254 東京村U
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人
狼
墓
少
霊
全
ジリヤに1人が投票した。
みょんこに4人が投票した。
みょんこは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
全ての人狼を退治した……。人狼に怯える日々は去ったのだ!
硯友社 みょんこは、メモを貼った。
miseki 2016/10/07(Fri) 00時半頃
PPP イルマは、メモを貼った。
gekonra 2016/10/07(Fri) 00時半頃
酸味探し ドリベルは、メモを貼った。
mimu175r 2016/10/07(Fri) 01時頃
硯友社 みょんこは、メモを貼った。
miseki 2016/10/07(Fri) 01時頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
noko 2016/10/07(Fri) 01時頃
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◆希望調査アンケート
記入者氏名 : 日付: /
項目1 どんな未来をご希望になりますか?
何者の干渉もない、本来あるべき未来を
E4444444
※ アンケートへのご協力 ありがとうございます。 よりよい社会のために、ご意見を反映させてまいります。
***
(0) miseki 2016/10/07(Fri) 02時頃
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[手早く書き込まれた"希望"に女は目を眇めた。 口元に手を添えて緩やかに小首を傾げる。]
…
(1) miseki 2016/10/07(Fri) 02時頃
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みょんこは、ふうっと息を吐いた。
miseki 2016/10/07(Fri) 02時頃
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[節目がちの瞳は、どこか無表情にも見えた。 憂うように薄い瞼がぱちぱちと数度瞬きをする。]
この回答、
…… これで何回目だったかしら?
(2) miseki 2016/10/07(Fri) 02時頃
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[ぼそりと無表情につぶやいた女は、やがてゆるゆると首を横に振った。]
……お疲れになってしまったんですねえ
[しかたないことかもしれませんが。そういいつつも いくらか──残念そうに、消沈して女はそんなことを言った。]
怖いこと、不可思議な体験。 もう、嫌になってしまいました? それとも……やっぱり、 モノを書かれる才能がある方は、 別のやりかたなんて邪道だと思われるのかしら。
[それまでの機嫌のよさはどこかに消えて、 悄然とした態で眼鏡の女はぶつぶつと言葉を繰った。]
(3) miseki 2016/10/07(Fri) 02時半頃
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東京村の、登場人物になるのは、 もうこりてしまわれました?
でも、お名前をださないままでしたけれど 木露先生はこれまでも著作に 登場なさって、いらっしゃったでしょう? 私、先生とは、同志になれるかもしれないと思っていましたからええ、勝手だとは思いますけれど残念で。ごめんなさい……思い違いだとはわかっていましたけれどとても残念です。 いえ、しょせん文字でおはなしをつくることさえできない、負け犬の遠吠えなのかもしれませんね。
それに未来を目指して歩くことと、過去を変えることは別ですから影響を消すというのは、どうにも難しいでしょうね。 それになにもかも相互に影響し干渉して繋がりあっているものですから、干渉をすべて消すだなんてことはそう上手くいくとは思えませんけれど──
(4) miseki 2016/10/07(Fri) 02時半頃
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[そうつらつらと、半ば独り言じみた言葉を紡ぎながら、女は立ち上がったまま、緑のカーテンのほうへ歩いていく。]
ただ、
[からり。と、ごくごく軽い音を立てて、 狭いベランダへの出口が開いた。]
"干渉がなかった未来"へ近づくために わたしができることは、ありますね
(5) miseki 2016/10/07(Fri) 02時半頃
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硯友社 みょんこは、メモを貼った。
miseki 2016/10/07(Fri) 02時半頃
酸味探し ドリベルは、メモを貼った。
mimu175r 2016/10/07(Fri) 03時頃
ろくでなし リーは、メモを貼った。
fuku 2016/10/07(Fri) 08時頃
透明女子会 ヒナコは、メモを貼った。
waterfall 2016/10/07(Fri) 11時半頃
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[目の前の女が言っている言葉が、理解できない。 同じ言葉を使っているのだろうか。 同じ人間という存在なのだろうか]
何回目? 何を言って……。
[スマーフォンが振動し、メールを受信する。 その、送り主の名前は――]
(6) sizu 2016/10/07(Fri) 14時頃
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5.アイドルの呼び声の噂
自殺したアイドルの一周忌。 そのファンの集いに何故か僕は代理出席をさせられていた。 一つの部屋に男たちが集い、重苦しい雰囲気のなか語り合う。 そのアイドルには一つの噂があった。 自殺後の歌番組に同じグループのアイドルが出演した時、死んだはずの彼女の声が入っていたと……。 そして、一人の少年が相談と言う形で語り始める。 『夢の中にアイドルが出てきて、助けを求めてくる』と――
(7) sizu 2016/10/07(Fri) 14時頃
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6.地獄の門の鍵の噂
電柱にぶつかりそうになった。 睡眠不足のせいで、歩きながら寝てしまいそうだ。 これも全て、夜中に聞こえてくる奇妙なうめき声のせいだ。 あの奇妙なパズルを拾ってから聞こえるようになった気がする。 そんな事を考えながら、大学時代の先輩に会うために繁華街を歩いていると、道端の占い師に呼び止められる。 その占い師によると、僕には死相が出ているらしい。 軽くあしらって立ち去ろうとすると、あのパズルの事を言い当てられた。 驚いて足を止めると、占い師は語りだす。 あのパズルを完成させた、とある男の末路を――
(8) sizu 2016/10/07(Fri) 14時頃
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[『木露流衣』と署名がされていた]
(9) sizu 2016/10/07(Fri) 14時頃
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[東京村の登場人物とは何か。 何故、担当編集にすら話していなかったことを知っているのか。 色々と気になることはある。 でも、そんなことはどうでもいい]
物語を物語として読者に届けるのが小説家だ。 物語に没頭した後に、現実に戻れるから物語を楽しめるんだ。 独りよがりな空想を無理やり押し付けるのは小説家じゃない。 文字の上でなく、現実で事件を起こすなんて小説家のすることじゃない。 同志だなどと思われていたなんて不愉快だ。
[今まで取り繕っていたものを投げ捨てた]
(10) sizu 2016/10/07(Fri) 14時頃
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あんたに何が出来て何がしたかったかなんてどうでもいい。 もったいつけた回りくどい話はもうまっぴらだ。 過去を変えるだ、干渉がなかった未来に近づくだなんて大それた話をしたいんじゃない。 そんな話を聞く意味なんて無い。俺は、今の話をしてるんだ。 突然、両親を奪われ知らない人間を親として押し付けられた女の子に、両親をまだ殺してないなら返してあげろと言ってるんだ。 そして、もう二度とこんなふざけた事はするなと言ってるんだ。 こんなつまらない話に付き合わされるのはもううんざりだ。
[テーブルを強く叩いて、立ち上がった]
(11) sizu 2016/10/07(Fri) 14時頃
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[ダン!と机が大きくたたかれた。室内の空気が揺れて 風がカーテンを大きく揺らした。]
……そうですか。 考え方の相違ねぇ。 目的の不一致といっても差し支えありませんけど
そう。でも小説家って、そうなのかしら。 やっぱり、
(12) miseki 2016/10/07(Fri) 18時半頃
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["彼女"も 或いは そういうだろうか]
(*0) miseki 2016/10/07(Fri) 18時半頃
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……
(13) miseki 2016/10/07(Fri) 18時半頃
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[独り言めいた納得をこぼしていた女は、一瞬だけ悩むように視線を落とす。ただ、やがて女は窓側から体ごと振り返り木露と出目。二人へと視線を向けた。]
でも。
すっきりと現実に戻れちゃう怖い話なんて、 なんにも怖いと思えないわ
(14) miseki 2016/10/07(Fri) 18時半頃
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[ゆるゆると首を振る。]
現実に返すのがお仕事? 結構だと思いますよ
でも、先生は
東京村の続編をお書きになられるんでしょう?
お引き受けになられたんでしょう?
本当にあった話を連ねた
その本の続編をですよ。
(15) miseki 2016/10/07(Fri) 19時頃
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ぜんぶが嘘だ、創作だ。と、 そうおっしゃられます?
[指で東京村を示す。匿名のだれかが書いた都市伝説風の本。それそのものが都市伝説のようになった一冊>>1:74。]
でも、 “東京村にかかれたことが本当のことだとしたら゛
先生がおっしゃる読者が戻るべき現実って どこのことなのかしら。
"現実におきたこと゛を下地にして 本をおかきになられるおつもりで、 こちらまで取材にいらっしゃったのじゃあないの?
(16) miseki 2016/10/07(Fri) 19時頃
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それに。
ご両親が"仲良く″なられたのは、 彼女が自分で、書いたことでしょう?
希望がかなえられただけのことで、 どうしてそんなに怒っていらっしゃるのかしら。
[まるっきりひとつもわからないという風に、ごく無理解な様子で入間澪音のほうへと、女はぐりんと首をひねった。]
だって、あなたが書いたのに。 あなたが希望したことなのに。 そうよね?
(17) miseki 2016/10/07(Fri) 19時頃
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[すっかり新宿駅ではなくなってしまっているようだった。>>5:182 意味がわからずに、女の目を見ていた。 その、なにを考えているのかわからない目は、本棚へとうつる。 視線の先には青色のファイルが並んでいた。 それがなんだかは分からない。]
……――
[ただ、ただ一つ分かることがあった。 この女は、心配なんかしていない。 かといってひたすらに無関心という感じもない。 なにかに似ている。 そう思って、脳裏に過ったのは、あの両親がいなくなる朝、女友達で集まって、アイドルの怨念がどうとかいうあの動画を見ていた時の自分たちの笑い声で――]
(18) gekonra 2016/10/07(Fri) 20時半頃
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[不快感がこみ上げて、何を言っていいか分からなくなった。 同時に、一二三に今度はちゃんと謝らなくちゃと思った。
キルロイ先生と出目が仕事の話をしているのが、まるで頭に入ってこない。 いや、それはあのアンケート女の受け答えの意味が、思想が、まるでわからないせいもあるのかもしれない。 アンケート女は、にこにこと笑ってさえいる。]
(19) gekonra 2016/10/07(Fri) 20時半頃
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(なんなのこの話)
(なんでもいいからみんな返して)
[そう思った時に、カサ、と紙の音がした。 顔をあげた。
『何者の干渉もない、本来あるべき未来を』
そう書かれたアンケートをキルロイ先生が掲げていた。 アンケート女の顔は――無表情になっていた。]
(20) gekonra 2016/10/07(Fri) 20時半頃
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[先ほどまで機嫌よさげに話していた女は、なぜかそのアンケートに落胆したかのようで、ぶつぶつと、独り言のように、キルロイ先生に話しかけ続けていた。
関わってはいけないものに関わってしまった。 その後悔が、女が口を開いて何事か喋るたびに降り積もる。]
(21) gekonra 2016/10/07(Fri) 20時半頃
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[から、と、音がした。
アンケート女はベランダへと続く出口を開いた。 緑のカーテンが揺れている。 閉じた空間に、出口と、風のとおりみちがうまれた。]
(22) gekonra 2016/10/07(Fri) 20時半頃
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[キルロイ先生の怒声と、机をたたく音でハッとする。 ベランダから風がふきこんだ。入間はすう、と息を吸った。]
(23) gekonra 2016/10/07(Fri) 20時半頃
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――あんなの……あんなの希望しているわけないでしょ!?
アタシは確かにアンケートに八つ当たりしたわよ、 でも別に! 知らない人に……まして、あなたみたいな人に 勝手に何かして欲しかったわけじゃないし!
第一ね、アタシの記憶が間違ってなければ! アタシは「マトモな」って書いたのよ!
人の家にことわりもなく勝手に入って、 見ず知らずの他人の娘に父だの母だの名乗る人間の どこがマトモだっていうの!? 普通の神経だったら他人の家に勝手に入り込んで 勝手に料理なんてつくんねーよ!ばっかじゃないの!?
……だからっ…… とにかく! アタシはこんな未来望んでない。 大きなお世話だから、アタシのパパとママを返して!
(24) gekonra 2016/10/07(Fri) 20時半頃
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[マンションの一室に風がふきこんで、声が大きく張り上げられる。 あんなの とはっきり怒りのこもった声が張り上げられた。]
あら
[返して。と強い言葉に、きょとんと── 目を瞬かせて意外だと思ったというふりを、女はした。] 他人じゃないわ。あなたのパパとママよ。 それなら、あなたのおうちにいるのは ごく普通の、あたりまえのことでしょう?
どうしてパパとママじゃない、なんて そんなことを言うのかしら。
[まるで今の会話でさえ、当たり前の一般的な普通の、 日常の延長線上にあるかのような態度で、女は首を傾げた。]
(25) miseki 2016/10/07(Fri) 23時頃
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[どこか、心配げを装った口調で、あるいは、澪音の両親を名乗る人間がそうしていたのと同じに、どうかしてしまったのはあなたのほうじゃないかしら? と、あくまでもそんな調子で。]
ご近所のひとたちだって、 ふたりがあなたのパパとママだって そういってたでしょう?
