276 ─五月、薔薇の木の下で。
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ああ、良かった……!
[いつも彼が持っている聖書から現れた魚>>2 安堵の声を漏らし、受け取った。 挟み込んだソフトカバーの小説の表紙には 御伽話をオマージュした棘と野ばらに囲まれ眠る女。 魚は神聖を謳う書から、茨の中に消える。]
そうだったのか、でも、ありがとう。 ベネットには会っていないんだ 君が持っていたからすぐに見つけられた。
……それに、会えたからね。
(17) 2018/05/19(Sat) 01時頃
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[何かしてあげたでも無いけれど、 様子がおかしい彼を>>3見つけることが出来たから。 そこまで口にすることはしないまま。
そして、離れてゆく彼の足がふらついて見えたから 思わず近寄り声を掛け同行を申し出たのだが、 平気だと言われたらそれ以上何も言えない。
やっぱり、僕は鬱陶しいかな。]
(18) 2018/05/19(Sat) 01時頃
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……これは嬉しい誤算だな。
[そんなことを考えていたから、一度は目を丸くしたけれど すぐに笑い、申し出に>>4遠慮なく頷いた。 嫌われてはいないと思っておこう。
礼を言って、そのまま見送ろうとして──
でも、俺は動いていた。]
(19) 2018/05/19(Sat) 01時頃
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ねえ、思うんだけどさ
──……踏み外しても、いいんじゃないかな。
[腕に手を伸ばし、可能ならば引き止めるように握る そこには棘も何も無く 人間の形と体温が伝わるのみ。
馨りを吸い込み背後で囁いた声は、掠れて響く。]
(21) 2018/05/19(Sat) 01時頃
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なんのことか分からないけれど、 君はやっぱり、ちょっと堅いから。 たまには、ね。
あっ、行き過ぎた非行は駄目だよ。
[自分の言葉を気にしてか、頬を引く様子も>>0やはり ヴェルツ辺りと比べると、真面目に見えた。
じゃあね、そう一方的に別れを告げて 彼とは反対側へ歩いてゆく。]*
(22) 2018/05/19(Sat) 01時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/19(Sat) 01時頃
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── 中庭 ──
モリス君。
[後輩は、来ていいと言っただけ 来てほしいとは言われてないのだけれど。 それでも、そう言われたことが嬉しかったから。 言葉にしたまま中庭まで足を運んだ 毛布に包まる姿>>5に目を細め、名前を口にした時 眠気には負けていただろうか?]
(26) 2018/05/19(Sat) 01時半頃
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随分と準備がいいね。 でも、ここで寝るのは駄目だよ。
[どちらであっても暖かなそれの上に掌を乗せ 年下を撫でつつ、優しく呼びかける。]
パンを貰ったんだ。 一つだけだけど……半分どう?
[そして、しっかり意識が覚醒しているのを確認した後 荷物のうちの一つを示して聞いてみた。]*
(27) 2018/05/19(Sat) 01時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/19(Sat) 01時半頃
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誰に借りたのかな、僕も感謝しなきゃね。
[視線を逸らしたのは何故だろう>>30 誰かとのやり取りを、自分は知らないから ただ真っ直ぐに受け止めるだけだ。 息を吐く様子も、緩やかに醒めていく様も 常の彼よりどこか幼く見えて、 撫でる手は中々離れなかった。]
ああ、……そうだね。
[相手から切り出され>>35、漸く 手は離れ、隣に腰を下ろす。 膝に掛けられた半分の暖かさに気が緩んでいくようだ。]
(36) 2018/05/19(Sat) 02時頃
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[本は表紙を上に毛布へ、手にはレーズンパン
ここにはナイフも皿もありはしないので、 自分の手で割ることを許してもらおう。 お互い男だ、そこまで気にしない筈。 少し歪な形に裂ける二つ、大きい方を彼に手渡す。]
そういえば、本当に待とうとしてくれてたんだ。
[やはりケヴィンのパンは美味しい。 ナッツ入りが一番好きだけど、レーズンも悪くない。 惜しむように少しづつ口にする合間、ぽつりと。
あの時は、その内何処かに行くように聞こえて 来た時いなければそれまで、そう考えていたから。]
(37) 2018/05/19(Sat) 02時頃
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──……嬉しいな。
[口元を緩め、彼を見つめる。 心優しい後輩が何を思ってここにいたか、 しっかりとは分かっていないのだ。
心の奥にあるものにも。]*
(38) 2018/05/19(Sat) 02時頃
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ああ、あの綺麗な子 彼と会えて、良かったじゃないか。
君が風邪を引いたら、申し訳ないし心配だ。
[警戒されているなどとは知らず、ただ納得し モリスが風邪を引く可能性が少なくなったことを素直に喜んだ。 編入生の自分に、周囲は学校の話を色々教えてくれた それは丁度、マークが眠り姫であった頃。 綺麗な人は心もそれに比例するのだろう。
そんなことを考えながら隣にお邪魔し、その後。]
(45) 2018/05/19(Sat) 03時頃
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……なんだか君がお兄さんみたいだね。
[笑い混じりのそんな一言を相槌とした。 擽ったいくらいに暖かい言葉が>>43 空っぽの身体に染み込んでゆくみたいだ。
確かに、こんな先輩をよく心配してくれるいい子だが ここまでのことを言われたことはあっただろうか。
膝の上の手に一度視線が降り、何も言わず戻る。 他人から触れられるのは苦手な筈なのに 純粋に心地良く感じる。]
(46) 2018/05/19(Sat) 03時頃
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……え?
