199 Halloween † rose
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やった! 何気ない日常に潤いのお菓子ゲット!
[露蝶からOKが出れば>>0、小さくガッツポーズ。 頭を撫でられて子供扱いするなと言いたくなるが、 お菓子を確保したのだから今回は許してやろう。]
戻ると良いよな。 でもドナルドとか皆で来たら、露蝶の店赤字になるかも。 そこは出世払いじゃなくて、ニコラエとドナルドに 払ってもらおう。
[確信出来ないから、わざと彼らに支払いを押しつける様な 事を口にして不安な心を紛らわす。]
(2) pannda 2014/10/30(Thu) 23時半頃
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今度店に行く時はちゃんと辛いヤツ、何だっけあれ。 あの辛いヤツも食べれる様になるからな。
[ずっといると言ってくれた露蝶は何を思っているのだろうか。 こんな変な事を言ってるから、俺も変な奴と思われているかもしれない。 それでも変わらずここにいてくれると言ってくれた事が嬉しくて。]
そうだよな。露蝶のお菓子美味くて大人気だもの。
(3) pannda 2014/10/30(Thu) 23時半頃
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……露蝶、ありがとう。
[ハロウィンが終われば何かが変わるかも知れない。 変わらない、終わらないハロウィンは困るけれど。 まるで錨の様に変わらず有り続ける事に感謝する。 ……どうしてか判らないけど、泣きそうだった。]
(4) pannda 2014/10/30(Thu) 23時半頃
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− 途切れた輪 −
[ループが終わった事に気付いたのはいつだったか。 不意にそう思えたのか。 それとも姿を見せたシーシャに会ったのか。 華月斎か誰かに聞いたのか。 ニコラエとドナルドのいけない関係を見てしまったからか。
だがループが終わり、時計が動き出したと気付いた時。]
(18) pannda 2014/10/31(Fri) 13時半頃
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キリシマ!
[俺は何も誰も気にする事無く駆け出していた。 ループが終われば、ジェレミーが言った様に 消えてしまうかもしれない。
俺の言葉や手紙が届いているかは判らないけど。 明日になる前なら、まだ捕まえられる筈。 拒む言葉が出る前に、もう一度だけでもその手を握りたい。
ダンスパーティーの時の革手袋越しにではなく 直接その手に。]
(19) pannda 2014/10/31(Fri) 13時半頃
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[街中を全力で走る俺を祭りを楽しむ皆は少し困った様に 見ていたかもしれないが、気にする事無く突っ走る。
薬屋の前に辿り着いた時には、そのまま道路に寝転がりたくなる 程息が上がって苦しかった。
それでも膝に両手をあてて、倒れるのを堪えて見上げた扉。]
(20) pannda 2014/10/31(Fri) 14時頃
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[並ぶ二つの南瓜と、挟んだ筈の手紙の消失。
ずきりと胸が痛んだ。
誰かが持って行ったとは考えなかった。 手紙はきっとキリシマの手に渡ったはず。
そう思うと、全力疾走の原動力となった想いに 急にストップが掛かる。
彼はどんな顔をしているだろう。 いつも以上に顰めっ面だろうか。 呆れて馬鹿にするだろうか。
それでも帰ると言う選択肢は無くて、扉を叩こうとした 手の震えが止まるまで、と言い訳と共に薬屋の前に座り込んだ*]
(21) pannda 2014/10/31(Fri) 14時頃
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ろくでなし リーは、メモを貼った。
pannda 2014/10/31(Fri) 14時半頃
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− 薬屋前 −
[ゆっくりと傾く陽に照らされて、1人薬屋の前に座り込む。 1人でいるとわけもなく寂しくなって来る。
あの時露蝶の前でも泣かなかったのに。 今は少し気を緩めたら泣いてしまいそうだった。
楽しい事を思い出して気分を沸き立たせようと、 先程見てしまったドナルドとニコラエのキスシーンを 瞼の裏に浮かべても何故か苦しい。
どうしてあそこであんな事をしていたのかは知らないが、 異形であるニコラエと人間であろうドナルド。 2人はきっと全て知った上であれを望んだのだろう。
結ばれた2人を心で祝福しながら、酷く羨ましかった。 俺もキリシマなら受け入れると思うのに。 彼には受け入れて貰えないかもしれない。]
