54 CERが降り続く戦場
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―――っっ!!? ――っ!!
[左腕を撃ち抜かれた。 意識が吹き飛ぶ様な痛みに、それでも右腕を放さない。 少女の腕を掴む手に、思い切り力を籠めてしまう]
………っ……っは……!?
……な…に………を…………
[鮮血と共に、脂汗が浮かぶ。 左腕が、紅く染まる]
(1261) 2011/06/05(Sun) 22時頃
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(――ばきり)
[黒と赤が視えた]
[その『色彩』に託された"もの"は なにか、とても『大切』な"もの"]
(1266) 2011/06/05(Sun) 22時頃
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[ ダ ン ダ ン ッ ―――!! ]
(1274) 2011/06/05(Sun) 22時頃
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ひぁっ!? ……ぁ……ぅああっ!!?
[最初に左肩。続いて左脇腹。 前に出ようとした《過去》も、修道女《シスター》の守護の術も、微かに間に合わない。
感覚の残る右腕だけは力を籠める。 左半身は既に真赤な斑模様に染まる。
気が可笑しくなる痛みに、それでも右腕は放さない]
(1275) 2011/06/05(Sun) 22時頃
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[右腕を放せば良いのに、放さないから撃たれる。 右腕を放さないのを解ってるから、幾らでも撃つ。
殺意と悪意混じりに撃たれる弾丸。 それは拷問の様に謂れ無き咎人を撃つ]
[それは魔女裁判の様]
(1276) 2011/06/05(Sun) 22時半頃
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[――・・・否。男の槍真に魔女と呼ぶのは相応しくない。 ならばどう呼ぶべきなのだろう?
この絶対《ルール》を無作為に振り翳していた英雄を。 この絶対《ルール》から眼を逸らし逃げ出した咎人を。
生と死。 光と闇。 歌と舞。 絶対と絶対。 熾気《ヒカリ》と堕《ヤミ》の狭間に立たされた
この狭間の咎人を]
(1277) 2011/06/05(Sun) 22時半頃
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[――あぁ。良い呼び名があるではないか。
それはきっと槍真の為に生まれた憎悪。 それはきっと槍真の為に行われた拷問。 それはきっと槍真の為に開かれた裁判。
それはきっとこう世界に名付けられるだろう――]
(1278) 2011/06/05(Sun) 22時半頃
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[ 魔 王 裁 判 ≪~SOMA-Judge~≫ ]
(1279) 2011/06/05(Sun) 22時半頃
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[意識が濁る。色は白……]
[……そういえば、僕、まだ名前聞いてない。 なのに何でこんなになってるんだろ。
――行かせたくなかったから?
ううん。 それも、たしかにそうなんだけど……]
(1285) 2011/06/05(Sun) 22時半頃
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[――初恋《ヒトメボレ》でも…… したのかな……]
(1286) 2011/06/05(Sun) 22時半頃
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(――ばきり)
[聲が聴こえた]
『―― さようなら ネルフェリウス 』
[その聲が誰の物か、白い意識にはただ響くだけ]
(1292) 2011/06/05(Sun) 23時頃
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――グラッ…―――
[揺れる大地。元々揺れてる意識。 少年の身体は傾ぎ、受け止められる細い腕の感触。
既に感覚を失くした左半身。 ただ意識だけは白いながらも繋がってる]
(1295) 2011/06/05(Sun) 23時頃
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[水晶細工の様に美しい 空を飛ぶ羽]
――― ま
[憎悪に圧され衰弱しきった身体は易々と引き剥がされて。 唇を伝う声が届かず。
今度こそ、手が離れる]
(1299) 2011/06/05(Sun) 23時頃
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(――ばきり)
[咲綻ぶ笑顔の少女を視た]
[あぁ……微笑んだら可愛いんだ。 最期にもう一度魅せて欲しかった]
(1304) 2011/06/05(Sun) 23時頃
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っ……う… …んんっ………
[苦悶の表情を浮かべる槍真に、掌が触れる。 青き≪光≫の業。 癒しの"雨"たる治癒の法]
[銃弾の疵が癒えだし、槍真の意識が戻りゆく。 何事も無いかと思われた刹那――]
( ――ザ ワ ッ )
(1321) 2011/06/05(Sun) 23時半頃
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[ バ チ イ ィ ッ ]
(1322) 2011/06/05(Sun) 23時半頃
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[瞬間、濃密な≪闇≫が≪光≫を灼いた]
――ッ!……ァアッ!?
[修道女《シスター》と少年の間に発生した≪光≫と≪闇≫の反発現象。 為すすべなく少年の身体は大きく吹き飛ばされる。
――修道女《シスター》の掌には、何も対策も無ければ。 その掌には反光紋《アンティクレスト》が刻まれており>>0:25
少年の身体には、光紋《ライトクレスト》こそ刻まれない物の。 その掌が触れた箇所から、ぷすぷすと黒煙の様に。 膨れ上がっていた"堕気"が立ち昇る]
(1324) 2011/06/05(Sun) 23時半頃
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(――ばきり)
[漆黒色に染まる光色が視えた]
[澱みの水が霊水をも澱ませる様に 抗いなく光色は漆黒色に染まっていく]
(1335) 2011/06/05(Sun) 23時半頃
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っか……い……た……!