[どういう意味だろうか、すぐには分からずに 見つめ合う視線は>>44互いに逸れない。 彼に名前で呼ばれるのはいつ振りだろう?
そんな問いに無関係なことを考えている内に ──薔薇の香りが、立ち込めて 遠くなった思考が誰かの背中を思い出させた。 だけど、今は]
(47) 2018/05/19(Sat) 03時頃
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僕は、君が作る作品が好きだよ 僕に出来ないことをする君を、尊敬している。 いつも相手をしてくれて、嬉しいと思っている。
それに、ひとりにしない為に待っていてくれたんだろう?
……そんなことを俺にしてくれるのは、君だけだ。
[例え繕った表面に対してだとしても。 そう考えながら、沈めた本物が浮き上がっていくことに気づかない。 妙に饒舌に、心からの気持ちを語っていることにも。
膝の上の手に、自分のそれを重ねる。]*
(48) 2018/05/19(Sat) 03時頃
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[寂しがり屋な女の子に言えば喜ぶだろうに>>51 掌の下で籠もる笑いは悪くないと思ったからこそでもある。 それが途切れたのは小さな音を拾った時 …やはり、いつもと違うような気がした。]
(62) 2018/05/19(Sat) 05時半頃
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[本当だと、静かに返しながら抱いていた錯覚 蔓薔薇が首に絡み付き、棘を刺しながら絞め上げる。
偽物のことなんて、誰も思わない その奥の汚い本物には、尚更 そして、向き合っていないのは周りではなく自分。]
(63) 2018/05/19(Sat) 05時半頃
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君の自己評価が、どうも分からない。 今言ったことは、人の為だろう?
でも、……どうして、君はそんなに。
[ただの先輩にそこまでする必要が何処にあるのか 作品を貰って、相手をしてもらい 心配されて、待ってもらって してもらうばかりなのに。
分からない、けれど。彼は何も知らないからだとは気づいた。]
(64) 2018/05/19(Sat) 05時半頃
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俺はそんな風に言ってもらえる奴じゃない。 騙されているんだ……皆。
[目を伏せる。もう、駄目だった。 皆にこうやって偽物を信じてもらって 自分を良く思い、寄り添ってほしかったのだろうに。 悪いことをしているのだと、気づいてしまった。]**
(65) 2018/05/19(Sat) 05時半頃
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イアンは、射干玉に気づく術
2018/05/19(Sat) 05時半頃
イアンは、など、何処にも無かった**
2018/05/19(Sat) 05時半頃
イアンは、ケヴィンのパンはとても美味しかった
2018/05/19(Sat) 11時頃
イアンは、モリスが語る全てを隣で聞いている
2018/05/19(Sat) 16時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/19(Sat) 16時半頃
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[こちらの思考の否定と苦い笑み>>80 心に残る言葉は、しかし繋がりがはっきりとしない。 今日の彼は分からない、聞き手になりながらそう感じた そんな思いは、解かれる秘匿に少しづつ形を変える。]
俺、やっぱり駄目だったんだね。 ちゃんと普通になりたかったのに。
[絞り出すような声だった。 それでも先程より落ち着いてはいる。
その先に何があるか知らないからこそだとしても。 嫌だと言われたことが>>81 手を伸ばそうとしてくれていることが 絞まる喉を緩めていくように、優しく響く。]
(85) 2018/05/19(Sat) 17時頃
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いつも会ってたのにね、何も気づかなかった。 君は、……何を抱えているんだろう どうすれば、苦しくなくなるんだろう。
[分からないのは、今まで見ていた彼と違うからなのだろう 聡い後輩と違い、今更理解させられた自分がいた。 自分の手の下に重なる温度を撫でて、続ける。]
エゴイストなのが本当のモリスなら それで、いいんじゃないかな。
[相手のように>>82笑うことはしなかった。]
(86) 2018/05/19(Sat) 17時頃