(48) pannda 2014/10/31(Fri) 23時半頃
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[そんな不安。
1人でいると膨らみ続ける不安に押し潰されそうになったその時。 声が降ってきた>>@6]
……キリシマ……? おかえり。
[いつもと変わらぬ口調の物言い。 内心ほっとしながら顔を上げる。 不安な顔になっていないだろうか。 重なる不安を押さえこんで、軽く手を上げた。]
店主がいないのに、営業してるわけないじゃん。
[いつもの様に口を尖らせて言い返す。でも次が出ない。]
(49) pannda 2014/10/31(Fri) 23時半頃
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なぁ……終わったよな。
[何が終わったか。 巻き戻しの時間か、それとも……キリシマがこの街にいる時間か。
どちらも同じ結末に集束するのだが、それが怖くて聞けなかった。]
(50) pannda 2014/10/31(Fri) 23時半頃
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[返事は短くそっけない>>@7 いつもと変わらない癖に、いつもとは違う店内が開く。 カラン、と魔法が解けた合図の様なベルと共に。]
……っ。
[陽に照らされた外と違って、店内はとても暗く見えた。 まるで俺とキリシマを分ける世界の様に明瞭な境界。 その境を更に分ける様に、キリシマが終わりを告げる。 祭りと、この街での生活を。]
(56) pannda 2014/11/01(Sat) 00時頃
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……そっか。ハロウィンもう終わっちゃうんだ。
[やはり巻き戻しが終わったのだ。 ジェレミーの力か、他に何か要因があったのか。 もうそれを知る必要は無い。 大切なのは、終わった事では無く、これから。]
キリシマ。俺さ。
[少しずつ慣れて来た闇の中、ぼんやりキリシマの姿が浮かぶ。それを目掛けて、躊躇い無く闇へと足を踏み入れた。 本人を目の前に、胸に渦巻いていた不安に耳を傾ける余裕など 無くなっていたから。
飛び越えた境界の先、キリシマの手を掴もうと手を伸ばす。]
(60) pannda 2014/11/01(Sat) 00時頃
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俺、あんたが好き。だから……一緒に付いて行く。
最後の夜って言うなら、あんたと過ごしたい。
[振り払うならその前に、もう一度ダンスをと微笑んだ]
(61) pannda 2014/11/01(Sat) 00時半頃
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[伸ばされた手の行方が怖いと気付いたのは、差し出した後。 振り払われるならまだしも、そのまま陽のあたる世界に 押し出されて扉が閉まったら。 もう一度扉を開ける勇気が出るだろうか。]
……キリシマ。
[確かに扉は静かに音を立てて閉まって行く。 俺の身体を闇の世界に残して>>@11 触れた手の冷たさは生者の息吹を欠片も感じさせない冷たさ。 彼に手を取られたのだと気付くと、微笑みは 薄暗い闇の中で更に華開いた。]
(67) pannda 2014/11/01(Sat) 01時頃
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最後じゃ……ない?
[続く言葉に開いた笑みは熱を持つ。 相変わらず口が悪く、ぞんざいな物言いだけど。]
うん。付いて行く。
[俺で良いの?と確認したら思い直されそうで、 何もかも振り切ってただただ頷いた。]
俺あんたより愛想は良いから、ちゃんと商売になると思う。 騒がしいのが嫌いなら表に出て来なくても良いからさ。 ただ、俺の傍にいてよ。置いてかないでよ。 それだけで良いから。
[気付けば浮かんで来た涙と嬉しさから 熱くなった身体の熱をキリシマに分けるように 顔を胸元に押し付けた。]
(68) pannda 2014/11/01(Sat) 01時頃
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愛想の良いキリシマとか不気味だ。
[顔を胸元に埋めたまま笑えば、 微かな振動が笑んでいると伝えるだろうか。 抱きしめられた腕から温もりが伝わらなくとも、 不器用な掌で撫でられる度に心が温かくなっていく。
魔に魅入られる事がこれ程温かく心地好いと言うなら。]
もし、気が変わるとしたら……。 人間辞めたくなるくらいかな。
[胸の中でもう一度笑う。]
(77) pannda 2014/11/01(Sat) 02時頃
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それにタダより高いものは無いって知ってるか?