[認めて受け入れてしまえばそれが現実だとでも言いたげに、 女は彼女が見てきたはずの "実際″を口にした。]
(26) miseki 2016/10/07(Fri) 23時頃
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[返して。という言葉になおも首が横にかしぐ。そう。と、納得したような、少女の勢いに対するにはあまりにも甲斐も、慈悲も、情も、足りなさすぎる相槌を女はこぼした。]
だめよー。自分の言葉には、 ちゃんと責任を持たないと。
どう転がるかなんて、わからないものだもの。
返して、って。 それがあなたの希望で いいの?
[確認をとるように発する声もまるでうわべだけ人間の皮を張りつけた人形が息を発しているような、そんな音だった。]
(27) miseki 2016/10/07(Fri) 23時頃
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[アンケート女は、悪びれもせずはっきりとあの他人を知っている調子で言った。 ごく当たり前のことで、まるで入間のほうがおかしいとでもいうように。僅かに心配を含んだ口ぶりが、入間の神経を逆なでする。 心のどこかで「アンケートに希望をかいたから」だなんて、そんなことはあり得ないと思っていた。 でも本当にあのアンケートのせいだった。 おかしなカルト集団のせいだった。 それが現実的になってきて、目の前の女とこの空間に対する嫌悪感が急激に高まる。]
……なんで……? あの人たちにだって本当は自分の名前、あるはずでしょ!? どうしてこんな事ができんのよ!
[頭がぐらぐら煮え立っている。]
(28) gekonra 2016/10/08(Sat) 01時半頃
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近所の人にも、あの知らない人達にも、 あなたがアタシのパパとママだって言わせてたのね!?
[あの「なりすまし」たちの言い様とおなじだ。 彼女はまるでこちらがおかしいとでも言うように、知らない当たり前を押し付けてくる。]
ていうか……るい君もあなたのせいなんじゃないの!? そもそも新宿のどこかで迷ってるなんて本当なわけ? どこかに閉じ込めてるんじゃないの? 全然連絡つかないし――ちゃんと家に帰してあげて!
(29) gekonra 2016/10/08(Sat) 01時半頃
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[自分の言葉には責任をもたないと、なんて、どうしてこんなやつから窘められなければならないんだと歯噛みする。]
……どんなにあなたが、 あの人たちをアタシの親に仕立て上げようとしても。 「そうだ」なんて言わないから。
[アンケート女を睨み付けて言った。 小首を傾げたその女は、さらに首を傾げる。 胸の奥がざわざわした。 人形のようだった。 不気味な人形と話しているようだった。 この女を人間として話していてはいけない気がした。 入間は――自分がこの女を怖れていることを自覚した。]
(30) gekonra 2016/10/08(Sat) 01時半頃
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あなたほんとに人間なの?
[非難をするつもりで言ったそれには、自分でも困惑が混じってしまったのが分かった。 こんなに言ってもこの女は、未だ、作り物の常識をこちらに押し付けたり、あくまで人の「希望」をきくことを、まるで意に介さずに続けている。]
(31) gekonra 2016/10/08(Sat) 01時半頃
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返して。
[怖れていることを、アンケート女に悟られたくなくて、声に「震えるな」と言い聞かせようとするのだが、うまくはいかなかった。]
元の――あなたにアンケートを渡す前の、 入間祥子と入間祐輔を返して!
希望?希望っていわなきゃ何にもする気がないわけ!? じゃあ希望よ!
あなたにアンケートをあげたあの朝より前に、 アタシがパパとママと呼んでた入間祥子と入間祐輔を ちゃんと返して。
ついでにいえばアタシの家に寄越した他人は 今後一切アタシに関わらせないでっていうか ちゃんと警察に捕まって。 責任とか言ったよね?悪いことした責任をとって。
(32) gekonra 2016/10/08(Sat) 01時半頃
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―後日―
[新宿衛生病院からの退院は滞りなく終わった。もともと、トラックに突っ込まれた割にはそこまでの重傷でもなかったのが幸いだった。面接については紆余曲折あったが、どうやら再度の面接は可能らしい。 多分、人手が足りていないのだろう。となるとせっかく入社できてもどの程度もつかは怪しいものだが、まあそれは仕方がない]
……それより今は、別にやる事があるからな。
(33) (so) 2016/10/08(Sat) 13時頃
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[山岸五郎はほぼ2週間ぶりに上野中下アパート…カラスマンションに戻ってきていた。もちろん、夜中にライダースーツとグローブ、さらにフルフェイスヘルメットを片手に抱えてである。 警官に職務質問を1度されたが、それはまあ何とか誤魔化して、ようやく家の前まで戻ってきた]
さて……
[5階の自室にも、その隣にももちろん灯りは付いていない。フルフェイスのヘルメットをかぶったままアパートの敷地内の様子をうかがい、何事もないように即座に階段のところまで進む。]
……いないか。
[夜だからなのか、今のところカラスの追撃はいないようだ。階段を注意しながら登っていく。5階の自室までたどり着いたが、そこには入らずにまっすぐ隣室に足を踏み入れた。 当然明りも付けず、まっすぐベランダまで向かう。]
(34) (so) 2016/10/08(Sat) 13時頃
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さて……こっち側だったよな。エアコンの通風孔があったのは…
[ベランダで懐中電灯をつけ、通風孔をのぞき込む。エアコン自体はついているが、ダクトホースが壁の部分だけ妙にひしゃげていた。 まるでそう、孔に何かを「入れる」ために敢えて潰したような…]
ん?奥に何かある。ボロっちいが……何だ、あれ……
[通風孔の奥に何かがある。懐中電灯で照らしながら手を伸ばす。指がギリギリ触れる程度の奥、どうにか先の方を摘まみ上げようとして]
(35) (so) 2016/10/08(Sat) 13時頃
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「K H A A A A − − − − ! ! !」
[突然、背後からけたたましい叫び声と羽音を浴びた。] くそ、またあいつか……!!
[ギャアギャアとわめきながらこちらを攻撃してくる。ライダースーツ、ヘルメット、グローブ。どれか一つでもつけていなければすぐにまた大怪我を負っていただろう]
何時だと思ってんだ、近所迷惑だろ!そういう事情を汲み取れねーのかこのスカタン!
[左手で払いのける。そうしながら、突っ込んでいる右手で懸命に中の「何か」を手繰り寄せる。それはどうにか指で掴め、引きずり出せそうだった。硬い、冷たい何か。若干脆さを感じる「何か」]
(36) (so) 2016/10/08(Sat) 13時頃
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くそっ……離れろ……っつってんだろ!!
[左手に嘴が突き立った。歯を食いしばりながらようやく右手を通風孔から引き抜き、無我夢中で手にしたものをカラスの頭に叩き付ける。ベランダに叩き付ける]
人間ナメんのも大概にしろよ…… おら、死ねオラァ!!死ね……死ねよッ……! トラックに轢かれたみてーに圧死して死ねっ……!!
[遠慮など何もなく、全力で叩き付ける。下の階の灯りが付いたようだったがもはや気にしている場合ではない。全力を込めて叩き付け、ようやくカラスの動きが鈍くなったと感じ始めた頃には、その手にした「何か」は半分砕け散っていた。]
これで……ようやく……
[手にしたものを懐中電灯でまじまじと見つめる。砕けていたが、それは木彫りの彫像だった。病院のベッドの上で見たトーテムとは違う、1つの姿だけを象った彫像。ぎょろっとした2つの目に顔の真ん中に鋭く突き出た嘴、そして下の方に半分砕けた、手足ではなく羽のような……]
(37) (so) 2016/10/08(Sat) 13時頃
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「G Y H A A A − − − − !!」
[叫び声に一瞬気を取られた。振り返る間もなく、何かものすごい力で手の中にある「それ」をねじ切るように奪い取られた]
てめ、まだ生きてっ……!!
[手を伸ばそうとしたが間に合わない。漆黒の大ガラスは、その嘴にさっきまで山岸五郎が持っていた彫像を咥えたまま、夜の更けようとしている東京の闇夜に消えていく。 その羽音もすぐに聞こえなくなり、辺りは本当に静かになった。]
何だったんだ。結局……
(38) (so) 2016/10/08(Sat) 13時頃
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[山岸五郎はそのまま部屋に戻った。翌日大家から心配と共に、昨日聞こえた騒ぎについて階下の住人からクレームが出た事を聞かされ、謝る羽目になったが。
その日からあの大ガラスは見ていない。いや、大ガラスどころか他のカラスすらいつの間にかアパートの周辺から消えていた。]
……なんだったんだろうな。結局、あいつは。
[日本には本来いないはずの大ガラス。ワタリガラス。それを太陽の化身として創世神話に何度も登場させた北米のトリンギット族。
山岸五郎は今でも時々、自分で買ったトリンギット族についての本を読み返している。自分で買った本。北米先住民族の文化について書かれた写真資料集。1万円はくだらない本だが、本屋で見つけた時には惜しげもなく買った。
その1ページには確かに写真が載っているのだ。見れば見るほどに、あの通風孔の中にあった彫像は確かこんな形だったと思わせる、トリンギット族が深く信仰していたとされるカラスの神像の写真が**]
(39) (so) 2016/10/08(Sat) 13時頃
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|
[たどり着いた階段を上り始める。 ざわめきが、一瞬聞こえた気がした]
「ヒナちゃんいつもサビしそうな顔ダッタ」 「エキチカにしたの、ヒナちゃんのためって、ママさん言ってた」 「ママさん、今もシンパイそうな顔、してる」
「デモ」 「ヒナちゃん怖がってたの、知らなかった、ゴメンね」
[シュン、としたような雰囲気が感じられて、右手の先を見る]
ハナコちゃんを、怖がってたわけじゃないよ。 昨日だって、……昨日だって、助けてくれたんだよね。
[落ちていく映像。 枝に当たって折れる音。背中に感じた衝撃と痛み。フラッシュバックして頭がずきりと痛んだ]
(40) waterfall 2016/10/08(Sat) 15時頃
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[私、ちゃんと生きてるかな。わたしの身体は、本当は今死んでるんじゃないかなって、怖くなる。 この、階段を上った先は本当はどこなんだろう?]
「もっと」 「アソビたかったな」
[ハナコちゃんの手が右手から離れる。それから左手を取った]
ハナコちゃん……?
[不思議に思って、ハナコちゃんと、それからお兄さんの方を見上げた]
(41) waterfall 2016/10/08(Sat) 15時頃
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ハナコちゃん、ここに来る前に、私は帰れるって、言ったよね。 もう、遊べないって、出られないって事?
「ううん」 「もう一つ、階段ノボッたら」 「知ってる、バショ」
「お兄さんヒナちゃんを、連れてって」 「私とコノコが、ここに残るから」
[左手の先に、もう一つ影が生まれる。 私の手から出てきたように見えるそれは、とても怖くて、足が自然と後ろへと下がった]
(42) waterfall 2016/10/08(Sat) 15時頃
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|
ハナコちゃんが、ここに残るの? もう、家には戻ってこないの?
[階段を一つ上がって、離れたハナコちゃんともう一つの影の方を見た]
名前だって、やっとわかったのに。
「コノコがいると、ヒナちゃんが帰れないの。 でも、コノコ一人だとまたついてくるから」
[ハナコちゃんがもう一つの影と一緒に、登ってきた階段を降りていく。 私は、追うことが出来なくてだけど置いていくことも出来なくて、その場に足を縫い止められたまま]
「ヒナちゃん、お兄さん、バイバイ。 もう、その上はコワくないよ」
[二つの影が、階段の下に消えていく。下のフロアと一緒に、飲み込まれていくように見えた。 最後に見えたハナコちゃんの「顔」。そこには、影じゃなくて少しだけママに似た幼い女の子が笑っていた]
(43) waterfall 2016/10/08(Sat) 15時半頃
|
|
[木露がテーブルを叩いた音に、身が竦む。
木露がここまで怒ったところを見るのは初めてだ。 本能的に、恐怖を感じた。 過去の自分の安易な発言(>>4:156)を深く恥じる。]
……私も……。 人の……願いを叶えるような力を持っていたとして、使ってみたくなる気持ちはわかります。 それで話を面白くできるなら、尚更のこと、ですよね。
(44) fb15k 2016/10/08(Sat) 15時半頃
|
|
けど、人の願いを見境なく叶えたりなんかしたら…… それが悪魔の所業だというのもわかります。
[椅子に座ったまま、小さい声で続ける。]
色々と法に触れることをするはずです。 それを立証できるのか、それはわかりませんけど…… すくなくとも、行使する側はそれを自覚しているはずです。
私は、その一線は越えられない。
(45) fb15k 2016/10/08(Sat) 15時半頃
|
|
我々が関わってきた怪異。 それらすべてがあなた方の仕業だとは思いませんが、あなた方が引き起こしたこと、あなた方が幇助した事……他にも山程ある筈です。
それによって、不利益を被った方がいる。 例えば私に付き纏う人間が居たとして、『出目を常に監視し続けたい』などと願ったら、私はとても困ります。 現にあなた方のしたことで入間さんが傷ついている。その願いに巻き込まれて、どこかへ追いやられた彼女の両親がいる。 その事実には、気付いてるんでしょう?