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それに、何も間違ってない。言うとおりだよ。 俺も、誰かに触れてほしかった。
でもそれは、君の意味とは少し違う 俺は汚いんだ。
[そう打ち明けて手を離したのは、嫌だからではない
同性に触れられるのが苦手だ。 意識して、自分が普通ではないと知らされるから。]
(87) 2018/05/19(Sat) 17時頃
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[ ずっと、何処かで思っていた。
それが特定の誰かである必要は無い。 何もかも暴いて汚い俺に触れてほしい “あの頃”されていたみたいに組み敷いて 必死に築いた正しさを崩してほしい。
そこにあるのは楽になりたい一心の願い そして、植え付けられた欲望。 ]*
(88) 2018/05/19(Sat) 17時頃
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……ごめん。ただ、本当に凄いと思っていたんだ。
[告白は予想外の内容で>>90、目を見開く 何も考えず喜んで、なんて残酷だったのか。 知らないところでどれだけ苦悩したのだろう。 彼が自分をどう言ったとして、褒め称えていた人間の一人に違いない。]
だけど、例え何も作らなくなったとしても 君は君のままだ、モリス。 ……俺は作品を貰うより、隣にいてくれるほうが好きだよ。
[伝える言葉が正答になるのか、分からない 思ったままを口にするばかり そうして、そうありたいと思う心を肯定した。]
(99) 2018/05/19(Sat) 20時半頃
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[自分の汚れ、芸術家の苦悩 重ならない隔たりが確かに二人に存在して。 それでも、根本にあるものは同じだと感じた。]
……君はどうして、欲しいことばかり言うのかな。
[そう言い笑みを作ろうとして、失敗に終わる。 彼が口にする何もかもが>>93自分の望むままなのは 二人が似ているからこそなのかもしれない。]
(100) 2018/05/19(Sat) 20時半頃
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[それは自分にとって唐突に 息を吐く音が、緑を踏む足音が>>95 ──聞こえたような、気がした。 どちらかでも幻聴ではなかったのなら 視線を向けた先、去り行く背を見ることが叶い ただの勘違いならば、そこにはもう誰もおらず 落ちた薔薇の花弁を見つけただろう。]
……ヴェルツ?
[どちらでも同じことだ 小さな呟きは、名の主には決して届かない。]
(101) 2018/05/19(Sat) 20時半頃
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モリス、モリス……
[確かな動揺を浮かべた表情 怯えるようにモリスに自分から身を寄せた 無意味に名前を繰り返し、縋ろうとする。 他の人間を呼んだ俺を彼はどう思ったか 嫌そうに見えなければ、少しの間そのままでいた。
薔薇の香りが心地良い。]
(102) 2018/05/19(Sat) 20時半頃
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[傷ついた心で自分を気にしてくれた 大切な後輩、汚してはならない相手 いけないことだ、許されないことだ──]
俺、俺は……君に見てもらいたい
君が、欲しい。
[だけど、“苦しくなくなる“のならば ──汚い俺は逃げ道を見つけた。 手の感触に体温が上がる心地 視線は彼の瞳ではなく、唇に注がれ 欲の籠もる吐息が噎せ返る香りに混ざる。]*
(103) 2018/05/19(Sat) 20時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/19(Sat) 20時半頃
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[罪深い、許されない。倫理に反する。 今自分は後輩を誘惑した。]
ごめんね。
[こんな行為を求めることに、 待っていた先輩が汚い奴だということに ぽつり、悲しそうに笑って謝罪した。 言外の感情を察するのは不得意 先程は伏せていた目が>>148こちらを向き 笑みを見せられるのならば、罪悪感を覚える。
正しい道からはとうの昔に外れている 遊び半分の悪意に突き落とされた。 今まで落ちてないふりをしていた、だけ。]
(177) 2018/05/20(Sun) 01時半頃
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[頬に触れる違う温度が心地よい 添えるように自分の手を重ねるまでが似て 甲を指でゆっくりとなぞるのが先程と違う。]
俺といる時は、怖がらなくていいよ。
──……君を見ている俺を見て。