高すぎて、買えないんだから……離すなよ。
[折角あんたのものになったんだから。 耳を当てても鼓動は聞こえぬその胸に、想いを吹き込む様に 口付けた。]
(78) pannda 2014/11/01(Sat) 02時頃
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[離さないと言ったのは俺の方なのに。 離すなと理不尽な要求をモンスターに押し付ける。 そんな事を言うのは俺だけかもしれないが、 俺だけの特権だと、抱きしめられただけキリシマの背に 両手を廻して抱き返した。]
……キリシマ。大好き。
[夜が更けても時計は巻き戻らない。 魔法が溶けた街は次へと時のバトンを渡していった。]
(79) pannda 2014/11/01(Sat) 02時頃
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− 終わるハロウィン −
[大好きと伝えても、キリシマは愛からず曖昧な言葉ではぐらかす>>@20 それでも構わない。 口が悪くても、曖昧でも、それが好きになったキリシマだから。 温もりのない冷たい身体に抱かれたまま、 ハロウィンが終わりを告げる。]
キリシマが急にいなくなっても、困る人いっぱい いると思うけど。
[旅立ちに猶予をくれた言葉の足りないキリシマの優しさに 感謝しながらも、そんな事を言ってみる。 ここにいられないのは判っているから強くは言えないから。]
(107) pannda 2014/11/01(Sat) 20時半頃
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行って来ます。
[俺の帰る場所はもう決まった。 他に遊びに行く事があっても、何処に行っても。 必ず帰って来ると、誓いの様に笑顔と共にそう告げて。
ふと思い出した様に、ぴょんと背伸びしてその頬に唇を 押し付けた。]
まだ菓子貰ってないから、悪戯しといた。
[唇を押し付けた頬もやはり冷たかったが、 そんな悪戯をした俺の方が恥ずかしくて赤くなって。 何か言われる前に薬屋を飛び出した*]
(108) pannda 2014/11/01(Sat) 21時頃
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− 11月1日 −
[孤児院に戻るとチビ達が昨日の成果を両手に抱えて 我先にと自慢しに来た。 それを凄い凄いと、1人1人頭を撫でながら、俺は不作でしたと おどければ、笑う奴や、分けてあげると籠を差し出すチビもいた。]
それ大事なおやつなんだから取っておけよ。
[そう言って最初に向かったのは院長の部屋。 孤児院を、この街を出ると告げる為。 院長は勿論、シスター達も突然の話に驚いて 詳細を聞いてくるけれど俺はある程度は曖昧にして。]
どうしても一緒に行きたい人がいる。 一緒に世界を巡って、生きたい人が出来たんです。
[同性どころか魔物ですとは言えなかった。]
(109) pannda 2014/11/01(Sat) 21時頃
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『神の御加護を』
[最後に院長は俺の為に祈ってくれた。 とても嬉しくて寂しくて泣いてしまった。]
ありがとう。
[そしてごめんなない。 人ならざるものを好きになってしまったけれど。 それでも俺は幸せだから。 大事に育ててくれたあなた達には感謝してもしきれない。 もう神様から見離されるかもしれないけど。]
俺、すっごく幸せ者だから。
[泣きながら満面の笑みを浮かべた俺に、シスター達も 笑ってくれた。]
(110) pannda 2014/11/01(Sat) 21時頃
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− ホテルへ −
[シスター達に挨拶を告げた後は、グレッグとシーシャが 泊っている筈のホテルへと向かった。 華月斎に渡す予定のお菓子は、シーシャの使い魔が 持って行ったから戻って来ている筈と信じて。
2人に逢ったら何て言おう。
グレッグには港町の名前と住所を聞いて、 いつか遊びに行くと告げよう。
シーシャには今度会えたら華麗に踊れるようになっているからと 伝えなければ。
まだ彼らが旅立っていない事を願いながら、 フロントに声を掛けた*]
(113) pannda 2014/11/01(Sat) 21時頃
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− 鐘が鳴る −
[シーシャを探しても見つける事は叶わなかった。 広場で華月斎と手品を披露しているのだろうか。]
あ……鐘……。
[昨日の騒ぎの残り香の様に、小さな南瓜が窓辺や店先で 幾つかちょこんと寝ていた。 微かな余韻を感じて、ふ、と口元が綻んだと同時。 鐘が鳴り響いた>>118 案外初めて聞いた気がする。 澄み渡る音が滲みた。]
(122) pannda 2014/11/01(Sat) 23時頃
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[見上げた鐘楼は陽の光を浴びて眩しくて。 そこに探していた顔を見つけるのは難しかった。
ただ鐘の音は、歩き出す背を押してくれる様に聴こえて。]
……♪
[まだ挨拶していない人が沢山いる。 彼らに声をかけなければ、と鐘を背に歩き出した*]
(123) pannda 2014/11/01(Sat) 23時頃
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[不意に背中に、風が鐘の音と言の葉を届けて来た気がして立ち止まる>>124]
……シーシャ?
