥の意味をラルフが知る時が来るならば、強者へのおそれは、別種の憧れや羨望に変わるのかもしれない。]
(119) 2010/09/06(Mon) 13時半頃
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>>88
[几帳面さを感じられるノック。繰り返す数は三回。 ディーンが戻って来た事を知り、アイマスクの下で睫毛を動かす。小さく首を振ると、前髪がサラサラと乱れて皮膚をくすぐる。]
──…… おかえり、ディーン。 鍵、開いて……る。
[返す声は、熱に少し掠れていた。 脚をおろして、扉を開けるため、立ち上がろうとする。 窓枠に脚を掛けて本を読む事は慣れていたから、脚をおろすのは視界がなくともそれ程困難ではないはずが、──バランスを崩して、椅子が大きく斜めに傾いた。]
… あッ
[頭がクラリと揺れる。流石に窓の方向に倒れる事はないだろうと思いながら、咄嗟にしがみつく場所を探して、手を伸ばす**。]
(120) 2010/09/06(Mon) 13時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/06(Mon) 13時半頃
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[机か、寝台が有ると思った方向に目測で手を伸ばしたつもりだった。 けれども指先は空を掴んだだけで、これは──落ちると思った瞬間。 ディーンの指先が指に触れ、そのまま腕に包み込まれた。落ちた先は床ではなく、背に触れるのは、完成形に近付きつつあるディーンの肉体の感触、湯上がりの体温と湿度、抱きとめるため籠められた力。]
──…ッ ぁ また、こんな……
ごめんな さ、
[自分のうかつさと情けなさを呪う気持ちが、まるで抱きしめられているかのような錯覚に陥る心地良さの中で、奇妙な痛みとなる。甘い声が零れそうになって、ディーンの腕の中で身を震わせた。]
(125) 2010/09/06(Mon) 16時頃
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[聴こえたディーンの小さな声が無ければ、すぐに起き上がろうとしたのかもしれない。今、ディーンはどんな表情を浮かべたのだろう?──身体を密着させたまま、それを見たいと言う誘惑が、ラルフに先にアイマスクをずらそうとする動作を優先させる。 片手はディーンにしがみついたまま、もう片方の手を自身の目元に伸ばしかけ、]
あッ
[薔薇の香りに煽られた熱がディーンの脚に触れている事に気付いてしまう。]
(126) 2010/09/06(Mon) 16時頃
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[ディーンから離れなければと焦る気持ちが、余計に動悸をはやくする。身体が密着してしまうよう抱きしめられて、伸ばしかけた手が止まってしまう。 心臓の高鳴りと同時に熱は膨らんで。予期せぬ耳元に与えられる刺激に、びくんと捕えられた魚のように背を跳ねさせる。]
──…ッ あ
[アイマスクはトニーに借りたのだと言う事や、普段の座姿勢について、説明をしようと思うけれど。半端に伸ばしたままの片手は、行き場を失ってそのまま。]
……やぁ あ 大丈 夫… 怪我は、──ん
あ 嗚呼ッ、
[零れるは明確に色付いた甘い音。 闇の中で衣擦れの音が聴こえる。ディーンの手のひらが触れるたび、身体が浮遊して自身のものでは無くなって行くような感覚。肩が胸に、胸に滑る指先が腰に触れるたび、震えながら身を捩る。与えられる刺激に、耐えきれなくて、大きく胸を喘がせて背をのけぞらせた。]
(133) 2010/09/06(Mon) 17時頃
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痛く な いから──
[止めてくれて良いのだと伝える事が出来ず、甘い息を吐きながら震えるくちびる。 アイマスクの向こうのディーンの表情は見えない。常と変わらぬ案じるような響きに、いたたまれなさ、羞恥が高まる。 もうこれ以上、知られてはならない。増してくる熱を隠さなくては、脚に触れている手を止めなくてはと、右手を伸ばそうとした。]
(134) 2010/09/06(Mon) 17時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/06(Mon) 18時頃
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[視界が覆われている所為で、次に触れられる場所が分からない。 ただ、ディーンの指先は、核心に近付くほど、ラルフの熱を煽っていくような気がして。はだけたシャツの胸元、鋭敏な感覚を持った尖りに触れる唇。手のひらが滑るのとは異なるチリリとした刺激。]
──…ディーン
[唇の近くで名を呼ばれて泣き出しそうになる。 耐えきれずぎゅっと目を閉じたその表情を見られずに済むのは助かるのだけれど。漏らす熱い吐息がディーンに触れるのが怖い。止めたかったはずの手は簡単に絡めとられて、逆に利き腕を縫い止められてしまう。]
ディ、 ん