願望や影響がどれほど大きくとも、やってる事は悪戯です。 悪戯に、死傷者やトラウマは出せない。
(46) fb15k 2016/10/08(Sat) 15時半頃
|
|
お話には、終わりがあります。我々はハッピーエンドへ向かいたい。
あなたのような賢い方ならば……そして、おはなしを楽しんで読める方ならば。 我々が本当に何を望んでいるかは、共感はできずとも理解はして頂けているものと思うのですが。
(47) fb15k 2016/10/08(Sat) 16時頃
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[ジッ ]
[ ザッ ]
(48) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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@Xxxxx 1日前
ねえねえS区のウワサ知ってる?
(49) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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@Xxxxx 23時間 なに? ニキが消えたってやつ?
@Xxxxx 23時間 そっちじゃなくてさ あの眼鏡の女の
@Xxxxx 23時間 眼鏡?アンケート配ってるやつ? 書いたの?新情報?
@Xxxxx 23時間 いやいやwwやばいから触らないww だからそっちの内容はしらないw
(50) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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@Xxxxx 20時間
ああ、「アンケート女」?
(51) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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@Xxxxx 18時間 ああ〜ニキが消えてから目立つようになったよね 前からいたらしいけど
@Xxxxx 18時間 そっちそっち、こないだ喫茶店で撃退されててて
@Xxxxx 18時間 アレ断っても追いかけてくるんでしょ? どうやって?
@Xxxxx 17時間 いや話の内容はよく聞こえなかったんだけど──
(52) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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─ 東京四ツ谷マンション ─
──? 本当の名前なんかより、 希望する未来に進むことの方が よっぽど大切なことでしょう?
[>>28 まるで澪音がなぜ怒っているのか、腹を立てているのかが理解しないふうに、女と少女の会話はかみ合わない。ただ、本当に──名前については、そこについてだけは、真実味を帯びて、本当に心からわからないように]
どうなりたいかの方が、ずっとずっと大事。 そうでしょう?
私だって、そうだもの。 [女は、自分の胸に、手を当てた。自分がそうなのだから、相手もそうに違いないという傲慢さと無理解を一切隠しもせずに。]
(53) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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わたし、とっても──
今にも。未来にも、満足してるの。
[そう告げるのは、木露へ向けてだ>>5:186。後に回されていた問への答えをそう添えて、大ぶりの眼鏡の奥で女は目を眇めた。]
ずっと、ひとつだけ──ひとつだけどうしても、 …どうしても、どうやっても、 かなわないことがあったけれど。
でも、それも、先生たちが来て 光明が見えたから。
[もう、よくなっちゃったわ。と女は──嬉しそうに笑って見せた。]
(54) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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[部屋の中の四人のうちのひとり、入間澪音の声はここに至ってはっきりと震えていた。アンケートの噂にではなく女の異常さを目の当たりにした故にだ>>30>>31。]
あら。へんなこと聞くのねぇ でも……そうね、なんだか。
そう聞かれるの……
あんまり、いやじゃないわ ふしぎね。
[くすくすと──その怖れを受けて、 どこか気持ちよさげに女は笑った。]
(55) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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[少女の目が女を睨みつける。糾弾と反発の間、眼鏡の女は口を挟まなかった。]
とりけせっていったり、 返せっていったり、わがままさんねぇ。
[震えた声に、まるで小学生以下の子どもが、ままごとの母親役でもするかのように女はわざとらしく嘆息してみせた。]
でも、そんなに言うなら、しかたないかしら いいわ、返してあげる
[子どもに駄々をこねられたかのように、女は"希望"をそのままにききいれることを約束した。──無自覚に、声での嘆願を"希望"として受け入れることを。]
(56) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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少し待ってね。
[そういうと女は、机に置いていた自分のスマートフォンを手に取り、通話ボタンを押した。]
(57) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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[ ジッ
ザッ ]
ああ、もしもし? 先生?
[ ザ ザザッ ]
ええ、そうです 病院のふたりの返却を
[ ザ ジッ ガッ ジジッ ]
(58) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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■■■で
ええ、■■■■■
■■■■と、 ■■です
はい、ふたりともで───
え?
(59) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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[ジッ ザッ ガーーーー ピーーーーーー]
■ン仮ート? いえ、希望■■■ ええ。です化らそのま間お願■■ます
(60) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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[近くの電子機器から、壊れたようなノイズ音があちこちから部屋に響き渡る。会話している女の声はその異音に上書きされて奇妙にゆがんで聞き取れなくなっていた。
もし耳が痛むのを耐えて発信源をたどれば、 耳は女の持つ携帯から もっとも強く異音がしていることを聞きとめられただろう。
ずっとアンケートの回答の連絡に使っていた、 なぜか東蓮寺の電話をひとりきり受けることのできた 死んだはずの旧友につながった、 情報網の網に──噂に繋がる、その端末は 周囲に異常をばらまいていた。
やがて「みょんこ」という名札を下げた女は、 電話を切り、入間澪音のほうへと振り向いた。]
(61) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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これで、希望どおりのはずよ
[そう言って──アンケートを通さないままそのまま希望が叶った旨を、女は少女に伝えた。周囲で起こっている異変に、一切気づきもしないまま、その中心に立っていた。]
(62) miseki 2016/10/08(Sat) 16時半頃
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あんたの話がつまらない理由、話せば話すほどよく分かるよ。 あんた、人を見ていないんだ。 こうして話していても俺たちの事なんか見てやしない。 だから、言葉を交わしても意味が無いんだ。 通じてないみたいだから、わかりやすいように書き直してやるよ。
[先ほどのアンケートに取り消し線を引く]
(63) sizu 2016/10/08(Sat) 20時半頃
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あの本がもし本当にあったことだとしても、そんな事信じてるヤツなんてほとんど居ない。 残りは、面白おかしく騒ぎ立ててるヤツと……。 本気で信じてるヤツだって、時間が経って誰も相手にしなくなれば別の対象に移っていく。 噂なんて、そんなもんだ。ああ、そんな話もあったねって。
[回答欄へと、荒々しく書き殴る。 そして、『みょんこ』へと払い飛ばした]
(64) sizu 2016/10/08(Sat) 20時半頃
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ああ、書いてやるよ。 都市伝説として。 だから……。
[書き込まれていた文字は―― 『こんなアンケートもうやめろ』]
忘れ去られちまえ、都市伝説。
(65) sizu 2016/10/08(Sat) 20時半頃
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[リュックを右肩で背負い、玄関へと足を向ける。 と、同時に部屋の中へ響き渡る異音に眉をしかめながら振り返った。 音は、『みょんこ』の持つ携帯から発せられている。 ノイズ音の奥、どこかで聞いた覚えのあるざわめきが混じっている気がした]
――樹、先輩?
(66) sizu 2016/10/08(Sat) 21時頃
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[電話を切った女は、助手として紹介された女が 静かに口火を切るのに、黙って目を眇めた>>44]
……
そうねえ。
[緩やかに相槌を打つ。 どこか肯定的にも響く音で。]
(67) miseki 2016/10/08(Sat) 22時半頃
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悪魔になりたくないなら、 それでいいと思うし。
良識、常識、節度、…怖れ。 呼び方はなんでもいいけれど。 踏みとどまろうとする心は 大事なものだと思うわ 恐怖を恐怖として受け止められる心って とっても大切だもの。
(68) miseki 2016/10/08(Sat) 22時半頃
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私は、私の望むことをするためになら 悪魔と呼ばれようが、なんだろうが それで構わないけれど、
[笑みとともに、ぱちん。と手を叩く。]
あなたたちにまで、そうなれとは思わないものね 強制するのは、なんだってよくないと、思ってもいるのよ?
[これでもね。と笑むというには 角度の鈍すぎる弧で瞳孔が挟まれる。]
(69) miseki 2016/10/08(Sat) 22時半頃
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怖い話のほとんどは、たとえ語り手が被害者にあわなくても 必ず被害者がひとりはいて ハッピーエンドだなんていえやしないものが ほとんどだと思うけれど──
趣味の不一致まで、どうこう言う気はないもの [幸せな終わりを望むのなら、本当に恐怖小説が書きたいのかは、一度振り返ってみた方がいいと思うけれど。と、女はまったくもって余計なことを、編集者に向けて言った。 ひらりと一枚、紙が部屋に舞う>>64。]
(70) miseki 2016/10/08(Sat) 22時半頃
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…… そう。信じてもらえないのは、 とっても残念ねぇ
[現実と、空想をあくまで切り分ける作家らしい回答に、女はいくらか残念そうに──けれどしかたなさげに息を吐いた。リュックを担ぐ様子に、止める気もなさそうに、どうぞ。となんの変哲もないただのマンションのドアを指さした。]
それでも、いっときでも。 誰かに信じてもらえたら、それでいいのよ
もともとそんなに読者は多くなかったんだもの。 … 読んでくれたのも、 笹本くんとたえちゃんぐらいだったから。
(71) miseki 2016/10/08(Sat) 22時半頃
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それじゃあ、とっても ── 楽しみにしていますね。
東京村U
(72) miseki 2016/10/08(Sat) 22時半頃
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[そう女は木露の後ろ姿に声をかけた。
乱暴に取り消し線を引かれたアンケートがはらりと床に落ちる。
電話の音はもうすっかり収まっていて、 木露が振りかえるときには女は、 後ろを──ベランダのほうをふりかえっていた。]
(73) miseki 2016/10/08(Sat) 22時半頃
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ヒナコは、こっそり|・)
waterfall 2016/10/08(Sat) 23時頃
ヒナコは、みょんこから逃げ出した!しかし、回り込まれてしまった!
waterfall 2016/10/08(Sat) 23時頃
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[言いたいことはもう十分に言った。 話を聞く必要もなくなった。 もうこれ以上、この場所にいる意味もない]
出目さん、澪音さん。 もう、帰ろうか。
[いつも通りの声で、二人へ言う。 もう振り返ることはなく、その部屋を*後にした*]
(74) sizu 2016/10/08(Sat) 23時半頃
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ヒナコは、みょんこにひどくうろたえた。
waterfall 2016/10/08(Sat) 23時半頃
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[去りゆく彼は、耳殻にその音を聞いたかもしれない。 部屋の扉が閉まった、後に。 それは彼女の電話から漏れるに似たノイズだ。
ただ、思い返せば言葉とも取れるような、 気のせいとも思えるような]
(75) mimu175r 2016/10/08(Sat) 23時半頃
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……お邪魔しました。
[玄関で、ぺこり、と頭を下げる。 木露の裾を握り、逃げるように慌ただしくその場を*離れた*。]
(76) fb15k 2016/10/08(Sat) 23時半頃
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─ 迷子の駅で ─
冷蔵庫が開いて?でもそれは”怖くはなかった”?
[あの家はちょっと怖かった。そう日菜子は言った。>>5:+8 それでも時々冷蔵庫が開いている、それは怖いというより不思議でしかなかったと。その違いが不思議で、東蓮寺は黙って少し首を傾ける。]
じゃあ、ずっと遊んで欲しかったのかな。 その、ハナコちゃんは。
[声を潜めても、やはり無駄らしい。 そう悟って普通の音量で問いかければ、肯定の言葉が影から返った>>5:+32]
(77) dia 2016/10/09(Sun) 03時半頃
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そうか。それじゃあ、ハナコちゃんは「あの家」の元々の住人じゃあないんだね。
[あの家、すなわち「事故物件」の。 だから怖くはない。だから大丈夫ということなのか。]
そっか……、うん。 分かった。ごめん、変なことを聞いて。 でも良かった。俺のこともだけどさ…。 君が連れていかれるなんてことになっても、やっぱり心配だし。
俺さ、日菜子ちゃんと同じ年頃の従妹がいてね。 新宿駅ではぐれて一人にしてきちゃったんだけど…… だから気になる、なんて言ったら勝手だろうけど、ね。
[澪音はどうしてるかな、と思う。 せめて鈴里から無事が伝わっていればいいけれど。 あれからやっぱり、スマホはどこにも通じそうにない。]
(78) dia 2016/10/09(Sun) 03時半頃
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[いつしか、目の前には登り階段があった。>>40 ハナコに導かれるまま、その階段を上っていく。 微かに”知っている”道のような気がしたのは、気のせいだろうか。]
え…。日菜子ちゃん、ハナコちゃん……?
[小さな影が日菜子の右から左に動いて、黒い影がもう一つ同じく生まれる。闇より黒く見えるその影に、日菜子の足が下がる様子が目に見えた。>>42]
(79) dia 2016/10/09(Sun) 03時半頃
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ハナコちゃん、君は、
[日菜子の視線>>41を受けて問いかける、言葉の先をハナコが口にする。>>42 こちらを向いたように見えた、その小さな影を少し見つめて、東蓮寺はこくりと一度頷いた。]
───…、分かった。
[そうして、僅か下がった日菜子の肩を支えるように腕を伸ばす。]
(80) dia 2016/10/09(Sun) 04時頃
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行こう、日菜子ちゃん。
[促すようにして、階段を一つ上がる。 あの濃い黒い影は、なんだろう。分かりはしないが、日菜子がここにこうして来る理由となったモノ、即ちあのマンションの”住人”ではないかと何となく思う。 それでは影を置いていくのは正しいのだろう。それでハナコが共に残ることになるにしても。]
ハナコちゃんは、君を助けたいんだろう。 だから行こう。 君はお父さんとお母さんのところに帰らないと。
[止まった足>>43を促すように肩をそっと押す。 目が合えば、誘うように繋ぐ手を伸ばした。]
(81) dia 2016/10/09(Sun) 04時頃
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(ここが、出口……、か……?)