[振り返る。 そこにあるのは雑踏だけ。 けれど、頭からコロリと、お菓子の入った袋が落ちて来た。]
ありがとう。 今度会ったら、お前誰だって言われる位。 イイ男になるから。
[包みを1つ開けて口に放り込むと、甘い筈なのに 涙が零れそうになった。 姿が見えないのだから、それが彼の意志。 俺には探せないから。]
(125) pannda 2014/11/01(Sat) 23時半頃
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シーシャありがとう! またな!!!
[鐘の音に立ち止まっていた人達が一斉に俺を見る程の大声。 縁を結んだのはほんの僅かだが、掛け替えのない縁への感謝。
彼に届くと良いな*]
(126) pannda 2014/11/01(Sat) 23時半頃
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− ホテルで −
[グレッグがミーを待ち続けているとは知らずに、 まだ宿を発っていない事に安堵しながらロビーで待っていると 数日前に覚えた声>>153]
グレッグ! 良かった。また逢えた。
[出会いは商売人と客、それだけだったが、今はそれ以上に 大切な友人とさえ思えるのは、この不可思議な数日のせい。 同じ奇妙な体験をどんな風に過ごしたのか、 聞きたいのは山々だが、こんな場所で長居も出来ず。]
グレッグがくれた飾り細工の南瓜な。 あれ、凄かった。 チビ達も羨ましがってたし、魔除けにもなったよ。
[魔女に逢えなかったのは、あの南瓜の力かも知れない。 そんな事を考えつつ、彼の連絡先を受け取ったが。]
(193) pannda 2014/11/02(Sun) 20時頃
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あ、俺な。 この街を出て行くことにしたんだ。 何かやらかしたって事じゃないから安心しろ。
でもまた逢えるから。 来年じゃなくても。 何処かでまた、俺、グレッグの住む港町も見てみたいし。
[また逢いに来ると、言われると少しだけ困った。 それでも気持ちは嬉しいし、俺もグレッグとまた出会いたい。 だから、ここでは無いけれど。 もう一度、再会の約束だけをして。]
(194) pannda 2014/11/02(Sun) 20時頃
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今度はグレッグが案内してくれよな。
[笑顔でその手を握った後、そっと耳元に唇を近付ける。]
本物の魔女、いたよ。
[ジェレミーの家に魔女はいたのかどうか、何があったのか。 その一端だけを擽る様に耳に残して、後は再会した時の お楽しみ、と手を振って別れを告げた*]
(195) pannda 2014/11/02(Sun) 20時半頃
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[街を歩くと宝物が1つずつ増えていく。 グレッグから貰った連絡先。 シーシャから貰ったお菓子の袋。 孤児院に戻ればニコラエから貰ったガラス椀。
1つ1つはとても軽いのに、ひどく重くて。]
やべ、泣きそう。
[ごしごしと汚れた裾で顔を拭う。 まだ逢っていない人の方が多いのに。 これではキリシマの元に戻る時には目が腫れてしまう。 笑顔笑顔と言い聞かせて、俺は広場を歩く。
華麗な手捌きを見せてくれた異国のマジシャンを探して。]
(199) pannda 2014/11/02(Sun) 22時頃
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[露蝶の店にも行かなければと思いながら、なかなか足は向かない。]
あ、おっさん。 南瓜売れた? ごめん、俺もう手伝えないからさ、足腰気を付けなよ。
[農家のおっさんは今日も元気に荷車を引いていた。 歳を重ねて行く農夫に声を掛けると、珍しい、雨でも降るかと 笑いながら手を振ってくれた。]
(200) pannda 2014/11/02(Sun) 22時頃
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− 11月1日の広場 −
[シーシャから貰った菓子の袋。 1つ開けただけで、まだ手の中には残っているが これは大事な大事なシーシャからの贈り物。 これ以上開けない様にと、グレッグの連絡先を書いた紙を 仕舞った胸ポケットに詰め込んだ。
気のせいだけど、温かいと感じながら顔を上げた先。]
あ、華月斎!
