25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[着物の隙間から肌に直接触れる手指。 唇には己がそれで触れてゆっくりと開かせていく。
薄灰を取り去ることはせず。 花の様子を一つ一つ確かめながら、こころ を抱いていく。 身などない体を。
月明かりの下、聞こえる吐息も魅せる貌も。 寄り一際美しく感じられて。
此度は優しくあろうと、花を乱すのも開かせるのも時間をかけて。
夜が明ける頃には、疲れないはずの体を壁に凭れさせて、花の体を誰にも渡さぬよう、腕に*抱いていた*]
(+0) 2010/08/08(Sun) 09時半頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 09時半頃
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[緋色に咲いた蝶、血濡れの朧月。 赤は欠け続ける 月に照らされ鮮やかで、
対であり 高嶺の花である 白い鳥は
ただただ、常世に在りて 見届ける。 つきり と 胸奥と貫かれた傷が痛む]
(+1) 2010/08/08(Sun) 10時半頃
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[薄灰乱れても、床に落ちることは無く 有るはずの無い身体が受ける愛撫に、暴かれていく。 花は恥じらい、冬は躊躇いを相貌に映す。
吐息乱しながら、ゆるりと深く重なるくちづけ 巧みに誘われ、応える術を直ぐに会得し自らもと 袖に縋りついていた両腕を背へ回し、主の官能を呼び覚ましていく。
想う先は此処に、案ずる先は向こうに 獣は人と変わらぬ情を持ち、哀愁をうたった。 心暴く指先が優しければ優しいほど 降る雨は細く長く 其れはまるで秋雨のように。
一晩中囀った身は、くたりと疲れ果てた様子をみせて 主の腕の中で乱れた着物を整えながら、昨夜のふたりが 狭間へ浮かぶのをぼんやりと見ていた]
(+2) 2010/08/08(Sun) 10時半頃
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[冬もその主も 隔たりとおく。]
――――、 …
[唇が紡ぐ名前、 まだ音にならず。
狭間に遊ぶ蝶を探すように 白い指先を空に彷徨わせる。]
(+3) 2010/08/08(Sun) 10時半頃
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[りぃん、と
鈴が、鳴った。]
(+4) 2010/08/08(Sun) 10時半頃
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[鈴の音が聴こえる。 高嶺の 花は二つ 落ちた しかし魔を払われた身に 暗い悦びは芽生えず]
……
[複雑な顔をして、瞳伏せる]
(+5) 2010/08/08(Sun) 10時半頃
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人間は嫌い 壊れてしまえば良い
そう……思ってたのに**
(+6) 2010/08/08(Sun) 11時頃
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…―――
[にんげんはきらい。 過去形での小さな呟きが聞こえた気がした。 紫苑色の眸がゆっくり、瞬き伏せられた*]
…――― …ひとも、ひとを、殺すのに
(+7) 2010/08/08(Sun) 11時半頃
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説法師 法泉は、執事見習い ロビンの零した言葉にその背を撫でる
2010/08/08(Sun) 13時頃
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獣の方が、情は深いのやも ……しれません。
[背を撫ぜる手、正面から首に腕を回して 主の膝の上、ぎゅうと抱きついた。 閉じた瞳の裏に、現世が映る]
私のこころは此処に それから、向こうにも
どちらも大事 二つこころが 身を切り裂いて やがてあちらにも、私は産まれる けれど主さまが求める限りは 此処にも確かに有る故に
(+8) 2010/08/08(Sun) 13時頃
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[――――入り乱れ 縺れ絡んだ蜘蛛の糸。 狼も人もがんじがらめな]
…朧さま……
[―――りん、と鈴の音。 掬うように重ねた手には 檳榔子染の髪結い紐が幻のように浮かび上がる。。
一度結んだきりのそれを きつく握りしめた。]
(+9) 2010/08/08(Sun) 14時半頃
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[主の腕の中、薄らと艶帯びて笑む 花は哂いながら詠う] ――狂うたのは
人なりや 獣なりや
[哀切混じる声音]
人のなんとおぞましい 獣のなんと浅ましい
人間は、嫌い けれど でも
[歌は呟きにかわり、薄れ]
(+10) 2010/08/08(Sun) 15時頃
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[握る手に口づけそして開く。 檳榔子染の結い紐と いつか飾られた紫の蝶。]
…――――鳥は… 最期、あいに、なく
[愛に、哀に、会いに、 相に、―――― ロビンの歌うような声が聞こえた。]
(+11) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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……でも…?
[かききえた続きを 促すような呟きがある。 現世との狭間、 血塗れの獣がわらっていた。]
――――ひとと狼は 恐れあいながら その癖何処か、似ているのか。
けもののようなひとも、 ひとのようなけものも、 狭間でゆらめくものも、
(+12) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 15時半頃
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[―――眉を寄せた。 法泉に、頑固だなどと思われているなど知らず。]
――――己を殺したのはにんげんで、 ――――切っ掛けを作ったのは獣の病の罹患者だ
獣はひとのように悼み ひとが獣のように屠る
…何を憎めばいい
[衣をきつく握る。 常世へ落ちて後、いまだ鵠は膝を折ったまま動けない。]
己は、何を
(+13) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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[ぶつける場所に惑い、 痛みは堂々巡りで渦を巻く。 責めは何もできず散った自分自身へ向きもする]
――――…は…、
[俯いた。 ―――りん、と小さく鈴が鳴った。]
(+14) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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恨む必要も嫌う是非もない。
人も獣もただ生きて死すのみ。
誰が大事であるのか。 必要なものは何か。
それだけわかっておればよいように思います。
[静かに口にして。花に身を寄せた]
(+15) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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けれど でも
いとしいと 思う先もまた 人間
[促され、囁き返す]
……似ていたのかどうかは知らぬけれど 己に無いものを欲しいと 寂しくて 淋しくて 手に入らぬなら、壊してしまえと 狂ったのは、どちら
(+16) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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誰が駒鳥 殺したか それは 噂
真実は誇張され 嘘が混じる
けれど 憎みたいなら
(+17) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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……主さま?
