19 生まれてきてくれてありがとう
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>>*29 そう、あなたは生きたい、のね。
[その言葉を聞けば、それ以上は今は語る事無く。 静かに、彼女の進化を、歩む道を見守る事を決めた。]
(*30) 2010/07/03(Sat) 18時頃
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>>203
ん?
[ペラジーが駆け出していってしまうのを見て、 瞬時吃驚するが、
馬はとりあえずそのままに、落ち着けば戻るだろうと思った。]
あ?ごっがら出てくだぁ? しだら、墓は誰が掘るだよ。
[コリーンの問いにはシンプルに返す。]
(204) 2010/07/03(Sat) 18時頃
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……まあな。何かあった時に、自分は村を空けがちだし、誰か安心して面倒看てくれるやつを見つけて欲しかったのも、小父さんの墓前に花嫁姿見せてやりたいっていうのも、結局は、おれの考えるお前の幸せでしか無かったから。 別に何言わなくても、良かったのかもしれないとは、思ってるよ。
[今のまま、と何でもないその言葉が、ひどく寂しく響く。 寄る辺無い子供のように、服を握るミッシェルを、柔らかく抱きしめた]
……そうか? 小父さんは、此処でないと作れないと言っていたけれど、此処では完成させられなかったんだろ。 だったら、もしかしたら、外で作ってみたら、案外あっさり出来たかもしれない、とか考えないのか。
(205) 2010/07/03(Sat) 18時頃
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お前には、そういう、出来るかもしれないこれから先があるけど。 おれは別に、そうでもない。演目に、急に穴を空けるのは申し訳ないけど、チャンスを待ってるやつはいくらでも居るんだから、おれが弾かなくてもすぐに良くなる。 だったら、此処で最後まで弾いていられれば、それで十分過ぎるくらい、幸せだ。
[いつも気丈にやり返してくる声は震えていて。 ゆらぐ瞳が、湖みたいで綺麗と、柄にも無く思えば、少しだけ理由に嘘を吐いて。 ふ、と微か苦い笑みを浮かべ、あやすように額にくちづけた]
(206) 2010/07/03(Sat) 18時頃
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奏者 セシルは、飾り職 ミッシェルの頬を撫で、ただその雫を拭い去ろうと。
2010/07/03(Sat) 18時頃
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ちが、う。
だって、今のまま、なら。 セシ兄が、きてくれる、から。
[言いながら、あぁそうか、と自分の中ですとんと落ちるように納得が出来て。 でも、それは、きっと言っちゃダメだったこと。
泣いている顔をみせられなくて、セシルの胸に自分の顔を埋めて、ふるふると頭を振った。]
でき、ない。
わたし、は、おとうさんのあの、顔。おぼえてる。
わたしは、いいの。 それ、より。
セシにいが、しぬの、やだ。
(207) 2010/07/03(Sat) 18時頃
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飾り職 ミッシェルは、零れる涙と一緒に、震える唇で言葉を紡いで。
2010/07/03(Sat) 18時頃
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[シンプルに返された問いに、そうね、と頷く。 ペラジーに怯えられた後だけに、普通に会話してくれる彼に感謝しつつ。]
でも、どうして――。 この村に来たのか、聞いてもいいかしら?