[階段をもう一つ上る。光が急激に溢れて視界が白くなった。 その光に呑まれるように日菜子も、ハナコの姿も見えなく*なった──*]
(82) dia 2016/10/09(Sun) 04時頃
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ハナコ、ちゃん、また会える? [震える声で聞いたけれど、ハナコちゃんはただ笑っただけだった。 お兄さんに促されて、階段を登る]
ハナコちゃん、最初に「助けられなかった」って言ってたの。 悲しそうな声だった。 だから、元から絶とうと、したのかもしれない。
……ママと、パパ。……うん。 二人とも、心配してるだろうから。
[ざわめきが大きくなる。 それは知ってる、音]
(83) waterfall 2016/10/09(Sun) 09時頃
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――――。
[まぶしい、新宿駅の、看板、流れる人波、足音、アナウンス、話し声――。 お兄さんの視界から、私が消えていくのがわかった]
お兄さん、私、まだ、……
[視界が、暗くなる。
今度会ったときは、ちゃんと名前を聞こう、そう思いながら、眠るように意識が落ちていく。
私が目覚めたのは、それから数日後のことだった]
(84) waterfall 2016/10/09(Sun) 09時頃
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[それから、と言うのが正しいのかどうかわからない。あの見知らぬ駅にいた時間がどれくらいなのかわからないのだから。
ひょっとしたら、あの場所に何日もいたのかも知れない。
まどろみの中で、夢を見た。ママの呼ぶ声がしていて。
私がまだ小さい頃]
「ヒナちゃん、あそぼう?」
[目線より高いところに、その子はいた。 古い家屋、――祖母の家。母方の実家。
私はまだようやく歩けるようになったくらいの頃で]
「ヒナちゃんが遠くに行くの、寂しいな」 「みんな、いなくなるの」
[その子は、「私にしか見えない子」だった]
(85) waterfall 2016/10/09(Sun) 10時頃
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「日菜ちゃん? 日菜? こんな所に一人でどうしたの」
[ママの声だ。その子はここにいるのに、私が手で指さしても、頭をかしげるだけ]
「何かいるの? そろそろ帰るから、いらっしゃい」
……ばいばい。
[その子に向けて手を振る。 あの「笑顔」と同じ顔だ、でもその笑顔はいつ見たんだろう。時間の感覚が、わからない]
「キーメタ、私もイッショに行くね」 「ヒナちゃんと、イッショ」
[その子は、私の右手を取ってついてきた。 もちろん、ママにもパパにも、他のおじさんおばさん達にも見えなかった]
(86) waterfall 2016/10/09(Sun) 10時頃
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「跡地はどうするの?」 「駐車場にしないかってはなしがあるみたい」 「家がなくなるって寂しいね」
[ママや、おじさん達の声がする。 私は、車の中で眠り込んでいた。誰かが右手を握っていて名前を呼んでいる]
「ヒナちゃん、寝ちゃった? ツマンナイノ」 「お願い、オキテ」 「――ヒナちゃん、……日菜」
[瞬きを微かに数回。 光が見えた。ママの、呼ぶ声がする]
ママ……? パパ?
「日菜!」
[白い天井と、それからベッドを囲む、ママとパパの姿があった。 右手をママの手が握っていて、その右手には点滴のチューブがついている]
(87) waterfall 2016/10/09(Sun) 10時頃
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私、どうしたの? 帰ってきて、私、落ち……。
「あなたが、突然落ちた、助けてって駆け込んでくるから。なのに、マンションの下にあなたが落ちてるんだもの。ママ、心臓が何度も止まりそうなくらい心配したんだから」
……心配掛けて、ごめんなさい。 でももう、大丈夫だから。
[左腕と、背中には裂傷が残った。肋骨も何本か折れていて、家に帰れたのはそれから一ヶ月後のこと。 不思議なことに、テラスの煤けた場所は、綺麗になっていた。 今までは、塗り直しても黒い煤が滲んできていたらしいのだけど、今度は綺麗なままで。 友人達からのlineもたくさん来ていて、病室にもお見舞いに代わる代わる来てくれた。
落ち着いた頃、ママに、あの家のことを聞いてみた。それから「ハナコ」ちゃんについても]
(88) waterfall 2016/10/09(Sun) 10時頃
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「ハナコ? おばあちゃんの姉妹に、羽菜子っていて、小さいころ亡くなったって聞いたわね。あなたの名前、おばあちゃんがつけてくれたって言ったでしょう? あなたも似てるみたいよ」
[ママは、私の怪我が治るまでは、会社に掛け合って早く帰ってきてくれるようになった。パパも、新しい仕事で大変そうだけれども、毎日早めに帰ってくる。
でも、もう冷蔵庫が開くことはなかった。
また開いてくれないかなって、ハナコちゃんの帰りを待っている私がいる。 助けてくれてありがとうって、まだ言ってない。
怪我が治って、いつもの朝がやってきても、少しだけ期待して*待っている*]
(89) waterfall 2016/10/09(Sun) 10時頃
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……少女を拉致って監禁…… ……腱を切られてて…… ……骨だって聞いた…… ……人形のように着せ替え…… ……キッチンナイフで胸をメッタ刺しに…… ……ガラスの灰皿でメチャクチャに…… ……うゎ幼女つよい…… ……月守と仲よく歩いてて…… ……誘ったの、女の子からだって…… ……んで、肉を食べて生き延びたって…… ……男を誘惑しては、もう何人も……
……男は悪魔崇拝の儀式を…… ……『憑神』……
(90) noko 2016/10/09(Sun) 15時半頃
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……また心不全だって ……池袋に出たって…… ……三ノ輪さん、これガチやべぇって…… ……キッチンナイフで刺そうとしてて ……本郷さん、失踪? ……新宿のアルタ前広場で…… ……あの子の客ばっかり…… ……やばいって、また歌ってたよ……
……聞いたって、らぶらぶにゃんにゃん ……ジリヤって子はもう死んでて…… ……呪いのアイドルソング…… ……うそ、渋谷で観たよ ……だからいっぱいいるんだって…… ……双子の殺人鬼が…… ……クローン兵士……
……見たら死んじゃう…
……『ドッペルゲンガー』
(91) noko 2016/10/09(Sun) 15時半頃
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……はっ、はっ……はぁっ……!
[走る、走る、走る。 見知った街を。知らない街を。 向かう先もわからず、ただやみくもに走った。]
……ああっ、……!!
[咄嗟に身を捻ると、そのすぐ脇を一閃の刃が走った。 ぱっくりと開いた左肩から血が噴き出す。 右手で傷口を抑え、転身、つんのめりながら、また走り出した。 背後から迫る、ステージ衣装の"ジリヤ" 手にしたキッチンナイフを振りかざし、重力を無視して、 ふわりふわりと軽やかにステップを踏み、どこまで追ってくる。]
(92) noko 2016/10/09(Sun) 15時半頃
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[その無機質な、空っぽの笑顔は、頬の部分がひび割れ、 黒く蠢く闇が覗いている。]
『シ…シ ク…フレ…アイの、クン ネ様と、 …フレ…アイ の……クンネ様 と、 よ、ヨべ ト……いっタだ ロォおお オオオう!!
ラクゥウ ルルウ ウゥ!!!!!』
[ひび割れた頬の奥から、蠢く闇が咆哮をあげた。 ジリヤの心臓が、握りつぶされたかのように痛んだ。 幾度となく聞かされ、心折られた、あの声だった。]
(93) noko 2016/10/09(Sun) 15時半頃
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[地響きと共に、地面がひび割れ、新たな街のがせり上がる。 新宿新南口、新宿スタジオ、喫茶店、 シェアハウス、そして赤坂マンション。 現実を模した建造物は、複雑に連結し、 まざりあい、異様な様相を見せた。 "知らない街"は、その規模を急激に拡大し、 迷宮のように複雑さを増してゆく。]
『♪らぶらぶにゃんにゃん らぶにゃんにゃん』
(……うるさいっ!うるさいっ、うるさいっ、うるさいっ!)
[ショーウインドの前を横切る。 窓に映った"ジリヤの鏡像"が、一斉にジリヤに顔を向け、 鏡面から躍り出た。]
『♪あなたのこねこになりたいの』
(……木露さんを!澪音さんを襲った! あたしが、頼ったからっ!)
(94) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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[街頭モニターに映るライブステージ。 "画面いっぱいのジリヤ"が、モニターから手を伸ばす。]
『♪らぶらぶにゃんにゃん らぶにゃんにゃん』
(……赤羽を!立川を殺した!あたしを、寝盗ったからっ!)
[ジリヤは思い出した。2度も身を救ってくれた、あの破裂音。 その瞬間に、頭に響いた、か弱い声を。]
『♪恋する首輪でつながれたい』
(……あたしを縛り続けた!あんたの理想であるためだけにっ!)
[タスケテ と泣いていた、あの声を――]
(95) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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[四方八方から迫ってくる、 幾人もの"ジリヤたち"を躱しながら、遮蔽ドアを抜けた。 ドアを締め、鍵を。 即座に、ドアを殴りつける音が、ガンガンと響く。 空色のワンピースは血で汚れ、靴はとうに投げ捨てて、 全身はボロボロだった。 見るまに変形していくドアを尻目に、 駆け出しながら、ジリヤは携帯に番号を入力した。]
『090-××××-××××』
[自分の携帯番号。コール音。 相手はすぐに出た。無言。 いや、ほんの微かにすすり泣く声]
……どこ!? いま、どこにいるの!?
[背後で破壊音。遮蔽ドアが破られた。]
(96) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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『……線を』
[電話の向こうから、微かな声]
『線を辿って……』
[地面に、白い線が浮かんでいた。 チョークで引いたような、ジグザグで、癖のある線。 ラクガキのように書きなぐられた、文字、記号、そして矢印。
進むにつれて、増えてゆくラクガキ。 壁に、地面に、柱に、木々に。 いたるところに記された矢印は、すべて同じ方角を指し、 1点に集約しているようだった。
全速力でそこへ走った。迷いはなかった。]
(97) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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― ??? ―
[旧い戸建ての木造住宅。 ジリヤは悪寒に竦み、震える身体を必死に抑えた。 2度と来たくなかった場所。 2度と思い出したくなかった記憶。 そして、ジリヤの奥底に巣食っている"元凶"]
……。
[表札の掲げられた名前は――『月守』 拳を握り、息を吐いた。 頭の中で、自分のための曲を弾いた。 いかなくちゃ。玄関のドアを開き、足を踏み入れた。]
(98) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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― "月神"邸 ―
[そこには、一人の子供が居た。 暗い寝室で独りぼっちの女の子。 ゆっくりと顔を上げたその少女と、目が合った。
翠色の瞳。色素の薄い金髪。 その幼い顔は、精気が抜けたかのように虚ろ。 生まれたままの姿でベッドに横たわり、 毛布の下で縮こまるその姿は、怯えているように見える。
少女の手元には、ボロボロになった黒い本。]
……あんた、だったんだね ずっと……助けてくれたのは。
[その子が誰なのか。 その本を渡したのが誰なのか。
ジリヤには、わかっていた。]
(99) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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『――ヅいカ』
(100) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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[少女に微笑み、その小さな手をとった]
『"ジリヤ"……みーつけたっ』
(101) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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|
[外から、蠢く闇が迫っていた。 押しつぶされる家が、ミシミシと悲鳴をあげる。 ぐずぐずしてはいられない。 "幼いジリヤ"を抱きかかえて、押入れの中へ急ぐ。 天井板をずらすと、開いた隙間から、広い空間が覗いている。]
さ、はやく、入って。
["幼いジリヤ"を天井の隙間から入れると、 自分も続いて中へよじ登った。 "どちら"へ出るのか、もうここからは賭けだった。 奥へ、奥へ、はいすすむ。右も左もわからない。
少女の手を握る。少女も強く握りかえした。]
(102) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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みよ子さん!! いまわかった……アンケートの答え! あたしの望む未来。
あたしは――
(103) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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◆希望調査アンケート
記入者氏名 : 日付: /
項目1 どんな未来をご希望になりますか?
≪自分を取り戻した未来≫
(104) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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[辺りを包む闇から、声が轟いた。]
『イくナぁアぁアアあああ!!もどレぇェェッ!!
おまエは、おレ様のものダぁぁァぁぁッ!!
もどってコぉォォい、ラクゥウ ルルウ ウゥ!!!!!』
(105) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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["月神"の咆哮。 自分を呪縛し続けていた"月神の影"へ、 ジリヤはハッキリと返した]
ふざけんな!!ばか!!
あたしは……あたしのもんだ!!
[言った!ジリヤは笑った。
言ってやったぞ!少女も笑った。
闇は咆哮をあげて、霧散してゆく。
やがて、暗がりに明りが見えた。
どこかへつながる"出口"が――。]
(106) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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* * *
(107) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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― 某日:新宿駅新南口 ―
『――でね、その日から、人が変わったように、 我が強くなったんだって。 そのまま警察にタレこんで、売春関係も全部ぱぁ。 まゆゆも、小遣い減ったって嘆く嘆く……
え、人に媚びる方のジリヤ? へへっ……そっちのジリヤはねェ〜 もう誰も見てないんだって!