[途切れた話>>150を思い出すだろうか ひとり怯えるモリス・レーヴェンへの答えは 彼のことを思うだけではない 自分を見てほしいという、利己的な感情も含む。]
(178) 2018/05/20(Sun) 01時半頃
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場所を変えようか。 また見られるのは、……ね。
[優しく手を下ろさせ、毛布を退け立ち上がり 微笑みかける顔は生徒会長のもの。
どう反応するのか、彼を見ている。]*
(179) 2018/05/20(Sun) 01時半頃
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[夜闇の中でも見えた表情>>164 きっと自分と似たようなものだったけれど。
平静を繕う相手と、それに縋るもう一人は それぞれ別の理由で怯えたんだ。
だって彼は細やかな心の子供で 俺は汚れた大人なのだから。]*
(180) 2018/05/20(Sun) 01時半頃
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[ヴェルツという名の薔薇は存在しない 彼そのものこそが俺にとっての薔薇だ。
決まった場所で、綺麗に在り続け いつでも変わらずに迎えてくれる。 棘に怯える臆病者は、汚い手を伸ばせない まだ見てもいないのに、立ち止まったまま
汚泥から美しい花は咲かない。]
(185) 2018/05/20(Sun) 01時半頃
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[ただ一言問い掛ける、それだけでいい 返るものがなんであれど、空白は埋まる。
汚れを晒すより余程簡単なことの筈なのに 一度踏み出せばその後もきっと出来るのに。
怖くて怖くて、仕方なくて。 見つけた背中は距離以上に遠く感じた。]*
(186) 2018/05/20(Sun) 01時半頃
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[吐息の笑み>>192の意味は知らない。 気づかれた何かの中身も、言わない 惨めで、情けなくて、苦しくて。誰にも言えない。]
なんでもないよ、モリス君
[ああ、その呼び方嫌だなって 思った癖に自分も戻っている。 染み付いたものは恐ろしい。一度汚れたら最後、
レーズンパンは食べ終わっている、荷物は軽い。]
(197) 2018/05/20(Sun) 02時半頃
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図書室に内鍵を掛けて閉じ籠る、とかかな。 とりあえず、中に帰ろうか。
[間を空けず、モリスに答えた>>193 考えることもなく実体験から自然に口に出る。 一つとして望んだわけじゃないんだけれど。]
………………、
[嫌だな、本当に。 歩きながら無意味に制服の胸元を掴む。 行き場所以外に話すことが無かったのならば 建物の中に戻るまで口は開かなかっただろう。]
(198) 2018/05/20(Sun) 02時半頃
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── 廊下 ──
……ねえ。 気持ち悪いって、言ってもいいよ。
[行き先が何処になったとして歩く場所 少し前を歩きながら、ふと呟いた。 丁度その位置は月光が届かず、表情は気づかれないだろう。
薔薇の香りが、欲以外のものも引き摺り出すようだ。]*
(199) 2018/05/20(Sun) 02時半頃
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……参ったな。これで罰点2だね
[せめて否定してくれたらいいのに それなら何を言っているかは理解したということになるから。 胸が締め付けられるような、情けないような。 先程のやり取りを持ち出して茶化すのが精一杯だ。]
俺のことだよ。 貯まったらお菓子でも買えばいいかな?
[自白はするけれど、答えは貰っている。 足は図書室を目指して、動き続けた。]
(202) 2018/05/20(Sun) 03時半頃
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── 図書室 ──
[大きめの窓から月明かりが差し込む 図書室の雰囲気は、昼間とは違って見える。
そんな静かな空間に、金属の音が響いて 外と内とが一時の断絶を迎えた。 一度、小説を返す為に書架の中に一人向かい 帰ってくれば備え付けられたソファーの端に座る。 見上げるのか隣を向くかは相手の行動次第。
少しの沈黙の後、口を開いた。]
(203) 2018/05/20(Sun) 03時半頃
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……モリスは、俺にキス出来る?
