254 東京村U
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少
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全
リーに1人が投票した。
トレイルに1人が投票した。
ゴロウに3人が投票した。
デメテルに1人が投票した。
ヒナコに4人が投票した。
ヒナコは村人の手により処刑された。
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トレイル! 今日がお前の命日だ!
2016/10/01(Sat) 00時半頃
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
トレイルが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、ジリヤ、リー、みょんこ、キルロイ、ゴロウ、イルマ、デメテル、ドリベルの8名。
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― 朝・自宅 ―
[ぼんやりと、目を開く。ベッドがある側とは逆の壁にかけられた、多数の歯車をデザインしたスチームパンク風の時計、それを見ると、早朝の域を脱しつつある時刻だった。 あれからいつ眠ったのか、覚えていない。長く転々していた気もするし、案外、すぐ眠ってしまったような、そんな気もする。ただ、どちらにしろ、徹夜でもしたかのように、体が怠かった]
……、
[数分、寝転んだままでいた。 その後、億劫にもベッドから這い出、 机に置き去りにされたiPhoneを見て、指を強く結んだ]
(0) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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― 夜:代々木 203号木露宅 ―
[なんとか照子を説得してベッドの上に乗せた後、自らも床へと横になった。 これで、長かった一日が終わる……というわけではなく、スマートフォンの明かりが灯る。 体を起こして、通話口に向かって言葉を放った]
はい、木露です。 ……代々木駅に着た? そう、それじゃあ、迎えに行くから待ってて。
(1) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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ら ぶにゃ ぶ にゃん
たの に たいの
(2) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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[スマートフォンをポケットにしまい、バッグを手に取る。 空いた手で、照子をベッドから引っ張り、玄関へと促す]
入間さんの娘さんから連絡がありました。 駅に行きますよ。 出目さんを一人にするわけにも行かないから、ついてきて下さい。
(3) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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― 深夜・代々木 ―
[代々木に到着。 入間は一二三の到着を待った。 彼の到着は日付が変わったころだった。 同級生の顔を見て、入間はほっとして一度その場にしゃがみ込んで、顔をうつむかせた。]
……いきなりごめんね、ありがと。
[と、鼻声でお礼を言った。 間違いなく化粧が崩れてひどいことになっているに違いないため、顔をあげたくなかった。]
(4) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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ホテル、探したほうがいいかなあ…… いっか……も一回、電話させてもらお……
[鼻をぐすぐすいわせながら、なるべく一二三のほうはみないようにして、キルロイ先生に電話をかけた。返事は、迎えに行くから待っててというもの。]
(5) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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え。
[すっぴんだ。普段だったらかなり人に出会いたくはない顔だ。 今この状況で『入間さんの娘さん』の名前を出されては、ついて行かないわけにも行かないが、しかし。]
え、今通話してたの? つ、ついてくけど……急だね……
[寝不足で意識が飛びかけていたせいか、会話は全く聞き取れなかった。 電話があったことにすら、通話が終わった木露の言葉で知る始末だ。]
(6) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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―――――――!
(7) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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―新宿駅ホーム―
『兄ちゃんあぶねーな。しっかり歩けよ!』
[間一髪、ホームから転落ということにはならなかった。]
(8) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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[外に出て、暫く無言で駅に向かってやや早足で歩く。 自宅から少し離れたところで、スマートフォンを操作し通話を始める]
ああ、秋葉?俺だけど。 今から部屋二つ取れる所あるか? うん、値段は問わないから。 すまん、頼んだ。
(9) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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す、すいません。
[一瞬、ホームに吸い込まれそうになった。
聴こえてきたのは発車の音楽などではなく、藤田サクラコが歌うはずだった『あの歌』。]
(10) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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[通話が終わったと思うと、スマートフォンが振動する。 着信して再びスマートフォンを口元に近づける]
はい、木露です。 ああ、代々木に着た? 駅かな? それじゃあ、迎えに行くから待ってて。
(11) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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[二度、三度、静かに深い呼吸をする。 そして電源を入れ、立ち上がるのを待つ、
…… 立ち上がって、暫く。 また「彼方」からの着信が来る、事はなかった。 開いた履歴は、メンバーとのそれが最新だった。 昨夜のそれは全て消えていた。
心中に浮かぶのは、安堵。 痕跡がない事に関する、掴みどころのない不安。 あれが夢のように思えてくる、現実味の揺らぎ]
(12) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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疲れてんかな、うん。
[幸い非常ベルも鳴ることはなく、電車は定刻通り出発した。
一二三は気を取り直しつつ、代々木駅で降りる。]
(13) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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[――――で、現在に(>>4)至る。]
(14) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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[……え?]
(15) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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[今の二つの電話は何?
大きな違和感があった。 だって、二つ目の通話相手は、恐らく――]
(16) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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ど、どっか行かないでね。怖いから。
[キルロイ先生が到着するまで、一二三のカーディガンの裾だけ掴ませてもらっていた。 一二三には、キルロイ先生を待ちながら、今日あったことをぽつぽつと話し始めていた。 家に帰ったら知らない人がいた事。その人たちが自分の父親母親のふりをすること。従兄といたがはぐれてしまったこと。偽親から電話がかかってきていて、知らずに新宿駅で出てしまったことなどだ。]
(17) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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[スマートフォンをポケットにしまい込み、小さく息を吐く。 歩調を緩めて、ようやく照子の方に顔を向け言葉を放った]
(18) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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――ベッドの下に、斧を持った男が隠れてた。
(19) 2016/10/01(Sat) 01時頃
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……………………。
(20) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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いやまーなんか様子おかしかったから。 あんま気にすんなよ。ちょうど近くにいたし。 えっ、なんで木露先生知ってるかって?話せば長くなるけど聞きたいか。よーしわかった…………
[取り敢えず入間を落ち着かせるかのように話を途切れ出せないようにした。 木露には申し訳ないが歩きスマホをして倒れたときの事は相当話を持盛った。
『芸能界』は嫌いじゃないが、今日だけは芸人に敬意を払いたくなるくらいだった。
話を持たせるのは、案外、難しい。]
(21) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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[後ろを振り向く。 少し遅れてから、ぞわぞわと悪寒が駆け巡った。 つま先から、頭の先まで。]
(22) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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あは、は、は、は………。
はは、は、はやく、駅まで………………。
あれ。
[足がしびれて動けない。]
あれ、あれれ?
[数歩歩いて、かくりと膝をついた。]
(23) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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ひでー話だな。 つか、ホント災難だわ。お疲れ。
[話が途切れそうになったころ、入間が今日あった出来事をぽつぽつと喋り始めた。 何とか力になってあげたいが、一二三は財力には乏しい、いち高校生である。ウチに泊めると言っても数日が限度ではあるし、どうしたらいいのか。木露先生からのアクションを待つ。]
(24) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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知り合いに探してもらってますが、今日はホテルに泊まる事にします。 良いですね?
[目を閉じて大きく息を吐く。 しっかりと照子の手を握った]
(25) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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[だが、全てが夢などはありえない、昨日の記憶は幻ではない、その事実をメールが証明する。木露とのやり取りに、加えて、秋葉からいつだか送られていた返信。 『先輩、なんか憑かれました?w』そんなほぼ想像通りの軽口から始まって、電話の怪談、なら似たような話は幾つもある、ただジャストはない、少しあたってみる、そのような内容だった。 結局は木露と同じ真摯な反応に、有難さと、心強さを覚える。ありがとう、と、感謝の意を返しておいた。
それからようやく起き支度へ入る。 尾鰭が出来たリンフォンを一瞥し、洗面所へと向かい、]
……、……
[一瞬、何か違和感を覚えた。 けれどもそのまま、歩き進み]
(26) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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[話を途切れさせないように、静かになってしまわないように、一二三はキルロイ先生と会った時の話をしてくれている。 入間は暫く「うん」と頷くだけだったが、歩きスマホをしていて倒れた話はさすがに、疲れた笑いではあったものの、笑ってしまった。 電話の話し口を聞く限り、それほどまでの奇跡的なおもしろドジッ子だとは思わなかった。いったいどんな人なのだろう。]
ほんと……めちゃくちゃ疲れた。
[入間自身のお小遣いはちょっとしたものなのだが、さすがに何日もホテル暮らしというわけにはいかないし、あっという間に手持ちのお金は尽きるだろう。]
(27) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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[話題が途切れてしまいそうだ。何かないかとラインの内容を振り返る。「そうだ」と声にだした。]
バイト受かったって、どんな系? 場所は?
(28) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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[なんとか足が動く。 伸ばされた手を取り、少し……いや、かなり体重を預けてなんとか立ち上がる。 早歩きほどの速度で、何度も後ろを見ながら。
やがて、駅が近づいてくると、人の群れが見えてくる。 今日ほど都会の往来に感謝した日は、もう二度と来ないだろう。
色々な考えが頭を巡るが、すべて投げ捨てた。 ただ、隣にいる男が、とても頼もしくて、とてもかっこよくて。 片手で取ったはずの手を、いつのまにか両手で包み込んでいる自分がいた。]
(29) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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─ 東京、四ツ谷マンション『友硯社』支部 ─
[爪を短く切った指がラインの表示画面を撫でる。 「先生にお疲れさまって言っておいてね」と返信を送って、鈴里は頬を手の甲で押さえた。
『同志』から話を聞くかぎり、 進みは順調と言える。]
っ、ふふ
[どうにも口元から、笑みが零れてしまった。]
(*0) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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― 深夜・代々木駅 ―
あ、居た居た。 お待たせ。
[何度か周囲を見渡し一二三を見つけ、二人の方へと近づいてきた。 照子とは手を繋いだままだ]
(30) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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[膝をついて立ち上がり、 本棚から一冊の本を引き抜く。
──東京村。
匿名の人間が書いた、東京のホラー小説。 その拍子を撫でて女は笑った。]
(*1) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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[想像してみる。
「もしも」
ある日帰ったら両親が 見知らぬ他人にすり替わっていたら?
あの彼女はどんな反応をするだろう。]
(*2) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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[希望通りだと喜んでくれるなら、 それでもいいけれど。]
やっぱり、怖い話が一番ステキよねぇ
[そう「例えば」この本に実体験として書き連ねられているような お話のひとつになるなら]
(*3) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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[ それはなんてステキなことだろう ]
(*4) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/01(Sat) 01時半頃
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え、あ。
[慌てて手を離す。 二人組の男女だ。どちらも見知らぬ顔。 片方は入間祥子の娘だと思うが、もう一人の少年は誰だろうか?]
(31) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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[想像すると背筋をぞくぞくとしたものが這い登っていく。思わずといった風に、彼女はぎゅっと腕にその本を抱いた。]
どんなお話ができるのかしら。
とっても楽しみねえ**
(*5) 2016/10/01(Sat) 01時半頃
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あ、バイト? 清掃のバイト。場所は、こっからちょっといったところ
[バイト先について明かしても差し障りのない事を話す。守秘義務について強く念を押されているため、これ以上話すと解雇という話にも繋がりかねない。 面接官が面白いくらいの銀縁眼鏡であったという話で切り抜けることにした。
何分、今日の出来事をそっくりそのまま女子に話すのは、憚られる内容であったから。]
(32) 2016/10/01(Sat) 02時頃
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や、あれ木露先生だ。木露先生ー。こっちですー。
[誤魔化すかのように木露に向かって手を振る。(>>30) 一緒に女性(>>31)もいるけど、彼女なのだろうか。ああ見えて、案外やるんだな、と少しニヤけてしまったのには気づかれたかもしれない。]
(33) 2016/10/01(Sat) 02時頃
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清掃か〜〜。この辺が近いの? 遊んでいけそうじゃん。よかったね。
[内容を誤魔化されたことにも、その理由にも気づかず、ただ話が途切れてしまわないよう一二三と話していると、なにやら目つきの悪い大学生(?)らしき人と近づいてきている。 一二三へ、「え?あれ?あのひと?」と訊く。]
えっ、彼女連れじゃん……
(34) 2016/10/01(Sat) 02時頃
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|
/*
霊界お二人お疲れさまよう。
東蓮寺くん襲撃は丸投げられた場合、そのまま迷っててねえ。 よかったわねえ帰らなくてすむわねえ(にこにこ ということになるかしら。特にものすごく希望がなければ みょんこ的には別に殺さないつもりでいる感じよ。
それと天声もちが私なので、ふたりとも何か表に伝えたい情報があれば メモとかで教えてもらえれば霊界通信させてもらうわね。
(*6) 2016/10/01(Sat) 02時頃
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リーは、イルマに、そうそうあの人が木露先生と頷いた。
2016/10/01(Sat) 02時頃
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あー、彼女じゃなくて、こちら編集者の出目照子さん。 祥子さんとは何回かあったことがあるそうだよ。 はじめまして、入間澪音さん。 木露流衣です。 や、少年。何時間ぶりだろ。
[空いた手で髪を掻きながら、そんな挨拶をする。 一二三には、軽く手を上げた]
(35) 2016/10/01(Sat) 02時頃
|
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/01(Sat) 02時頃
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先生、彼女だなんてまだ聞いてないです。期待はしましたけど。
[一通りツッコミをいれつつ、隣の女性に自己紹介をする。]
あ、入間さんのクラスメート李沢一二三です。残念ながら彼氏では無いです!
[しっかりとお調子者アピールすることも忘れなかった。]
(36) 2016/10/01(Sat) 02時頃
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|
[彼女らしきひとはゴス系の服の背が低めの金髪の女の子。 慌ててつないだ手を離している。別にいいのに。 彼女と居るところ押しかけてしまったのなら、かなり迷惑だったのではないだろうかと思う。 などと考えていたら、彼女説を否定される。 否定されたが、作家と編集が付き合っている、人には言わないことにしている、というオチを入間はまだ想像している。]
えと、夕方から、お世話になりました。 あ、母も、お世話になってます。
[と、キルロイ先生と出目照子という編集者の人に頭を下げた。 母と面識があると聞いてすぐ行方を知っているか期待を僅かに持ったが、キルロイと一緒にいたのだから、何か知っているならさっきの電話で聞かされていたはずだ。]
入間澪音です。
(37) 2016/10/01(Sat) 02時頃
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[キルロイ先生は、想像していたより、若い。 というか、思ったより大人っぽくない、というか。 今日は従兄と一緒にいたせいもあって、余計にそう思う。]
キルロ……じゃないや、きつゆ先生。 すいません、宛てとか全然なくて、結局きちゃって。 ていうか……その、怒ってます?
[目元を見てそう思った。]
やっぱホテル探せばよかったです、よね。
(38) 2016/10/01(Sat) 02時頃
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[初対面から、とんだ場面をみられたものだ。 頼るべき大人がこれでは、子供達も安心できまい。 何より木露を誤解をさせてしまったのが申し訳なかった。]
えっと、初めまして、李沢くんと入間さん。出目です。 さっきのはちょっと不測のトラブルというか、こっちから勝手に掴んだというか……とにかく不純なあれではないから、みなかった事にしてくれると嬉しいかな……はは……。
入間さんのお母さんとは……あ、いや。
[木露の方を見て。]
とりあえず、すぐ移動しよう。 ここは危ない。
(39) 2016/10/01(Sat) 02時頃
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俺からしてみれば君らの方が青春してるんじゃないかと妄想してしまうけどね、作家的に考えて。
……そうだよなぁ、釣り合い的に違うよなぁ。
[澪音と一二三の顔を見比べてからしみじみと言った。 しみじみと一二三の肩を叩いた]
(40) 2016/10/01(Sat) 02時頃
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[洗面所から戻ると、ベッドの端に腰かけた。Twitterをアプリで開き、呟くでもなく眺める。「解放治療カルテ」で名出し個人アカウントを取っているのはシーシャ一人だ。オフィシャル情報アカウントと並存するそのアカウントでは、不定期に他メンバーの写真や代筆がツイートされもする。 青年はといえば、全く無関係に匿名に、読書した感想を主に呟くアカウントを持っていた。そのツイート数は多くはない。なおシーシャはやたら多く、「ミュートすんなよ!」を定番ネタにしていたりする]
……
[TLを眺める途中、ふと意味もなく室内に目を向けて]
…… ?
[止まる。何か、違う、気がした。 何かが変わっている、気がした]
(41) 2016/10/01(Sat) 02時頃
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え?いや、怒ってないけど……素でこれですけど。 ああ、ホテルはこっちの方で探しておいたから。 澪音さんと出目さんは同じ部屋になるけど良いかな。 少年はどうする? ああ、お金の方は気にしなくていいから。
[手早く部屋割りをした後に、友人からのメールを確認する。 追加で代々木と新宿は避けて欲しい、と注文した割には早かった。 照子に促されて、小さく頷いた]
渋谷か……。 挨拶もそこそこだけど渋谷のホテルが取れたから、早速向かおうか。
(42) 2016/10/01(Sat) 02時頃
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ていうか、先生なんで編集の方と一緒に……?
[先生がここに来るのは自然だとしても、編集の彼女は家に待機していてもよかったはず。入間に起こった事件に興味があると見ればわからなくもないが、そんな風にも見えない。 むしろヴィジュアル系バンドの雑誌担当の方がすんなりきそうではあるが。一二三は首を傾げる。]
(43) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
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リーは、キルロイ先生のズボンが派手に破ける呪いをかけたくなった。
2016/10/01(Sat) 02時半頃
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[入間は一二三のお調子者アピールに、ごく自然なトーンでおどけるでもなし嫌がるでもなし当然といった調子で]
彼氏とかじゃないです。
[と頷いた。つい教室での極めて入間らしい素が出た。]
えっと……ん? 編集さんと作家さんて、付き合ってたらダメなんですか?
[と、出目が見なかったことにしてくれと言ったのが、逆に隠して欲しいから言っているように聞こえたらしく、そう訊いた。]
(44) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
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流石にこの時間だと清瀬まで帰るのはキツいんで…… お言葉に甘えさせていただいてもいいですか?
[木露に肩をぽむ、と叩かれた件は堪えることにした。 入間には不釣り合いなのは確かではあるし、木露も女性にモテなくはないな、とは思った。
ドジっ子である以外は。 ドジっ子である以外は。]
(45) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
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あっ。ご、ごめんなさい。 怒ってなかったんなら、いいんです。安心しました。
[目つきが悪いだけだったらしい。素直に謝った。 既にホテルの手配もしてもらっていたようだ。]
あっ、ホテル、先生たちも泊まるんですね……? そこまでしてもらっちゃって、すいません。
[入間はまだキルロイ先生たちの事情をしらなに。 渋谷に向かうというので頷いて、素直についていことに決める。]
(46) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
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はいはい、大人をあんまりからかうんじゃないよ。 少年も行くことに決まったし電車に乗り給え。 このあたり結構危険なんだから、さっさと行くよ。 斧を持った男とか出没するんだから。
[雑に少年少女を電車へと誘った。 自らは出目の後ろに付いて、周囲を窺う。 渋谷へと向かう電車に飛び乗り、ホテルへと*向かった*]
(47) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
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イルマは、リーから聞かされたためにキルロイ先生をドジッ子だと思っている。
2016/10/01(Sat) 02時半頃
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ら ぶにゃ ぶ にゃん
たの に たいの
(48) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
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― 早朝:渋谷・木露 流衣の宿泊部屋 ―
[それは木露 流衣の目には、はっきりと映っていただろう。 あるいは、周囲にいた人間の目にも見えていたかもしれない]
(49) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
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|
えっ 斧を持った男って『解放治療カルテ』みたいじゃないっすか。 ちょっと待ってくださいよー
[一二三は入間と共に木露に渋谷のホテルまで着いていく。 斧を持った男が実際の出来事であることも*知らずに*]
(50) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
|
|
[木露 流衣が眠りから目覚め、瞼を開いたそのとき。
すぐ目の前に、"ソレ"はいた]
(51) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
|
|
[きらびやかな空色のステージドレス。 ミニのスカートからすらりと伸びた白いタイツ。 差し色の赤いチョーカー。 猫耳のボンボン耳当て。
重力など存在しないかのように、"ソレ"は跳ね、踊り、舞った。 どこにもつながれていないマイクからは、しかし、ハッキリと、BGMを伴って街に流れるあの歌が流れていた]
(52) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
|
|
えぇ……代々木って今通り魔でてるんですか?