これ、まゆゆ…… あ、"ともだちのともだち"から聞いた話、 ってことにしといてね!』
[そういうと、少女は私の手をとって、 南口脇の人だかりに向かいだした。]
『ほら、はやく。もう、はじまっちゃう。』
(108) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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[人だかりの中央には、地べたに腰を下ろした1人の少女。
汗を吸った白い無地のTシャツ。 ネイビーブルーのダメージジーンズ。 無造作に被った黒いキャップ帽。 身の丈に不釣り合いなアコースティックギター。
弦を荒々しくかき鳴らし、 暗く鬱屈した歌を叫んでいる。 怒りといら立ちをぶつけながら、 それでも負けるものかと、 反抗的な、反撃の狼煙をあげていた。
脇に置かれたダンボール。 その立札に記された曲のタイトルは、
≪ドッペルゲンガー≫
ふと、先日読んだ怪奇小説を連想する。 さて本の題はなんだったか――……**]
(109) noko 2016/10/09(Sun) 16時頃
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― 四ッ谷マンション ―
[電子機器があげるひび割れたノイズは、次々部屋中に散らかって、すぐに部屋をいっぱいに満たしてしまった。
耳の奥と頭が痛み、拍子に目が回るほどの異音だったのに。 アンケート女は異音の真ん中で、部屋を満たす音にこれっぽっちも気づいていない様子で言った。
奇妙にゆがんだ音のなかではっきりと
「これで、希望通りのはずよ」と。]
(110) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時頃
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[キルロイ先生と出目、そしてあのアンケート女のやり取りは、結局、入間には殆ど意味が分からなかった。 異音の最中で、二人の意見がぶつかって、恐らく思想の話をして、恐らく矜持のようなものの話もして、きっとアンケート女とキルロイ先生の考えは食い違った。 その程度の了解だけが漠然と頭に残って、あとはもう、殆ど何を言わんとしているのか、頭に残っていなかった。
キルロイ先生に促されて、看板のかかった部屋を出てすぐ。 入間は腰を抜かして立てなくなった。 緊張の糸がぷっつり切れた。 周囲の言葉の意味が掴めなかった理由に、外の空気を吸って漸く追いついた。あの異音の後、常識では括れぬ出来事の連続に、頭が恐怖のみに塗りつぶされ、不安で不安で、他人が話す言葉の意味を噛み砕く余裕が一切なかったのだ。
人間なのかと問われて、心地よさそうに目を弧のかたちにしていたあの女の顔が目に焼き付いて離れなかった。 今出できたこの扉の向こうには、二度と足を踏み入れてはならない。未だ思考が濁り、目が回りそうな中、そう強く思った。
まるで、ちいさな地獄にいたようだ。]
(111) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時頃
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[入間がそのように扉の前で呆けていて、すぐのことだった。 入間のスマホに電話がかかってきて、入間は言葉にならない悲鳴をあげ、スマホをコンクリート床に落とした。
床に落ちたスマホの画面には、「パパ」と表示されていた。]
(112) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時半頃
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― 東中野のとあるマンション前 ―
[入間は父と母からの電話を受けて、東中野へと帰ってきた。 自宅マンション前には、警察車両が入間の居る位置から見える限りで二台ほど停まっていた。
入間はエントランス前に立ち尽くし、呆然とそれを見ていた。 希望が、叶っていた。
入間はたしかに「ちゃんと警察に捕まって」と希望した。>>32 不法侵入だったのだから、そうなるべきであると考えていたはずなのに、どこか狐につままれたような心地のまま、白色のタイルを敷き詰めた新しいにおいのするエントランスの奥へ、よろけた足取りで入っていった。]
(113) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時半頃
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[父と母曰く]
(114) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時半頃
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[父と母は朝の夫婦喧嘩の後、マンション近くで起きたある事故が原因で病院にずっと居たのだそうだ。(>>58)
会社には緊急の用で休む連絡をいれていたそうなのだが、入間が母の携帯電話から会社へ電話をかけた際、電話に出た男からは、何故だか、一切そのような話は聞かされなかった。
ある事故とは、父や母の身におこったことではない。]
(115) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時半頃
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[入間澪音が事故にあった、のだという。(>>1:*2)]
(116) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時半頃
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[いや。事故と言い切ってしまうには些か事情は複雑であった。 なぜなら、それは「恐らく自殺だ」と思われていたから。
道路に飛び出した清瀬市立高校の制服を着た髪の長い女子高生。事故直前、彼女の様子を見た通行人によれば、ずいぶん思い詰めた様子だったという。 そして車に轢かれたその女の子は病院に搬送された。
事故の知らせを同マンションの隣人から聞かされた父と母は慌てて病院に向かったのだそうだ。]
(117) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時半頃
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[なりふり構わず、入間の父と母は家を出た。 それから、ずっと病院に居続けたのだという。
言われてみれば、父も母も、希望調査アンケートに希望を記入した朝と同じ服を着ていて、それはよれよれになっていた。 父も母も、随分憔悴しているようだった。
事故にあった『入間澪音』は、結局、死んでしまったそうだ。 あちこち損傷が激しく、対面した時、顔もわからなかったらしい。
なりふり構わなかったため、二人とも携帯電話はどこかへ落としてしまっていた、と彼らは語った。 職場などへの連絡は院内から行っていたらしい。 なんとも、嘘のような話である。]
(118) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時半頃
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[入間は、両親の話をききながら、あの四ッ谷のマンションの一室を思い浮かべた。 小さな地獄のようなあの部屋の、偏執的な本棚にびっしりと並んでいた青いファイルを頭に思い描く。
そのファイルを、頭のなかで開いてみる想像をした。
なかには、幾人もの人の希望が書かれた紙があり、 めくっていくと、しらない誰かの様々な希望が書かれていて ある用紙には、そう、たとえば
「死にたい」と、書かれていたとして――……]
(119) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時半頃
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― ある未来の話:入間家の朝 ―
[あの奇妙な、二、三日が終わってから少し経った。 後日知ったことだが、入間澪音が人捜しの依頼していた探偵は、依頼をした翌日の朝、奇しくも、その人もまた事故に巻き込まれていたのだという。 依頼は完遂されなかったが、父も母も、無事にとは言わないものの従兄も見つかった。]
(120) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時半頃
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[入間は学校へ行く準備を整え、リビングへ続く格子ガラス入りのドアをひらいた。
リビングの大きな窓からは朗らかな朝日が入り込み、エアコンは室温を適温に保っている。
リビングには父と母。 穏やかで、しずかな朝だった。
そこには、喧嘩をする声はない。 彼らの娘である『入間澪音』が車道に飛び出し自殺を図って、病院に運ばれたあの日から。]
(121) gekonra 2016/10/09(Sun) 18時半頃
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[あの日、娘が車に轢かれたという報せをうけ、病院に向かい、事故に関する事情をきいた両親は「娘を自殺においやった」と疑いもなく考えた。 以来、入間祥子と入間祐輔は、夫婦喧嘩をしていない。
娘の澪音は「行ってきます」と両親に声をかけた。 彼女の両親は「いってらっしゃい」と笑顔を拵えこたえた。]
(122) gekonra 2016/10/09(Sun) 19時頃
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[入間は家を出て、いつもと変わらぬ灰色の駅前の道を歩き、東中野駅へと向かった。 あれから駅前でアンケート配りの女はみていない。
入間澪音は思う。]
(123) gekonra 2016/10/09(Sun) 19時頃
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[あそこに居るのは果たして本当に、 自分の両親なんだろうか?]
(124) gekonra 2016/10/09(Sun) 19時頃
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[東中野駅に着くと、大江戸線に乗るため、入間は黒い帯のようなエスカレーターを、ゆっくり、ゆっくりと、深くおりていった。
ごったがえす人波のなかの一人となり、電車に乗りこみ、入間はスマホへ視線をおとした。 今朝もある元クラスメイトへ届かぬメッセージを送る。]
(125) gekonra 2016/10/09(Sun) 19時頃
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『なんか、知らない街みたい』
(126) gekonra 2016/10/09(Sun) 19時頃
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[背乗り(はいのり)。
工作員が他国人の身分や戸籍を乗っ取る行為を指す警察用語、であるらしい。**]
(127) gekonra 2016/10/09(Sun) 19時頃
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─ 新宿駅・回想 ─
[その日の新宿駅事務室も忙しかった。新宿駅東口傍にあるこの事務室は、さして目立つ場所にあるわけではないものの、それでも世界最大の一日利用者数を誇る駅の事務室である。迷子に落としものに問い合わせ、大きなものから小さなものまで、問い合わせと対応には事欠かない。
その日の夜半過ぎには、救急車を呼ぶことすらした。サラリーマン風の青年が一人、倒れたというのだ。時間が時間だけに一度は酔っ払いかとも思われたものの、酒の匂いはなく、急病人として救急搬送されることとなった。]
(128) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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[……その日。東蓮寺琉衣は、いつしか知らない駅にいた。いや、違う。身体は確かに新宿駅構内にあったはずである。 知らぬうちに従妹とはぐれ、気付けば見知らぬ場所にいた。焦って右に角を曲がる。突き当りを右に曲がって、再び突き当りを右に曲がる。再び右に曲がれば───辿り着く同じ場所だった。あんなに角を曲がったというのに!
再び右に曲がる。突き当り。 右に曲がる。同じ場所。頭が痛い。 ガンガンと頭が痛くて、思わず道の端に蹲る。 人々の足の流れは早くて立ち止まらない。 少し頭痛が収まって、スマホを操作してみたがうまく画面が出なかった。諦めて再び歩き出す。従妹の澪音はどうしただろう。
人影は随分少なくなっていた。 開いていたはずの店も既に閉まって、駅はますます見知らぬ風の顔をしはじめる。人影もまばらだ。
また、角を曲がる。また。 また角を曲がる────]
(129) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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[ 出られない。 ]
(130) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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─ 病院 ─
[目が覚めれば、そこは見知らぬ部屋だった。 奇妙な夢を見ていたような気がする。知らない駅、知らない街で迷い続けて出られない夢だった。思い出そうとして、微かな痛みに眉間に皺が寄る。その小さな動きに、ハッとしたようにベッドサイドの人影が振り向いた。]
『琉衣…!?』
かあ、さん……?
[それは田舎にいるはずの母だった。後から落ち着いて聞いた話によれば、東蓮寺琉衣は新宿駅構内で倒れていたということだった。たまたまその場に通り掛かった人が駅員に通報してくれ、そこから救急車で病院に運ばれたということらしい。 身元は所持していた新宿不動産の社員証で判明した。病院から新宿不動産に連絡があり、それから四国の実家へと連絡が行ったという話だ。
急ぎ上京した母に付き添われて数日、目を覚まして聞いた病名は脳梗塞。幸い軽度で済んだとのことだった。]
(131) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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[夢の中でのことは全体には曖昧なくせに、所々がいやに鮮明に記憶に残っている。鈴里みよ子と会話した気がする。出たくないんじゃないかと、何故あの人はあんなことを…あんな見透かしたようなことを言ったのだろう。
夢だ。ならば登場人物は自分自身の無意識の投影だろう。 ならば見透かされても当然だ───そうは理屈で思いながらも、何故か以前彼女と交わした他愛もない会話>>1:204が思い起こされるのだ。 あの時、東蓮寺が口にしたのは他愛もない愚痴だった。 それに対して入口も出口も名前が違うだけかも知れないと、そんな彼女の言葉>>1:238が、もしかしたらずっと気にかかっていたのかも知れない。あれから…思うよりもずっと。心の底に沈んでいて。]
(132) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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[夢の中では、日菜子とも出会ったように思う。
真嶋日菜子。 新宿不動産のマンションに住んでいる女子高生。 彼女と”ハナコちゃん”と一緒に迷路の中を彷徨うという夢を見た。現実には、顔を見知っているとはいえ、さして縁の深くない子だ。そんな子が何故夢に出てきたのだろうとは思う。
だた。一度は深くなった昏睡が、ある時を機に浅くなったのだと聞いて、ひょっとしたら本当に自分は彼女らに助けられたのかも知れないと思った。そう思わされるような夢だった。
退院したら、きっと真嶋家を訪ねてみよう。ひょっとしたら、変な顔をされてしまうのかも知れないけれど。]
(133) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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かあさん。俺の…スマホあった?
[問えば、それどころじゃないといった顔をされた。当然だろう。首を緩く横に振って、言葉を続ける。]
俺、倒れる前に澪音ちゃんと一緒だったんだ。 新宿駅ではぐれてそのままにしちゃったから、きっと心配させた。 だから連絡、いってるかなと思って…気になっててさ。
[言えば納得したように、入間家にも連絡はしたと母は言う。言いながら、はあと大きく息をついた。]
『祥子のとこもねえ…。』
[大変だったようだ、と。何やら姉妹で話があったようだが、どちらにせよ互いに忙しすぎたというところもあり、未だ顔を合わせてしっかりといった会話には至っていないようであった。息子が意識を取り戻したとなれば、また少し落ち着くのではあろうけど。]
(134) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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そ…っか。なら良かった。 今度、直接俺からも澪音ちゃんに謝らないと。
ねえ、母さん。 祥子おばさんは、ちゃんと祥子おばさんだった?