[口の端に指を当てれば首を傾げ。 年齢と背丈に比べ幼い仕草で相手を見つめる。
彼に知られたいと思い、欲を抱いたとしても。 それで重なるものを見つけた気持ちや今までのことは消えない。 だから、大切なら試すことが必要だろう。 出来ないのならば、こんな時間は終わり 汚くて最低の先輩とはさようなら。
俺は願望を抱えたままひとりになる。]
(204) 2018/05/20(Sun) 03時半頃
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[実のところ、ここまでで充分意思は示されていた。 それはちゃんと目にしてきた筈。
それでも最後の確認をしたのは、多分 こちらもどこか怖がっている部分があったから。 皆の傍に寄っていって、いつも賑やかな場所にいて その一方、いつだってひとりだったのだと思う。
テーブルに置かれた栞の魚は動かず いつまでもそこにあり続ける月光の下。
跳ねる水音が聴こえたような気がした。]*
(206) 2018/05/20(Sun) 03時半頃
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── 何もかもが今は遠い ──
なんだい?
[雑草抜きも板についてきた初夏 思い掛けないことをされ、固まった記憶。 同性に触れられるのが苦手だ。汚れて、穢れているから。 彼に手を伸ばしたことは無かった。 綺麗なものを作る、綺麗な人だ──そう勝手に思っている──から。]
……笑わなくても、いいじゃないか。
[作った「僕」はそんなことはしない性格なのに 拗ねたふりをする以外に混乱する頭は思いつけなかった。 そうしなきゃ顔を背ける術が無かった。]
(213) 2018/05/20(Sun) 04時頃
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[なんてことをするのだろう。 何の意味もなく、何も知らないで。 どうせすぐに忘れてしまうのだろう。
そう、無意味でしかない。 その一件も、密やかに胸元を掴んだ先の出来事も。]*
(214) 2018/05/20(Sun) 04時頃
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イアンは、今、自分の傍にいてくれているのは
2018/05/20(Sun) 04時頃
イアンは、ユージンではなく、モリスだ。**
2018/05/20(Sun) 04時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 04時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 12時頃
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[二人だけの静かな世界、図書室へ向かう途中 楽しげに笑ったモリスが、否定する時までも そんな彼のままで、言ってくれたから。>>230
ありがとう、と。 返したのはたった一言、どこか泣きそうな声 顔を見られないように先を歩き続けた。]
(233) 2018/05/20(Sun) 14時半頃
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[戻ってきた時見た、安堵するような表情>>231 何を強請られたのかも、汚れの意味も もう分かっている筈なのに。 眉を下げて、こちらも笑みを浮かべていたのが座る前。]
え?俺は、……何を間違えたのかな。
[薄い笑みで何を思ったのか、振られる首 自分は本当に分かっていない顔をしていただろう。 聞き方に指摘を貰うのは>>23予想外だ。 溶けた垣根を喜ぶ暇も無い。]
(234) 2018/05/20(Sun) 14時半頃
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っ ……モリス
[その一言が俺には妙に響いて聞こえたんだ。 詰められた距離>>232に心臓が煩くなって 名前を呼べば、じわじわと血色が良くなる。 そんな格好良くない先輩の姿で、口づけを受け入れた。
食むような柔らかさが実感を与え、背筋が震えた。 絡め下ろされたほうではない、もう片方が相手の頬に触れる 潤そうとするように乾いた唇を舌先が舐めれば、 そのまま咥内に侵入してしまう。 歯列をなぞり、相手の舌と絡ませる。 幾度か離れ、角度を変えながら 何度も何度も、モリスを求めていた。]
(235) 2018/05/20(Sun) 14時半頃
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[糸が伝い、切れる。 少しの間、呼吸を荒く繰り返した。 それでも惜しむみたいに二人の距離は近いまま。]
さっき言ったこと、格好良かった。 ……どっちが年上だか、本当に分からないね。
[頬を撫でながら、まるでいつもと変わらない笑み けれどそれは温度が上がるばかりの顔と、濡れた目が作った。
するりと落ちる手は、彼の服に伸びた。 一度様子を確認して、許されるようなら脱がそうとする。]*
(236) 2018/05/20(Sun) 14時半頃
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イアンは、モリスと二人きりで鍵の向こう側。
2018/05/20(Sun) 14時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 14時半頃
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[彼の心の葛藤は知らないが、同性愛者だと思っていれば確認を取ることは無かっただろう。 それでも、口づけたのは相手からだから 強張りと辿々しさを感じても>>238引くことは無かった。]
可愛いから、いいんじゃないかな?