謂いたくなければ、いいの。
わたし――…。 教会で出会うくらいでしか、ギリアンさんのこと知らなくて。
[死をイメージさせるこの村の墓場は、あの人の死を具現化させそうで、今まで避けてきただけに、すまなさそうな表情で]
(208) 2010/07/03(Sat) 18時頃
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ヴェスも、リアも、ラスにいも、イリスも。 この村の人、皆、みんな。
みんな、しんじゃやだ、けど。
セシにいが、セシルが。
しんだら、やだ。
[泣きながら、駄々をこねる子供のように言って。]
(209) 2010/07/03(Sat) 18時頃
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― 川辺 ―
はっ……はっ。
[墓場の近くを流れる川の辺りに膝を付き、酷く荒い呼吸と共に肩を揺らす。 月明かりが照らす水面に写る歪んだ自分の顔を見れば、水面に手を差し込んだ。]
あれは――何。光の加減……かな? [冷たい水の感触で多少冷静になったのか少し考えれるようになってきた様子でコリーンの双眸を思い出しながら呟く。]
……色は光の加減としてあの違和感は何なのかな。 これも病気の症状なのかな。
[呟きながら馬をギリアンに預けたままなのを思い出し、ゆっくりと立ち上がり手を拭けば来た道を戻り始めた]
(210) 2010/07/03(Sat) 18時頃
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>>208
ああ、この村に来た理由が……。 いや、知り合いがよ。住みやすい村だど薦めるもんでなぁ。
[その質問には少しばかりそっぽを向いたあとに答えた。]
行くアテもながっだし。 じゃ、一度行ってみるべってぎだんだな。
そしたら、腹減って倒れてしもうで。 ほいで、それがらずっとここにいるだよ。
[銀髪の女の綺麗な顔をちらっと見て言った。]
(211) 2010/07/03(Sat) 18時頃
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― 墓地 ―
[墓地に戻ればギリアンと話すコリーンの姿が視界に入る。 訳のわからない行動で不快にさせてしまったかもしれない。 素直に出て行き謝罪をするべきか、このまま様子を見続けるべきか――彼女の近くにくれば相変わらずの違和感が心をかき乱し、判断力を低下させる。]
(212) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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流浪者 ペラジーは、歌い手 コリーンの瞳を見ようとするが角度が悪く色の確認はできなかった。
2010/07/03(Sat) 18時半頃
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そりゃな。だから、駄目だったのかもと思うが。
[顔を埋めてしまうのに、どうした、と問いはするけれど、上げさせるわけでもなく、ただ髪を撫でつけながら]
……居なくなった人間の表情って、厄介だよな。どうしたって、もう上書きされないから、消えやしない。
――ばぁか。おれだって、お前が死ぬのなんて嫌だから、こう言ってるんだろ。
[駄々に困った大人のような、それより割り切れていない困り顔で、やっぱり笑って撫でてやるくらいしか、今出来ることはなくて*]
(213) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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奏者 セシルは、流浪者 ペラジーは、あるじと一緒に行ったのだろうか、と馬蹄のあとを見て、ふと思った。
2010/07/03(Sat) 18時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 18時半頃
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>>ギリアン コリーン
……うん。
[意を決するようにギリアンとコリーンの側へ歩いてゆく。 出来る限り何時もの調子で二人に声を掛けた]
ギリアン。 あの子の面倒を見てくれてありがとう。
コリーン。 ええ、と。 ごめんね。いきなり逃げたりとか……。
[ギリアンとコリーンの目を直視するのには躊躇いがあったがしっかりと二人を見て謝意の言葉を紡ぐ]
(214) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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…っ、やだ、よ…!
バカで、いい、から… しんだら、やだ……っ…
[セシルの言葉には、ただ泣くしか出来なくて。
困らせてしまってると解っているのに、困らせたくないのに涙を止めることは出来なくて。
今までだって、ずっと自分のわがままを笑って聞いてくれた優しい兄のような人の胸に顔を埋めたまま、頭をなでられるままに*泣き続けた。*]
(215) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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[すこしばかりそっぽを向くのには、何か謂えない事もあるのかと微かに心を痛めたけど、続く言葉を聞いて――。]
そう、私もね。 知り合いから、此処の村の住みやすさを聞いてね。
この村に来たのよ。
[一緒ね、と仄かに笑み。]
村が、こんな事態になってしまった事を知ったら。 その知り合いの人は――、
戻って来たいと思うかしら。。
[遠くを見ながら、哀しげに呟いた]
(216) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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歌い手 コリーンは、流浪者 ペラジーを見れば、大丈夫というように、柔らかく笑み。
2010/07/03(Sat) 18時半頃
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だけれど、
もしも、
(*31) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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"その時" が 在るならば
私など切り捨てて下さい。
(*32) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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それも、私の、願いです――――