[傍で囁いていれば、静かな主の言葉。 見上げ、一度目を丸くして 頷いた]
――…けど、其れを 見つけるのは中々難しいんですよ。 ボクみたいに、隅に隠れて逃げていては。
(+18) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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―胡蝶の夢―
[己が魂と常世を繋ぐ糸が絶たれる前。 夢現に、胸元に宛てられる刃物の感覚を得た。]
『嗚呼、なんや、殺してくれはるなら 謂うてくださればえかったのに…… 本郷様に頼まれた鷺草を、作れないやないですか』
[現で既に音にならぬ声。 笑いを堪えるように震えたのは、常によに肩だったか。 もはや、蝶の翅(魂)だったか。]
(+19) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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[かけられる言葉に、沈黙。 蝶の翅に絡む新たな細い糸は、まるで手妻の種のように。
死ねば、唯の蝶になれると思っていた。 けれど、所詮、胡蝶の夢 ――……夢の中を花であったと覚えながら、蝶は飛ぶ。
細い糸の先は、主の傍らに咲く双花の片割れに。]
『わすれへんですよ。朧様。 きっと、片割れの花も……』
[もとは果たして何色だったか。 紅に染まった花の隣、白の花から蝶は糸を引く。]
(+20) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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鵠……―――
[その糸を渡すべき片割れの名を呼んで、蝶は青い空を翔る。 生きる時の夢では、届かなかった手を翅にかえて
――共に飛ぼうと。
姿を見つけし鍵は、りん――と鳴る鈴の音。]
(+21) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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――…己は仏にはなれない
[僧の言葉に、 鵠は首を横に振る。 嫌いで いとしい そう、囁く声がある]
…憎みたいのか、 ……行き場がない。 憎みきればいっそ楽なのかも知らん…。
[苦さ混じるこえ。
――――りん、と 鈴の音すれば顔を上げた]
(+22) 2010/08/08(Sun) 16時半頃
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―そして夢から醒めた狭間の場所で―
[りん――鈴の音に誘われるよう。]
[夢から目覚めるに似た、薄ぼんやりとした意識。 頭を掻く――その仕草に、今自分は蝶でなく、人の形と識る。
狭間を彷徨う3人にも、その姿は、初めは霞のように朧げに。 しかし、次第にはっきりと見えるようになるだろう。]
……何の話、しとん?
[3つの魂は、そろってあるやなしや。 聴こえる声に、問いを向ける。 かんばせに浮かぶ表情は、その場の話題には似合わないか ――生前と変わらずの微笑。]
(+23) 2010/08/08(Sun) 16時半頃
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……かげつ?
[紫苑色は空を見る。 手をまた伸ばせば 微か糸が煌めいたように見えるか]
(+24) 2010/08/08(Sun) 16時半頃
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鵠、さん、ちょっとぶりでえぇんかな。
[花の名で呼ばれれば、 相手の名を呼ぶのに惑ったような違和が生まれる。 ひらひら――何かを誤魔化すように手を振れば、 まるで手妻の種のように糸が煌いた。
――……幻の糸手を、どこか躊躇いながらも 空に伸ばすような手に向けた。]
(+25) 2010/08/08(Sun) 16時半頃
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…、―――― っ、
[名前を戸惑うように呼ばれて、 表情が何処か泣きそうに歪んだ。
差し出された煌めく幻の糸、 指先に絡めて]
…胡蝶、
[震えた声で漸く呼んで 彼の手を取って 体預けるように側へ。
―――りん、と鳴る]
(+26) 2010/08/08(Sun) 17時頃
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そんな顔しぃへんといて。 ひどぅしとなるやろ?
[泣きそうに歪む顔を見て、 褥の言葉を重ねて、揶揄うように紡ぐ。
あの時と同じよう。 言葉とは裏腹に、優しく、けれどしかと絡める手。]
鵠……―――
[朧の花である証、渡した後。 花でない名を呼ばれれば、今は鳥に寄り添う蝶となりて。 敬称なく、惑いなく、呼ぶ名。
―――鳴る音と共に、寄る身をかき抱いた。]
(+27) 2010/08/08(Sun) 17時頃
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憎みたいなら、 ひとは獣を 獣はひとを ひとが獣を殺し 獣がひとを喰らう限り
我等はこの先も 相容れぬ
[うた紡ぎ終える頃、蝶が舞うを知る 主の腕に擁かれたまま、高き嶺の花が揃うを 遠くを見詰めるよう流し見た]
(+28) 2010/08/08(Sun) 17時頃
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[獣とひとは相容れぬ。 ひとのように情を見せる少年は 少年の声で獣をうたう。 ひとをうたう。
それは最早さだめだろうか、 けれど今、答えは出せず。
―――見るは、対の花、高嶺の花、蝶――]
(+29) 2010/08/08(Sun) 17時半頃
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