[斧を持った男が……なんてニュースはここ最近で見たことはなかったが、今日の午後いろんな意味で忙しくしている間に起きた出来事なのだろうか? 何にしても、住んでいる人が物騒だというのだから、そうなのだろう。 素直に代々木から渋谷へと向かう電車に乗った。**]
(53) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
|
|
♪らぶらぶにゃんにゃん、らぶにゃんにゃん ♪あなたのこねこになりたいの
(54) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
|
|
["ソレ"は、前かがみに顔を近寄せた。
熱をおびない、無機質なつくられた笑顔。
閉ざされた口からは、しかし、はっきりと言葉が紡がれた]
(55) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
|
|
ねぇ、木露先生。わたしを……抱いて。
(56) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
|
|
[木露の反応はいかなるものだったのか。 なんにせよ"ソレ"は、無機質な笑顔を浮かべながら、 後ろ手に隠し持っていたキッチンナイフを振り上げる]
(57) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
|
|
シク アイ クンネ
フレ ラクル
(58) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
|
|
[そのとき
バチンッ
と、なにかが弾ける音が響いた]
(59) 2016/10/01(Sat) 02時半頃
|
|
[木露の目の前には、もうなにもなかった。
"ソレ"の気配は、朝日の中に溶けたかのように霧散し、
ただ平凡な朝の光景だけが、そこにはあった。]
(60) 2016/10/01(Sat) 03時頃
|
|
うん、早く行こう。早く。 ……あ、ほんとに付き合ってないからね!
[落ち着かない素振りで、周囲をきょろきょろと見回しつつ、電車に乗り込んだ。**]
(61) 2016/10/01(Sat) 03時頃
|
|
[そして、青年は、それに気が付いた。 PCデスクと書き物机を兼用するシンプルな形の机。 その上に置かれた、一枚の紙に]
…… なに、 これ。
[それを手に取り見て、呟いた声は、掠れていた]
(62) 2016/10/01(Sat) 03時頃
|
|
・ ・ ・
さようなら その裏側を見る 裏側に書かれたそれに 私は気付かない 私は気が付かない その裏側に すべてがかかれているというのに
私は気が付く事はなく そうして私は 柘榴を食べて笑うのであり
さようなら さようなら さようなら
私が柘榴を食べ切ったなら 貴方も私を食べて欲しい 柘榴のようにたべてほしい
業火に焼かれる私を想って
(63) 2016/10/01(Sat) 03時頃
|
|
柘榴のように きらきらとあかく ひかった 私のノウズイは
きっと あまいです
・ ・ ・
(64) 2016/10/01(Sat) 03時頃
|
|
― 同刻:練馬 賃貸マンション105号室 寝室 ―
あっ……!
[短い悲鳴と共に眠りから目覚めた。 なにかが弾ける音の感触が、まだ耳に残っている。 それはまるで、あのときのような――
恐々と、祈るような気持ちで、 枕元に置いてある1冊の本を手に取った]
……うそ。 な、なんで!?
[ページの隙間から、紫の煙が立ち立ち昇っている。
ラクガキだらけの『東京村』 更に1/4ほどの頁がぼろぼろにやけただれていた]
(65) 2016/10/01(Sat) 03時頃
|
|
[紙に書かれたそれは、歌詞のようだった。 それは確かに己の字で書かれていた。 己が書く歌詞らしい、ものだった。
だが、それに、青年は全く覚えがなかった。
一つ、二つ、三つ、 何やら水滴の染みが付いた紙面を、無言に見つめ]
(66) 2016/10/01(Sat) 03時頃
|
|
[続けて、青年は、それ、にも気が付いた。 リンフォン。 それを、青年は鷹の完成まで進めていた。 それが、更に、魚のはじめまで進んでいる、事に]
(67) 2016/10/01(Sat) 03時頃
|
|
「……おい。……おい?」
(68) 2016/10/01(Sat) 03時頃
|
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― 昼頃 新宿・某スタジオ ―
[はっとする。重なる呼びかけに、己が意識を遠くしていた事に気が付いた。見れば、呼びかけの主ヴェスパタインは、また他のメンバー達は、心配げに此方を見つめていて]
「大丈夫か? 顔色、悪いぞ」
……ああ、うん、ごめん。大丈夫だよ。 少し、ぼんやりしてた。 寝不足かな。呆れたものだよ。我ながら不摂生で。
[そう冗談めかして言い、笑う。胸の裡には、昨日からの幾つもの奇妙が、不穏な感情が、渦巻いていた。 己は、何か病気にでもなったのだろうか、と思う。 夢遊病、怪奇小説を思わせる、それにでも、……**]
(69) 2016/10/01(Sat) 03時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/01(Sat) 03時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/01(Sat) 14時頃
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―朝: 練馬 賃貸マンション― 『も〜、ほんと元気出しなって〜。 ゆうくん、平気だったんでしょ?』
うん、そうなんだけど······
[同グループメンバー“てるみー”(>>1:253)からの電話に応えながら、トーストの耳をちびちびかじる。女性スタッフが目の前でスクランブルエッグを調理してくれているが、至れり尽くせりな対応はかえって居心地が悪い]
(70) 2016/10/01(Sat) 14時頃
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[本郷からの連絡を受けたのは今朝はやく。
入間宅に警官を装って訪問したS面子が、入間祐輔の無事を確認したそうだ。連絡がつかなかったのは、携帯の電源が切れていただけ。顔を知っている面子も同行し、会員番号も暗証できたので、まず間違いないようだ。
ただ会員カードを紛失してしまったそうだが······]
(71) 2016/10/01(Sat) 14時頃
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[テレビから報道番組のニュースがながれる]
『ライブゲート代表取締役 赤羽忠雄さんが、東京都六本木の自宅で倒れているのを家族が発見し、搬送先の緊急病院で死亡が確認されました。死因は急性心不全でした。』
[赤羽の“対処”が完了していた。おそらくは立川も。 ため息を漏らして、チャンネルを無作為にかえる]
(72) 2016/10/01(Sat) 14時半頃
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[殺したのは“もうひとりのあたし”だ。本郷には、自分が体験したことの一部始終をつたえたが、まもとに受け取ってはもらえなかった。
ジリヤを確保したとき、本郷たちが目撃したのは、窓から飛び降りる人影の背後のみ。ステージ衣装は目についたらしく、本郷は異常者の仕業だと決めつけている]
(73) 2016/10/01(Sat) 14時半頃
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ええ!? 『解治』って、あの『解治』······ 『解放治療カルテ』!?
『そうそう、うちに好きすぎてヤバイ子いるっていったら、四ツ谷くんが、遊びにおいでって。今日の昼からスタジオはいるってさ』
(74) 2016/10/01(Sat) 14時半頃
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(四ツ谷くん? “シーシャ様”だよ!バカ!) え、でも初めて知ったよ!? 輝美が知り合いなんて!
『前の打ち上げイベントで一緒に飲んでさ。ぶっちゃけ、うち興味ないし、あんたいってきなよ』
いくよ! 絶対いく!!
(75) 2016/10/01(Sat) 14時半頃
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[電話を切ると即座に食べかけのトーストを口の中にねじこみ、ミルクティーで一気に流し込んだ]
えと、えと、着替えして、美容院いって、 "先生"に電話して、えーと、渋谷まで何分? あっ、その前にシャワー! 先生の前に、自分でも調べなきゃだし! ジーパンNGだよね!?ワンピ?ゴス? あー、空色のしかない! あっあっ!美容院!予約しなきゃ!
(76) 2016/10/01(Sat) 14時半頃
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[目の前に出されたスクランブルエッグを 皿ごともちあげて、がばがばと口に流し込み、 頬張りながら席をたった]
ほひほうははへひた! (ごちそうさまでした)
んぐっ······ま、間に合えぇぇ!!
[ワタワタとパジャマを脱ぎ散らかしながら バスルームへ駆け込んでゆく]
(77) 2016/10/01(Sat) 14時半頃
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あ············っ!
[右足に突然痛みが走った。 昨晩のあのときに傷んだ脛が青黒く腫れている]
······やっぱり、どっかにぶつけたかな?
[脛を擦りながら、空色に合うタイツ買わなきゃと考えていた]
(78) 2016/10/01(Sat) 14時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/01(Sat) 14時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/01(Sat) 15時頃
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[ヴェスパタインの提案で、一旦小休憩を取る事になった。ステージの端に腰かけ、りんご風味のペットボトル水を煽る。と、いきなりばしりと背を叩かれて、少しむせた。 口元を肩にかけたタオルの端で拭いつつ、横に座ったその手の主を睨んでやる――といっても目元はあちらから見えないわけだが、ともあれそいつは、シーシャは軽率げに笑って]
「どうしたよ樹〜、風邪かぁ? 声低いぞお」
……それは元からだよ。 風邪、もしそうならキミのせいって事になるけれどね。 八割くらい。 っていうか、寝不足だって言ったでしょうよ。
[いつも通りの軽いノリのシーシャに、青年はやはりいつも通りを努めて返した。昨日からの件を、彼やヴェスパタインには言ってみようか、そんな思いも過ぎったけれど、緩やかな躊躇いがそれにまさった]
(79) 2016/10/01(Sat) 16時半頃
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[そもそもがオカルトでしかない話だし――シーシャはそういうものは「信じたくない」タイプの、ただ占いやら縁担ぎはつい気にしてしまうような、まあ言ってしまえば怖がりであったし、ヴェスパタインは冷静に科学的に信じないタイプだ、亡霊やら魔術師やら似合う見た目してるくせに――今のところ別に際立った実害が出たわけでもない、出てはいない、 それに、 今この時、青年はオカルトな実情よりも、 己の正気を疑いかけていた。痕跡がない怪異、そう、メールが文字化けしたらしいという事実以外には、他者は認識していない、して貰おうとしても出来ないのだ、この異常は、なら、あるいは、全てが己の白昼夢や、妄想、だったとしても、 何よりあの、自分が書いていない、自分の、]
あの、パズル。 ついやってしまったんだよ。夜中まで。 おかげで鷹までは進んでさ。
[可能性の否定したさに。全てを遠ざけたさに。 切り出す代わりに少しの嘘を交えて戯れた]
(80) 2016/10/01(Sat) 16時半頃
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ジリヤは、ドリベル様に思いを馳せながら、渋谷の美容院で髪をセットしている。
2016/10/01(Sat) 16時半頃
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WEEKLYカルトにゅ〜す 慈善団体?カルト?−硯友社を名乗る団体について‐
三十年ほど前から東京に進出してきた謎のアンケート配り団体。 サイトなどはなく、二十三区内を中心に出没しているようだ。
なお、硯友社と彼らが名乗るようになったのはわりと最近で、以前は「石見友の会」と名乗っていた。
こちらの名前での活動は、東京よりもT県の日南一帯での集団生活などが大正時代以前から報告されている。昔は村を形成していたとの地元住民の証言もとれた。 近年めだつアンケート活動のほか、清掃活動、冊子配布などの運動もみられる。
名称変更の理由ははっきりとはしていないが、彼らは大穴牟遅神を本尊としているともいわれており、近隣で同神を祭っている大石見神社側とひと悶着あった末のことではないかと目されている。(※注1 大石見神社側は同団体との関係性をきっぱり否定している)
(81) 2016/10/01(Sat) 16時半頃
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(中略)
発信の少ない団体であり、勧誘活動などもごく限られたうちで為されているようで報告を聞かない。
東京でのアンケート活動がよく見られているが、これはここ2〜3年のもので歴史は浅い。
よりよい社会のために、等の文言は石見友の会からの系譜を考えると、大己貴命(オオナムチ)が少彦名命(スクナヒコナ)に自分たちが作った国はよくなったといえるだろうか?と尋ねた逸話がもとになっているのかもしれない。
(82) 2016/10/01(Sat) 16時半頃
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「おいおーい。 そんなに面白いん? あれ。確かにすごそうだったけど」
面白いよ。全部終わったら貸そうか?
「えー、俺パズルとか苦手なんだよなあ……」
知ってる。
[たわいないやり取り、 ふと、シーシャが思い出したように壁の時計を見た]
「あー、例の子、いつくるかなー。楽しみだなあ」
[そうして呟く、内容は周知のものだ。シーシャによれば、以前打ち上げイベントで一緒になったアイドルの子、そのメンバー仲間に此方のバンドのファンがいるらしく、ならスタジオにおいでよ、と誘ったのだという。 その女子について、シーシャの「可愛いコだから楽しみ」的気持ちと同じものは青年には全くなかったが、単純にどんな子なのかと思うような興味はあった]
(83) 2016/10/01(Sat) 16時半頃
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また、書いたことが現実になった。ナドの噂があるが、これは単に偶然の一致をそう思い込んだか、もしくは団体所属者のステマである可能性が高いだろう。
Twitterや匿名掲示板などで、特定個人を名指しでいなくなれと書いたら行方知れずになったなど事件性のある書き込みがちらほらと書かれているが、警察にそのような問い合わせをしたところ、該当する事件はないとの回答だった。
(84) 2016/10/01(Sat) 16時半頃
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なおアンケート活動をしているところをよく目撃される女性は地域を問わず出没しており、複数の場所に同時刻にいたなどというオカルト話も出ている。
奇怪なアンケートとの掛け合わせ効果だろうか。オカルト界隈では硯友社の名前を聞くようになってきた気がする。
筆者としては、これは似た印象の別人だろうと考えているが、硯友社の他のやり口からして、意図的に「似せている」という可能性も考えらえる。
期待と不安をあおるような希望アンケートの次はドッペルゲンガーなどを利用しようというのだろうか。出現が不定期であるために確認が容易ではない点が難関だが、近々にライター陣数人で網を張って確認をしようと思っているところである。
(85) 2016/10/01(Sat) 16時半頃
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『ちがうよ。わたしじゃない』
(86) 2016/10/01(Sat) 16時半頃
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[あれは小学四年の夏休み前だ。管理されきっておらず、雑草が生え放題の校舎裏にはうさぎが一匹飼育小屋の隅に蹲っていた。つい一昨日まで番いだった小屋の中で寒そうに身を縮めている。]
『うさぎ、殺したりしてない。 わたしじゃない……』
[そう繰り返す声は震えていた。足に力が入ると、履きかえずに出てきてしまったうわばきが土の上に押し付けられてきゅっと小さく鳴いた。]
(87) 2016/10/01(Sat) 16時半頃
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[泣きそうな声で首を振ると顔のサイズに合わない大きな眼鏡がずりおちそうになって、あわてて「彼女」はツルをおさえた。]
『ちがう。わたしじゃないよ
…… "みょんこちゃん″だよ』
(88) 2016/10/01(Sat) 16時半頃
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[鼻の頭は赤くなっていた。うつむいているせいで硝子の上にてんてんと滴が溜まる。]
『みんなやってないなら、 "みょんこちゃん"がやったんでしょ』
[そう彼女は あだ名をくりかえした。少しの敵意をもって、 きらいなあだ名を、他人に擦りつけようとするように。]
(89) 2016/10/01(Sat) 16時半頃
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[ひっく と、肩がしゃくりあげられる。彼女が周囲からハンニンだと疑われたのは、「おはなし」を書いていたからだ。
──神隠し。人の中身が知らない間に入れ替わっている話。 身近にある怖いアパートの話。夜中のテレビに映る女の幽霊。 いちど迷い込むと二度とかえって来れない知らない道。 よなよな近所のネコを襲って回る斧男。 わかってしまうとこわいことがおきる、ひみつの暗号。]
『ち″がう″もん……』
[暗いし、きもちわるい趣味だと馬鹿にされていた。クラスメイトの中で彼女にそう接しなかったのは、ふたりだけだ。]
(90) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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『な″んでぇ……っ!』
[責められて逃げてきたハンコウ現場で、ぐずつくはなを鳴らして、ついに彼女は顔をくしゃくしゃにして泣き出してしまった。]
『なんで、"みょんこちゃん" ちがうって言ってくれないのぉ゛っ……!』
[吐き出されたのは彼女らしからぬ、八つ当たりじみた攻撃的な声だった。追い詰められたストレスで、きっとどうしようもなかったのだろうけれど。]
(91) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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ドリベルは、ジリヤの話題から、次は今朝のニュースの話、一時のお喋り**
2016/10/01(Sat) 17時頃
ドリベルは、ジリヤに話の続きを促した。
2016/10/01(Sat) 17時頃
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[無理からぬことだったと思う。なにせ彼女には──鈴里みよ子には、友達が本当に少なくて、周囲から疑いの目を向けられたときに、かばってくれるような味方は、教室にはささもとくんと、
──「私」の、ふたりだけだったのだから。]
(92) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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(93) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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─ 東京四ツ谷マンション、硯友社支部 ─
[ベランダに出るための大窓にかけられた薄緑のカーテンが、 朝の日差しに白く透けながら光っている。]
ん……ん、
[机で調べごとをしている間に、いつの間にやら微睡んでしまったらしい。頭をのせていた腕と肩が痛かった。幸いメガネは寝る前に外していたため、フレームがゆがんだりする事態は避けられたようだった。]
(94) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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―翌日朝・上野中下アパート―
うーん……あれ?