(*33) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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[>>214 何処か普段と違うような躊躇いを秘めつつも、何時もの口調で声をかけてくれたペラジーを見れば。 この死病――が蔓延する村。 まだ歳若い彼女、不安になるものと、改めて思って]
大丈夫よ、ペラジーさんが不安になる気持ちも―― 十分に分るから。
だから、気にしないでいいのよ。
[謝意の言葉には、ゆるり首を振って、慈しむように微笑]
(217) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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村の住みやすさ……か。
行き倒れを拾って面倒見てくれるような奇特な人達が居るような所だから……やっぱり良いところだったんだろうね。
勿体無い、なぁ……。
[柔らかい微笑を浮かべる彼女に少し安堵して緊張は和らいだ。 二人の話を聞けば自分も口をはさむが、過去形なのは、もう村の終わりが直ぐそこに近づいているからか]
(218) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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”その時”
あなたがどの道を選択するにしても。 あなたが何を望むにしても――…。
私が、その時に生きていられたら――…。
あなたの希望に添うように、するわ。
(*34) 2010/07/03(Sat) 19時頃
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>>216
いや、奴ならば、そりゃ悲しむだがな。 きっと、
それでも「最後に居たい場所」はそこだべっでいっでだなぁ。
[と、つい、そんな言葉を漏らす。 それがそいつの決まり文句であることは失念して…。]
(219) 2010/07/03(Sat) 19時頃
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>>214
[駆け寄ってくるペラジーには、構わないといった仕草で、]
いいだんべ。馬は好きだがらなぁ。 でも、乗れないけんどもな。もっと丈夫な奴でないど。
[そんな冗談を交えつつ…。]
(220) 2010/07/03(Sat) 19時頃
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>>217
ええと……。うん。
[彼女が言う不安と自分が感じる不満は大きくすれ違っている事が何となく解る。 言語化が難しいソレを問うのも難しく、口篭りながら結局彼女の言葉に頷く。 ちらりと見えた彼女の瞳は緋では無く何時もの翠。
胸の中に澱のように沈殿していく違和感の正体が掴めない事に不快感のようなものを覚えながらも彼女の顔を不躾に見つめ続ける]
(221) 2010/07/03(Sat) 19時頃
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>>220 ギリアン
あの子は無理かもしれないけど、普段うちの牧場でつかってるシャイアー種ならギリアンも乗れると思うけどね。 頑丈だし、大人しいし……脚は遅いけどね。
気が向いたら……おいでよ。
[そんな冗談に何処か真面目にそして寂しげに言葉を返す。 そんな調子に自分で気付いた様子で付け足すように気マズげに笑った]
(222) 2010/07/03(Sat) 19時頃
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>>218 本当に良い処だから――…。 どうして、なのって……。
出来うるなら、この村の人々が受ける悲しみが小さなものになれば、いいのだけれど……。
[村の最後を悼むように、哀しそうな翡色でペラジーを見詰めてから、その口ごもるような雰囲気に]
何か、私の顔についているかしら?
[不躾に見詰め続けるペラジーに小首を傾げる。 関わるものに死を振りまいて来た女の身に纏う死の馨が、匂うのだろう、か。]
(223) 2010/07/03(Sat) 19時頃
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そう、最後に居たい場所は……。 その人は、そう謂っていたの。
[>>219 何時か聞いた懐かしいフレーズが、 声と共に頭の中を駆け巡って。]
何時か、近いうちにその人の事を聞かせて――…。 ねっ、お願い……
[心にざわめく気持ちを抑えきれずに。 真っ直ぐに、ギリアンの瞳を見詰めて――**]
(224) 2010/07/03(Sat) 19時頃
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>>222
ほう、そうだが。 でも、おで、お前んどこの主にはええ顔されねだ。 ほら、よそもんは嫌いだど?
まぁ乗っても、おでは目も耳も駄目だがらなぁ。 下手するとおっごっで、馬も駄目にしちまうだ。
ペラが乗ってるのをみで、楽しんでるだよ。うん
[どことなく、元気のなさげなペラジーにはそう返してから…]
ああ、そだ。馬乳酒はおめだで?ありがとうな。
[その礼も言った。]
(225) 2010/07/03(Sat) 19時頃
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>>225 それいったら私だって行き倒れてたよそ者だけれど? それに一番最初に馬車で街に向かったからもう居ないよ。 ……そっか。
[微苦笑を浮かべて彼の言葉を否定するが 彼がやんわりと断れば小さく頷いた]
あ、うん。私。 お墓の管理してもらってるからね。
[気にしないでと今度は自然に笑う]
(226) 2010/07/03(Sat) 19時半頃
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>>224
あー……
[そして、女の真摯な眸に、今まで隠してたことがあっさりバレたことを知るのだった。]
(だども、あと少しのっでのが本当なら……)
[そう、もう隠すこともないのか?とも思いながら……。]
――……あ、ああ、いいだよ。 おでは。う、うん。
[それでも少しどもり気味になって…。]
(227) 2010/07/03(Sat) 19時半頃
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>>223
世の中は何処までも理不尽だね。 神の慈悲なんて何処にも無い。
え? ええと……。 うん。瞳が綺麗だなって。
……。
[とっさにでた言い訳が自分でも軽薄な男のヘタな口説き言葉のようなものだと気付いてさすがに渋い顔になったが、唐突にギリアンに縋るようにして尋ねる彼女の変貌に数度瞬いたく。]
ギリアン?
[どもる彼に自分からも続きを促した]
(228) 2010/07/03(Sat) 19時半頃
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