153 unblest blood
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[兄には自分と共に都会に住もうと誘われたが、女は頑として首を横には振らなかった。 事件の爪跡の残る家に残った女は何の希望も持てず。 けれど、街中で強盗はまだ捕まっていないと耳にして。
――殺してやろう、と思った。 父母や妹と同じように、刃物で切り刻んで惨たらしい死を迎えさせてやる、と。
女は”私”を捨てて自分の事を”ボク”と言うようになった。
誰にも告げずに失踪し、後ろ暗い仕事をする者の下に身を置いた。彼らの情報網で強盗の足取りを追いつつ、人を殺める腕を磨いた。
代わりに彼らに支払った対価は女の持ちうる全て。]
(134) 2013/12/04(Wed) 03時半頃
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[男と再会したのは薄暗い裏路地だった。 女が居場所を嗅ぎ回っていたのは感付かれていた。 或いは誰かから情報を売りつけられたのかもしれない。
女は返り討ちに遭い、胸を刺されて死んだ。
死体は人気の無い山奥に遺棄された。 それが功を奏したのか、復讐を果たせずに無念の内に死んだ女は蘇った。
――吸血鬼として。]
(135) 2013/12/04(Wed) 03時半頃
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[再び受けた生を、女はすんなりと受け入れた。 今度こそ思いを遂げてやる、という思いを胸に、神に感謝さえして。
出会った何人かの同族に吸血鬼にとって必要な知識を教わった。 天真爛漫な態度と、か弱そうな容姿は役に立った。
途中、ダンピールに襲われるという危機を辛くも乗り越えながらも、時間をかけて男の行方を追った。 吸血鬼となった女には、時間だけはたっぷりと用意されていたから。]
(136) 2013/12/04(Wed) 03時半頃
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―やぁ、また会えたね。
貴方に会いたかったんだよ、すっごぉく。 だから死んでも死に切れなくて、こうして生き返っちゃったんだ。
[数年後、復讐の機会は訪れた。 人を使って酔った男に薬を飲ませ、身体の自由を奪った上で人気のない地にある廃屋へと運んだ。
目覚めた男に笑いかけた女は、積もり積もった恨みを晴らすようにたっぷりと時間をかけて殺した。 命乞いをする舌は既に切り取ってしまっていたが、あの時の男の驚愕と絶望に染まった表情は忘れられない。]
(137) 2013/12/04(Wed) 03時半頃
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あは、あはははははははは!
やったよ、みんな。 ボクはみんなの敵を討ったんだ…!
[やがて男が絶命した時、女は久々に心の底から笑った。
歓喜に任せ、古びた木の床の上をくるりとターンする。 動きに合わせてふわりと揺れるワンピースは鮮血に染まっていて。
女は一滴として血を吸わなかった。 憎らしい男の血を自分の糧にしようとは思わなかったからだ。 その代わり、床の半面や壁には夥しい量の血が飛び散っていた。
箍の外れたような女の笑い声は冬空に木霊した。]
(138) 2013/12/04(Wed) 04時頃
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[復讐を終えた女には、充足感の後に吸血鬼としての膨大な長さの生だけが残された。
今まで復讐する為にしか生きてこなかったから、これからどうすればいいのか分からず、途方にくれ。 渇きを感じれば人間を襲い、殺し。 ただ生きるだけの生を、女は居場所を転々としながら過ごした。
そんな時期に出会ったのがグロリアだった。 彼女は自分の屋敷に女を招いた。]
ねぇ、貴女はどうしてボクを招いたんだい。
[女は慣れない雰囲気が居心地が悪くて、椅子に座ったまま足をぶらぶらと揺らす。]
(139) 2013/12/04(Wed) 04時頃
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[彼女は自分と友人になりたいのだと言った。同族の友人が欲しいのだと。 そして女に暫く此処に逗留するように誘った。]
…何言ってるの。 ボクみたいなのより、もっと他に適任者がいるんじゃないのかい。
[戸惑いながら憎まれ口を叩く女に向けられたグロリアの笑顔は母に少し似ていた。
切っ掛けはそれだけ。 けれど女にとってはそれだけで十分だった。