[問えば、母は顔を僅かに顰めて頷いた。 入間家に起こった奇妙な騒動、その真相を母はどこまで聞いてるだろう。ひょっとしたら倒れた息子を気遣って、聞いた話をしてくれてはいないだけなのかも知れなかったし、やはり未だ良く知らないのかも知れない。
ともあれ、母と今すべき話にも思えなかったし、実際、もし母が詳細を知らないとして、詳しく説明するほどの元気も今はなかった。何にせよ澪音の無事が知れ、彼女にも自分の状況が伝わったなら、今はそれでいい。そう思った。]
(135) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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(136) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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[脳梗塞の後遺症で、左半身に軽い痺れが残った。だが後遺症は、リハビリを行えばほぼ残らないまでになるだろうという。
まだ若いのだし。と、医師には言われた。 どのみち入院はまだ暫く続きそうで、職も危ういだろうかと思われた。なんといっても、そこは切るにも手軽な契約社員だ。]
………、
[やれやれと諦め気分の息をついて、病室から窓を見遣る。リハビリは順調に進んでいて、この分だと思ったよりも早く退院になりそうだ。
あれから、考えるだけの時間はたっぷりとあった。母と言葉交わす時間も存分にあった。そうして己を省みるだけの時間が、充分にあった。]
(137) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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[長男だから寺を継げって。修行が大変そうで。 田舎が嫌で。でも現実は思うよりも厳しくて。 アパートは従妹も招けない程に古く狭くて。 それでも、着るものだけは…外側ばかりは取り繕って>>3:+9
帰りたい───、帰りたくない。 出たい───出られない。出たくない…?
なんだ、そんな理由か。それだけの理由で、それだけのちっぽけな見栄と意地で…逃げで、自分で自分を縛り付けていたのか。出口と入口を同じくして迷い続けていたのは一体誰だ?それは自分、己自身だ。]
(138) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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[苦い笑みが口元に浮かぶ。 自覚してしまえば子供っぽい、下らない意地だと思った。そんなことも分からずに…、いや。分かっていたのに、分からないフリして過ごしていたのだ。迷路の出口から目を逸らして。]
(139) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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[自分自身の心が。現実から目を逸らし、逃げ続ける心こそが迷宮を作り出していたのだろう。
鈴里みよ子は、それと分かっていたのではあるまいか。 聞いてみたかったものだと思う。言えば彼女は笑っただろうか。 ふふ。と、四つ指を口元にやわらかに当て。]
(140) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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[入間澪音が見舞いに訪れれば、東蓮寺は少し情けなそうな顔で眉を下げて彼女を迎えた。]
ごめんな、澪音ちゃん。 あんな時に一人にさせちゃって、心細かっただろ。
俺から連絡出来なくなっちゃってごめん。 もう、大丈夫かい…?
(141) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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[最初に顔を合わせた時、彼女に真っ先に告げたのは謝罪であった。ずっと気にかかっていたことだ。あの不気味な恐怖、他人が身内に成り代わっていたという冷たい恐怖と嫌悪感、あれらを共にしたことを覚えている。他者にはきっと分かりえない不気味さではないか。
入間家に上がりこんでいた不審者らは警察に捕まった>>113とは、後に聞いた。澪音の両親が消えていたことの顛末も、その時聞いた。一件落着、良い結末だったといえるだろう。 とはいえ成り代わりの、あの当時の不気味さばかりは親にも言えず、むしろ言って上手く理解が得られるもののようにも思えなかった。
それは澪音も同じなのではないかと思う。 いやむしろ、彼女にこそ、その思いは強いのではあるまいか。だからこそ事情を知る、唯一の従妹へと案じ顔を向ける。]
(142) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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……俺はね。
[と、従妹相手に話したのは何度目かの見舞いの時だ。少し早めの退院の日取りが決まったと従妹に告げ、何となく「今後のこと」に話が向いた時のこと。]
(143) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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俺は退院したら、暫くこっちで勉強して…受験、してみようかと思っててさ。 仕事はどうも、なくなりそうだし。時間も空きそうだし───多少の貯金くらいは、これまでもしてきたからね。
せっかくだから、大学を受けてみようと思うんだ。 丁度こっちに、うちの寺の宗派の大学があってさ。 K大学って世田谷の。知ってる?
[大学名を挙げて従妹へと視線を流す。これは自ら長い時間で悩み、考え、そして母とその後上京してきた父とも話して決めた結論だ。自分に出来るだけのことを試したいのだと、その為にも再び学び直したいのだと話した結果、経済的支援は受けないとの条件で了承を得た。]
(144) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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俺は結局、決められたままの道が嫌だったんだよね。 寺の長男だから寺に入って、後継いで。
でも嫌だ嫌だとだけ言って飛び出したけど、自分の望みなんて分からないままだった。何でもいいから家を飛び出して、あてもないままフラフラとしていただけ。
だから───、もうやめたんだ。そういうの。
(145) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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この年だけど、俺はもう一度挑戦してみるよ。 澪音ちゃんと同じ、高校の勉強をし直してみる。
澪音ちゃん、今度得意分野を教えてくれないか? 現役相手に聞けたりすると心強いから嬉しいんだけどな。
[従妹相手にお願い一つ。以前よりも柔らかな印象の笑みで穏やかに頼みを告げて、目を細めた。]
(146) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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俺──…迷ってたんだよね、ずっと。 ずっと、出口が見えない迷路の中で。 もがいて、あれこれと探し回っても出口がまるで見えなくてさ。 でも気付いたんだ。…やっとわかったんだ。
入口も出口も結局は同じものだって。 気が付いてしまえば出るのなんて簡単なんだ。 出口は気付けばいつだって出られるくらいに、すぐそこにある。
……だからね。俺はもう迷わない。 迷わないで行けるとこまで進んでみようと思う。 進んだ先が、元からあった道に近くなったとしても、さ。
[独り言めいて落としてすぐ、照れたような笑みを浮かべた。 誤魔化すように「頼むね」と再び添えて、東蓮寺琉衣は随分と動くようになった左の手のひらを、確かめるかのように軽く握った───*]
(147) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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(148) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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─ 新宿不動産 ─
[退院後、やはり辞職することとなった新宿不動産に手続きの為に顔を出した。同僚や、正社員のオネエサマ方は随分と心配した顔を見せてくれたものだが。 その反応も、……今は暖かい、ありがたいものだと素直に思う。 余裕だのポーズだのと、捻くれたような気持ではなく。
顔を出したついでに真嶋家のマンションのことを聞き、そこで初めて日菜子がベランダから落ちた事故の話を聞いた。 一家は今もそこに住んでいるらしいと聞いて、頷いた。 あとできっと、訪ねてみようと内心思う。]
(149) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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えっ、いいんですか? ……、分かりました、ありがとうございます。 では、お言葉に甘えてこれは頂きます。
[頼んであった写真>>1:270を渡された。 記念だからとお金は要らないと渡された封筒入りの写真を、せめてもの気持ちと共に受け取り懐に仕舞う。]
(150) dia 2016/10/09(Sun) 22時半頃
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[新宿不動産の入るビルから出れば、聞き慣れた街の雑多な音が身を包み込む。何となく少しだけ切ない気持ちでそれを聞いていた時、見渡すように見遣った先に見覚えのある女の子の姿を見つけた。
訪ねようと思っていた人の姿に、東蓮寺の目が少しだけ大きく見開かれた。]
───日菜子ちゃん!
[雑踏に負けないよう、大きく呼べば彼女は振り向いたか。 ああ、彼女も覚えているだろうか、あの不思議な白い迷宮を。 まるで知っている街なのに見知らぬ場所のようだった、あの不可思議な巨大迷路を。]
(151) dia 2016/10/09(Sun) 23時頃
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元気そうで良かった。 事故のこと聞いたんだ…それで、おうちを訪ねようかと思っていたんだけども。
[ここで会えて良かったと、笑顔で告げ。 少し言葉交わしたのちに名を問われれば、あっと小さな声を上げて笑い、己の迂闊さを謝った。]
ああ、そうか。そうだったね、ごめん。 俺の名前は───…
(152) dia 2016/10/09(Sun) 23時頃
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[彼女が覚えているのなら、あの不思議な迷宮の話を再び語ろう。そして小さなハナコの思い出を語らおう。
そうしてひそやかに、そしてささやかに。 不可思議な体験は静かに共有されていくのだ。 人の口の端に上らなくとも…確かに、そこにあったはずのものとして。]
(153) dia 2016/10/09(Sun) 23時頃
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(154) dia 2016/10/09(Sun) 23時頃
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[あれから、東蓮寺琉衣が奇妙な迷路に踏み込んだということはない。時にはあれはやはり、夢ではなかったかとも思う。
それでも、折に触れてふと思ってしまうのだ。 あれは一体どこであったのか、と。 街行く時に道の端に見つける見覚えのない小さな路、その先は見知らぬ街に通じていたりはしないだろうか…、と。
人の心が作り上げる幻想迷宮、果たしてあれはそれだけのものだったのだろうか?鈴里にだけ通じた通話、あれは真に夢の出来事であったのだろうか。
確かめる術は最早なく、それでも日常は淡々として流れゆくのだ。まるで何ごともなかったという顔をして。]
(155) dia 2016/10/09(Sun) 23時頃
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……はあ…っ
[今日も人でごった返す新宿駅で満員の電車から開放され、東蓮寺琉衣はひとつ大きく息を吐いた。
新宿ダンジョン。 そう呼称されることもある巨大な駅は、今日も世界で最も多いといわれるほどの人間たちを飲み込み、また送り出していく。 小路は人知れず生まれ、また消えていく。 店はめまぐるしく入れ替わり、街は人に違う顔を見せ続ける。 街並みは今日もまた少しずつ、確実に変貌を遂げていくだろう。
新宿の街は今日も人々を呑み続ける。 変わり続ける眠らない街…それはまるで、変化を続ける巨大な生きた*迷路のように*]
(156) dia 2016/10/09(Sun) 23時頃
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――――冗談じゃねぇ!!!
(157) fuku 2016/10/10(Mon) 06時頃
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こんなところで大人しくしてられっか!!! オレは、家に帰る!!!!
[一二三は、大急ぎで部屋においてあったジャージを着込み、部屋を出ていく。]
(158) fuku 2016/10/10(Mon) 06時半頃
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[――――一二三が部屋を出た途端に聞こえる、館内放送の声。]
(159) fuku 2016/10/10(Mon) 06時半頃
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『おはよう、李沢くん。随分とぐっすり眠っていたけど、お疲れだったのかな?』
[玄関を出て、廊下に出ると一二三は館内放送には耳も貸さず、脱出への経路を探す。]
(160) fuku 2016/10/10(Mon) 06時半頃
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『おやおや、無視とはまたつれないなぁ。これからウチの事務所の仲間として歓迎しようと思っていたのに。』
[一二三はエレベーターを見つけると、エレベーターの下りボタンに手をかける。]
(161) fuku 2016/10/10(Mon) 06時半頃
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クソッタレが!!
[エレベーターのボタンは反応しない。一二三はエレベーターを諦め、非常階段を探す。]
(162) fuku 2016/10/10(Mon) 06時半頃
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『ハズレ。エレベーターを使えるようにするとか、そんなヌルい真似、すると思う?』
[一二三は階段のドアに手をかける。]
(163) fuku 2016/10/10(Mon) 06時半頃
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『鬼ごっこって本当にテレビみたいな展開だよね。手荒な真似をして悪かったとは思うけど、話だけ聞いてみる気は無いかい?』
(164) fuku 2016/10/10(Mon) 07時頃
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『君には、ウチの事務所の新しいアイドルグループの一員として頑張ってもらいたいんだよね。』
放送が聞こえた途端、一二三の足がピタリ、と止まった。]
(165) fuku 2016/10/10(Mon) 07時頃
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はぁ?????