[整わない呼吸を聞きながら>>239今度は真逆の感想を言う。 別に意地悪のつもりはない。 自分には失われたもので、眩しかっただけ。 そうしながらも手が動いている 頷き返し、釦が外されていく。]
(241) 2018/05/20(Sun) 16時半頃
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[キスと比べ、肌を露わにする手付きは慣れていない 時折僅か止まることすらあった。 沈黙の時間はそうして生まれる。]
……そうだよ。だって、まともじゃないだろう だけど、問題はきっとそこじゃないんだ。
[答えるまでの沈黙は嘘をつく為ではなく 自分でも整理が難しいものだから。 ぽつり、ぽつりと聞きたがる相手へ語った。>>240]
知られたかったんだ。 頑張ったってまともになれないって教えられたかった。 罵られても、酷く扱われてもいいって思ってた。 でも、そんな自分を受け入れてほしかったんだと思う。
(242) 2018/05/20(Sun) 16時半頃
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[上半身を脱がせてしまったら、次はこちら。 ジャケットが落ちて、ネクタイが続き シャツの釦を全て外せば一度立ち上がり 胸をやんわりと押して横たわるよう促した。]
俺、こっち側も、合意でするのも初めて。 あ、二人だけなのもそうかな。
[覆い被さるような体勢で顔を近づけ 緊張する、そう呟き柔らかく笑う。 連ねた三つの初めての反転が、ずっと語らなかった過去。 本人にとっては認めるしかないそれは何気なく落とされた。 俺にとってのキスがしたい相手は 愛だとか恋だとか遠いものの先にいるわけじゃなくて。 汚された本物に手を伸ばしてくれる人。]
(243) 2018/05/20(Sun) 16時半頃
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ねえ、優しくするからさ……君も、俺に触ってね。
[今度のお願いは、指摘されずに済むだろうか。 滑る手が直接に身体を撫でてゆき やがて、意味の変わった触れ方を始め 彼の肌にも熱を感じる頃に下腹部に降りてゆく。
触れながらも、何度も唇を重ねた。 溢れる欲が自然と自分のそれも育てていって。 異性愛者への気遣いは当然あるが 結局、慣れない立場から彼を奪ってしまう。
潜めた吐息と濡れた音が二人だけの空間を満たし その時間の俺は、確かに彼だけを見ていた。]*
(244) 2018/05/20(Sun) 16時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 16時半頃
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─ 蜜事の終わり ─
[かつての自分と比べれば見れる姿だ。 しかし痛みが無かったわけがなく、負担を掛けたのも事実。 一時の醒めが訪れた頭に、棘のような罪悪感。]
ごめん。
[ベルトを締め直し、シャツを羽織り 自分のジャケットで彼に応急処置の清めを行いながら謝罪した。 逆のほうが良かったかな。でも、異性愛者に出来るかどうか分からないし]
(255) 2018/05/20(Sun) 19時頃
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まだ暫くはここにいたほうがいいね。
[作業を終えれば衣服を正させソファーに寝させ 椅子に座って彼を見守っている。]
ありがとう。 [口にしたのは一言だけ、疲れた彼にあまり話は振らない。 ふと、無意味に視線を窓に送る ……それなりの時間を彼に触れていたと思うのだけど。 来た時から、いや、廊下で窓を開けた時から 月の位置、空の色──何も、変わっていない。]*
(256) 2018/05/20(Sun) 19時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 19時頃
イアンは、ヴェルツに何があったか、知ることは叶わずにいる。*
2018/05/20(Sun) 19時頃
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[与えられたことのない優しさを向けるのは大変。 好きでもない、恋愛対象でもない男にこんなことを 薔薇に侵されきってはいない思考が 可哀想だと、あの頃のお前ではないかと嘆く瞬間もあった。 だけど最後まで止めなかったのは やっぱり、俺がそういう人間だからなのか。]
……うーん。
[考え込む顔は別に袖を握る手が>>297嫌なんてことじゃない だから離そうとはしないし、少し椅子を引き摺って距離も詰めた。 窓を見るのは止めて、彼の微睡むような様子を見つめる。]
(299) 2018/05/20(Sun) 23時頃
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眠いの?……ここで寝るのはあまり、良くないな。
[部屋ではないし、風邪も引くし。 だけど起きろと引っ張ることも出来ず。 少しだけならいいかなと、口にした以上は咎めず。 再び黙せば見守る姿勢。]*
(300) 2018/05/20(Sun) 23時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 23時頃
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