[身を起こした時には既に朝だった。枕元の電気はつけっぱなし、本も広げられたまま。どうやら、昨日はそのまま寝ていたらしい。]
まいったな……明日面接だってのに、もう9時かよ。 すっかり夜型になってんな…
(95) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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[なんとなく気になって、昨日新宿から戻ってきた後、台東区民図書館で本をいくつか借りてきていたのだった。内容は言うまでもない。カラスの生体に関する本とか、そういったものだ]
図鑑なんて読むのは子どもの頃にオルビスの学習図鑑読んで以来だな… 鳥よりは魚の方よく読んだよな。あと動物の哺乳類のとこだったか。両生類から後のページはキモいから飛ばしで読んでたよな。アシナシイモリがな、特に……
[ページをめくる。窓の外に視線をちらっとやるが、隙間から日の差し込むカーテンはきちっと閉められていた。]
(96) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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カラス。スズメ目。カラスは大別してcrowとravenに分けられる。日本でよく見かける種はハシボソガラスとハシブトガラス。どちらもcrow。ravenはそれよりも大型のワタリガラスなど。
カラスの知能は人間で言えば7〜8歳程度。電線にぶら下がったり滑り台で滑るなどの遊びを行う事もある。他個体との意思疎通ができ、紫外線を識別可能。人間や他の動物、植物を見分ける事もできる。 光り物を好む行動はよく知られているが、これも繁殖とは関係がなく、カラスの知能の高さを示す事例である。
電柱や樹上に営巣し、この期間中に付近に近づいた人間を襲う事がある。具体的にはまず鳴き声や相手の目前まで舞い降り、それでも立ち去らない場合髪を掴むなどの攻撃に出る場合がある。
天敵はあまり存在せず、猛禽類に対しても集団でモビングと呼ばれる威嚇行動を行い退散させる。
……なるほど。
(97) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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あー…… かたまっちゃってるわねぇ
[それも仕方ない。上半身を起こすと組んだ腕を上に伸ばして軽くストレッチを試みた。みしみしと筋肉がきしむ。]
やぁねぇ……ずいぶん懐かしい夢みちゃったわねえ
[たぶん、昨日、彼と再会したせいで記憶が揺り起こされたのだろう。口端に苦笑が浮いたが、それもあくびにとって代わられた。目端に浮いた涙を指で拭う。]
(98) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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[左右に体をひねって、さらに柔軟性を少しでも取り戻せるようにあがいてみる。]
あら。
[そうして、いくらか体がほぐれたところで、テーブルの上に置きっぱなしのスマートフォンに通知が来ているのが見えた。
『知り合いに招集かけられたんで、 病院から離れました。 さっき東中野まで行ってきました』
『現状続行でOKですよね?』
『寝てます?』
『いないか』
サミュエルからのメッセージが連続して届いており、一度あきらめたようにタイムスタンプに間が開いていた。]
(99) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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[画面をスクロールすると、つい先ほどの時刻に続報が届いていた。
『事後になりますが知り合いの方には 問題ないって報告あげときました』
『幸い個人的な知り合いはいなかった様なんで おおむね大丈夫かと』
どうやら、こちらが微睡んでいる間に彼がよいように計らってくれたらしい。「ありがとう。問題ないわ」と、みょんこはその場でLINEにレスを返した*。]
(100) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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それから……
[別の本を手に取る。こちらも借りてきた本。もう少し人類学的なアプローチからカラスについて述べたものだ]
カラㇲは世界各地の神話に登場する。多くは太陽と関連付けられるか、太陽神の眷属としてである。
(101) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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日本で東征の際に神武天皇を先導した八咫烏、韓国の三足烏、中国の太陽に住む金烏および尭の時代に地上を焼き尽くした10羽の火烏、 ギリシャの太陽神アポロンの使い、イギリスではアーサー王が姿を変えたとされるワタリガラス、アイルランドではケルト神話に登場するバイヴ・カッハの三女神……遠くはエジプトでも太陽とイメージを結び付けられている。
……そう言や、昨日大家の婆さんが言ってた博士。確か東大で人類学だか歴史文化学だか…そんなのの研究をしてたって言ってたな。 海外でのフィールドワークが中心でほとんど家に戻らないから、こういうクソ安い物件を借りてたって……
(102) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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[なんとなく引っかかる。壁越しに隣の部屋を見渡した。現場の入口にはもう「KEEPOUT」の立入禁止テープは張られていない]
……あの部屋、なんかカラスと関係でもあるのか?
[カーテンを開けながらそう呟いた時、ふと窓の外に一話のカラスが止まっているのが見えた。 そのカラスは街中で見かけるハシブトガラスよりはずっと大きかった。
具体的には昨日新宿駅で見かけたカラス、上野恩賜公園の不忍池にいたカラスと同じくらいに。……というよりは]
やっぱりそうだ。あいつ……同じ奴だ。 ずっと俺を追ってるのか? ……なんのために。
いや……つまり。
(103) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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……………隣……か?
[という言葉を口に出す事はなかった。そのカラスがずっとこちらを睨み付けるように、その烏玉色の瞳を動かさなかったからだった*]
(104) 2016/10/01(Sat) 17時頃
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─ 四ツ谷マンション、硯友社支部 ─
[部屋のカーテンを開けると、外には朝日を浴びた街並みが見えた。チュンチュンと鳥の声が聞こえる。今朝もこの街は相変わらずだった。相変わらず見知らぬ他人同士が大量にひしめき合いながら暮らしている。顔見知りや同級生たちだとて、共有の場所から一歩踏み出せば互いが何をしているかすべて把握している関係の方がきっと珍しい。
だからこそ、自分たちのようなものが 動ける隙間があるのだけれど。]
ん……あら?
["病院″の方へ逃がさないようにという連絡を終えて、顔を洗って着替えて化粧をしてと出かける準備をしていたせいで、その着信に気づくのは間があった。コール音が鳴っている。]
(*7) 2016/10/01(Sat) 19時頃
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[手にしかけていた眼鏡を机の上へ戻す。 それから、通話ボタンを押した。 ジ、ジッ ザ ァーーーーーーーーーー と、 まるで何かの妨害電波か何かのようなノイズが数秒続いてから、 音の砂嵐は静まった。
首を傾げる。一秒、二秒。無音が続いた。]
(*8) 2016/10/01(Sat) 19時頃
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[かけてきたものをとったのにも関わらず、呼び出し音が流れる。 それからさらに3秒待ってから、鈴里は口を開いた。]
……こんな朝早くに、珍しいわねぇ
どうかしたの、東蓮寺くん?
[画面に表示された相手への呼びかけは、 ごく悠長に、*のんびりとしたものだった>>+26*]
(*9) 2016/10/01(Sat) 19時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/01(Sat) 20時半頃
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― 午前:表参道・美容院 ―
[担当の美容師にいつも通りとだけオーダーし、 ネイビーブルーのスマートフォンに目を落とした。 受付前のソファには運転手として同行した本郷。 護衛半分、監視半分といったところだろう。今の状況では心強い。
Chromeアプリを開き、"ドッペルゲンカー"と検索する。 なにか少しでも知識をつけて、状況を理解しなければ――]
(105) 2016/10/01(Sat) 20時半頃
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[ホテルの部屋に着くまで、移動の時間はずっと従兄に電話をかけ続けていた。]
出ない……るいくんも……
[一緒に家に来てもらったから、頭のおかしな偽親たちや、またはあの近所の人間と何かあったかもしれない。 不安な気持ちが大きくなる一方だ。]
(106) 2016/10/01(Sat) 20時半頃
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― ホテルの一室 ―
[部屋は出目照子と同室になるようだ。 まったくの他人だけれど……と、その10センチは低い背の金髪頭をちらりと見た。 たしかに、一二三にもキルロイ先生にも今日は世話になり、入間としても深く感謝しているつもりなのだが、同じ部屋で寝たい!という気が起こるかはまったくの別の話である。]
出目さん。 電話とかかけててもいいですか?
人の音すると、寝づらい? いつ連絡つくかもわからないから ……電話だけかけてたくて。
寝れないみたいだったら、あたしトイレでかけてるから、 言ってください。
(107) 2016/10/01(Sat) 20時半頃
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[心配で不安で落ち着かないから眠る気があまり起きなかった。]
はやく出てよ……
[入間は携帯の充電器をコンセントに刺して、従兄や父に電話を何度もかけてみている。 その間、プラチナカードの電話番号をながめていた。どんな店やファンクラブかはしらないが、深夜にかけるのもはばかられたので、かけるならば日中だろう。 自分の電話を通話用に、母の電話を検索用に。 捜索願に関してや、その関連で出てきた探偵事務所に関することを分からないなりに調べようとしている。 合間に気になったことも検索してみる。しかし。 ――斧男の通り魔のニュースなんて、どこにもなかった。**]
(108) 2016/10/01(Sat) 20時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/01(Sat) 20時半頃
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―朝・上野中下アパート5階―
[山岸五郎はカーテンを開け、ベランダから件の事故物件である部屋を覗いてみる。壁で区切られてはいない。安普請の防火扉がある程度だ。そもそもベランダといったって、東京の2万円台の四畳半ワンルームにベランダ(らしきもの)があること自体が有難いのだ。文字通りの意味でそうあるものではない]
……黒い羽が何枚か落ちてるな。風切り羽ってやつか。あと、カラスじゃなかったら羽毛布団に使えそうなふわふわしたのも。
[そこまで言って、ふと違和感に気づく。]
(109) 2016/10/01(Sat) 21時頃
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……妙だな。この物件、ベランダにネットは張られていない。 だからカラスが止まってもおかしくはないが、だったら羽は落ちてるのに糞が落ちてないのは妙だ。
[そこまで言って、ちらっと正面の木の方を見た。今日もカラスは随分止まっている。既に10羽近く、例の大カラスもだ]
(110) 2016/10/01(Sat) 21時頃
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……いや。何を気にしてるんだ、俺は。
大体、隣の部屋は前の前に東大のドクターが死んで、その後萌えアニメばっか見てるキモオタが死んで…… その時点で壁も床も張替えてるんだぞ。 3人が連続で死んだ具体的な原因になりそうな「何か」がまだ部屋の中にあるわけないだろう……
ない……よな。改装するんだ。床も壁も、ベランダだってチェックする。取り換えないものなんて……
(111) 2016/10/01(Sat) 21時頃
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……んっ?
[そこまで考えて、ふと隣室のベランダをぐるりと見渡した。]
カラスの羽が堕ちている以外は割ときれいな部屋だが…… にしてはあそこだけ…妙だな。
エアコンの室外機から部屋の中に伸びてるダクトが…
(112) 2016/10/01(Sat) 21時頃
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室内に通じる接続孔のとこだけ妙にひしゃげてないか?
[じっとその接続孔を凝視する。とは言え、こちら側からではダクトが潰れ気味に変形しているという事しかわからない。身を乗り出そうとした時]
(113) 2016/10/01(Sat) 21時頃
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『K H A A A A A A ――――――!!!』
[けたたましい鳴き声がすぐ耳先から聞こえた。びくっとして振り向くと、例のカラスがすぐ前の木の枝に止まっている。その烏玉色の瞳は、何も表情を映さないまま、ただ山岸五郎に向けて威嚇めいた鳴き声を発していた]
……んだよ。人間様を脅す気か? チッ……
[目の前のカラスを睨みつけながら息を吐く]
……気味悪い隣室の事なんぞどうでも良いけどな。
あんまりカラスが人間を舐めてんじゃねーぞ。こうなったら意地でも隣に何があるか見せてもらおうじゃねーか。
(114) 2016/10/01(Sat) 21時頃
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[そう言った時、突然ポケットの中のスマホが鳴った。カラスを横目に、受信マークを押す。番号は前職の友人からだ。なお男だ]
おう。久しぶりだな。元気にしてたか? 俺?俺は明日面接よ。下見も済ませたし今日はフリー。 ……なんだ、今からか?お前休みなの?
あー、お前もやめたんか。だろうな。
んじゃ、久しぶりに話でもすっか?場所はどうする?
[出かけるためにベランダから部屋に戻り、着替えの準備を始める。その山岸五郎の様子を、大カラスはじっと見つめていた。ただじっと、監視カメラのレンズのように*]
(115) 2016/10/01(Sat) 21時頃
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[『ドッペルゲンガー』とは、医学的には「自己像幻視」という自分自身の姿を見る幻覚の一種であり、脳腫瘍によって引き起こされるケースが多いという。
また、オカルト用語としては、複数の場所で同時に同一人物が姿を現す現象を指すそうだ。こちらのドッペルゲンガーにまつわる伝承は、古くから世界各地に存在しているという]
(116) 2016/10/01(Sat) 21時半頃
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[江戸時代の日本では「離魂病」という肉体から霊魂が分離・有形化したものと考えらえ、『影法師』『影の病』などの名称で呼ばれていた。
『日本古文献の精神病学的考察』という本は、この『影の病』の一例として、親子3代に渡って影法師を目撃して病死した家系が紹介されている。"見たら死ぬ"と言われるゆえんはここからだろうか?]
……影。
[ヤヘイの言葉を思い出し(>>1:276)、ゾクリと背筋が凍った]
(117) 2016/10/01(Sat) 21時半頃
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[ドッペルゲンガーを扱った文学作品は数多い。かの芥川龍之介は、短編『二つの手紙』の中で、自分と妻のドッペルゲンガー現象に苦悩し、正気を失っていく青年の狂気を描いている。
ちなみに、芥川自身、自分のドッペルゲンガーを実際に目撃したと、ある座談会の場で述べたという。このようにドッペルゲンガー現象と遭遇した偉人は多く、エイブラハム・リンカーンもその一人だという。
芥川とリンカーン、そのどちらも自殺と暗殺という、壮絶な最期を遂げている]
(118) 2016/10/01(Sat) 21時半頃
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[第三者を殺害するドッペルゲンガーが登場する文学作品として 『プラーグの大学生』があり、悪魔により奪われた青年の影が、影法師となり、青年が恋する女性の許婚を殺害する。結果、苦境に立たされた青年はこの影法師を射殺するが、魂を共有する影を破壊したことで青年もまた命を落としてしまう。
遭遇者が生存する作品にはアルフレッド・ノイズ『深夜特急』があり、"無限にループする異界"に閉じられた青年が己のドッペルゲンガーと対峙し、壮絶な殺し合いの末に帰還する。ただ、この帰還した青年が、本人なのか、それとも影法師なのかは、実際のところはっきりと明記されてはいない]
(119) 2016/10/01(Sat) 22時頃
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な、なにこれ ……死ぬことばっかり
[昨晩の記憶がよみがえる。 身体の芯が冷えてゆくようだった]
(120) 2016/10/01(Sat) 22時頃
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─ 四ツ谷マンション、硯友社支部 ─
[軽くシャワーを浴び髪を整えて化粧をした鈴里は耳元にスマートフォンを当てて、首をかしげていた。ふと、ノイズ交じりにだが、あっ。と人の声がした>>+27。]
……………。
ええ、鈴里の携帯よ。
なんだか少し聞こえづらいけれど、 ちゃんと聞こえてるわ
[問いかけに、驚いたような声で答えを返す。電話口から聞こえる東蓮寺の言葉は常になく急かされるようだった。不安、緊張、狼狽、理不尽への不満、恐怖。感情が入り乱れているのが表情を見ずとも伝わってくる。]
(*10) 2016/10/01(Sat) 22時頃
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……駅、どこかわからない? 新宿駅じゃないの?
[わからない、駆け足の言葉についていけていない──風に、きょとんと理解が追いつかないように問い返しを挟む。口元を手で押さえた。]
出社できないってことなら、 そう伝えておかなきゃいけないわねぇ
[声にだけは話の展開への戸惑いを乗せながら、頬を押して、引き延ばす。──唇が三日月に笑ってしまうのを堪えなくてはいけなかった。]
(*11) 2016/10/01(Sat) 22時頃
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ねえ、まずはちょっと落ち着いて、東蓮寺くん 近くで一番めだつものはなあに?
[迷子になって、焦っている相手にそう接するように声は仕方なさげな風に取り繕う。わからないと返事があれば、悩むように間をおいた。耳だけは澄ませておく。沈黙が、解決しない時間が、彼に与える影響を聞き漏らさないようにだ。]
(*12) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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ええ。会社に一報は…──私から いれておくわ 警察にも、 ……話してみるから、ね。
[通話をどのタイミングで切るのが最良だろうか。意図的にスマホを口元から遠ざけて思案しながら、言葉と声ばかりは期待を持たせるように、彼の希望を叶えることを約束する。ほんの少しだけ、目の前に希望を細い望みを垂らす。声は飽く迄穏やかそうになだめるようにでなくてはいけない。今、彼をすぐに決壊させてしまうのはもったいない。]
(*13) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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[彼は、思い描く「登場人物」として優秀だ。 それに、]
…… ねえ、東蓮寺くん ひとつだけ ── いいかしら。
(*14) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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[これは、きっとやがてロアになる。あの「東京村」のように。 恐怖体験として人の口から口に伝播する現代の寓話。]
「出られない」の?
「出たくない」んじゃあ、なくて?
[それなら。伏線が、気づくためのチャンスが── 振り返る機会があった方が「お話」は面白いのだ。]
(*15) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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―午前・原宿表参道―
[表参道は元々明治神宮の参道として整備された区域だ。ケヤキ並木が青山通りから原宿駅前あたりまで続くこの周辺は、長らく東京有数の洒落たショッピングストリートとして発展してきた。少し奥に入れば閑静な住宅街やハイソな感じの美容院が見られるこの辺りは、当然ながら山岸五郎の本来の行動範囲ではない。]
(121) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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ったく。この辺りだとは聞いてたが…… フランス語だかイタリア語だかの横文字をな。 カタカナで書かれてもわかんねーって。
[SEだった前職の頃の友人が待っているのはどの店だろう? さすがにパーカーからもう少しまともな私服に着替えた山岸五郎は周辺をぶらついている*]
(122) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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[美容師の呼びかけに、反射的に顔をあげた。
検索結果を追うのに集中したせいか、自分が今、どんな姿をしていたのか、すっかり頭から抜けていた。
敬愛する『解放治療カルテ』が芸能関係者だからという理由で我慢してはいるが、普段ならば、こんな少女趣味の強いワンピースなど、オフでは絶対に着ないのだ]
……ひぃぃぃいいいっ!!!
[思わず叫びながら目を覆ってうずくまってしまった。 鏡に映った、着飾った自分自身。 それはあたかも、あの"もう一人のジリヤ"のように見えた**]
(123) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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― 朝:ホテルの一室 ―
んん……。
[何に起こされるでもなく、ふと目を覚ます。 はっとして、ベッド下を覗き込む。
いつのまに意識を手放していたのだろう。満足に眠れたとは言い難いが。 抜け切らない疲労のせいか身体は重い。昨日酷使した足の筋肉が痛む。
昨晩から、同室の入間澪音は、しきりに電話をかけていた。 しかし、電話先との連絡は、とうとう取れず終いだったようだ。 その間、自分はできる事など何もないと思っていた。
ようやく昨日はひどく混乱していたと自覚する。 いざ落ち着いてみれば、やるべき事、できる事は山程あるように感じられた。
隣部屋の様子も気になる。あの二人は無事だろうか。 まずは全員で顔を合わせたい。こちらから訪ねるべきかもしれない。]
(124) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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デメテルは、イルマの様子を伺った。
2016/10/01(Sat) 22時半頃
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―午前・原宿表参道―
もうヤダ……絶対にヤダ! 今日帰ったら即効捨てる、こんな服!
[ぷりぷりと怒りを露わにしながら、『解放治療カルテ』へのお土産を求めて表参道の街中を歩いていた。本郷は、周囲に警戒心をもたれないよう、ジリヤから数十歩離れた位置からついてくる。
人通りはさほど多くはなく、ハイソは街並みに似つかわしくない顔はすぐに発見できた]
あれっ、"山岸"……さん?
[あの居心地のよかった時間が脳裏をよぎり、ぽろりと口から言葉が漏れてしまった]
(125) 2016/10/01(Sat) 23時頃
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―午前・原宿表参道―
ええと、「Labeille」って何て読むんだ。 フランス語だよな。ら……べいれ? らびーれ… らべーるぇ…… らべーる……
[ぶつぶつと呟きながら通りの店名に意識を集中させて歩いていた山岸五郎がふと名前を呼ばれたことに気づいて>>125振り返るには少し時間がかかった]
お。誰だ……って、昨日の嬢ちゃんか。今日はあいつ、探してねーのか? なんでここに……って、ここじゃ俺の方がお門違いか。
[後ろに男が付いている事は知るはずもない。ただ、別段少女に何か特別な感想を抱くわけでもなく、話しかけた。]
(126) 2016/10/01(Sat) 23時半頃
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(え、なに……そんな普通なの!?)
