25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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明之進など、おらぬよ。 [それはきっぱりと言い切る声音。]
何故ならあれは…去年喰われてしまったのだから。
あの研師を喰らってしまおうか。敵に回せば厄介であろうし。 [それは、夜屋根に潜む猫へと嫌疑をかけることにもなろうか。]
(*46) 2010/08/06(Fri) 14時頃
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…………近頃の幽霊は、 あれほど生者と区別つかぬもの?
そう、彼でも良いが センターの彼が何やらきな臭い。 私に目をつけて居るのかどうか
(*47) 2010/08/06(Fri) 14時頃
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喰……?
[聞こえた声に軽く首を傾げる。 名簿に名前がない。 それは解っているのだから]
(*48) 2010/08/06(Fri) 14時半頃
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[喰らって腹へ納めてしまえば、分かれることもあるまいに。 白いうなじが、紅さす頬が、あまりにやわらかそうにみえて。 爪立てて裂いてしまえばと、思う心を押し込める。
…腹の中では、その笑顔は見えぬ故。]
(*49) 2010/08/06(Fri) 15時半頃
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…誰も、あの花を喰うことは許さない。 センターの首輪付きは、私の獲物だ。
[ぽつりと。 静かだが、はっきりとした声で呟く。
それは、馳走として見定めた狼の言葉]
(*50) 2010/08/06(Fri) 19時頃
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別に、構わぬが ……我が身が少し危うい 獲物と謂うならあれの手綱、 握っておいて欲しいもの。
嗚呼、望みはひとつ 願いはひとつ
叶うなら
(*51) 2010/08/06(Fri) 19時頃
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危うい?何を仕出かした。
[幾らか呆れ交じりに問いかける]
手綱を取るとは難しいな。 あれは別段、私の花というわけではないのでね。
(*52) 2010/08/06(Fri) 19時頃
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……何も。 ただ、食事を共に
何やら視線でまさぐられているような 妙な心持がした
[抱える不安は漠然と]
……若し、私が逝っても かの人は
(*53) 2010/08/06(Fri) 19時頃
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…まさぐられる? お前、どんな会話をしたんだまったく。
[呆れたような声になったのは自分のせいではない。 最後に付け足すように聞こえた声に問いかける]
…かの人?
(*54) 2010/08/06(Fri) 19時半頃
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普通だ
った……と、思う。
[少し考える間があった]
大事なものは、死したものだけ 復讐に駆られた狗は 誰で有ろうと、斬るらしい。
戯れに、研師に疑いを向けてみたら 本当なら恐ろしいと謂うくせに あまり疑って居ない風だった
一人立ち向かおうと謂うのに 放り出された。
……会話の最中、ずっと 視線が痛かった
(*55) 2010/08/06(Fri) 19時半頃
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――いや、誰でも 若し私が逝ったとして
嘆くものは居るだろうかと
(*56) 2010/08/06(Fri) 19時半頃
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思う…ね。 確かに、死んだ主は余程大切だったらしい。 我々の事を獣と呼びそのために死ぬことは厭わないようだったな。
[刷衛のけんについては、幾らか相槌を返し]
…それならばあの研ぎ師、喰ってもいいかも知れん。 本当に独りになった時に後悔させてやればよい。
…ああ、ひょっとしてお前、注視されるのが苦手なのか?