[頭のなかでとどめきれない困惑が、絶叫となって廊下に*こだまする*]
(166) fuku 2016/10/10(Mon) 07時頃
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― 株式会社 黒い鳥 新宿オフィス編集部 ―
[黒い鳥の現場は、ひどく混乱していた。
営業部部長の川端、 副社長兼副編集長の今井、 編集部班長の新渡戸という、 社の中核を為す人物らが一斉に退職したからだ。]
(167) fb15k 2016/10/10(Mon) 15時頃
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[ある日突然、彼らはAOTORI本社 社長室へと呼び出された。 本社から戻った彼らは、みな一様に蒼白な顔をして、荷物をまとめて、人目を逃れるようにそそくさと帰宅していった。 それが、最後の出社日だった。 事前の社内告知も、引き継ぎも一切なく、陽炎のように消えていった。]
(168) fb15k 2016/10/10(Mon) 15時頃
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[社内には大きな変革が為された。 大宮社長兼編集長は、副社長兼副編集長へと降格。本社執行役員の新森が出向し、社長兼編集長へと就任するらしい。 新渡戸班は解散、所属していた編集者と手持ちの案件は別の班へと振り分け。 営業部は副編集長の山田が繰り上げ昇進で部長となった。
とにかく、人手が足りない。面接キャンセルとなった希望者にはこちらから連絡し、日を改めてこちらに来てもらうこととなった。(>>33)
社長が変わって以来、本社との連携が密接になり、その黒すぎる勤務形態が明るみになる。 今までは暗黙のうちに握り潰していた本社も、さすがに現場の惨状を見ては考えを改めたのか、勤務形態への変革へと動くこととなった。 手始めに、タイムカードの偽装強要を禁止。来期からは連続勤務日数に制限をかけるらしい。 それらの変革が現場にさらなる混乱を産んでいるという側面もあるものの、健全な向きへと舵を切り直そうとする本社と新社長の動きは、概ね好意的に受け止められていた。]
(169) fb15k 2016/10/10(Mon) 15時頃
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[なぜ、彼らは突然辞めてゆく事となったのか。社内には、未だ様々な憶測が飛び交う。 黒い鳥の上層部も、その仔細を聞かされてはいない。 その理由を知るのは元社長兼編集長の大宮と、本社の一握りの関係者、
そして]
(170) fb15k 2016/10/10(Mon) 15時頃
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[編集者の出目と、作家の木露のみ。]
(171) fb15k 2016/10/10(Mon) 15時頃
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[今日も黒い鳥が鳴いている。 喧しい鳴き声は、慌ただしい編集部の中へ溶けてゆく。
ベッドの下の斧男。 部屋へと侵入した男。 twitterで写真を送り続けた男。
彼らはみな別の人物で、偶然に同じ時期につきまとい行為が重なっただけだと言う。 一体どのようにして、斯様な行為を行ったのかという問いには、みな記憶がないのだと言う。
嘘のような、ほんとうのはなし。 その真実はどこにも広まらず。
物議を醸す色々な噂も、うたかたのごとく、
ふわりと浮かび、やがて消えていった。]
(172) fb15k 2016/10/10(Mon) 15時頃
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『朝のニュースです ── 日、午後四ッ谷のマンション五階から出火した火災は、昨夜未明に鎮火しました。
燃えたのは一室のみで死傷者数は1名、身元は現在調査中とのことで──』
(173) miseki 2016/10/10(Mon) 16時頃
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── 東京四ツ谷マンション ──
[指が、取り消し線を引かれた紙を拾う。 人の減った部屋に嘆息が落ちた。]
…若いわよねぇ 結局、気に食わないからやめろ。 ってことでしょう?
(174) miseki 2016/10/10(Mon) 16時頃
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[何もない──風に揺れるカーテンがあるだけの空間に、女はにっこりと笑いかけた。]
理解される気もなかったけれど。 だってわかっちゃったら怖くないものね
でも、本当に言いたいだけいって 出て行っちゃったわねえ
よかったのかしら。客観的な証拠も……なにもぜんぶ ここに残していっちゃったけれど。 それとも信用してもらえたってことだと思う? いえばやめる。って
(175) miseki 2016/10/10(Mon) 16時頃
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[そこに影はなく、他の人間には──見えるものはないだろう。けれど、たしかに女ははっきりと其処に向けて、話しかけていた。]
ね。 いつきくん。
(176) miseki 2016/10/10(Mon) 16時頃
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ふふ。あなたがいなくなってくれて、 私、ちょっと気がぬけちゃったのかもしれないわ
だって、鈴里のおじさんもおばさんも "私をみよちゃんってことにしている"し、 気づくとしたら、きっと あなたぐらいだと思ってたから
[それでも上手にできていたでしょう?と女は──鈴里みよ子を真似た笑みで空中に笑いかけた。]
(177) miseki 2016/10/10(Mon) 16時頃
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お迎えにきてくれたのね。 ありがとう
[少し準備があるから待っててね。と、まるでなにひとつ普段と変わらない調子で女は空中に声をかけた。]
(178) miseki 2016/10/10(Mon) 16時頃
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[鞄からライターを取り出す。普段なら家にないそれは、喫茶店に忘れられていたものだ。]
取り消し線を引いたらなかったことになる。 なんてルールはないのだけれど、 まあもう伝える機会もないでしょうね
それにちゃあんと、全部 消さなきゃあ つくりものだってばれちゃうものね?
[手にしたアンケートにライターの火が燃え移り、赤く燃えあがる。それを並んだファイルの上へと笑顔のままに女はおいた。]
(179) miseki 2016/10/10(Mon) 16時頃
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* * *
(180) miseki 2016/10/10(Mon) 16時頃
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『小津さあん、もー。 何回身元確認すれば納得するんですかあ』
(181) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[現場周り2年目の後輩はもういやだ。という顔で口を大きく開けた。先だって四ツ谷のマンションで起きた失火に巻きこまれた女の身元の確認を取らせていた男──小津は、鑑識から上がってきた報告に顔を顰めた。]
『歯形が微妙にずれてんだよ。中学の検診のやつと』
『はあ、いや。でもそれもビミョウな差じゃないですか』
『他にもっとぴったり該当する記録は?』
『いやあ、うーん。骨折も該当なしですし 指紋はそもそもやけちゃってますしねえ』
[マンションで発見された遺体はすっかり表皮が融解しており、状況から「鈴里みよ子」であろうと判断をされてはいた。が、ひどく遺体が損傷していることもあって、確実にとは言えなかった。鈴里の両親とも、連絡が取れていないままだ。]
(182) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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『あんまり長く名前が発表されないものだから、 妙な噂になっちゃってますよお。 四ツ谷って土地柄と、ほら四年前のことですけど 覚えてます? 藤田サクラコチャン。 あっちは所有物からそうだと認定されましたけど、 身元調査がやっぱり難航したじゃないですか。
今じゃ四ツ谷マンションの呪いとか出回ってますよ』
[ほらほら。と資料を持ってきた後輩がケータイの画面をみせてくる。近頃、一部界隈では、事故物件だのなんだのが盛り上がっているようだった。]
『くだらねぇ』
『ええー……?』
『どうせお前も2週間もすりゃあ忘れてるんだろうよ』
(183) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[まあそうですけどお。と後輩はあっさりとその指摘を事実だとして飲み込んだ。情報化社会において、話題のうつりかわりはずっと早くなった。人面犬だとか口裂け女だとかのブームも遠い過去の話だ。]
『状況的には部屋の借主──だと思いますけど、 まあ、不気味ではありますよね。 普通失火だったら外に逃げようとするでしょう? でもそういう形跡がまるでないし。 …… 焼身自殺だったんですかね』
[推測を口にする青年に、小津はさあな。と息を吐いた。推測はできる。が、確定できるだけの情報が何もない。結局、推定をもとに話は進められていくのだろう。いいようのないもやつきを抱えたまま、男は深々と嘆息した。]
(184) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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*
*
*
(185) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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『これ、なぁに?』
(186) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[机の上にある手書き文字の書かれた用紙をのぞきこむと、彼女は少し恥ずかしそうにそれをこっそりと腕で隠した。]
『みよちゃんがかいたの?』
『……うん。今からちゃんと、 しょうらいのことをかんがえておくの……』
『へえ! エライね』
『……』
[そんなことはないけど。とぼそぼそと小さな声が続く。 もとより引っ込み思案なのだ。]
(187) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[彼女とは友人であり幼馴染であり、親戚のようなものだった。双方の両親ともに石見友の会でのつながりがあり、父親を早くに亡くした私は、母ともども鈴里の家にずいぶん助けられて暮らしていた。]
『やっぱりみよちゃんは、 しょうせつかになるの?』
『……うん』
[そう頷いていた彼女が、その夢をあきらめたのは、 中学を卒業するぐらいのころだった。]
(188) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[それは、ただの偶然だったのかもしれない。 あるいは、気のせいだったのかもしれない。
けれど、彼女は中学にあがる前に筆を折った。
『書いたことが本当になっている気がする』 と、
そんな嘘だか本当だかわからないことを理由に、 書くことをやめてしまった。]
(189) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[もともと彼女には、怖がりで神経質な一面があった。だから、 強迫観念ようなものに囚われてしまったのかもしれない。
でも、彼女が書くおどろおどろしい世界のファンだった私にとっては、それは彼女自身の決断よりもずっとずっとショックなことだった。
他に唯一彼女が気を許していた── あるいは、私よりもずっと頼りにしていただろう彼と離れたことも、その決断に関わっていた可能性もあったが、その点については回想を省く。]
(190) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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『最初におかしいって思ったのは、小学生のときで ウサギが、死んじゃったこと、あったでしょう?』
[彼女は発端についてそう述懐した。確かに彼女はその前に、ウサギの死からはじまるおはなしを書いていた。──それが原因で周囲から強く責められた。犯人なのではないかと。]
『あれをやったのはわたしじゃない。でも、……』
[ひとつ話を書き上げるたびに、テレビニュースで似たような猟奇殺人が起きる。山の中で行方不明になっていた白骨死体が見つかる。バラバラ殺人事件。男の子の行方不明──]
『ひとつひとつなら、偶然だって思うよ でも』
[全部が同じだったら? できすぎではないか? それは本当に偶然だろうか。確かめる手段はない。──けれど、だからこわいのだと、そう彼女は言った。]
(191) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[結局、それから私がどれだけ何を言おうと、 彼女が筆をとることはなくなってしまった。
私の中には、理不尽だ。という思いだけが溜まっていった。
どうして、 彼女が筆を折らなくてはならないのか。]
(192) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[ 書いたことが現実になるだなんて
そんな素晴らしい才能を、
どうしてふいにするのだろう? ]
(193) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[私にはまるで意味がわからなかった。
ちょっと人が死ぬぐらいなんだというのだろう。 現実の世界でも、創作の世界でなら、もっと輪をかけてあっさりと人間は死ぬというのに。
納得がいかなかった。私の大好きな、憧れた彼女は、周囲からどれだけさげすまれようとたたかれようと、自分を曲げない女の子だった。親が宗教にかかわっているということを隠してこそこそしている私とは違って、まっすぐで純粋な子だった。それなのに。
それに、彼女がもしも──本当にそんな才能を持っていたとして、世界の死者数に寄与していたとしてもほんのコンマ以下の話だ。
気に病む必要なんてないと何度も繰り返し伝えたが、彼女は私の言葉を受け入れてはくれなかった。
結局のところ、最期まで。]
(194) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[合同で鳥取方面に帰省する際にバス事故が起きたのは、 運命だった。そう思っている。
バスは炎上し、乗客のほとんどと同様に私の母は亡くなり、 彼女の両親は爆風で飛ばされ大けがをおい、私と彼女は互いに誰とも判別がつかなくなるほどの全身大やけどをする羽目になった。
"私゛の方が生き延びたのはほんの偶然で、 病院で彼女はあっさりと亡くなった。]
(195) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[隣で手術を受けていた彼女の命は、1日持たなかった。 私はといえば喉をやられ喋れる状態ではなく、数日間生死の境をさ迷う羽目になった。彼女の死亡を──あるいは、世界が変わったことを知らされたのは、私が奇跡的に集中治療室を出ることができた後の話だった。]
『ああ、よかった…… みよ子ちゃん』
[『彼女の母』が、私を彼女の名前で呼んだときだ。]
(196) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[それが逃避だったのか、すべてをわかった上で──自分の娘を、彼女を復活させようと考えたのか、どちらだったのかは定かではない。もとより私と彼女の両親は、復活信仰のある集団に属していたし『私』を身代わりに『彼女』の復活を願ったという可能性もある。
ただ「現実として」人相が判別不可能なほどに焼けただれた私のベッドつけられた名札には、彼女の名前が書かれていた。
私の名前ではなく。]
(197) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[ ── 好都合だと、そう思った。]
(198) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[彼女が筆を折ってから、既に三年近くがたっていた。彼女の新作はあれから一作も読めていない。
けれど、
私が彼女になれば 新作が作れるじゃないか。
天啓だった。そのとき胸に満ちみちた光の眩しさは、 今でもはっきりと思い出せる。 彼女は、その身を賭してまで、私に希望を与えてくれたのだと、 ひどく温かい気持ちになったことを覚えている。]
(199) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[退院してからは、周囲の望むまま私は彼女としてふるまった。 焼けた顔は幸い、彼女の両親の知り合いだった腕のいい先生が彼女の写真を参考に直してくれていたのもあり、彼女としての生活に戻ることにそれほど労はなかった。 なにしろ長く、一番近くで見続けていたのだ。
私が、彼女になるまでさほどの時間はいらなかった。]
(200) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[けれど、ひとつだけ。 重大でどうしようもない問題があった。]
(201) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[顔を、声を、仕草を、言葉遣いを、振る舞いを どれほど彼女に似せてみたところで、
わたしには、彼女の作品が書けなかった。
もっとも望んで、焦がれたその才能だけは、 真似ることができなかった。]
(202) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[私の作品が現実になるなどということはなく、 誰の目に触れさせてみても、 かつての私のような読者はできなかった。]
(203) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[──彼女になれない。
この問題は私を大きく苦しませ、また悩ませた。
それが普通だ。と、そう思ってみようともしたが、 結局なんの慰めにもなりはしなかった。
なぜなら、私はべつに、 普通になりたかったわけではないのだから。]
(204) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[私は、ただ、彼女になりたかったのだ。
幼いころから、ずっと。 それだけを思ってきた。]
(205) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[雑誌に幾度も投稿し、そのたびに伸びない評価に悩み、 所詮彼女になることなど不可能だったのかと怯え、のたうち──]
[ひとつの妙案がひらめいたのは、 私が短大を卒業するころだ。]
(206) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[ 書いたことが現実にならないなら、
現実におきたことを書けばいい。 ]
(207) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[思いついてしまえばなんともごくごく単純な話だった。 紙とペンから離れてしまうことが心残りではある。 けれど、長年の苦悩を打開するすべは、 もはやこの道のほかにはないと思えた。