[識りたいと言う言葉にそれを識っては駄目なのだと首を横に振りかけて、咎める響きは、もう一度、名を呼んだ所でハッとしたように静止する。]
(148) 2010/09/06(Mon) 19時頃
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[ままならない熱のかたまりに触れてたのは、 ラルフと同じディーンの。 同じ構造を持つそれらが布越しに擦れあうと、もどかしさと刺激に、悲鳴のような声を上げそうになる。ラルフがくちびるを噛むよりも、触れそうで触れない位置にあったディーンくちびるが落ちてくる方が先。]
… ん ぁ ッ── 俺、だって、君のことを、
[識りたいと先に口にしたのはラルフの方だ。 けれども、きっと先に暴かれてしまう。絡めあう舌は、擦れあう熱はディーンを求めてしまう。 ラルフはディーンの姿を見る事が出来ないのに、ディーンに、彼が欲しくてたまらないと言う事を隠す事が出来ない**。]
(149) 2010/09/06(Mon) 19時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/06(Mon) 19時頃
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─ 夜の薔薇園にまつわる話>>157 ─
『夜の森に行ってはいけない 特に──薔薇の木の下へは。』
[「夜の散歩は、そもそも寮則違反だよ。寮則を守っていない上級生はいるけれど学生の本分じゃない。」とラルフが小さく笑ってトニーに答えた時、ユーリィはすでに、銀糸を乱したまま蠱惑的な姿で夢の茨に囚われていたのだろう。
今は無理でも仲直りはきっと出来るとは、ラルフはトニーに言わなかった。「トニーがユーリィの為に無茶をする事が無ければ良いよ」と外へ探しに行かない事を含めて、少し安心した様子で部屋を出た。少年が寂しくならないよう、ロビンと仲良くねと言う言葉を添えて。
薔薇園でもしもの事故があったら。 中等部の時、ラルフの身に起きたような出来事が一年生のトニーに間違って起きてしまってはと言う、太陽へ向かい伸びゆかんとする目下の者へのラルフの想いは、トニー本人には伝えないまま。薔薇園だけに在るべきものが、セシルに乗り移り、少年達が守られてあるべき寮内に入り込んでしまっている事には(青薔薇の香りの中にあって)まだ気付けないまま*。]
(178) 2010/09/06(Mon) 21時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/06(Mon) 21時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/06(Mon) 22時半頃
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>>164>>165
[少しは自由になる脚を動かして後ずさろうとするけれど、縫い止められているのが片腕だけでは無いかのよう。 ──覆い被さるディーンの身体の重さが。 ──言葉を紡げぬよう塞がれたくちびるの苦しさが。 ──欲望のありかをラルフに示すその箇所の動きが。
ラルフの身体だけではなく、魂を惹きつけそこに縛るかのような心地。 ふる、と首を横に振り、酸素を求めるように息を喘がせる。]
……や、
[零れる音は、振りほどいて逃げると言う行為への否定。 自由になった指先を目元に運びながら(それは布を取り去りたいのか、ただ目元を押さえたいのか)、衣服を剥いで行く、ディーンに縦に小さくこくりと頷いた。]
(223) 2010/09/06(Mon) 23時半頃
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逃げ、られない よ。 だって──
[追い詰められたように、囁く。 君が欲しい、と言う言葉は消え入りそうな小さな声。 滲じみかけた涙はアイマスクの影に隠れているけれど、頬が熱く、目眩がする。 成長途上の少年の痩せた身体は、当然、おんなのような丸みはなく、かと言って男らしい堅牢さも持ち合わせていない。素肌が夜気にさらされ、ディーンの手のひらがダイレクトに触れると耐えきれず、ディーンの服を手探りで掴み、ぎゅっと握りしめた。]
(225) 2010/09/06(Mon) 23時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/06(Mon) 23時半頃
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/* >>224 なんだってー 薔薇園危険すぎるぜwww 近寄れないwwww
(-48) 2010/09/07(Tue) 00時頃
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──… ディーン
[名を呼ばれると胸が甘く痛んでざわめく。 呼び返すラルフの声には、もう咎める響きは混じらない。
脱いで欲しいかと言う問いの答えはYESだ。こくりと頷いてもう一度掴んだ布地を引くだけのつたなく臆病な返答。]
(253) 2010/09/07(Tue) 00時半頃
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