[まったく動じることのない"山岸"の態度(>>126)は、まるで昨日の続きのようで、それだけでなんだか胸がすく思いがした]
(……やるじゃん、"山岸"のクセに)
うん、今日はただの買い物。 ヤヘイは……ちょっと、仕切り直しっていうか。 そっちは?まさか青山に引っ越しとか?
(127) 2016/10/01(Sat) 23時半頃
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― 早朝:渋谷 ホテルの一室―
[夢を見ていた。 目の前で歌ってるのだ。テレビの向こう側に居るはずのアイドルが、ステージ衣装に身を包み。 夢でなければなんだというのだ。 『それ』は重力を無視して、まるで妖精のように舞い踊っている。 夢でなければありえないはずだ。 アイドルに、抱いてと囁かれるなど。 夢であってほしかった。 朝日に煌めくキッチンナイフの刃が、胸目掛けて振り下ろされたから]
なあ、少年……俺、生きてる?
[起きてるかどうかは分からないが、そんな問いかけを投げつける。 そのまま暫く、呆然と中空を眺めていた]
(128) 2016/10/01(Sat) 23時半頃
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……ふぁーあ。眠いな。寝てていい?
(129) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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―早朝・渋谷のホテル―
え。どうしたんですか先生。 先生が死んでたらオレも死んでるってことになるんですけど。
[隣から聞こえる木露の声によって、眠りは妨げられた。 正論といえば正論な言葉を吐きつつ、一二三はベッドから起き上がる。]
(130) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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おう……そうか。仕切り直しか。
[ネットでの「知らない街ニキ」の現況の事はよく知らない。何しろ、昨日は別の調べものでそれどころではなかったのだ]
いや、俺はちっとな。前の同僚と会う約束があってな。 この辺の店のはずなんだが。なんか、ラベイユとかいうそういう店。
俺の柄じゃねーよ、表参道に家なんてな。 大体、再就職したところでそんなに余裕かましてられる仕事でもなさそうだしよ。
……ま、買い物か。気を付けろよ。ナンパとか。
(131) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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[少女の名前は知らない。けれど、別にわざわざ聞くほどでもない。聞いたらそれこそ自分がナンパしているみたいだ。ふと少女から視線をずらす。
…ケヤキの並木の一本にカラスが止まっていた。例の大カラスだ]
あいつ…今日はあからさまに尾行してきやがったな。 そんなに見られたくねーもんが部屋にあんのか…
くそ。戻ったら絶対に見てやるかんな…
(132) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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つーか先生、汗ビッショビッショじゃないっすか。 なんか嫌な夢でも見たんですか?
[隣のベッドまで近づいてみて、滲む汗に戸惑いつつも。]
なんならシャワーでも浴びます? お湯、溜めときますけど。
[一二三は木露の顔を覗きこむ。]
(133) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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[一時の合間を挟み、再び演奏が始められる]
[…… すなわち、祖先代々より遺伝し来りたる無量の記憶と、その血統中に包含されたる各人種、各家系、各個性等の無数の性能の統一体たる人間の性格のうち、その一部が覚醒中に分離してあらわれたるものが所謂二重人格にして、同じく睡眠中に発露されたるものが夢中遊行症なり。 ……
…… 蜜蜂のうなり ……]
[迷妄めく思考も、 ただベースをかき鳴らしていれば、うすれ**]
(134) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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みょんこは、ゴロウに話の続きを促した。
2016/10/02(Sun) 00時頃
みょんこは、ジリヤに話の続きを促した。
2016/10/02(Sun) 00時頃
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ラベイユ? ……そこなら知ってるかも。 たしか、あっちの方だったかな。 近いから、一緒にいこっか? ちょっと道、入り組んでるし。
["山岸"の横に並んで歩き出す]
あー、まぁそうだよね。 えっ、じゃあ、まだあのカラスマンションに? ……大丈夫?あぶなくない?
目玉模様とか、カラスに効くっていうよ?
(135) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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うん、大丈夫だ、キミは死んでない。 つまり、俺も死んでない。
[一二三の返答から、そんな結論に辿り着いた]
……いや、なんか変な夢を見ただけだよ。 アイドルに殺されそうになるぐらい愛されるやつ。 ああ……お願いできるかい、すまんけど。
[指摘されて、酷く汗をかいていたことをようやく自覚する。 昨日の疲労も抜けきっていない。 爽やかな朝にふさわしくない、どんよりとした顔を一二三に見せつけていた]
(136) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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ナンパは……うん、気をつける。
[誘われたら断れないからな、と不甲斐なく想ったタイミングで、"山岸"の視線が逸れた。ケヤキ並木の上に巨大なカラスが一羽]
……ヒッ
[咄嗟に"山岸"の腕をとって寄り添った]
えっ、えっ……尾行って それ、ヤバイじゃん…… 顔おぼえられてるって……
(137) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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リーは、一瞬、体を強張らせた。
2016/10/02(Sun) 00時頃
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見られたくねーもんって ……カラスだよね?
え、ちょっと…… カラスと張り合ってるの?
やめときなよ、突かれたら痛いよ? きっとビンのキャップとかビー玉とかだよ……
[不安な表情で首を振る]
(138) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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ア、アイドルっすか。
[一二三は木露の言葉に動揺を隠せず。 蛇口を捻る手が、カタカタと震え出す。]
(139) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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あっちか。それは、ついてってもらえるとまあ、助かるな。 同僚と会うんでなきゃ、飯くらいは奢ってやるとこなんだが。
フランス語って分かんねーよな……
[軽く頭をかいて、また歩き出す]
あー…まあな。鈴里さんが昨日様子見には来てたらしい。 今は現場検証も終わって事故だって事にはなったみてーだが、 さすがにしばらくは借りてもつかねーだろうな。 入って2か月かそこらの奴が事故ったんじゃ。
目玉、なあ。地元の田んぼにそんなのあったな。 効けばいいが…あいつがそんなタマなら苦労ねーんだけどな。
[やはりカラスはこちらの後をついてきている。こちらをずっと見ているというわけでもなく、その辺りを飛び回っているようだったが]
大丈夫と言や、嬢ちゃんもあんまり顔色良くなさそうに見えるが。
(140) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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それに、その……
人、死んじゃってるんだよね。 ……そのマンション。
笑われるかもだけど…… そういうの、けっこう本当にあると思うし……
[歯切れ悪く言いよどんだ]
(141) 2016/10/02(Sun) 00時半頃
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も、もしかして、そのアイドル歌っちゃったりとかしちゃうんですかね。 ア、アイドルだから歌うのも当然っちゃあ、当然ですけど。
[声は上ずり、手の震えが止まらない。蛇口から勢いよく出てくるお湯は、バスタブを段々と満たしていく。]
(142) 2016/10/02(Sun) 00時半頃
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……なんだ。怖いのか?
[怯えたように腕を取って寄り添ってくる少女>>137に少々困り顔になった。主に外面的な意味でだ。]
気にすんなよ。カラスとは言え、あくまでもカラスだ。 集団ならともかく、1羽だけならな。
張り合うつもりはねーが、隣の部屋の事故にあいつが何か関わってんなら、これ以上人間舐めさせとくわけにもいかねーし。 明日の面接をさっくり通して再就職して、アパートともおさらばする。まともな物件に移れば奴が何をやってこようと関係ねー。 そんだけだ。
……瓶のキャップとかそういうもんだったら、確認すりゃ安心できるし。
[ことこの件に関して、いくら傍から見てカラスと張り合うという愚行に移ろうが、引くという選択は山岸五郎にはなかった]
(143) 2016/10/02(Sun) 00時半頃
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……風邪でも引いた?
[とりあえず顔でも洗おうかと覗き込んだユニットバス。 一二三の異常な様子が目に入り、そんな言葉をかける]
歌う他に踊ってたよ、アイドルだから。 更に、持ってたナイフで刺してきた。
[訝しげに観察しながら、先程の出来事を話す]
(144) 2016/10/02(Sun) 00時半頃
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……ああ。死んでるな。それも3人。 こんだけ立て続けに死んでるって事は…間違いなくなんかあるんだろうよ。
ただ、それは……こうも続くって事は、霊とかそういうふわっとした感じのもんでなしに…もっと具体的になんかヤバい原因が実際あるんだろうと思う。 霊とかでねーんだったら、何かしら対処のしようもあると思う。
なんだ。心配でもしてくれてんのか?
[ふっと息を漏らして、腕に寄り添ってくる少女の方を見やった]
(145) 2016/10/02(Sun) 00時半頃
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キルロイは、みょんこに話の続きを促した。
2016/10/02(Sun) 00時半頃
キルロイは、ゴロウに話の続きを促した。
2016/10/02(Sun) 00時半頃
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そ、そうっすよね。踊ります、よね。アイドルだし。
[踊ったり、ナイフで刺したり、ということからすれば自分の夢の中に出てくる『彼女』とは違うと思い、安堵の表情を見せる。]
(146) 2016/10/02(Sun) 00時半頃
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う、うん……ちょっと、怖いことあって。 全然、寝れなかった。
そんなに顔色、悪く見えるかな? やばいなぁ、これから人と会うのに……
[すこしでも温めて血色をよくしようと、頬に手をあてた]
(147) 2016/10/02(Sun) 01時頃
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わ、笑わないでよ…… 今ちょっと、余裕ないし、 怖いの嫌だって、前言ったじゃん。
[腕をとったまま、すこしでもカラスから離れようと歩く]
えっ、ちょっとまって…… 間違いなくなんかあるって、 それこそ首つっこまないほうがよくない? もう警察が調べて、なにもなかったんでしょ?
["山岸"の言葉(>>145)に、ムッとした顔をする]
……心配しちゃ悪い? だって、こんな話できる人……他にあんまいないし。
(148) 2016/10/02(Sun) 01時頃
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― 朝:ホテルの一室 ―
え……何してるんですか出目さん。 なんか、落としちゃったとか?
[別にいいやと寝るのをあきらめ、徹夜を決め込んだ入間は、隣のベッドの出目がベッドの下をのぞき込む様子を、不思議そうに見ている。]
(149) 2016/10/02(Sun) 01時頃
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[つい、ため息が出る。髪の毛をくしゃっとかきあげるようにして、八つ当たりしようもなく憤って、小さく唸った。 結局従兄に昨晩連絡がついていない。 家に帰れているなり、どこか寝床を確保したなりできていれば、連絡の一言くらい寄越してくれていそうな従兄だ。 ついうっかりとか忘れていたとか、そういうことはなさそうで、だからこそ、今、とてつもなく心配をしていた。
また、家族が、親類が、消えてしまった。]
(150) 2016/10/02(Sun) 01時頃
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アイドルと、何かあったのか?
[先程まで震えていた少年が、今度は安堵の表情を見せる。 その変化のキーがアイドルだと言うことは容易に思い至った。 そんな風に問いかけてから、洗面台の蛇口を捻る。 冷たく透き通る水を手ですくい、自らの顔に浴びせた]
(151) 2016/10/02(Sun) 01時頃
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おう……なんだ。怖い事? ……なんかあったか。
[自分が首を突っ込むような話でもないか、と思いつつもふと少女の漏らす言葉が気になって>>147聞き返した]
事情はよく分からねーけど。相談できる人間とかいねーのか、近くに。 いや……愚問だな。
[聞ける相手がいないから悩んでいるのだろう。もしくは…知っている限りの人間に相談できるような事案ではないか、だ]
(152) 2016/10/02(Sun) 01時頃
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それこそ警察に話して何とかなるなら、話した方がいいだろうしな。ストーカーとかなんかも、逮捕前提で動くなら、意外と警察も対応早いらしいぞ。結局は検挙の実績作りたいわけだしな、奴らも。
……気になるのはな。ただ単に個人的な性分だっていうだけさ。 まあ、心配してくれるっていうんなら、ありがとよ。
(153) 2016/10/02(Sun) 01時頃
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[早く、誰かしら一人でもいいから連絡がついてほしい一心で賭け続けている電話も、メッセージも、すべて空振りだ。]
もぉやだぁ……
[小さくそう涙声でいって、入間は膝を抱えて、顔を伏せた。 出目に部屋を出ようと言われればついていくだろうし、残っていてと言われれば大人しく部屋にもいるだろう。**]
(154) 2016/10/02(Sun) 01時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 01時頃
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え、あ、はい。 何か、自分も嫌なこと思い出しちゃって。
[震えが収まった手で蛇口を締める。 バスタブはもう少しでお湯が溢れそうにまで達していて。。]
(155) 2016/10/02(Sun) 01時半頃
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うん、ちょっと……じゃなくて、 すごくややこしくて、うまく言えないんだけど……。
[相談できる人間(>>152)、の言葉には首をはっきりと横に振る]
いないよ、そんなやつ。 周りには誰も…… あたしの話なんて……
(156) 2016/10/02(Sun) 01時半頃
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信じてくれるかは、先生次第ですけど。 自分の姉ちゃん、アイドルだったんすよね。『IKB32』にも、ちょっといたんですけど。
[バスタブからあがる湯気が温かく。気が抜けたかのような声で語り始める。]
(157) 2016/10/02(Sun) 01時半頃
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1人ね、心当たりあるんだけど、昨日あったばっかりでさ。 まぁ、それはあんたもだけど……。
その人、すっごい頭いいけど、忙しそうだったから、 まずは自分で調べて考えなきゃって。
誰だと思う?ホラー作家のすっごい有名な人。 そう、木露先生! どう?あんたも名前ぐらい知ってるよね?
昨日あの後、取材されて、名刺までもらっちゃったんだよ。 ヤヘイに感謝だよね。どう、すごいでしょ?
[ジリヤの頭の中では、木露は偉大な作家先生ということになっているようだ]
(158) 2016/10/02(Sun) 01時半頃
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……性分かぁ。(>>153) 前も思ったけど、強いよね、あんた。 すごいっていうか、正直……うらやましい。
……その強さが、あたしにあったらなぁ。
[実感を込めてそういうと、深いため息をひとつ]
わかった、もう言わないよ。 代わりに、約束しよ? 無理しない。怪我しない。死んじゃわない。 絶対だよ?
……あたしも気を付けるから。
(159) 2016/10/02(Sun) 01時半頃
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[Labeilleの看板が出ている店の前にたどり着いた]
あ、ここ、ここ。 なんだ、もうちょっと歩いてもよかったのに。
[ポーチから、ネイビーブルーのスマートフォンを取り出す]
あのさ、もしよかったら、交換しよ? 携帯の番号と、あとメアド。 いつかけてくれてもいいから。
(160) 2016/10/02(Sun) 01時半頃
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[スマートフォンを操作しながら、できるかぎり自然な口ぶりで、一番言いづらいことを口にした]
あたしね……ジリヤっていうの。雪野瀬 ジリヤ。 まぁ……覚えなくていいけど。
(161) 2016/10/02(Sun) 02時頃
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[連絡先の交換を終え、山岸と別れると、大急ぎで本郷の元へ駆けより、車の中へ。『解放治療カルテ』がいるであろう新宿のスタジオへ向かう。
その車内で、交換したばかりの山岸のアドレスへ、2通のメールを送った]
(162) 2016/10/02(Sun) 02時頃
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時折、自分も見るんですよね、夢で。 歌を歌うのは先生と一緒なんすけど、自分の場合はどっか吸い込まれちゃいそうな。何か、自分の意識が遠くに行っちゃうような…………そんな、感覚で……………
[一二三はフラッと立ち上がる。その表情は生気を失ったかのよう。]
(163) 2016/10/02(Sun) 02時頃
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へ? ああ。なんでもないない。 ベッド下の隙間ってさ、なんか不安になるんだよねぇ。 何かが入り込んでたら怖いなって、突然思っちゃって。はは。
[恥ずかしい姿はしっかり見られていたらしい。 当然のことながら、ベッド下には誰もいるはずもない。]
とりあえず、みんなで集まろっか。 あっちの部屋に電話してみるね。
[入間澪音は、随分と消耗しているようだ。 クラスメイトと会わせれば、少しは元気になるだろうか? ベッドから手を伸ばし、スマートフォンを手に取る。 コンセントに繋がったLightningケーブルを抜き、木露流衣へとコールする。]
(164) 2016/10/02(Sun) 02時頃
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[朝から今に至るまで、あの、「彼方」からの着信が、また届く様子はなかった。だからこそ、悪夢を見た後の経過のように、異常も不安も、遠ざかっていく一方だった。
遠ざかっていく一方だった。
ただこの瞬間の、ただ青年の主観においては]
(165) 2016/10/02(Sun) 02時頃
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『すっごい変なこと聞くけど、笑わないでね? ドッペルゲンガーって、本当にあると思う?
あたし、見ちゃったんだ。どうしよう? あたしのドッペルゲンガー、人を殺しちゃったかも。
どうしたらいいかな?』
(166) 2016/10/02(Sun) 02時頃
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『ごめん、今のやっぱなし。
忘れて。またね。』
(167) 2016/10/02(Sun) 02時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 02時頃
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アイドル、だった……。
[『IKB32』の名前ぐらいは知っている、がメンバーの名前がわかるほどは精通していない。 知っていることといえば、歌番組で心霊的な映像が写ったとか霊の声が入っていたとか、そんな噂話ばかりである]
夢……吸い寄せられる……。 そのお姉さんは……って、おい、大丈夫か?
[鏡に一二三の顔が映る。 慌てて振り返り、その肩に手を伸ばした]
(168) 2016/10/02(Sun) 02時頃
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『たすけて』って声が聞こえるんスよォ、あの日、『姉ちゃん』もそんな声が聞こえたって。
[一二三はぼんやりとした目をしながら、洗面台に置いてある剃刀に手をかける。]
(169) 2016/10/02(Sun) 02時頃
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[『たすけて』という声が聞こえる、と一二三が言った。 確か噂でもそんな声が……。 いや、そんな事は後だ。 明らかに一二三の様子がおかしい。
おい、聞こえてるか?
[伸ばした手で、肩を強く叩く。 二度。 三度]
(170) 2016/10/02(Sun) 02時半頃
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― 昼頃 新宿・某スタジオ ―
[演奏の合間を見計らって、ジリヤが『解放治療カルテ』メンバーの元へ小走りに駆けよってゆく。いまこの瞬間は、まだメディアによく映る空色のワンピースで着飾った、アイドルとしてのジリヤだった]
ごめんなさい!大変、おそくなってしまって! キャンディ・ノヴァの雪野瀬ジリヤです。 今日は、お声をかけていただいて、とっても嬉しいです! ありがとうございます! 『解放治療カルテ』の曲、どれも大好きで、 いつもよく聞いています。 あたしの憧れです。
あの、これ、つまらないものですが、みなさんで是非。
[すらすらと言葉を発しながら、表参道で買ってきたスイーツをテキパキと皿にとりわけてゆく]
(171) 2016/10/02(Sun) 02時半頃
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『たす けて』
(172) 2016/10/02(Sun) 02時半頃
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[肩を押されて、ぐらりと体勢を崩しながらも、握りしめた剃刀を自分の腕に向かって振りかざす――――]
(173) 2016/10/02(Sun) 02時半頃
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[躊躇なく、一二三を殴り飛ばす。 続けて、その頭を湯の中へと沈めた。 数秒経過してから、引き上げる]
(174) 2016/10/02(Sun) 02時半頃
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大丈夫か?
[掴み上げた頭、その前面に付いた瞳を覗き込みながら問いかけた]
(175) 2016/10/02(Sun) 02時半頃
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ぶへっ
[剃刀を振り降ろそうとした刹那、木露の拳が一二三の顔面に命中する。 そして手際よくその頭は浴槽へと押し付けられた。]
(176) 2016/10/02(Sun) 02時半頃
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―――――――!!!