[ハロウィンが終われば目立つ異邦人>>@47 彼に逢ったのはどれ位ぶりになるだろう。 彼も街を離れるだろうから、逢えて良かったと 笑みと共に駆けよった]
(221) pannda 2014/11/02(Sun) 23時半頃
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− 11月18日 夜明け前 −
[街の人や仕事の引き継ぎ。 結構余裕があるとは思ったけれど、時間が経つのはあっという間で。
一番大変だったのはチビ達だった。 泣いたり怒ったり、物を隠されたり。 それでも俺はその度に宥めていた。]
俺は何処にいても、お前達の事忘れないから。 知ってるか? 地球は丸いんだ。 ずんずん歩いて行ったら一周回ってここに戻って来るから。
[そのうち訪ねて来ることもあるかもしれない。 我ながらずるい言い訳を繰り返す。]
(224) pannda 2014/11/02(Sun) 23時半頃
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……シスター……これ。
[荷物は本当にほんの少し。 着替えとチビ達がくれた手紙と、ニコラエがくれたガラス椀。 シスターたちからは聖書と十字架だったけど。 多分仕舞ったままになりそうだ、と今から懺悔して。 最後に院長がくれたのは驚いた事に硬貨の入った袋だった。
俺が今まで稼いだ分全部、随分重くなっていた。 使う事無く貯めてくれていた院長達の優しさに、 俺はまた泣きそうになった。
あれから泣きたくなる事が多すぎて。 それでもこれがこの場所で泣く最後だと思ったから。 声を出すのは堪えたまま、頭を下げる。]
(225) pannda 2014/11/02(Sun) 23時半頃
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今までありがとうございました。
[それが俺からの別れの言葉。 チビ達が目覚める前に別れを告げて、新しい世界へと足を向ける。 これからずっと一緒に歩くと決めた人の元へ*]
キリシマ、ただいま!
(226) pannda 2014/11/02(Sun) 23時半頃
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− 11月1日の広場 −
[手を振り返せば降り返してくれる>>@48 良かった、俺の事覚えていてくれたと、泣きそうだった 顔は現金な事に満面の笑みに変わっていく]
手が早くて凄いペテン師になるとこだった? そう言えば、俺も手品まだ教えて貰ってなかった。
[それじゃお互い様?と笑い続けていると掌に 橙色のお手玉が載せられた。 あの日を思わせる色にぱあっと目を輝かせて 目の前の男を見つめる目は期待の色。]
(228) pannda 2014/11/03(Mon) 00時頃
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− 広場・華月斎と −
[華月斎が途中で口籠る>>@53が、元々シーシャとの あれそれを知る事もなかったので首を傾げるばかり。 それに俺の中では純粋に手品の時の手の早さを褒めていた。]
簡単なのか? まっすぐ上に、同じ高さに。
[微妙に言葉の認識が違っているようだが、判る筈もない。 それよりも、目の前でずっと同じ軌道を描き始めた お手玉の方が大切だ。 華月斎の言葉を繰り返し、 口を開けたまま視線はお手玉を追う。 上下すれば首を上下に、掌と甲で跳ねれば目玉をきょろきょろと。]
(235) pannda 2014/11/03(Mon) 01時頃
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よし、俺頑張る。
[思い切り頷くとその力のまま投げたお手玉の軌跡は高く遠く。 それでも繰り返すうちに、何とか同じ高さを繰り返す事は出来たか。]
これ、結構集中力、いるな。
[視線をお手玉から離せないから、 華月斎が今どんな顔をしているのか、気付けない。]
(236) pannda 2014/11/03(Mon) 01時頃
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え、本当!? そう言われると益々やる気出る。
[華月斎は褒め上手で、俺もどんどん調子に乗って来る。 周囲も何をやっているのだろうと、奇異の目を向けて来るが、 視線は一瞬で離れて、ただの風景に溶けていった]
華月斎にはもっといっぱい教えて貰わなきゃいけないから。 いつになるか判んないな。
[必死になってお手玉を跳ねさせる中、 多分もう二度と彼に逢えない予感を見ないふりをした。
また1つ、大事なものが増える。]
(243) pannda 2014/11/03(Mon) 01時半頃
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自分が喜ばせたい相手か。
[チビ達が喜ぶ顔を思い浮かべながら、片手に載せたお手玉も 同じように跳ねさせようとするが、さすがに両手は難しい。]
一緒に……。でも迷うな。 内緒にして驚かせたいし、あ、でも驚かないか、あいつ。
[最後に浮かんだのは、キリシマ。 必死に練習する俺を笑うだろうか、一回でも凄いなと 頭を撫でてくれたらいいな。 そんな未来を勝手に描きながら、お手玉は宙を跳んだ。]
(244) pannda 2014/11/03(Mon) 01時半頃
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……なぁ、華月斎。 華月斎はもっともっと凄いマジシャンになるんだろ?