[吹き飛ばされ、荒れ狂う地面に槍真はその身を強かに打ち付けられる。 銃弾の疵は、中途半端に癒されている。 だから白濁とした意識は引き戻され、激痛が身体を襲う]
………何を……して……
[槍真が吹き飛ばされた先。 視たのは、湛えられる虹色の瞳と。 自分と酷く似た姿で、唯一違う、暗色の眼差しが爛々と]
(1338) 2011/06/05(Sun) 23時半頃
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(――ばきり)
[森羅万象の中に"深蒼の少女"を視た]
[≪闇≫に程近い様な深い蒼色の髪。 その背中にあったのは――翼?]
(1350) 2011/06/06(Mon) 00時頃
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["お兄ちゃん"と呼ばれ、舐められる傷口。 ぞく、とする感触が背筋を這い上がる]
――やめて……
こんな事をするより……今は…… あの子を………!!
[くるくる、くるくる、くるくる。 揺れる大地の上で竜巻との輪舞曲《ロンド》を踊る少女に、槍真は背筋を這い上がる悪寒しかしなかった。
――まるで、先程から身体からぶすぶすと立ち昇る『煙』の様に。 生理的な嫌悪を促す様な]
(1354) 2011/06/06(Mon) 00時頃
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[竜巻が意志を持つかの様に、槍真の為に道が拓かれる。 ――だがもう遅いかも知れない。
少年の身には、曇天(そら)を飛ぶ翼は無い あの天空の梯子に近付くことが出来ない]
――まって……!!
………まって……!!!
[黄金の梯子を追い掛ける様に、ただ走る。 地面が揺れて転んでも、そこに向かおうと走る]
(1367) 2011/06/06(Mon) 00時頃
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[だが、少年には、決して、近づけない。 曇天(そら)を飛翔ぶ事の出来ない少年には――
少女に近付く事さえ赦されない]
――― あそこに行かせて ……!
[黄金の梯子を食い入る様に見詰めたまま、喉を裂く様に叫ぶ。
――"熾気"が、呼応する様に、微弱な強まりを見せ始める]
(1369) 2011/06/06(Mon) 00時頃
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(――ばきり)
(――ばきり)
(――ばきり)
[絶望悲劇《カタストロフィ》は、世界を軸に加速していく―― それはまるで、嘗ての様に]
(1375) 2011/06/06(Mon) 00時半頃
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(――ばきり)
(――ばきり)
(――ばきり)
[玻璃の割れる音色と共に浮かび上がる情景。 それが無視できなくなるほどに蓄積される時。 槍真は頭を抱える様にして地面に蹲る]
――なんだよ…… なんだよ、この光景……!!
知らない―― 僕はこんなの、知らない――!!
[ばきり、と破滅の音色が高鳴る度に。 渦巻く情景が少年の心を抉る]
(1391) 2011/06/06(Mon) 00時半頃
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誰かあの子を止めて! お願いだから!!
[どう足掻いても決して近づけない黄金の梯子。 意識を抉る情景を振り払う様に、一際大きく叫んだ]
(1392) 2011/06/06(Mon) 00時半頃
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―――! ―――――!!
[漆黒の雨が。 澱みの雨が曇天より降り注ぎ、"堕気"は奮い立つ。 それが尚更に頭の痛みを加速させる
だが、それはもう槍真には理解できない。 何故なら、≪闇≫色の雨に紛れて、"堕気"は既に見分けがつかなくなっているから]
(1402) 2011/06/06(Mon) 00時半頃
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オスカーは、ツェツィーリヤは無事だろうかと、考える余裕は残されておらず
2011/06/06(Mon) 01時頃
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(――ばきり)
(――ばきり)
(――ばきり)
(――ばきり)
(――ばきり)
(――ばきり)
[嗚呼 絶望悲劇《カタストロフィ》の音色は集束《アレグロ》に鳴り響き 嗚呼 咎人は間に合わなかった。 嗚呼 其れは世界で絶対に最も重い大罪――]
(1412) 2011/06/06(Mon) 01時頃
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― 嗚呼 それは遥かなる英雄楽園《シャンゼリーゼ》 ―
[遥かなる記憶《ユメ》の断片――
≪光≫を浴びた向日葵畑。 微笑う少女に差し出す一輪の栄光《アウルム》 咲綻ぶ様に微笑む笑顔。
せせらぎ渡る少女に差し伸べる手。 その手を掴む少女は危なっかしい。 だから少年は少女を護るためだけに。
柔らかな向日葵の願い《ユメ》は散る――]
(1413) 2011/06/06(Mon) 01時頃
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[遥かなる記憶《ツミ》の断片――
≪光≫は絶対《ルール》の使徒。 少年は絶対《ルール》の制裁者。 蒼と黄昏が照らす玉座の前に少年は"槍"を振るう。
『何処にも属せない者はここには居られない』
資格無き存在を堕天(おと)す律法《ルール》。 それは絶対の運命《ルール》。 それが当然だと思ってた。
『―― さようなら ネルフェリウス 』
絶対《ルール》には 翼の意思など意味が無いと思っていたあの刻迄―― ]
(1414) 2011/06/06(Mon) 01時頃
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