[顔面を浴槽に押し付けられ、一二三は苦しさのあまり我に返る。 手をばたばたと振りながら助けを乞う。]
(177) 2016/10/02(Sun) 02時半頃
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[程なくして。 スタジオに一人の少女が姿を見せた。約束がなされていた、その少女。ジリヤと名乗るその少女に、シーシャは「やー、ジリヤちゃん。来てくれて有難うね。やっぱり可愛いなあ、テレビで見る三倍可愛い」と、まあライブ外の情報発信のイメージ通りではあるだろう、わかりやすくチャラい反応をした。 ヴェスパタインは「此方こそ有難う。わざわさ、差し入れまで貰ってしまって……まあ、ゆっくりしていって欲しい。男ばかりで、なんともむさ苦しい、お嬢さんには失礼なところだけれどね」と、やはりそれらしく言って]
[青年はといえば、 ジリヤという少女、そのアイドルとしての実態には、思い返せば確かにテレビや雑誌で見た事があるかもしれない、という程度の、流行りに疎い人間程度の認識しかなく。 ただ、]
……やあ。初めまして。 と、いうのも、違うかな。 ……よく、ライブに来てくれているよね。 曲を好いて貰えて、嬉しいよ。
[代わりに、オーディエンスとして、その少女には、見覚えがあって。素直に喜びを示す言葉と、微笑を返した]
(178) 2016/10/02(Sun) 02時半頃
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ぷはっ!!!先生マジでオレ何か悪いことしたっ!? ギブアップ!!!ギブアップ!!!
[どうやら話の途中で意識が朦朧としていたらしい、剃刀を手にした事さえも覚えていなくて。 涙目で木露に訴えかける。]
(179) 2016/10/02(Sun) 02時半頃
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したした、すっげー悪いこと。 命を粗末にしようとしてたんだけど、憶えてない?
[どうやら、普段の一二三に戻ったようだ。 それを確認して、頭から手を離す。 鏡の上の棚に重ねてあるタオルを取って、一二三の頭に載せてやった]
(180) 2016/10/02(Sun) 03時頃
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え?命を粗末に…………
[きょとんとした顔をして、難しい顔になる。]
なんか、時折意識が遠のく感じがして。 単に疲れてるのかなって思ってたんですけど。 やっぱなんかあるんですかね。
[グシャグシャになった頭と顔をタオルで拭った。]
(181) 2016/10/02(Sun) 03時頃
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…………なんかすいません。 こんなんなっちゃいましたけど、風呂どうします?
[水浸しになったバスルームを見て苦笑いする]
(182) 2016/10/02(Sun) 03時頃
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ちょっと自分、横になります。 あとで自分も入りたいんでお湯抜かないでくださいねー。
[何かやらかした気まずさと、目まぐるしい昨日の疲れとで一二三はふたたびベッドへと沈んだ**]
(183) 2016/10/02(Sun) 03時頃
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ああ、たしかに心ここにあらずって感じだったなぁ。 まるで、何かに取り憑かれてるようだった。 あるんだろうなぁ、何か。
[洗面台も排出する量より、蛇口から流れる出る量が多く溢れそうになっている 蛇口を捻り、水の流れを止めた]
どうするって、汗は流しておきたいから入るよ。 これから女性陣と合流するんだし。 もう、命を粗末にするんじゃないよ。
[洗面台からカミソリを全て回収しておく。 そうしてから、上着を脱ぎ*半裸になった*]
(184) 2016/10/02(Sun) 03時頃
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[ライブで一方的に見知っているメンバーたちと、次々に挨拶を交わしてゆく(>>178)。その誰もが、キャンディ・ノヴァのジリヤと接している。それは本人がよくわかっていた。必要な挨拶は、ひとりでに浮かぶ笑顔と言葉に任せて、心の中は自由奔放に色めき立っていた]
(あー!シーシャ様!挨拶チャラい!想像どおり!
ヴェス様、紳士!礼儀正しーい!
ドラムくん、かーわーいーいー!)
[ただ一人、彼だけは違っていた]
(185) 2016/10/02(Sun) 03時頃
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[微笑みと共に紡がれたドリベルの言葉に、 余所行きの笑顔が凍りついた]
……えっ?
[気付かれるはずがなかった]
な……なんで?
[ライブに足しげく通い、最前列で熱狂していたのは、 ボロボロのダメージジーンズに、無地のTシャツ。 スニーカーにキャップ帽の、 あの"みすぼらしい方"のジリヤなのだから]
(186) 2016/10/02(Sun) 03時頃
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そ、そんな……だって、あたし、ちゃんと髪もセットして、 洋服だって、が、我慢して…… あっ、あっ、あの噂?あの噂、聞いたの!? ……あ、じゃなくて……そうじゃなくて。
[ネット上では、裏でジリヤが弾き語りをしていると見抜いた声が散見される。きっとそれだ、と自分を無理に納得さえようとする。焦るあまり、勝手に動いてくれるはだった口は鈍り、とたんに舌が回らなくなっていた]
(187) 2016/10/02(Sun) 03時頃
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え、
[動揺する少女の様子に、青年は、呼応するように、戸惑いを零した。なんで、という少女の言葉、 自分は何か間違った事を言ってしまったのだろうか、と、刹那傍らのメンバーに向けた視線は、また別の当惑を捉える事しか出来なかった]
噂……って、ええと……? うん、 多分、ボクは、その噂とやらは知らないと思うけれども。
[戸惑いのまま、言葉を継ぐ。 脳裏に微か過ぎったのは、 (はずれ) あの、彼女の、去り際の言葉だった]
「あー、あれだ、 こいつ、最近の色々みたいなの、疎い方だからな。 仮にもバンドマンのくせによ。 だから不届きな事に、ジリヤちゃんの事もしらねーの」
[ごめんなー、と、軽い調子で。状況は把握出来ないままにも場を繕おうとするシーシャの声が続く]
(188) 2016/10/02(Sun) 03時半頃
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し、知らない……? そう……ですか。
[取り繕うシーシャの声と、後ろから聞こえた本郷の控えめな咳払いが耳に入り、はっと我に返る]
ごめんなさい、こっちもちょっと、勘違いしてしまって。 ドリベルさん、よろしくお願いします……
[そういって、丁寧に会釈するジリヤの胸は、奇妙な高揚感に包まれていた]
(189) 2016/10/02(Sun) 04時頃
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[スタジオのスタッフや他のゲストも合流し、ちょっとした昼食会がはじまった。ドリベルの隣の席に腰を下ろしたジリヤは、タイミングを見計らって、小声で話しかけた。緊張のあまり、声がすこし上ずってしまう]
あ、あの、さっきは、ごめん……なさい ライブのときは、全然違う格好だから、 気付かれるはずないって……そう思って
(190) 2016/10/02(Sun) 04時頃
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……ごめん、なさい。 本当は、おしゃべり、すごくヘタクソ……なんです。 丁寧に話そうとすると、ぜんぜん。
あの、とっても、失礼かもですけど……。 崩して、話しても?
ど、どうしても……これだけは言おうって 決めてたこと、あって。
[紙コップに注いだ烏龍茶をゴクリと飲んで一息つける]
(191) 2016/10/02(Sun) 04時頃
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[誰にも崩した話し方をきかれないように、周囲の様子を伺い、口を開く]
……『解放治療カルテ』は、命の恩人。 例えじゃなくって。
この曲なかったら、あたし、きっと、いまでも意識なかった。 事故にあって、目が覚めなくって…… でも、11の頃にラジオで曲が流れて、やっと起きれた。
『解放治療カルテ』の曲は、あたしの命で。神で。世界。 真っ暗いところから、あたしを引っ張り上げてくれた。
だから、その曲をつくるドリベル様も、あたしの神様。
[真剣な顔で、ジッとドリベルの顔を見つめる。ふいにその表情がほころんだ]
……へへへっ、やっと言えた**。
(192) 2016/10/02(Sun) 04時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 04時半頃
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うん、宜しく。
[ともあれ落ち着いたらしい少女の様子を見ると、 ほっとしたのをそのまま気配に、青年は改めて微笑して]
そっか。こちらこそ、ごめんね。 なんだか驚かせちゃったみたいで。
シーシャの言う通り、ボクは色々疎いものだから。 でもだから、すぐに気付けたのかな。
[その後。開かれた昼食会にて、 青年は紙コップを両手に包みつつ、頷き]
勿論。気軽に話してくれると、こっちも嬉しいよ。
(193) 2016/10/02(Sun) 04時半頃
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[視線を向ける、 すぐ隣で、身長の差から見上げる形になる少女には、その元が確かに見えただろう。伸ばした前髪の隙間、似た色の光彩、そもあまり目付きの良い方ではない友人メンバー二人と比べても、それ以上に鋭さがあるだろう、切れ長で白目の広い双眸が。 少女らしい口調、熱を持った語りに、 青年は、その瞳を柔らかく細めて]
……神様だなんて、恐れ多いな。 でも、――嬉しいよ。 ボクの作った曲で、「解放治療カルテ」の音楽で、 人を、キミを、救えたなんてね。
こうして、やってきて、 良かったよ。
[紡ぐ言葉は、本心ばかりから。 身に付き纏う不穏の断片らも、 霧散していくように、*感じられた*]
(194) 2016/10/02(Sun) 05時頃
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木露?「トレーサー」とか「素顔連盟」の木露 流衣か。
[少女の出した名前に目を開く>>158。名前は知っている。何しろ、こちらもわざわざ評判の良くないホラー専門の編集プロダクションに就職希望しようかという人間だ。彼の本は何冊かは持っていた]
……そりゃまあ、なかなかだな。ファンなのか?一発屋っていう向きもあるが、確かまだ若いんだろう?…どんな奴なんだろうな。 しかし取材って事は…嬢ちゃんの悩みってひょっとしてホラー系の奴なのか。
(195) 2016/10/02(Sun) 10時半頃
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俺は……強いんじゃねーんだ。どっちかっつーと不安だからかな。それで安心するために確認したいっていう方が正しいかもしれん。
[ますます少女の事が分からなくなってきたが、さらに詳しい事を聞く前に目的地に着いたようだった。「Labeille」の看板が表に出ている]
あー、やっぱこれでラベイユって読むのか。これもうわかんねーな。
……ん?まあ、メアドと番号の交換か。ああ、いいぜ。 珍しいな。今頃ならLINEとかやってねーのか……いや、なんでもない。 雪野瀬 ジリヤな。ああ、覚えた。
[自分のスマホも取りだし、番号とアドレスを交換しておいた]
……まあ、気は付けるさ。怪我もしねーし、死なねーように気を付ける。 嬢ちゃんも気を付けろよ。……何にかは知らねーけどな。
[ジリヤとは、そう言って分かれ、自分は店の中に入っていった]
(196) 2016/10/02(Sun) 10時半頃
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『K H A A A A A A ――――――!!!』
[別れてすぐ、またあの鳴き声が聞こえた。店に入ろうとするその時だった。振り向き、もう一度睨み付ける]
うるっせえぞ!昨日からなんなんだてめーは! 遠くから吠えるだけで、こっちに手出すだけの度胸もねーのか!
[通りを行く人間が何人かぎょっとしたように振り返ったが、山岸五郎は振り向かず、そのままラベイユの中に入っていった。
前の同僚の姿をすぐに見つけ、席に座る。窓際の席についてエスプレッソを頼みながら、着信がある事に気づいて山岸五郎はジリヤにメールを返した。]
(197) 2016/10/02(Sun) 10時半頃
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[想いを打ち明けながら、前髪の隙間からのぞくドリベルの切れ長な目を見つめていた。柔らかく細まり、暖かな声が、言葉が紡がれる(>>194)]
曲もそうだけど、歌詞がよくって。 みんなは、こわいとか、きもいとか、ひどく言うけど。
疵に触れてくれるっていうか、 痛みをわかってくれてるっていうか、 辛いのひとりじゃないんだなって、救われる。
あたしも、そんな曲、歌いたくって 作詞したりメロディつけたりしてるんだけど、 ぜんぜん……
ずっと不思議なんだ。どうしたら、あんな歌詞かけるのかなって。 勝手に頭の中で沸いてくる、とか?
(198) 2016/10/02(Sun) 11時頃
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……これからも、曲つくってね。 どんなことがあっても、 あたし、ずっと、聞き続けるから。
[メジャー進出の噂は、ジリヤの耳にもはいっていた。そのことでメンバー間の意見が割れ、亀裂が生じかけていることも。(>>1:33)自分と似た光彩を放つドリベルの瞳に、もしかして自分と同じハーフなのでは、など勝手な想像を膨らませながら、ドリベルへの想いを語ってゆく]
(199) 2016/10/02(Sun) 11時頃
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[ふとした折に、"シーシャ様"から、顔色の悪さを冗談まじりに指摘され、ジリヤは、はにかんで繕った。
はい、そうなんです。 ずっとスケジュールいっぱいで、全然寝れなくて。 お泊り?大歓迎ですけど、うちはマネージャー怖いですから。
[するとシーシャは続けて、うちにも寝不足が一人いて、とドリベルについて言及する]
え……パズル? ドリベル様、パズルするの?
わぁ、なんかすごく……ぴったり! 知的っていうか、クールな感じ。 天才っぽい。
[知恵の輪でさえお手上げなジリヤは、羨望の眼差しでドリベルを見上げる**]
(200) 2016/10/02(Sun) 11時頃
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『ドッペルゲンガー?あの自分と同じ姿の他人って奴か。
なんだろうな。脳の障害でそういうもんが出るってのは聞いた事がある。けどそういうもんでもないんだろう?
……と言ってもな。正直な話よくわからん。身を守るっていう意味なら、せいぜい一人にならないようにしてきちっとアリバイ作っとくとか…』
(201) 2016/10/02(Sun) 11時頃
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なんだ、いいのか。
[2通目のメールを見て、送信したばかりのメール本文を見返し、さらにごく短く返信した**]
『なんでもないならいいんだ。まあ、何かあれば相談ぐらいには乗るさ。またな。』
(202) 2016/10/02(Sun) 11時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 11時半頃
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あぁ……、 たしかにちっちゃい頃は怖かったかも。
[出目が小さく笑いながら、隙間が不安とというのへ、入間は曖昧に頷いた。 なんとなく神経質そうな印象を抱くと同時、アニメ声だし、ゴス好きのようだし、そういう子はホラー・オカルト系の話が好きそうだなと勝手な想像をする。]
なんにも、なかったんですよね? 虫がいたとかでもなく……
[ちら、とベッドの足のほうへ視線をやった。 出目はキルロイ先生に電話をかけてくれるらしい。 すっかり任せてしまっているのが忍びなくとも、気持ちが俯いてしまっていて、親切に甘えるだけになっている。 入間はスマホで時間を確認しながら、プラチナ色のカードをいじっていた。]
(203) 2016/10/02(Sun) 12時半頃
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[この胡散臭いカードにも、ためしに電話をかけてみよう。 すこし時間は早いが、色々ありすぎて辛抱ができず、カードに書かれた数字に指で触れる。 自分のスマホと母のスマホを見比べて、家に居た知らない人から電話がかかってきた自分の携帯を、半ば捨てる気で選んだ。 キーパッド画面で番号を打ち込み、通話ボタンを押した。]
(204) 2016/10/02(Sun) 12時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 12時半頃
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[会話の途中、ネイビーブルーの携帯がメールの着信を知らせた]
あ、ごめん。ちょっとまって。 メールが……
[この携帯にくるメールは限られている。先ほど送ってしまって後悔したメールの返信が届いている。すぐに送りかえす]
(205) 2016/10/02(Sun) 13時頃
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(……あいつ、アリバイトか、身を護るとか(>>201)、 なに、真に受けてんだが)
[思わず、安堵の笑みがこぼれた]
『返事ありがと。 マネージャーいるし、一人じゃないから、へいき。 そっちもカラスに負けないでね。 「素顔連盟」は、絶対読んで! 一発屋なんて言えなくなるから。
落ち着いたら、またメールするよ。じゃね。』
(206) 2016/10/02(Sun) 13時頃
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― 新宿・某スタジオ・女子トイレ ―
[洗面台の鏡と向かい合って、髪をセットしなおす。ドリベル、そして山岸との出会いは、ジリヤに現実感をもたらし、心にゆとりをあたえていた。鏡に映る自分の姿には、どうにか耐えられる]
……ほんと、ひどい顔してんな。
[青白い顔にファンデを足すべきか悩んでいると、ポーチから携帯のコール音。しまった、と顔を歪める。本郷から借りた顧客連絡用の携帯を返し忘れていたのだ]
(207) 2016/10/02(Sun) 13時頃
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[顧客は待たせないのが鉄則。今、売りの仕事は休止中。断りの対応なら、ジリヤにもできるだろう。即座に本郷の携帯をとりだし、着信画面を確認した。その手がとまる]
……名前でてない。 誰だろう?
[本来ならば未登録番号など、かかってくるはずはない。だがジリヤには、一人だけ心当たる人間がいた。
応答のボタンを押す。]
(208) 2016/10/02(Sun) 13時頃
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もしもし? "ゆうくん"? >(>>204)
(209) 2016/10/02(Sun) 13時頃
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[ゆうくん。 入間は電話をかけながら、目をみひらいた。 心臓がまた煩くなってきた。 父の名前は、祐輔だったから。]
……あの 入間祐輔が、そちらにいってませんか。
(210) 2016/10/02(Sun) 13時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 13時半頃
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[携帯の向こうから聞こえた声に、目をみひらいた。 頭が真っ白になる。なぜ女の声が?それもかなり若い]
……あ、あの、いえ "ゆうくん"……じゃなくて、 祐輔さんなら、いませんけど。
あの……どちら様ですか?
(211) 2016/10/02(Sun) 13時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 13時半頃
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ゆうくん……て、入間祐輔のこと……? あなた、知り合いなんですか?
[この若い女は、やけに親しげに呼んでいる。 一体これはどんな電話なのだと考えて、はたとする。 あの日の朝、あの両親は「浮気」だの「お金」だのでモメていたのだ。]
……、……。
[そうと決めつけるには早いとおもうのだが、思いついてしまったら、もしかしてが止まらなくなった。心配と同時に、馬鹿野郎と言いたい気持ちと、くだらないと言いたい気持ちがいっぺんにきて、自分でも今自分がどんな気持ちなのか分からなくなってきた。]
アタシ……入間祐輔の、娘なんですけど。 待って!電話、きらないでね!?
あなたが誰とかは割とどうでもよくて…… パパを探してるだけなの。
(212) 2016/10/02(Sun) 13時半頃
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それは……
[言いよどんだ。事情を知らない相手からの電話。 出るのではなかった、と心底後悔した。
そして、その直後に発せられた言葉が、ジリヤの胸を追撃する]
(213) 2016/10/02(Sun) 14時頃
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…………娘!?
[ざわりと全身が粟立った。激しい嫌悪感。 吐き気がして、たまらない。 思わず着信を切ろうと、終了ボタンに指が伸びた。
そのとき、"切るな"という"指示"が下る]
はいっ、もちろん。 つづけてください。
[鏡の中の自分は、口角を不自然にあげて、ぶるぶると震えていた]
(214) 2016/10/02(Sun) 14時頃
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探してるって…… ご自宅や、職場には、いらっしゃらないの?
[胸の中がざわざわと波打つ。 感じていた嫌悪感とは、また別の悪寒]
もうすこし、詳しく、聞かせていただけます?