もっと凄いマジシャンになったら。 どんな小さな田舎町にいても。
新聞とかテレビに出たら、判るよな。
[もう逢えないだろうけど。 その名が届くなら、どんなに嬉しいだろう。 しゃら、と音を立てて両手に収まったお手玉を握り締めて、 俺は華月斎に笑い掛けた*]
それ位凄い手品師になってよ。華月斎。楽しみにしてる。
(245) pannda 2014/11/03(Mon) 01時半頃
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− 旅立ちの日 −
[待ち合わせの場所にいたのは黴臭いモンスター>>@55>>@56 文句を言われても、時間は守ったと街中にある時計を指差し 言い返す。]
キリシマ、カビ臭いけど、時間有ったんだから。 ちゃんと干す位した方が良いって。
[隣に並んだ男のコートからは随分ほったらかしになっていた 匂いがして、顔を近付けて大袈裟に笑ってみせた。]
な、キリシマ。
(250) pannda 2014/11/03(Mon) 02時頃
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次の街、決めた理由って何だ?
[遠く小さくなる街を見つめて、浮かびそうになる涙は きつく瞼を閉じる事で耐えて見せた。 キリシマの前で故郷を、友を思って泣く事はしないと決めたから。 全てを捨てて彼に付いて行くと決めたから。 涙の代わりに尋ねるのは次の街への期待を込めて。 街を出るのは初めてで、寝台列車も勿論初めてだ。
これから始まる知らぬ土地での慣れない生活。 それでもキリシマの傍と言うのは変わらない。]
(251) pannda 2014/11/03(Mon) 02時頃
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次の街でも、素敵なハロウィンがあると良いな。
[走るベッドに子供の様にはしゃぎながら、 取り出した橙のお手玉を掌で跳ねさせる。 跳ね回るお手玉と同じように跳ねる俺の心はこれから ずっとキリシマの掌の中。
キリシマが離さない限り、俺は手の中に戻って来るからと 言葉にはしないまま、お手玉を1つキリシマへと投げた。]
(252) pannda 2014/11/03(Mon) 02時頃
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− ずっとずっと先の話 −
[キリシマとは喧嘩もした。 ふざけあったりもした。 心配する事もあった。 笑いあったりもした。
……愛し合ったりもした。
どれも些細で特別な日常。
それは時を重ねても変わる事は無く。]
(267) pannda 2014/11/03(Mon) 03時頃
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なー、キリシマ。 お前もう少し客に愛想よくしてやれって。 お客さん、体調弱ってるんだから、 上辺だけでも優しくしてやれよ。
[俺が接客に入る様になって、 キリシマの薬屋は結構繁盛するようになった。 苦いお薬が嫌だと泣く子供達には、不思議な唄と お手玉で涙を拭いてやった。
何処に行っても俺が動きやすいように店内が作られていた事に 気付いたのは何時位か。 感謝の言葉の代わりに、小さな店内でダンスを誘ってみたりもした。 少しずつお金も貯まって、順調だと思っていたのに。]
(268) pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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本当に、俺がいないと店もまともに開けないんだから。 しっかりしろよ。
[いつもの様に呆れながら声を掛けた俺をキリシマは どんな目で見ただろうか。]
商売ッ気が無いのは良いんだけどさ。 たまには服とか新調しようぜ。 カッコいいキリシマも見たいし。 それに、お菓子も買っておかないと。
(269) pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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寝ちゃった……?