ふいに射してきた光明に、気分が浮上する。
ああ、最初に書く話はどんなものがいいだろう? やはり、彼女が得意としていたホラーだろうか。 私はまだ彼女の書く、心胆寒からしめる話を読みたりていない。]
(208) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[彼女のあの特殊な才能ですら、文字で世界をつづる才能を持たない私への助け舟だったのかもしれない。 どのみち現実になるなら、あとか先かなど些細な違いだ。
私は何度目か、深く彼女に感謝する。
これで、この雑誌に話を投稿するのも最後だ。
拙作に付き合ってくれたこと、貴社にも感謝をしている。]
(209) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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[まだどんな話を書くべきかは決めていない。
最初は、どのような話を読みたいか、 アンケートなどを取ろうと考えている。
私は書き手としてまだ未熟だ。
けれど、 この現実でいつか。あなたと同じくひとりの登場人物として会えることを、今は少し期待している。]
[ ──著者 *鈴里 みよ子* ]
(210) miseki 2016/10/10(Mon) 16時半頃
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―関西?・???マンション―
いやまじ本当に頭おかしいってこの人たちオレは確かに親族がアイドルっだったかもしれないけど一般人だよいっぱんじん。尻からハチミツなんかでないしテニヌとかできないしどうなってるんだよくそったれがくそったれがくそったれがうんこたれが
[一二三が錯乱状態のまま非常階段を降りる。 頭のなかには『アイドル』の文字がひしめいて。]
(211) fuku 2016/10/10(Mon) 17時半頃
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『逃げようったって、無駄だよ。ちゃんと手は打ってあるから。』
[放送が流れると同時に、階下から黒服の追手が現れる。]
(212) fuku 2016/10/10(Mon) 17時半頃
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ちっくしょう、なんなんだよくそったれがああ
[一二三は階段を降りるのを諦め、それまで来た階段を登っていく。
(213) fuku 2016/10/10(Mon) 17時半頃
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[階段を一階、]
(214) fuku 2016/10/10(Mon) 17時半頃
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[階段を二階、]
(215) fuku 2016/10/10(Mon) 17時半頃
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[階段を三階、四階、五階と登るうちに。追手の数はどんどんと増えていき。]
(216) fuku 2016/10/10(Mon) 17時半頃
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ちっくしょ、う、どう、して、オレ、ばっかり。 マジ、こんちくしょうだよばかやろうめ。
[一二三が屋上のドアを開けたとき、]
(217) fuku 2016/10/10(Mon) 17時半頃
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[時計の針は3時25分(>>3:263)を指した。]
(218) fuku 2016/10/10(Mon) 17時半頃
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―屋上―
…………くっそ、やっぱり何も無いのかよ。
[一二三は近隣のビルに逃げられる手段はないかと模索するが、つては無く。追っては無情にも屋上まで追ってくる。
一二三は追い詰められ、ベランダのふちに手をかけ、]
(219) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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[地上までの、]
(220) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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『 す て』
(221) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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[距離を、]
(222) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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『た け 』
(223) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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[――――――見れば。]
(224) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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『た す け て 。』
(225) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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リーは、重力が無くなった瞬間、何かに引っ張られる感覚がした。
fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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『――都市伝説(藤田サクラコ)なんか、お呼びでないんだよ。』
[銀縁眼鏡の男だった。]
(226) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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『確かに君が錯乱するのも分からなくもない。しかし、この話に乗るしかないのも事実だ。』
[屋上の一件があった直後、その場でへたりこんだまま、銀縁眼鏡の男のお説教が始まった。 一二三は小刻みに震えたまま、涙をこぼすばかりで。]
(227) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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『事実、君の母親は君を売った。2億積めばあっさりと親権を譲ってくれたよ。 つまり、君には戻る場所は無い。』
[一二三は銀縁眼鏡の男の雄弁にも震えたままで。]
(228) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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『君に残された選択肢は二つ。君がアイドルになってお母さんの抱えた2億を返すか――――――』
[銀縁眼鏡の男は一二三に歩み寄る。]
(229) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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[もう一つは、これはある種の都市伝説ではあるが――――]
(230) fuku 2016/10/10(Mon) 18時頃
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『ウチの事務所の社長に、体を売って返すって手段も、あるがね?』
[J事務所にまつわる都市伝説がある。
『事務所のアイドルは、みんな社長に性的な搾取をうけている』と――――]
(231) fuku 2016/10/10(Mon) 18時半頃
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リーは、震えながら、小刻みに*頷いた*。
fuku 2016/10/10(Mon) 18時半頃
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― 代々木 203号木露宅 ―
[灯りを消した部屋の中。 液晶のバックライトに照らされている。 画面には文章が並んでいた。 実話怪談風のその内容は、最近巷に流れていた噂をモチーフとしている。 東京村Uのために書かれたテキストファイル。 それは、『木露流衣』から送られてきたものだ]
(232) sizu 2016/10/10(Mon) 20時半頃
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『この回答、
…… これで何回目だったかしら?』
[あの時、あの女が言った言葉が蘇る。 その言葉、この文章の送り先、そして警告をしてきた『ともだちのともだち』。 その意味を考えると、一つの筋道が通る。 この文章もあの警告も、自分自身から送られたものではないかと]
(233) sizu 2016/10/10(Mon) 20時半頃
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[テキストファイルをゴミ箱へ削除した]
(234) sizu 2016/10/10(Mon) 20時半頃
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― 新宿駅前 書店にて ―
[平積みになったその本を手に取る。 表紙には『東京村U』の文字の他に、『木露流衣』の文字が印刷されている。 筆者名を出して出版されたそれは、当初ネット上で好事家達の間に賛否両論を巻き起こした。 メタフィクショナル的な手法を用いてる事もあり、最終的な評価は『東京村』をモチーフとした小説として好評を得ることとなる。 この本の中の出来事も実話なのでは、という声はその評価と共に消えていった]
[本を持つ手は、表紙を開き、*ページを捲る*]
(235) sizu 2016/10/10(Mon) 20時半頃
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はじめに
『東京村』の続編を執筆するという企画のお話を頂いた時、前作に倣い匿名にて出版する予定でありました。 しかし、編集者とも協議の末、皆様もすでに御存知の通り『木露流衣』の名前を出し、出版することと致しました。 前作を読まれた方の中には、筆者名が記されていることに抵抗感がある方もおられるかとも思いますが、前作著者とは別の人間が書いたものであるということをはっきりとしておくための処置ということでご容赦下さい。 今回、『東京村U』を執筆するに辺り現実に流布された噂話を元に、調査・関係者への取材・メール等記録の引用を行っておりますが、登場する人物名・職業・団体等を実在の人物に対する本書の影響を鑑み仮名としております。 また、登場人物の心情や説明不足及び差し障りのある箇所、そして調査した上で不明瞭であった部分に関しては、物語としての可読性を考慮した筆者の推測・類推が含まれていることをご了承下さい。 最後に、本稿が一冊の物語として成立した功績の大部分は鈴里みよ子氏に―その一部は、石見妙子氏にも―あるという事をここに明記させていただきます。
(236) sizu 2016/10/10(Mon) 20時半頃
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…………ふぅん。
(237) fuku 2016/10/10(Mon) 22時半頃
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東京村Uっていうんですね、この本。 全然知りませんでした。ほら、最近農業しかやってないんで、僕。
[カメラの回っている前で青年は笑顔を見せる。
『本くらい読まないとダメですよぉ』などというレポーターには少し困った顔を見せ。]
でもぉ、今は新しい作物のことで頭がいっぱいなんで。
[へらへらと笑いながら、『お手本通り』のコメントを述べる。]
(238) fuku 2016/10/10(Mon) 22時半頃
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お疲れさまでーす。
[『取れ高OKです』の掛け声と同時に収録が終わる。
事務所が言うことには、今は『農業アイドル』が旬らしい。1ヶ月の半分は名も知れぬ田舎へ行き、農業をする。その合間に東京に来て、アイドル業に勤しむという活動方針らしい。
世間の考えることはいっそうわからなくなっていた。]
(239) fuku 2016/10/10(Mon) 22時半頃
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『新五さん。この後は太助さんの収録が今終わったそうなので合流して島へ直行です。』
[マネージャーが携帯を片手に『新五』に声をかける。]
(240) fuku 2016/10/10(Mon) 22時半頃
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はいはーい。太助くん待ちね。りょうかーい。
[社長の鶴の一声で『一二三』と云う名前は、捨てることになった。社長曰く、
『農業っぽいけどチミ、昭和臭すぎるよね。そうだなぁ、5人目のメンバーだから、五がつく……そうだ、チミ、今日から新吾ね!わかった?』
とのことである。
結局のところ、『ろくでなし』だけは、卒業できなかった。]
(241) fuku 2016/10/10(Mon) 22時半頃
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リーは、誰かに声をかけられ、振り向いた。
fuku 2016/10/10(Mon) 22時半頃
|
『アンケートにご協力お願いしたいのですが──』
[気弱そうな女性だった。マネージャーが制止しようとするが、『新吾』はまぁまぁとなだめ、]
いいよ。ちょっとだけね。
[『新吾』はアンケート用紙に目をやる。]
(242) fuku 2016/10/10(Mon) 23時頃
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『どんな未来をご希望になりますか?』
(243) fuku 2016/10/10(Mon) 23時頃
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そうだなぁ、もちろん……
[アンケート(>>0:17)をじっくりと見ながら、サラサラっと回答を記入する。]
(244) fuku 2016/10/10(Mon) 23時頃
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『日本一のアイドルグループになる』
(245) fuku 2016/10/10(Mon) 23時頃
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これでよし、っと。 今度デビューするから、応援してね。じゃ、バイバイ。
[気弱そうな女性に手を振ると、マネージャーが大声で『新吾』を呼ぶ。]
(246) fuku 2016/10/10(Mon) 23時頃
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都市伝説なんて、くそくらえ。ってね。
[都市伝説に翻弄された李沢一二三は、あの日死んだ。 これからは都市伝説さえも『利用してやる』。
『新吾』を乗せたワゴンは空港に向かって*消えていった*]
(247) fuku 2016/10/10(Mon) 23時頃
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[意識を失っていたときのことは、時間が経つごとに薄れていった。 夢と同じで、本当に、本当は夢だったんじゃないか、なんて思う。
夢じゃない、と思えるだけのものは本当に少ない。 「ハナコ」ちゃんの存在は私の幻覚だったんじゃないかって、夢も、本当はわたしがそう望んだからみていたのじゃないかって]
ママ、私が入院してる間、部屋入った?
[退院後、ようやく家に戻った私は少しだけ雰囲気の変わった私室に違和感を覚えた]
「掃除はしていたけど、それくらいよ?」
[配置が変わっていたのはそのせいか、なんて思って、机の上に纏められていた教科書やノートをパラパラとめくる。その中の一ページで手が止まった]
『またあそぼうね』
[それがいつ書かれた物かわからない。文字はつたなく小さい子が書いたようにみえる。 ぽろぽろと涙が零れて、「ハナコ」ちゃんはここにちゃんといたんだって、思えた]
(248) waterfall 2016/10/10(Mon) 23時頃
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――後日――
[復学してちょくちょく、私は新宿不動産を訪れた。ママに、鈴里さんから担当が変わったという話は聞いていたけど、訪れたのはそれが理由ではない。
「夢」の中で会ったお兄さんは、無事に戻れたのかな、とか、そもそも夢だったのならあんな所迷い込んでないんじゃないかとか]
特別用事があるわけじゃ、ないからなぁ……。
[窓口まで行ったとしても、まずお兄さんの名前を知らない。 そもそもあれが夢であるなら、不思議に思われるに違いない。 入り口の前でうろうろとした後、また日を改めよう、と後ろ髪を引かれながら不動産屋の前を離れる]
(249) waterfall 2016/10/10(Mon) 23時頃
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「日菜子ちゃん!」
[少しだけ離れた時、呼ばれた名前にびっくりして、私は振り向いた。 ここで会ったときに名前を名乗ったことはないし、不動産の内部資料でも貸借人の顔写真なんておいてないと思うし、頭の中で色んな可能性を消しながら、「夢」が「夢」でないことを願った。 あのことを、夢だと否定するのは、ハナコちゃんの存在を否定することと同じだから]
えっと、お久しぶりです……。 私のこと、覚えててくれたんですね。 ――ハナコちゃん、のことも? ……そっか、良かった……。私、夢だったのかなって、不安にもなったから。
でも、お兄さんも無事で、良かったです。 そうだ、聞こうと思って聞けなかったから、今度聞こうと思ってたんです。
お兄さんの名前、教えてください。
[いくらかの会話。 涙が出そうになったけど、笑ってごまかして、それから、あの駅のことや、それから「羽菜子」ちゃんのことを東蓮寺さんに*話し始めた*]
(250) waterfall 2016/10/10(Mon) 23時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
noko 2016/10/11(Tue) 00時半頃
ヒナコは、ハナコを探しに新宿駅へと*消えていった*
waterfall 2016/10/11(Tue) 00時半頃
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