(215) 2016/10/02(Sun) 14時頃
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[夫婦喧嘩をしていたはずの母の携帯電話と一緒におちていたカードにかけて繋がった電話である。 もしも母が、父親の夜遊びでも浮気でも愛人でもなんでもいいが(良くはないが)(今は縁起でもないので死ねと思うこともできないが)、なにかしらの不貞に気づいて没収したカードである、というのが、現状入間が想像している事情だ。 勿論これが当たりかハズレかなんて、分かりはしない。]
えーと…… ほんとうに、そっちには行ってないんですね?
(216) 2016/10/02(Sun) 14時頃
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[想像してしまった内容が内容だけに、この女が父親をかばって行方を言わない場合も考えられる。 しかしもう、その場合は、そんな父親なんて知ったことではないと言えるし、いっそ社会的に抹消されてしまってくれ……とも言いたいところだが、やはり家に上がり込んでいる他人を自分の他人と証明してからでなければ困る。 てか素直に心配させろよ!!!と脳内でキレ散らかしているのも相まって、入間は何から話していいのかわからなくなった。]
家には絶対いなかったし、職場もだめっぽくて…… ていうか…もういいや
(217) 2016/10/02(Sun) 14時頃
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何度も疑ってごめんなさい……だけど、 アタシなにも事情わからないから。
もしそっちに居るとか、居る場所わかるとか、 そっちでなら連絡つきそうとか……もしもあるなら。 入間祐輔にこれ、絶対伝えて。
家にアタシのパパとママを名乗ってる頭おかしい人がいて 家に勝手に入って住んでてほんとにキモイから、 早く帰ってこいって。
(218) 2016/10/02(Sun) 14時頃
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……こちらも、"入間さん"の安否を確認したくて、何度もお電話したんですけど、繋がらなくって。直接うちの者がお伺いして、お会いできたそうなんですけど……。
[ごくりと唾を飲みこんだ]
名乗ってる頭のおかしい人って、 それ……成りすまし、ですよね? 普通に事件ですよね?
わかりました。もちろんです。 お会いできたら、すぐに伝えます。
(219) 2016/10/02(Sun) 14時半頃
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……あの、こちらも確認をとらなければいけないので、 失礼ですけど、お名前……教えていただけます?
[既婚のこと、娘のこと、なにも聞かされてはいなかった]
(220) 2016/10/02(Sun) 14時半頃
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有難う。
キミも音楽を作るんだね。 …… そうだな、 どちらかといえば、曲より歌詞の方が、浮かぶタイプかな。
本当、好き勝手書いてる、ってだけなんだけど。 代わりに曲で大抵悩み過ぎているよ、
[はは、と笑い頬で指を掻く仕草をした。 ジリヤが音楽の自作を口に出すのに興味を引かれた、 直後、一瞬詰まった沈黙は、ただの会話の狭間程度のもので、特別奇妙には思われなかった、事だろう。――勝手に――その言葉に僅か意識がぶれた、一瞬は]
(221) 2016/10/02(Sun) 15時頃
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別にゆうくんでもいいですよ。
[名前を苗字に言い直した電話先の女に、つい父への苛立ちに任せ、ぶっきらぼうに言った。八つ当たりをしてしまい、ややバツが悪くなって、「どっちでもいいけど」と付け加える。]
おうかがい……て、
………家に来たってことですか?
東中野の?いつ? ねえ、会えたって、うちの親に?
……それとも……偽物? [この電話先の女がいう「うちの者」がどんな人かはしらない。 ただ、入間が頭に思い描いているのは、悪戯だと決めつけ相手をしてくれない警察官や、今まで交流なんてなかったはずなのに、まるで今まであったかのように、知らぬまに形成されていた近所付き合い――]
(222) 2016/10/02(Sun) 15時頃
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……ねえ、そのひとたち
どっちの入間祐輔と会ったの?
(223) 2016/10/02(Sun) 15時頃
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[客観的にみれば――
現状、あの入間家にいる男女を、『入間祐輔や入間祥子ではない』と主張しているのは、入間澪音と東蓮寺琉衣しか、いないのである。]
(224) 2016/10/02(Sun) 15時頃
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うん。 ……作り続けるよ。 ボクは、いつまでも、……作っていたいな。
[どんな事があっても、聞き続けるから、 それに返した言葉はゆっくりと、 何処か半ば独りごちるように、静かに、噛み締めるように]
キミの曲も、いつか、聴けたらいいな。
(225) 2016/10/02(Sun) 15時頃
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[シーシャのジリヤへの軽口と、 そして己へ流されるからかいには、肩を竦めて]
ぴったり……かな? この間、古本屋で売ってるのを見かけてさ。 多分外国の、古いやつで。
……と、 ほら、こういう。
[パズルの話題が出れば、iPhoneを探り、二十面体、熊、鷹、と画像をスライドして見せた。鷹、はついでにシーシャにも見せて]
リンフォン、っていうんだって。 結構、凝ってるでしょう。 だからつい、夜更かししてしまったんだよね。 子供みたいだな、こう言うと、少し恥ずかしいけれど。
(226) 2016/10/02(Sun) 15時頃
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ドリベルは、ジリヤが席を立つのを見送り、
2016/10/02(Sun) 15時頃
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普通に、事件のはずなんですけど…… 警察のひとも、相手にしてくれなくて……
[入間澪音の従兄である東蓮寺とは逸れたきり、連絡がつかなくなっている。
昨日の朝までの入間澪音を含めた周囲の人間の一部常識が『違ってしまっている』かのようだ。 いや。『違ってしまっている』のは『どちら』なのだろう。 はたまた、『どこ』なのだろうか?]
(227) 2016/10/02(Sun) 15時頃
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……知らない街みたい。
[ぽつっと入間はこぼしてから]
(228) 2016/10/02(Sun) 15時頃
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入間澪音です。 サンズイにゼロの、澪に、 音楽の音。それでみおん。
(229) 2016/10/02(Sun) 15時頃
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……っ
[ぶっきらぼうに放たれた言葉に押し黙る。 その後のフォローも、さほど慰めにはならない]
はい、東中野のご自宅に。 昨晩の夜中、うちの者が。
入間祐輔さん、ご本人だったそうです。 顔を知っている者が確認しました。
ただ……実際、わたしが見たわけではないですし。 そうと知って確認をとったわけではないので……
[こちらのスタッフからすれば、あくまで顧客の中の1人にすぎない。事前にそうと知らず、用意周到な成りすましを見抜けるかといわれれば、怪しい]
(230) 2016/10/02(Sun) 15時半頃
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……ど、どっちの
[脳裏にならんだ二人の入間祐輔。 片方が現れ、片方が消える。
――影法師]
そんな風に、言わなくたっていいじゃないですか!!
[思わず叫んでしまった。その場にしゃがみこみ、膝を抱える 鼻をすすりながら、ちいさく「ごめんなさい」と付け加えた]
(231) 2016/10/02(Sun) 15時半頃
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[いいコだなー、なんて上機嫌に感想を零すシーシャに、そうだね、なんて返しつつ]
……、……
[考える。
自分が作りたい音楽は、 自分が音楽でしたい事は、 ……
迷路みた思考が、 少しく明瞭な輪郭を持った、*気がした*]
(232) 2016/10/02(Sun) 15時半頃
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警察も?あの、ご近所の方は……だめですか。 そう……
あたしからは、逃げてください、としか言えません。 事情がわかるまで、無理はしないで。
こちらでなにかわかれば、連絡します。 この番号で大丈夫ですか?
(233) 2016/10/02(Sun) 15時半頃
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みおん、さん。 可愛らしい、お名前ですね……
(……ゆうすけ。あんた、おおばか野郎だよ)
(234) 2016/10/02(Sun) 15時半頃
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わっ……
[どっちの、と訊いた時の、電話先の相手の声は、想像もしていない大声だった。ぎくりとしてスマホから僅かに耳を遠ざける。]
……、……。
そんな風に……? なにが?どういう意味?
(235) 2016/10/02(Sun) 16時頃
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[八つ当たりを言った時ならばいざしらず、ここで大声を出されるとは思っていなかった。 入間はきゅっと唇を結んでから、ハッキリと敢えてもう一度繰り返した。]
……どっちの入間祐輔と会ったの?
アタシは、そう言わないと、わかりにくいから言ったつもり。 どう?気にくわない? どうしてそんな風に言わなくたっていいって思うの?
ねえ、なにか知ってる?
(236) 2016/10/02(Sun) 16時頃
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[口元に手をあて、考えるようにホテルの床へ視線を落とした。]
……夕方帰った時には絶対に「なりすまし」だったし、 パパからもママからも、ずっと連絡はないから…… じゃあその人たちは「なりすまし」の方と会ったかもね……
(237) 2016/10/02(Sun) 16時頃
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[周囲の認識が自分を置いてけぼりにしていくことで、入間は『知らない街ニキ』のことを思い出し、なんとなしに寒気がしてきて、そっと何度か腕をさすった。]
いちおう、……心配、ありがとう。 逃げるけど、もし「なりすまし」から何か聞かれても、 アタシのこと喋らないでおいてくれると嬉しいです。
(238) 2016/10/02(Sun) 16時頃
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[名前を褒めらると入間は呆れたようにふっと息を漏らし]
パパがつけたらしいけどね。 たまにホメられるし、気に入ってるからいいけど。
(239) 2016/10/02(Sun) 16時頃
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そ、それは……。
(今、大変な状況下にあるこの子に言うべきではない。 わかっていても、「どうして(>>236)」と問われた口は、 ぶるぶると震えながら答えてしまう)
見たんです。あたしも…… あ、あたしの"にせもの"を。
誰もわかってくれなくて、 こわくて、ただ、こわくて……
だから、ちょっと……感じ似てて びっくりして……つい
(240) 2016/10/02(Sun) 16時半頃
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夕方から…… なら、そうかも。
あいつら、なにも知らないで行ったから…… 見抜けなかったんだ。
……うん、絶対、何も言わない。約束。
(241) 2016/10/02(Sun) 16時半頃
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あの……みおんさん。
[ごくり、と喉をならした。 このまますんなりと帰って忘れることなど、とてもできない。 ましてや、ソレが入間祐輔のドッペルゲンガーなのだとしたら、 つながりの深い澪音も犠牲になるのではない?
ばくばくと早鐘のようになる心臓を押さえながら、おそるおそる口を開いた]
……今日、お会いできませんか? 午後でもいいんです。 どこか、落ち着ける場所で。
今、なにが起こってるか。 ちょっとでも、お話できたら……
[断られる。それを前提とした、すがるような提案]
(242) 2016/10/02(Sun) 16時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 16時半頃
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[お湯に浸かりながら考える。 今朝起きた二つの奇妙な出来事。 双方には、『アイドル』という共通点があったがその性質は異なるものだった]
(243) 2016/10/02(Sun) 16時半頃
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[まずは、朝目覚めてすぐに起きた出来事。 夢だと片付けてしまえば簡単だ。 けれども、その夢は奇妙な現実感を伴っていた。 あのナイフがこの胸に突き刺さっていたら、果たして今こうしていることが出来たかどうか。 あの現象が何かしらの怪異を伴ったものだとしたならば、どうだろう。 まず、あの『アイドル』との接点が無く襲われる理由が見当たらない。 いや、本当にそうだろうか……。 『アイドル』が歌以外に口にした言葉があった。 『木露先生』、と。 名前を知っていた。それに、あの声の響きを最近何処かで聞いたような気がする。 ……。 そうだ、昨日……。 一つの心当りに思い至る。 メモしていた電話番号に後で掛けてみようか、そんな風に結論づけた]
(244) 2016/10/02(Sun) 16時半頃
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[もう一つの出来事は一晩を同室で過ごした少年の身に起こった。 夢に『アイドル』が出てきて歌う。 もちろんそれだけなら何の問題もないだろう。 その後に、『吸い込まれるような』『自分の意識が遠くに行くような』感覚になるという。 現に、正気を失った虚ろな様子で自傷行為を行おうとした。 『心神喪失状態』もしくは、『何かに取り憑かれている』かのようであった。 正気に戻った後、自傷しようとした記憶は無いと言っていた。 ひょっとしたらこれまでも同じようなことがあったのかもしれない。 一二三が自傷する直前に話していたことを思い返す。 『アイドルが夢に出て来る』『姉はIKB32に所属するアイドルだった』『姉弟はたすけてという声を聞いていた』 この話と共通するであろう噂に心当りがあった。 調べれば正体がわかるだろう、『夢に出てくるアイドル』と『助けを求める声』の正体が]
(245) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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[湯船から上がり、バスタオルで身体から滴る水を拭き取り、服を着込む。 部屋へと戻り、一二三にお次どうぞと促してからベッドに腰を降ろした。 そこで、スマートフォンの振動(>>164)に気づき、通話を開始した]
はい、もしもし。 出目さん、何かありました?
(246) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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─ 四ツ谷マンション、硯友社支部 ─
[朝の準備を整えたあと、鈴里はスマートフォンを耳に当てたまま、ノートパソコンをシャットダウンした。 机の上に積まれたアンケートから一枚、E4298749の番号がふられた紙をぬきだして、机の上に置きっぱなしの一冊の本──東京村と題された本を持って、青いファイルの並ぶ本棚へと短い距離を移動する。]
…あら? ごめんなさい、 ちょっと声が
[そうとだけ困ったふうに言いながら、耳元からスマートフォンを離した。そのまま、通話を切る。ッ、とささやかな音を残して接続は無情に絶たれた。
そのまま、迷うこともなく馴れた手つきで職場の番号を押してコールをかけた。]
(247) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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あ、もしもし? すみません はい、鈴里です。
[『はいこちら新宿不動産です』と、出た同僚に名前を名乗る。あら、と女の声が言った。]
ええ。さっきですね、
東蓮寺くんから連絡があって 今日は出られないみたいなので
[え? と職場の同僚の声が怪訝そうに音を上げた。どうして直接職場に電話をしてこないのか、と、疑問を抱いたらしい声だった。]
(248) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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[風邪とか?と尋ねかえしに、うーん。と鈴里は首を傾げた。]
なんだか、迷子になっちゃったみたいで。 よく わからないんですけど……
[どういうこと? と尋ねてくる疑問に、知らないところに迷いこんじゃったみたいで。とそう応じる。「……冗談?」と問い返しに。さあ……とぼやけた答えを返すと、はあ。とため息がつかれた。]
(249) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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あなたの……にせもの?
[眉根が寄った。どういう意味だろうか? 話をきくうち、入間はぽかんと口をあけていた。 似ていない、とはいえない事件だ。]
……あなたのなりすましを見たの? 似たようなヘンな事件にあってるってこと!? [つい声が大きくなってしまう。]
(250) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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[同じ被害者かもしれない。 他人事とは思いにくい内容だ。]
……えと……あなたは無事? 警察って、動いてくれてる?
[電話先の相手が無事なら、自分の両親だって無事かもしれない。 もし電話先の相手が警察に動いてもらえているなら、自分たちのことだってきちんと調べて貰えるに違いない。 そう思いたかった。 同じような被害者だったら、協力だってできるかも――だから]
(251) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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[「東蓮寺くん宛に、木露さんからメールが来てるんだけどなあ」と困ったように同僚がぼやく。「まあいいや、鈴里さんは来れるのね?」と、話が進まないことを悟ったらしい相手が会話を切り替えた。]
ええ、はい。
[答えながら、本を本棚に戻す。簡素な木製の本棚には、青背のプラスチックファイルが数冊並んでいる。そのうちの右端にある青いファイルを抜き出して開いた。
ちょうど一番上に乗せられた「未来なんていらない。別な私になりたい」と、そう希望欄に書かれた紙の上に、「田舎に帰らずに済む未来」と、その調査書を重ねた。 バネ式の金具を開いて抑えて留める。 ぱむん。と軽い音を立ててファイルが閉じられた。]
(252) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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――アタシもそう言おうと思ってた! 会お!なんでもいいから知りたいの。
えと……名前きいてもいい? アタシは今は渋谷。どこ行ったら会える? **
(253) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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*
[がちゃりとドアにカギをかけて、四ツ谷駅までを歩く。鈴里が借りているマンションは、駅からはそう遠くはないが近くもない。
お互いに名前も知らない人間同士が肩を並べて同じ電車に乗る。いつもと違う時間の車内には、たまに見かける顔がいるということさえない。
ある日、ひとりふたりがふっと消えたとしても、 問題にもされないような人口過密地帯。 行方不明になった男は、あれだけ騒がれても見つからないままだ。
がたん。と、列車が速度を落として、 空気の排出音とともにドアが開いて新宿駅についた。]
(254) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 17時頃
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……無事です、あたしなら。 動いてるのは、警察じゃなくて……
[どこから話したらいいか、説明に言いよどむ。 会って、ゆっくりと相談したい。 そう願っての提案は、予想に反して、すんなりと受け入れられた]
あ、ありがとうっ! ……ジリヤです。雪野瀬 ジリヤ。
今、新宿です。 ホテルとりますから、まずは駅で。
[時間と駅近の待ち合わせ場所を決めて、通話を切った。 午後からだ。今からいけば十分間に合う。 それまでにできることはないか、ジリヤは頭をめぐらせた――]
(255) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 17時頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 17時半頃
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― 新宿・某スタジオ・入間との通話前 ―
[ジリヤの曲も、いつか聴けたら(>>225)。 神と敬愛してきた男性からの思わぬ言葉に絶句し、 嬉しさと恥ずかしさで火照った顔を両手で覆い隠した]
……そ、そんな!? あたしの曲なんて、ぜんぜんヘタクソで……
[こわごわと両手を下げて、目元だけを覗かせる。 その目頭は、わずかに濡れていた]
もう、やめなきゃ、って思ってた。 この"仕事"……あの、アイドルのことだけど 専念しないとダメだったから。
でも、ちょっとまた、やる気出た。 いつか、自信もてる歌ができたら、 そのときは……うん、約束。
(256) 2016/10/02(Sun) 17時半頃
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[ドリベルがiPhoneの画面に映し出したパズルの写真(>>226)。 パズルは二十面体からはじまり、スライドするごとに、熊、鷹、へと形状が変わる]
……すっご。 これ、全部おんなじパズル? カクカクからはじまって? まだ続きあるの?
へぇ……不思議。 どういう仕組みなんだろう。 リンフォン?