[歳を取っても変わらぬ文句。 慣れているのか、気付けばキリシマは眠りに落ちていた。 ピクリとも動かぬ様子はいつ見ても慣れる事は無い。 もしかしたらもう二度と目覚めないのではと不安に駆られて 伸ばした手は、魔物の彼の身体を擦り抜けた。]
なぁ、キリシマ……明日、ハロウィンだぞ。
[呼吸音さえ響かぬひんやりとした室内に差し込む月光。 けれど光は俺の影を生む事は無い。
幸せで幸せで、幸せすぎた俺の人生。
本来なら天国か地獄に行くべきだろうが、俺は違った。 最期に思い残す事があったから。 キリシマを1人にしたくない、その一心が俺をキリシマの 傍に留まらせる。]
(270) pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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俺の戻る場所はキリシマの傍なんだってば。
[天国でも地獄でも無い、お前の傍なのに。 もう抱きつく事も、殴られる事も、愛し合う事も出来ない。
そっと冷たい筈の手に俺の手を重ねても、その温度が伝わらない。 覚えているはずの感触を探しても、空を彷徨うばかりで。]
(271) pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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なぁ、もう一度……踊ってよ。
[重ならない手はもうワルツもタンゴも踊れない。 月光射す小さなダンスフロアは空っぽのまま。
彼を残してしまった事に涙した夜が最後だと思ったのに。 質量の無い涙が音も無く床に落ちた**]
(272) pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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ろくでなし リーは、メモを貼った。
pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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− 11月 −
[グレッグもシーシャも華月斎も街から消えて数日が経つ。 ミケも探したけれど、彼が行きそうな場所は1つしか 思い浮かばないけれど。 ドナルドとキスをしていた男の店だと思うと何となく 気恥ずかしくて足を向けられなかった。
なかなか足を向けられなかったのはニコラエの店だけでなく、 露蝶の店も同じ。 待っていてくれると言われた事に、 胡坐を掻いてしまいそうになる。]
露蝶、こんにちは。
[それでも自分の言葉で別れを言わなければ、と 手を置いた扉は自棄に重く感じた。]
(310) pannda 2014/11/03(Mon) 21時半頃
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露蝶、今日のお勧め何?
[今日は手伝いでは無く、客だと勝手にテーブル席に座り、 メニューでは無く露蝶を見つめてオーダーする。]
……露蝶……俺、この街を出て行く。 何かあったわけじゃ、いやあったんだけど。 悪い事があったんじゃなくて。 良い事があって。
[今言わなければ、そのまま食事をして終わりそうだったから。 まとまりのない言葉を一気に紡いだ。]
(311) pannda 2014/11/03(Mon) 21時半頃
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俺、また遊びに来るから。 その時まで……ツケててよ。
[ただ「また」と言うだけの曖昧すぎる約束を押し付ける。 露蝶の優しさに甘えていると判っているけど。 巻き戻り変わっていったハロウィンの中で、 変わらぬ露蝶は、確かに俺達がそれを過ごした証拠の様で。 揺るがぬ姿に、このままでいて欲しいと勝手な願いを込めた*]
(312) pannda 2014/11/03(Mon) 21時半頃
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ー 旅立ち −
[カビ臭さにクンクンとわざわざ匂いを嗅いでは 顔を顰めていた俺にキリシマはふざけた事>>@61を口にしてきた。 服なんて洗って干して位しか覚えのない俺に、 なかなか無謀な要求だと思いながらも]
えー。俺が管理したら虫喰い孔だらけになる。
[面倒臭いと言いながらも、キリシマが身の廻りを 任せてくれた事に、臭いに歪んでいた顔はたちまち輝いた。]
なーなー。キリシマも虫喰うの? 違った。虫に喰われるの?
[ちゃんと埃や汚れを取って風通しの良い所に防虫剤と 一緒に入れていれば大丈夫だろうか。 そんな事を考えていたら、キリシマ食べる虫いるのかと 下らない事を思い付いた。 勿論後先考えずに、ノーバウンドでキリシマに投げたけど。]
(315) pannda 2014/11/03(Mon) 22時頃
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あ、そうだ。 グレッグ……って言って判んないか。 ハロウィンで仲良くなった奴がいるんだけどさ。 そいつが住んでるのが港町でさ。 海って凄く大きいんだろ。 今度そこにも行って見よう?