[視線が痛い。その言葉に推論を一つ立てて尋ねた。 自分は逆に視線をそらすことはほとんどしないのだけど]
(*57) 2010/08/06(Fri) 21時頃
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…あの猫は塞ぐほどに歎いてくれるのではないか。 お前を詰られたあの反応を見ればそれぐらいは推測に容易い。
[そういえば引っ掻かれた傷があったなどと今更思い出す。 随分と控えめな事を言う花の声に男が帰すはそっけない言葉]
人として死ねば、歎くものはあるだろうよ。 狼として死ねば、喜ばれるやも知れん。 死んで歎く者などいないと思っていたほうが気は楽だ。 歎かれて、初めて、幸せだったと思えばいい。
私は、そう思っている。 自分が死ねば、喜ぶ人間は多かろうと。
(*58) 2010/08/06(Fri) 21時頃
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……嗚呼。 よほど嫌われている様子 病あれど、人と同じく 情もあると謂うに
[花開き 色を付け 情を知る
刷衛の事となると、眉を寄せ]
その研ぎ師の、足音がする。 注視は好かん もとより、この身も
見透かされるのが、おそろしいと。
(*59) 2010/08/06(Fri) 21時頃
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寂しい
……この身が咲く前に 冬の名残が 未だ、強く根づいているのか
人を嫌う癖に 人に歎いて欲しいと思うのは。
[遠く視線映せば 冬の望む遠い峰と 表の情を望んだ坊主の姿 幾人か思い浮かぶのに 随分、欲を張ったと自嘲混ぜた]
(*60) 2010/08/06(Fri) 21時頃
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あれの亡き主は、喰われたらしい。 酷く慕っていたのであれば、それは酷く憎かろうよ。 …お前にとっては、病なのだな。これは。
[それはぼんやりとした感想だった。 狼憑きを病と呼ぶ。 それは世の中でも同じことだが]
…あまり目立たないようにすることだな。 "ロビン"が振舞っていたように行動することも大事だろう。 目を欺くと言う意味では、だが。
見透かされると思うから怖いのだよ。 己の目は相手を黙する武器の一つ。 目は口ほどに物を語ると言うだろう。
上手く使えば有効に事が運ぶ。 人は、嘘をつくほど視線が泳ぐからな。
(*61) 2010/08/06(Fri) 21時頃
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懼れは獣を弱くする。 自分の行動に迷いが出れば、それは隙になる。
…命獲りになるぞ。
[小さく息を吐いた]
(*62) 2010/08/06(Fri) 21時頃
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嗚呼、其れは憎かろう。
何を今更 私の存在そのものが、ロビンにとっては病魔
[小さく哂う]
ロビンなら 先ず、花主を持たぬ 人に近づきもせず
目は口ほどにものを言うが 己の内を知られるのも、おそろしいと あれは口先で総てを拒絶していた
……難しい。
(*63) 2010/08/06(Fri) 21時頃
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解ってる 否、解っていた
[溜息]
(*64) 2010/08/06(Fri) 21時頃
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あれと話していると、我々をどれほど憎いと 思っているかが良く解る。 なかなか興味深い。
…病魔、ね。
[やはりそれは病であるらしい。 生まれてこのかた狼であることが 当然の生き方であった自分には、解らない感覚だった]
随分気難しい花だったのだな、お前は。 …それでは急に変れば怪しまれて当然というもの。
(*65) 2010/08/06(Fri) 21時半頃
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…。
理解しているなら、管理するんだな。 お前が斃れたとしても私は手は出さんぞ。 霞はどうかは知らんが…あれも己の欲に忠実。 お前を助ける気になるかどうか。
[自戒しろ、とばかりに告げて念をおした]
(*66) 2010/08/06(Fri) 21時半頃
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……本当に。
ロビンをそうさせたのは、私の才 技術だけの蕾が 時折混じる病で色を為し
噂が噂を呼んで 押し潰されてしまったから。
変わった理由は作ったが 主が出来たと謂うだけでは、納得できぬ者も多いだろう
(*67) 2010/08/06(Fri) 21時半頃
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己の始末は己でつける。 ……構うことは無い
私とて 簡単に逝く心算も無い
(*68) 2010/08/06(Fri) 21時半頃
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…成程。
[押しつぶされる。 その間隔は己にはわからねど、言わんとする事は理解できた。 重圧、重責、過度の期待。 それらに押しつぶされて]
納得できぬ者がいるなら、納得させてみればいいだろう。 その、技術とやらで。自信は、ないわけではあるまい?
(*69) 2010/08/06(Fri) 21時半頃
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……腹が空いた
[種植え付けた身が 本能的に血肉を求めている。 きょろきょろと 獲物を探すような視線]
(*70) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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今宵喰らうは 研ぎ師也や?
……嗚呼
(*71) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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……すまぬ
[短い謝罪。 若し己が喰らうとすれば 法泉以外に無い。 短な間、毒孕む花は随分変わった
他の者が喰らうなら、其れを止めはしないけれど]
(*72) 2010/08/07(Sat) 01時頃
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今宵研ぎ師喰らうは、二人で。
私はもう 喰らう相手はひとつでいい**
(*73) 2010/08/07(Sat) 01時頃
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[己が選んで喰らうのは、再び躰を重ねた夜に。 幼き毒花が法師を喰らうとしても、力添えはすれども自ら喰おうとする気は無いか。]
(*74) 2010/08/07(Sat) 01時頃
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[そして哀れな白鳥は、人の恨みを吸い取り散るか…]
(*75) 2010/08/07(Sat) 01時頃
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