[なんどもスライドを行き来させて、形状の変わり具合に驚く。 ごく自然な流れで、ふと疑問を口にした]
これ、完成したら、なんになるの?**
(257) 2016/10/02(Sun) 17時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 17時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 18時頃
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***
To.木露 流衣様 Title.ご希望いただいた物件について
新宿不動産の鈴里みよ子と申します。 本日、東蓮寺が休みのため 代理でメールをさせていただいております。
木露様より東蓮寺宛にご希望いただいた物件につきまして、 現在、確保の状態となっています。
内見の日取りなど、ご希望があればご連絡ください。 入居審査書も当日お持ちいたします。
別件のご要望につきましてはご質問の内容にもよりますが、 売買にかかわる決まりなどについてはまずお話しできるかと思います。
新宿不動産 鈴里みよ子
(258) 2016/10/02(Sun) 18時頃
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─ 新宿不動産 オフィス ─
[カチ、と矢印のカーソルを送信の上にもっていきマウスをクリックする。ひとまず、心理的瑕疵物件担当なのだから。と割り振られた業務を終えて、肩を回した。]
あとは……
[次に何をするべきかと、今しがた送ったメールの相手の名前をぼんやりと眺めながら、鈴里は息をついた。 木露の名前は見たことがある。内容から本人だろうと思われるが「トレーサー」の作者だろう。黒い鳥文庫から他に「素顔連盟」等を出しているホラー作家だ。]
(259) 2016/10/02(Sun) 18時頃
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[丁寧な下地の説明とその細やかな状況設定の矛盾のなさは、よく下調べをしていることが伝わってくる。違和感を持たずに現実と地続きにある奇妙さに足を踏み込めるのは、作者の観察眼が偏らずに冷静だからだろう。]
うらやましいわ 才能よねえ
[人に、恐怖体験させられる才能だ。]
(260) 2016/10/02(Sun) 18時頃
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[ほんのりと淡く苦笑する。文字で人を別世界に引き込む、 その才能は、自分にはないものだったからだ。
黒い鳥を子会社として作られる前、その親の青い鳥ホールディングスが出している雑誌の賞に何作か続けて投稿したホラー小説は、どれもこれも箸にも棒にもかからなかった。
唯一ぎりぎり佳作に引っかかった一作も 評価はボロボロだった。
──描写に現実感がない。──ただ怖がらせようとするのでは足りない。それも失敗している。──熱は感じるが傾倒しすぎており視野の狭さに冷めてしまう。
この道を続けるならよりいっそうの努力が必要不可欠。 というのが当時の編集部から下された評価だった。]
(261) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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[一言一句なぞれるコメントを反芻すると、ため息が漏れてしまった。
「恐怖小説なのか幻想小説なのかサスペンスなのか 筆者がどこを目指したいのかわからない。 しっかりと自分の目指すものを見極めるべき」
厳しいコメントは、胸の中にはっきり刻まれている。ひどく刺さりはしたものの、転機となった一言でもあったことは確かだ。
あの一言がなければ、 きっと、今の自分はいない。]
(262) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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『325ページは、事件の起きた3時25分。』
(263) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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『歌詞に出てくるアスファルトはサクラコがアスファルトに打ち付けられた暗喩。』
(264) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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『引き裂かれたページは、サクラコと某事務所の俳優の恋仲が引き裂かれたという暗示。』
[まただ。『あの歌』の噂が、また一人歩きしている。]
(265) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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やめ、てくれ。姉ちゃんだけじゃなくて、オレまで……
[何度も何度も鳴り響く歌。まるで、海の奥底に引きずり込まれるかのように。]
(266) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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『嫌よ。シノちゃんだけじゃ、寂しいもの。』
[女の呟き、が一二三の耳元で囁かれる]
やめろよ、オレも姉ちゃんもアンタの所なんかに行きたくないっ……!
(267) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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『じゃあ、助けてよ。騙されて、一人きりのアタシを。』
[女は、一二三の手首を掴む。]
『シノちゃんも、アタシとお揃いにしてあげたの。でも、シノちゃんは全然喜んでくれないの。 だから、自慢の弟さんに協力してもらおうって』
(268) 2016/10/02(Sun) 19時頃
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『たす けてよ』
(269) 2016/10/02(Sun) 19時頃
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リーは、汗だくでベッドから*飛び起きた*
2016/10/02(Sun) 19時頃
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おはよう。出目ですよ。 大丈夫、こっちは無事。そっちは?
えーと……これからどうする?
[後ろで通話をしている入間澪音を見る。彼女は誰かに会いに行くようだ。 しかし一度解散するとしても、木露を一人置いて行くのは無責任に思えた。彼を巻き込んでしまった――どうしてもその気持ちが心から離れない。 とはいえ、家のベランダから、木露に気付かれずベッドの下へと先回りするという離れ業は、あまり現実的ではない。ベッド下の男はストーカーとは別人で、彼が帰宅した時にはすでに潜んでいたと考えるのが妥当だが。それでも自分が彼に頼らなければ彼は家を追い出されずに済んだのではないか。そう思えてしまうのだ。]
(270) 2016/10/02(Sun) 19時頃
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― とあるPC内のテキストファイル ―
2.出れらない迷い路の噂 また行き止まりだ。 いくら外に出る機会が多くないとはいえ、自宅の周辺で迷うことになるとは思わなかった。 引き返して十字路を右に曲がる。そのままL字に曲がりT字路を右に曲がれば、また行き止まりに突き当たる しかし、この街はこんなに入り組んでいただろうか。 それに人の気配が全くない。 歩いていても誰ともすれ違わないし、塀の向こうで誰かが生活をしているような匂いすらしてこない。 途方に暮れてながら歩いていると、また突き当りだ。 だけど、今度ばかりは少し様子が違う。 スーツ姿の男が立っていたのだ。 その男に僕は道を尋ねたが、聞いているのか聞いていないのか別の話をし始めた。 それは奇妙な異世界の話で――
(271) 2016/10/02(Sun) 20時頃
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3.事故物件に潜むモノの噂 ビルの中にあるコーヒーショップ。 編集者との打ち合わせを終えた後、僕は窓際の席で本を読みながらコーヒーを啜っていた。 ふと、外に目を向けると奇妙な光景が目に飛び込んできた。 少し離れた所に立つマンション。 その屋上で、女の子がまるで万歳をするかのように両手を挙げている。 やがて、その少女の身体は引っ張られるように浮き上がり――
(272) 2016/10/02(Sun) 20時頃
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― 朝:渋谷 ホテルの一室―
おはようございます。 こっちは多少変わったことがありましたが、概ね無事です。
[電話口から、『これからどうする?』と聞かれ、考え込む。 数十秒の時を経て、口を開いた]
少年少女はどうするかわからないけど……。 とりあえず、家の方を確認して見ようかと思ってます。 アイツがまだ居るのなら通報しなきゃだし、居なければ持って来ときたい荷物もあるし。 出目さんの家の方も見れるなら見ときたいですね。 ああ、それと澪音さんの方で時間が取れれば、話を聞いておきたいところかな。
[そして、また数秒開けてから言葉を続ける]
出目さんが嫌じゃなきゃですけど。 一人にするつもりはないし。
(273) 2016/10/02(Sun) 20時半頃
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キルロイは、ジリヤに話の続きを促した。
2016/10/02(Sun) 20時半頃
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…… え?
[少時の前。 ジリヤが口にした疑問に、青年は虚を衝かれた。 その様は、先の空白と比べ強かで露で、 彼女にも、その違和は、確かに感じられただろう]
……あ、 うん。 次は魚で……説明書みたいなのに書いていたのが、そこまでで。 だから、多分、それで終わりなんだと思う。
説明書が、完全だとは限らないし。 その先も、あるかもしれないけれどね。 もしかしたらさ。
(274) 2016/10/02(Sun) 20時半頃
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― 夕暮れ時・新宿通り ―
[薄く紫に青に染まりゆく、暮れなずんでいく新宿の街。百貨店から様々の喫茶店、洋服屋、大通り沿いのショーウインドウが並ぶ通りを、青年は一人、ギターケースを背に歩いていた。 スタジオ練習が終わってから、メンバーで夕飯を食べようかという話が出たが、ヴェスパタインとキーボードの二人がそれぞれ用事があるという事で、今日は解散の流れになったのだった]
……、
[人波のあいまを歩きつつ、青年は漫ろに考える。 一つはバンドのこれからについて。 もう一つは、]
……なんでだろう、……
[何故、自分は、あの時ジリヤに問われて、すぐに答えられなかったのだろう。躊躇ってしまったのだろう。リンフォンが、次は魚になるという、魚が終わりらしいという、それだけの知り切った単純な事実を、 言い淀んで、しまったのだろう?]
(275) 2016/10/02(Sun) 20時半頃
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― 新宿通り沿い喫茶店 ―
[それは相違なく不可思議で、とはいえどうでもいい事だと思っただからあまり深く考え続けはしないまま、青年は近くの喫茶店チェーンに入り、珈琲を飲み、]
…… 、
[いつしか、頭を垂れ、居眠りしていた。 朝からの「眠り」への一種恐れは昼の色々の内に薄れ、代わりに浅い睡眠の反動の眠気に襲われた、そのままに]
(276) 2016/10/02(Sun) 21時頃
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(これ、完成したら、何になるの?)
…………
(277) 2016/10/02(Sun) 21時頃
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お前マジか。
[思わず素が出る。あの家に戻るつもりか。そんな危険を冒してまで何を取りに戻るつもりなのか。]
あ、いや、ついてくよ。こっちは特に行きたい場所ないしね。
[自分がすべき事を考える。だいたいの事は……電話があれば事足りるだろう。]
入間さんはもう準備できてるみたいだし、うーん…… うん。大丈夫だな。話すならこっちの部屋来ていいよ。
[受話器から顔を離し、入間澪音の方を見る。]
木露先生が、お話聞きたいんだって。 入間さん、時間、取れそう?
[先ほどの通話(>>253)が聴こえたからだろう。そんな質問を投げかける。]
(278) 2016/10/02(Sun) 21時頃
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[深い谷底にいた。酷く暗いのに、辺りがよく見えた。空を仰ぐと赤かった。赤い、何処までも赤い、まるで火のような、まるで血のような、この世の終わりのような、この世のものではないような、おそろしいまでの、赤。 自分は崖を登っていた。己が手足のみで、必死に登っていた。爪は割れて血が滲んで、だがそれに気をかける余裕はなかった。谷底は遠ざかっていく。谷底は暗くなっていく。それでも確かに見える。谷底には、無数の白い肉が、あらゆる人人が、蠢いている。 手が伸ばされる。遠い、届かない。 手が伸ばされる。届く事はない。 手が伸ばされて、それは、自分の両の足首を掴み、 見える。見えてしまう。白い顔。長い髪。黒い眼窩。赤い口。赤い口が、開いて、大きく、裂けるように、開いて、開かれて、]
(279) 2016/10/02(Sun) 21時頃
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つ れ
て っ
て
よぉ
(280) 2016/10/02(Sun) 21時頃
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― 午前:渋谷 ホテルの一室 ―
[入間は電話を切って、電話をしている出目の方を向く。 出目と目があうと、入間は頷いた。]
はい、もちろん。
(281) 2016/10/02(Sun) 21時頃
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…… !!
[がたり。テーブルを揺らして跳ね起きる。 振動でカップが傾き、珈琲が少しく溢れ流れた。 息荒く、咄嗟に辺りを見回し、ややあって、夢と現の境目を認め、ほっとする。 首筋に、背に、汗が伝い落ちるのを感じた]
(282) 2016/10/02(Sun) 21時頃
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[返事を聞いて、微笑み頷く。]
入間さんOKだって。 こっちで待ってるね。
[そう告げて、*電話を切った*]
(283) 2016/10/02(Sun) 21時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 21時半頃
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ん?今、お前って……。
[聞き間違いか、と思っておくことにした]
無理はしなくていいですからね。 嫌なときは嫌ってってください。止めるから。 それじゃあ、合流しときますか。 そっち行きますね。
[電話を切った後、荷物をまとめ二人のいる部屋へと向かった]
(284) 2016/10/02(Sun) 21時半頃
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木露です。
[部屋のドアを二回ノックする。 ドアが開いたのならばすぐに質問を四つ投げかけた。 昨日、二度目に家へと戻った時に何かあったか。 親戚とは連絡が取れたか。 電話で話していたアンケートとは何か。 今日はどうするつもりか。 一気に、尋ねてから回答を待った]
(285) 2016/10/02(Sun) 21時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 21時半頃
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[ノックの音。ドアを開けて、キルロイ先生と、一緒に一二三もいるなら彼も部屋へ招き入れる。 キルロイ先生は部屋に入ってすぐ入間に四つの質問をした。]
えと……一個づついきますね。
(286) 2016/10/02(Sun) 21時半頃
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[話す前に、息を整える。 やや強張った顔つきで入間は昨日のことを話した。]
二度目に家に戻った時―― えと、アタシ、キルロイ先生と最初に電話したあと、 るいく――従兄と連絡をとったんです。
従兄とサンマルクで会って、その後二人で東中野に。 家、東中野なんです。 従兄が「警察と一緒に行ってみよう」って言ってくれて。
東中野についたあと、交番にいきました。 交番のひとに着いてきて貰うことにしたんです。
交番のひと、やっぱり昨日の昼の、イタ電と思ってたみたい。 信じてもらえないかもって思ったから、 警察のひとは従兄に説得して貰いました。不法侵入だろって。
それで――家に帰ったら、まだ居て。
(287) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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―明治神宮前―
[小一時間ほどで同僚との話は終わった。話自体はたわいもないものだった。前職の上司の愚痴、次の職の事、明日の面接の話、彼女がどう、結婚がどう…そんな事ばかり。
ただ一つを除いては。つまり、話をしていた当の同僚というのは東大出身だったのだ]
(288) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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……桜井安吾。東大の博士課程在籍中に交通事故で死亡。 当時は上野中下アパートの5階に在住していた。
あの部屋に居住中に死んだ3人のうち、最も最初に死んだのがそいつ。 研究内容は文化人類学。研究対象は……
[同僚も桜井安吾という人間の友人とかそういったものではなく、一度共通の友人を介して一緒にコンパをやった事がある程度だったらしい。そんな人間の名前を一一覚えているのはさすが東大といったところか。]
研究対象は北米先住民族……ネイティブアメリカン。一度出かけると何か月も向こうで滞在し、現地の人間の家に泊まりながら研究を行っていたらしい、か。
(289) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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[静謐な明治神宮の敷地内で昼食のカツサンドとカフェオレを頬張りながら考え続ける。]
ともあれ、わざわざ赤門くぐりに行かなくて済んだのは幸いだったが……
[あの通風孔の中に何かあるのだろうか。もし全てを霊の仕業とかそう言ったもので片づけるのなら、こんな疑問には何の価値もない。 しかし、この不可解な現象を人間の世界の出来事の中で解釈するのであれば、最も有効な説はやはりあの部屋に何かがある、という事だった]
……ドッペルゲンガー。消えた知らない街ニキ。 東京で人が蒸発するのはそりゃあ珍しい事でもないだろうが… ここは本当に、俺の知っている東京なのか?
(290) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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[空を見上げる。カツサンドの最後の一切れを頬張ろうとして…… 妙に辺りが静かなことに気が付いた。 誰もいない。平日とは言え、高齢者や小さい子供連れの母親はいるのだ。境内に人はいる。
それが、空間を切り取られたようにふと、誰もいない。
―――その一瞬。 周囲に羽音が響き渡った]
(291) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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家で――ごはん、作ってたみたいで。 普通に生活しようとしてるっぽくて。
[気持ち悪い――入間は胸元のリボンを掴んで俯いた。]
出たのは、女のほうでした…… 従兄に誰だあんたっていわれても、トボけてて…… それで……えと。気味わるいんですけど…… 従兄の下の名前も……知ってました。
警察のひとは、アタシたちがまた悪戯で言ってるのかもって、 疑ってるみたいでした。
(292) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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あと……その時。 近所のひとも廊下に出てきてました。
うち、近所づきあいなんて殆どなかったはずで。 だからアタシも知らない人です。 見た事あったかも……わかんない。ないかも……。
なりすましの女に、近所のひとが、挨拶……してて。 どうしたの?みたいなこと、言ってました。 なんか、前から付き合いあったみたいな……そんな感じ。 従兄はグルかもって。
そのあとそのオバサン、野次馬かなんだかわかんないけど ずっと廊下に出てました。 アタシが来てるって、なりすましのオバサンにバレた後 こっち見続けられてるのが―――もう、気持ち悪くて。
(293) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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身分証みるよう従兄が警察のひとにも頼んでくれました。 でも警察のひとは「もう確認したけど」とかいってて…… 「なりすまし」のほうも、 身分証出すの、べつに嫌がってはなかった……のかな…… ごめんなさい。アタシ怖くて逃げちゃったからわかんない。
(294) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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『K H A A A A A A ――――――!!!』 『G Y H A A A A A ――――――!!!』
[けたたましい鳴き声が聞こえる。見ればいつの間に傍にいたのか、10羽ほどのカラスが山岸五郎の周りを取り囲んでいた。 大カラスはいない。恐らくは明治神宮周辺に元々住んでいるカラス達なのだろう。
それが束になって、こちらに舞い降り、鋭い爪のついた足を伸ばしていた]
(295) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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ちょっと……待て!! おい!どういう事だこれっ……!!
[考える間もなく手を振り払う。持っていたショルダーバッグを振り回す。その手の甲に激痛が走った。]
くっ……そおぉっ……!!
[カツサンドを持ち直す余裕などない。ショルダーバッグだけをもって、その場から走りだす。カラスの一群がなおもこちらを追撃し、髪を引っ張り、嘴で突こうとしてくる。]
確かメトロは……!