[目の前に広がる新しい世界に夢中な俺は、 キリシマが色々考えてくれていた事に気付く筈もない。 馬鹿みたいに駆け回るのを止めた位で、 彼が密かに見守り思っていてくれた事に漸く気付いても、 キリシマの答えはいつも素っ気無い。
その度に、可愛くないと膨れながら、随分上達した お手玉を跳ねさせていた*]
(316) pannda 2014/11/03(Mon) 22時頃
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− そして避けられない未来 −
[この手がキリシマと同じように枯れている事に気付いた時も。]
これでお揃い。
[そうやって笑っていた。]
あんたがずっと傍にいてくれるなんて、歳を取って良かった。
[ベッドから起き上がれなくなった時も、そう言って笑っていた。]
キリシマ……ありがとう……1人にして……ごめんなさい。
[最後も笑って終わろうとしたのに。 最後だけは笑えなかった。
彼が渡した薬の効果の意味>>@64等聞きもしなかった。 彼が俺の為に渡した薬だ。 毒でも何でも喜んで飲めた。]
(317) pannda 2014/11/03(Mon) 22時頃
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なぁキリシマ……あんた、何する気なんだ。 こんな爺さんの身体残して。
[ガラスの棺と薬液に眠る俺の身体は白雪姫とは言い難い。 抜け出た魂は最初の街を出たあの時に巻き戻っていた。 まるで魔女のループが今更発動している様に、あの頃を 思い出させる姿のままキリシマに問い掛けたが、 明確な答えは返って来ない。
こんな時は絶対に答えを教えてくれないと判っている。]
(318) pannda 2014/11/03(Mon) 22時頃
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キリシマ、何処行く気だ? そんな服だったら街の連中がびっくりするぞ。 コートならしまってあるから着て行けよ。
[季節は移ろい、人間なら寒さに身を縮める季節。 虫食い孔1つ無いコートをしまった場所を指差したが、 彼に届いたかどうか。]
キリシマ、俺も着いて行って良いんだろ?
[肉体を保存してくれているのは嬉しいが、 俺の魂の場所はお前の傍だと譲りたくは無いが。 彼が戻って来ると言うなら、待てと言うなら、 そのまま眠りながら、彼を待とうか*]
(319) pannda 2014/11/03(Mon) 22時頃
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ろくでなし リーは、メモを貼った。
pannda 2014/11/03(Mon) 23時頃
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− 眠る死体と踊る魂 −
[結局何処へ向かうキリシマの後を追う事は出来なかった。 俺の身体が錨の様に、最期を過ごしたこの家に縛り付ける。 故意か偶然か、文句を言ってもキリシマには付いて行けず、 ただふくれっ面で彼の帰りを待つ事になった。]
退屈なんだってば。
[誰もいない、いたとしてもキリシマ以外聞こえない声は かなり不服だ。 縫い目が解れ、ボロボロになったお手玉はもう宙に跳ねる事は無い。 1人でくるくると小さなダンスフロアを回っても 埃1つ後を着いて来る事は無い。
つまらない、つまらない。
キリシマだって俺がいなかったら寂しいだろうに。]
(353) pannda 2014/11/04(Tue) 02時頃
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違う、俺が寂しいんだって。
[落とした本音を聞く者はいない。 聞こえるのは静かな夜に響く虫の音。 嵐の音。雨の音。吹き抜ける風の音。 雪がどさりと落ちる音。 時々遠くで聞こえる笑い声。
それをどれだけ繰り返し聞いて来たか。]
キリシマ……これ、1人で耐えてたんだ。
[静かな世界が好きだと言っていたキリシマ。 俺には耐えられそうにないと、呟いた声に返す者もいない。]
(354) pannda 2014/11/04(Tue) 02時頃
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早く起こしに戻って来いよな。 ハロウィン、もうすぐなんだから。
[何度巡ったのか判らぬ季節だが、ハロウィンだけは 特別な季節。 近付く祭を、旅立ちの街の祭を思い出しながら シーツが襤褸布となったベッドへと寝転んだ。
沈み込む事も冷たさが伝わる事もない。
いつもキリシマが寝ていた場所に手を伸ばしても そこに抱きしめてくれる魔物はいない。
代わりに自分の手で膝を抱いて、丸まりながら目を閉じた。
目を閉じれば、初めてキリシマと踊った夜が鮮明に浮かんで来る。 きっと次に目を開ける時には、キリシマが手を差し出して くれるだろうから。
それまでは胸の中のダンスフロアで、踊っていよう**]
(355) pannda 2014/11/04(Tue) 02時頃
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