[原宿の明治神宮駅前に向けて必死で走り抜ける。地下鉄の駅に逃げ込もうとして……しかしその手前、人が多い道路沿いまで走り抜けた頃には、カラス達の追撃は止んでいた]
(296) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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はあ、はあっ………
[全力疾走して息が切れている。思わずガードレール沿いにへたり込んだ。それなりの値段した服が所々むしられている。それによく見ると糞も2か所ほどにかかっていた。手の甲は嘴で突かれて出血している]
カラスは知能が高いから他の個体とコミュニケーションを取れたり、共感めいたものまで示せるってのはわかってたが……
にしてもこんな事ってあるか?あの大カラスならともかく、今のは多分全然違う群れだったんだぞ…… そんなの、もう野生の生物の領域を超えてやしないか…?くそっ…
[早く家に帰りたいのはやまやまだったが、この分だと直接アパートに戻るのは少し危険そうだ。メトロで上野までは行けても、そこから自分のアパートまでは結構距離がある]
(298) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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……とは言えさすがにカラス、さすがに夜になれば寝るしかない連中だ。いくらなんでも生物としての生態には逆らえんだろ……
[さりとて、夜まで待ってから帰ったのでは今度は隣室を覗きにくい。何より、明日は面接なのだ。下らない事でコンディションを崩してはならない]
……ひとまず、手当はいるよなあ……
[服も替えた方がいいだろうか。ひとまずメトロに入る。まだ日は高いし予定はない。考えられる場所が欲しかった。]
(299) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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─ 新宿不動産 オフィス ─
[キイ、と背もたれに身を預ける。時計を見上げて現在の時刻を確認する。今日は早上がりの日だったが、東蓮寺が休んだことと、また新しく起きた「事件」のせいで、やるべきことが増えてしまった。]
主任、私そろそろ
[主任にそう声をかけてから席をたつ。ああ、と答える三十半ばを過ぎた男の顔はだいぶ疲れていた。はあーと深いため息が吐かれる。]
(300) 2016/10/02(Sun) 22時半頃
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従兄とは――まだ連絡とれてません。 ずっと電話かけてるけど繋がらなくて。 夕方二人でサンマルク出たあとも、 一回、西口で二人で道に迷っちゃって…… 見たことない通りに出たりしてたから、 方向音痴で、最初ははぐれたのかな?って。
どこいったんだろう――
[懐いているのだろう、入間は一度手のひらで顔を覆うようにすると、息を吐いから、ゆるゆると顔をあげた。]
たぶん――こんな時だし。 こっちに無事なら連絡しないようなひとじゃない。 だから、――だから、なんかあったのかも……
[寝不足の入間は、やや青い顔をして首をふった。]
(301) 2016/10/02(Sun) 22時半頃
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[理由は明白だった。上野中下アパートに続いて、新宿不動産所有のマンションでも、事件──あるいは事故が起きたせいだ。そのうえ、急な東蓮寺の欠勤まで相俟って、だいぶ胃に来ているようだった。今日は、しきりに腹のあたりをさすっている。]
真嶋さんのところと、 大丈夫そうなら、 病院にもお見舞いによっていきますね
[住宅の欠陥ではないか。という点への追及はまだなされていないが「まだ」なだけかもしれず、その様子を見るのにも、一度マンションの方に顔を出すつもりでいた。それが終われば今日は直帰予定だ。]
(302) 2016/10/02(Sun) 22時半頃
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あぁ……そっか。次、アンケートのことでしたね。
[入間は次の質問に関してを喋り始めた。]
……電話で何言ったか、あんまり覚えてないや……。
[疲れた表情は自嘲気味だ。 既に言ったことでも許してほしいと言った。]
……アタシ、朝、親が喧嘩してたからイラついてたんです。 理由は、浮気かな? ……どうでもいいけど……どうでもいいのにね。
(303) 2016/10/02(Sun) 22時半頃
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家にいるとムカつくから。すぐ家でました。 歩いてたら、東中野駅の駅前で、 アンケートお願いできませんかって言われて。
八つ当たりのつもりだったんです。 ……勢いだったから、内容は、曖昧なんだけど……
「喧嘩しない親がいる未来がいい」みたいなこと書いて…… ……こんなつもりじゃ、なくて。
別にいなくなってほしいなんて、思ってないのに……。
[顔を俯かせる。ため息をつきながら、泣かないようにしなきゃ、と、思った。今日もこれから忙しく探し回るつもりなのに、化粧が朝から崩れてしまう。]
(304) 2016/10/02(Sun) 22時半頃
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書いたときは、夫婦喧嘩とか恥ずかしいことしてるって、 世間にバラしてやったみたいな感じがして…… ちょっと、……、スッとしたんです。
[入間は、アンケートに関してを答えながら、叱られているような、恥ずべき部分を抉り出されているような、言い訳をしたいような、逃げ出したいような心地になって、]
この話はべつに……なんでもないですよ、キルロイ先生。 アタシが……後悔してるってだけ。
コトダマ?とか言うじゃないですか。 べつに信じてないけど……こんな事になるくらいなら……
[最後の呟く声は、ひどく暗かった。]
……アタシは、喧嘩にうんざりしてただけ……
(305) 2016/10/02(Sun) 23時頃
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みょんこは、イルマに話の続きを促した。
2016/10/02(Sun) 23時頃
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今日はこのあと――えと…… このカードにかけたら出てくれた人と会うつもり。
[そういって、入間はプラチナ色の会員証をキルロイ先生に渡した。]
雪野瀬さんて人。 ……まー……パパの浮気相手っぽいんだけど。
そのひとも、「にせものの自分」に困ってるんだって。 同じなりすましだったら、協力しあえるかもだし。 被害者同士一緒に警察へいったら、 もしかして、動いてくれたりするかもって思ったんです。
だから、話聞かせて貰いに行ってきます。
(306) 2016/10/02(Sun) 23時頃
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[そうして入間は、4つの質問に答えた。]
(307) 2016/10/02(Sun) 23時頃
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ジリヤは、イルマミオンについて思いを巡らせている。
2016/10/02(Sun) 23時頃
みょんこは、ジリヤにもあげた飴玉と同じもののうちの一つを開封して口に含んだ。
2016/10/02(Sun) 23時頃
イルマは、ジリヤとの待ち合わせの時間を気にし始めた。
2016/10/02(Sun) 23時頃
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[澪音の話が終わるまで、口を開くこと無く聞いていた。 澪音の仕草を観察するようにしながら。 すべての話を聞き終わった後、ゆっくりと口を開いた]
その知らない人達、の振る舞いからすると周辺まで手が回っている、もしくはグルということになるね。 あるいは、職場までも……。 更に、個人情報まで調べ上げていることから、何者かの手によってなされているなら壮大な話になる。 しかし、そこまでしておいて何故、娘や甥には手を回さなかったのか。 戸籍の乗っ取り何かをするにしても、不可解だ。
(308) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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―新宿周辺―
[ひとまず人が多そうな場所、そして近くにカラスの集まりそうなものがない場所。 考えつつ、ひとまず新宿まで来た。]
……これからどうすっかな。
[不動産屋が昨日アパートに様子を見に来ていたらしいという事は聞いている。もっとも、直接話はできなかったが。]
状況は把握してるんだろうが…どうするかな。
[カラスの件は不動産屋とは直接関係のない事だ。 とは言え、カラスの被害に困っているようなら連絡を、という東蓮寺の言葉もあった]
(309) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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従兄に関しては……そうだね、一晩開けても連絡が来ないとなると何らかのトラブルに巻き込まれた可能性があるね。 とりあえず、今日も合流できないかもしれないという事は頭にいれて動いたほうが良いかもしれない。
[その知らない人たちに捕まったりしたのか。 それとも、別の何かに……。 もう、これ以上奇妙な話が増えても不思議には思わない。 それだけの体験を一日でしてしまった]
(310) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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…連絡だけ入れておくのもいいか。
[確実に大カラスはこちらを尾行しているだろう。となれば、すぐにアパートに戻るのはどのみち憚られた。考えた末、新宿不動産の方に足を運ぶことにした]
(311) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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アンケート……。 喧嘩しない親がいる未来……。
[澪音がなんでもないと言った話。 それが、強く引っかかった。 そんな噂を最近聞かなかっただろうか。 その噂ならば、澪音には手を出さなかった理由が付くのではないか。 ただ、本人が信じていないと言っているし、そうするとまた不可解な問題が発生するため口には出さなかった。 何のためにそのアンケートを取る団体は希望を叶えるのか]
(312) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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……なんで、そんな……。
[誰かが自分たちの情報に関して、事細かに、自分たちのしらないうちに調べ上げ、その積み上げた情報で入間澪音の両親としてふるまっている。父のお金が目当てなのだろうか?派手ないやがらせ?それとも他に何か目的があるのだろうか?]
そう――そうなんですよね。
[キルロイ先生の言葉に頷いた。]
アタシは……乱暴とかは全然、されて、なくて。 ていうか最初から、意味不明だったんですよ。 泥棒とかなら、なんで、親のフリなんてするの? だからアタシ、頭おかしいと思って――
[まるで当然の事実であるかのように、自分を娘と扱う。]
アタシが親じゃないだなんて、見てわかるはず、なのに。
[そしてかけられる言葉は――「どうしちゃったの」というもの。 知らない街、という単語が脳裏に浮かんで、うすら寒い。]
(313) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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ああ、それじゃあ別行動だ。 また、夕方か夜にでも連絡をくれると嬉しい。 今日もホテルに泊まるかどうか考えないといけないからね。 気をつけて行っておいで。
[そう言ってから、澪音側から何か話がなければ会話を打ち切った]
(314) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[キルロイ先生が続けて気になるところに質問をするなり、話を聞いて彼なりの見解を聞かせてくれるのなら、入間はそれを聞いていくつもりだった。だから話を最後まできいてから、渋谷のホテルを出た。]
(315) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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─ 新宿 ─
[オフィスから外にでたところで、ふと風景が昨日に重なった。新宿を歩いていった背姿が思い起こされる。人ごみの中に透けていってしまいそうに頼りなげな。]
…… 強がりさんだったのかしらねぇ
[問題はない。と言っていた言葉の真偽はわからない。重体で眠っているという日菜子しか、もしくは彼女自身にだとて、わからないという可能性はあった。平べたいベージュのパンプスの踵を鳴らして歩く。]
(316) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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― 新宿・某スタジオ前 ―
[人々が行き交うスタジオ前の脇にただずみ、 車をとりに地下駐車場へ向かった本郷の迎えを待っていた]
……ドリベル様。 また、会いたいな。
[こんな気分で別れてしまったのは、ジリヤとしても不本意だった。
ところで、あの時に感じた違和感は、なんだったのだろう。(>>274) なぜだかあの表情が胸に強く残り、ざわめいている]
(317) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[人に紛れながら駅を目指して歩く。その途中で、鈴里はあら?と前方の一点を二度見した。こちら方面に歩きくる緑パーカーが視野に入る>>311。]
山岸さん?
[かつり、とその進行方向の数歩手前で、 鈴里は歩く速度を緩めた。]
(318) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[しきりに携帯を覗いて時間を確認する。 澪音は、もうこちらに向かっているだろうか? 澪音から"なりすまし"についての詳細を聞けば、本郷も動かざるを得ないだろう。シルバーケースが、裏社会の力を使って"入間祐輔の偽物"について洗えば、あの"もう一人のジリヤ"についても芋づる式に、何か掴めるかもしれない。
一抹の希望。ただそれ以上に強く抱いている感情、 それは恐怖だった]
みおんの家族……壊れちゃうよね。 ……あたしの、せいで。
だって、あたしが……お、おとうさんを
(319) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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― 午後 渋谷→新宿 ―
[入間はジリヤに電話で言われた通りの待ち合わせ場所に向かった。渋谷駅から山手線に乗り新宿へ。 とりあえず新宿駅で待ち合わせて、その後はジリヤがとってくれたホテルへ向かう……という手筈なのだろう。
入間は、朝かけたプラチナカードに書かれていた電話番号へ、再度電話をかけた。]
(320) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[震える手で口をおさる。 今すぐ何もかも忘れて逃げ出したい]
なにされたって、仕方ない そんなこと、わかってる……わかってるよ でも……でも……
(321) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[身体の震えを抑えきれず、膝を抱えてうずくまった。 あたまの片隅に浮かぶのは、父の姿。 優しかったはずの父。目覚めた自分を抱きしめてくれた父。 だが、やがてジリアを忌避するようになり、そして――]
……ごめんなさい、ごめんなさい 汚らわしくって、ごめんなさい
なんでも言うことききますから…… ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……
[その呟きは自分でも気づかぬうちに、 ひとりでに口から発せられていた]
(322) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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― 新宿・某スタジオ前 ―
[こちらに向かってくる本郷の黒いセダンが見えた。 反射的に跳ね起き、車道に対して手を挙げた。 逃げ出したい、でも、逃げちゃダメだ。 本郷が傍にいれば、きっとなんとか耐えられる。 そう思った。
――だが黒いセダンは、停まることなく、 そのままジリヤの横を通り過ぎていった。
たしかに本郷の車であるはずなのに]
(323) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[車が横を過ぎ去る瞬間、ジリヤは確かに見た。
運転席でハンドルを握る本郷を。 そして、その隣の助手席に座る1人の人影を。 それは――]
(324) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[澪音との話が終わった後、スマートフォンが振動した。 ツイッターの通知だ。 一瞬、迷ってからクライアントを立ち上げる]
(325) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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これは、ともだちのともだちから聞いた話なんですけど、ブクロで―― ――サジェという教師がいたのですが、彼女は生徒たちの前で二つに分裂したそうです。 ――自分と同じ顔の人は3人存在していて、その全員と出会うと死―― ――膝に付けてた、絆創膏まで同じでした。 ――双子の姉妹とか居る?って尋ねると、不思議そうにしながら首を横に―― ――バイロケーションって能力を知ってますか?そんな能力を持っていると自称する友人が居たんです。 ――肩を掴んで振り向かせたら、そこにあったのは自分の顔で―― ――目を離せなくなっちゃって。それで口元がこう動いたらしいです。『みいつけた』って。
(326) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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『私はこの二つの幻影を、 如何に恐怖に充ちた眼で、眺めましたろう。
如何に憎悪に燃えた心で、眺めましたろう。
殊に、妻の眼が第二の私の顔を、 甘えるように見ているのを知った時には――
ああ、一切が恐しい夢でございます。
芥川龍之介 「二つの手紙」』
(327) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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[それ(>>324)は、無機質な笑顔を浮かべるジリヤだった]
(328) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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……ああ。鈴里さんか。
[不動産に直接向かう前、目当ての顔を見つけて少々ほっとする。辺りを気にしつつ、走り寄った。といっても服や手の負傷は隠せないが。]
なんか、昨日うちのアパートに来てたそうで。 俺もそん時に会えたらよかったんスけどね。
……これからどっかお出かけっスか?
(329) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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|
[『ともだちのともだち』から寄せられた噂話。 今日はどれもドッペルゲンガーにまつわるものばかりだった。 昨日、聞いたばかりの話もある]
雪野瀬……にせものの自分……ドッペルゲンガー。
[新宿で出会った少女の顔が思い浮かぶ。 やはり、朝に襲い掛かってきた『アイドル』に似てはいないだろうか]
(330) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/03(Mon) 00時頃
|
……は、
[胸元を掴むように押さえる。心臓がうるさい程に鳴っていた。悪夢。突拍子もない悪夢。だが、奇妙に、現実感を伴った夢でもあった。足首に未だ掴まれた感触が残っている気さえして]
はあ、………ははは。 何なんだよ、もう、
[笑うくらいしか出来ずに、笑う、声は掠れていた]
(331) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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|
[呼びかけた山岸は、どことなくほっとした表情を見せた。それに少し不思議げに首をかしぐ。視線は、手にある傷を見てとってから、顔に戻った>>329。]
ええ、…自殺、ということでしたし うちからご紹介させていただいた方でしたから。
[昨日出向いた話に頷いて返す。最終的に許可を出すのは貸主である大家だが、条件に合わないとなれば紹介しないという選択もある。曖昧に微笑んでから、話をつづけた。]
……。また、といっていいのか…… うちで管理しているマンションで、 ちょっと問題がおきてしまって。 それで、そちらにこれからと思っていたんですけど
… 山岸さんの方こそ、大丈夫ですか? 手、お怪我なさってますけれど…
[つと視線が手に向く。みれば、服も何かに攻撃されたようにほつれている。]
(332) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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|
とりあえず、一旦家に帰ることにします。
(333) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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|
― 午後・某スタジオ→新宿駅 ―
[人が行き交う歩道の先に、新宿駅が見える。 もう2度と来ることはないだろうと思った、その場所が。
昨日、ここで必死になっていたことさえ、 とても昔の出来事のように感じる。
耳にあて続けていたスマートフォンをとうとうポーチの中にしまう。 繋がらない。本郷はもちろん、輝美にも、ゆにも、まゆみにも]
……居場所
なくなっちゃった。
[口角を引きつらせて震えている自分は、笑っているのか、それとも泣いているのか、自分でも、もうよくわからなかった]
(334) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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|
[澪音と連絡をとった携帯に着信がはいった(>>320) 着信画面を確認し、おそるおそる応答を押す]
……もしもし? あの、もうちょっとで新宿……です。
(335) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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イルマは、リーに、お礼のLINEを送った。 『ありがと😢✨ 疲れた顔してたからさ、今日はゴメン😣💦』
2016/10/03(Mon) 00時頃
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―副都心線―
[入間は確かに心配ではあったが、このまま制服のままうろついている訳にもいかず。学校も何とかしなければいけないし、今夜もアルバイト先と休憩室の契約に同席しなくてはならなかった。 木露先生と、出目さんには入間を託しつつ。入間には何かあったら連絡をよこすようLINEを送る。]
(336) 2016/10/03(Mon) 00時頃
|
|
そうっスか……別のマンションで。 どうも、こういうのって多いんスかね。 それとも鈴里さん、そういう担当で? だとしたら貧乏くじっスねえ……
[とは言え、目の前の女性の心情が推し量れるわけでもない。 事件が続けて起こっているという割に、それを特段気にしているようには見えなかった。]
俺の方は…ちっとカラスにやられまして。 つってもアパートから外に出てる時にっスけど。 ひとまず、アパートに戻るにしても傷の手当てしてからになるかなと。……まあ、血は止まってるんスけどね。
[ひとまず今までの状況について簡単に説明する。べランドの通風孔の事については伏せておいたのだが。]
(337) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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リーは、イルマ
2016/10/03(Mon) 00時頃
リーは、イルマのLINEに照れた。
2016/10/03(Mon) 00時頃
|
ああ、君も気をつけてな。
[一旦帰るという一二三に対して、振り返ってそう言った]
(338) 2016/10/03(Mon) 00時頃
|
リーは、ゴロウゴロウ家に帰ってしたい。
2016/10/03(Mon) 00時頃
リーは、キルロイ先生に殴られた場所が痛い。格闘経験あるだろあの人。
2016/10/03(Mon) 00時頃
リーは、ドリベルのベースは渋いと隣の人が読んでる雑誌をチラ見した。
2016/10/03(Mon) 00時頃
リーは、ドリベルのベーステクニックに興味を示している。バンドやろうぜ!
2016/10/03(Mon) 00時頃
|
[コール音をききながら、少し待つ。 午前中かけた電話の女が出た。>>335]
……雪野瀬さん?
[と、名前を呼びながら、どこかで聞いたような名前だよなあ、と、寝不足と疲れでぼんやりした頭で思う。]
入間です。 アタシも駅には着きました。 どのへんで待ってたらいいですか? まだ改札です。
(339) 2016/10/03(Mon) 00時頃
|
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/03(Mon) 00時半頃
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[澪音の声が聞こえる。 震える手を押さえながら、唇をかんで思案する。 いま、なにをすればいい?]
あの……なら、東口のアルタ前広場で…… あたし、金髪で……あと、空色のワンピです。
(340) 2016/10/03(Mon) 00時半頃
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|
ふぅ。これで二人か。 年下相手だと、気を張るなあ。
[深く息を吐いて、荷物を手に取った。 厳密には今は木露も年下ではあるが、同年代だからいいのだ。誕生日が数ヶ月違うだけで、確か学年は一緒だったはず。]
それじゃ、行こっか。
あ。そうだ。 せめてこれくらいは払わせて。本当にこれだけは。
[財布から1万円を木露のポケットにねじ込み、そのまま入口まで逃げる。]
支払いはよろしく〜〜〜!!
(341) 2016/10/03(Mon) 00時半頃
|
|
そうですねえ。たびたびはありますけど、 ここまで間をおかずには、あまり
[そうさらりと答えてから、担当で?という質問にくすりと笑った。]
押し付けられたわけでもありませんから。 でも、ありがとうございます
[間接的な「担当」への肯定を返す。一見した限りでは、山岸がみてとったとおり、不安や恐怖といったものを鈴里が覚えている様子は見えない。]
(342) 2016/10/03(Mon) 00時半頃
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|
[言葉上の心配に軽い感謝を述べて、簡単な経緯の説明に、きょとん。と眼鏡の奥で目を瞬いた。]
カラスに? ……巣の近くでも通られたとかです?
[あら。まあ。と、頬に手を当てて山岸の顔を見る。それから、少し眉を寄せた。]
そういえば、あそこのアパートの近くは 妙に、カラスが多いですものね 寄せる何かでも、あるんでしょうか 被害があるのだとしたら、 何か対処を考えないといけないかしら……
(343) 2016/10/03(Mon) 00時半頃
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あ、ちょっ……。 気にしなくても良いのにな。
[そう呟いてから、デメテルを小走りで追いかける。 ホテル代を精算し、代々木へと共に向かった]
(344) 2016/10/03(Mon) 00時半頃
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― 昼:代々木 203号木露宅 ―
[恐る恐る部屋の中に踏み込む。 斧を持った男の姿は影も形も*無くなっていた*]
(345) 2016/10/03(Mon) 00時半頃
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[アルタ前まで、もうすぐの距離にまで来た。 ジリヤは、すがるように、らくがきだらけの本を胸に抱きしめた]
(346) 2016/10/03(Mon) 00時半頃
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