それから暫く、グロリアの屋敷で宿代代わりに下働きのような仕事をしながら逗留した。 彼女の優しさはひび割れた女の心を暖かく包み込み、ゆっくりと癒し。
やがて女はグロリアの紹介で街に部屋を借り、人間に混じって暮らすようになった。]
(140) 2013/12/04(Wed) 04時頃
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[グロリアとの出会いがなければ、恐らく今の女はいない。
だから彼女は女にとって友人であり、恩人でもあった。**]
(141) 2013/12/04(Wed) 04時頃
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ん?いや、俺腹が減ったらすぐ食っちゃうから知らない 他の誰かは知ってんのかな
[ぐるり、と辺りを見回して。 吸血行為があまり好きでない、というマドカの言葉>>102はまるで初めて聞く異国語のように胸に落ちなかった]
…………
[恐らく気を遣ってくれているのだろうマドカの言葉も、シーシャのフォロー>>94も、なんとなく幼い子供をあやす言葉に聞こえて益々むくれあがった。 二人の言葉に不機嫌になった訳ではない。自分が恥ずかしいだけ。
がばっ。勢いよく立ち上がると]
……飲む!飲むよ、ジュース飲む! ボトルごとでいいだろ、どうせ俺しか飲まないんだから!
――どうせ俺しか飲まないんだから!
[癇癪を起こした子供よろしく、ワゴン上のボトルへ手を伸ばした]
(142) 2013/12/04(Wed) 19時半頃
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[ジュースを手に取るために立ち上がり、すれ違った一瞬。 唯一の同族である彼だけに聞こえるように囁く]
……俺から始めてもいい?
[何を、とは言わない。ダンピールがいて、吸血鬼がいる。 ならばお互い目的はひとつの筈。
とはいえ、現状自分で手を下したい相手はいない。 彼が先陣を切ると言うなら、第一の獲物は彼に譲るだろう]
(*8) 2013/12/04(Wed) 20時頃
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フィリップは、乾杯の音頭>>100が聞こえればボトルを振り上げ、そのまま一気にあおった
2013/12/04(Wed) 20時頃
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―リビング―
[案の定、グラスを握らされた>>129。 積極的に呑む心算が無かった所為で、サイラスの誘いには即座には頷かなかった。 それでも、口角を上げてみせた。]
ああ、頂くさ。 グロリアさんの処のなら、きっと上質な、良い味だろうな――。
っと、注いでくれるかい。
[手に持ったグラスを前に差し出した。 その歳で酒など……という咎めも国によってはあるのだろうが、人ならぬ年月を過ごす身ということもあり、そういったことは然程気にしていなかった。]
(143) 2013/12/04(Wed) 21時頃
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グロリアさん、な。 会えたは会えたんだが……思ってた以上に、キツそうなんだ。
[シーシャ>>130からの尋ねにそう答え、それから、目を伏せた。]
あのひとのあんな不安な顔見たの、初めてっつか。 なのに、何もできなかったっつか……、
[小さく唸って、表情を隠すように顔を背け―― 再び顔を上げた頃にはもうポーカーフェイスを形作っていた。]
とにかく、今は酒だ、酒。 遅ればせながら、俺も参席させて頂きますよっと。
(144) 2013/12/04(Wed) 21時頃
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[リビングの中に運ばれていたワゴンへと視線が行った時。 丁度クラリッサ>>132がおつまみに手を付けている様も目に映れば、腹の虫こそ鳴らないものの、自然と関心はそちらに向いた。]
マドカさんかな、作ってくれたの。 じゃあ、こちらも有難く頂いておくさ。
[ここで彼女の名を出したのは、キッチンに向かっていた姿を思いだしての推測から。 一度ワゴンの方まで足を伸ばし、カナッペを一つ手に取った。]
(145) 2013/12/04(Wed) 21時頃
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[フィリップ>>142が手を伸ばしていたボトルはジュースのようにも見える。 その選択が嗜好故か、体質故か、それとも別の理由か。そこまでは知れなかったが――]
…………見かけによらず、ガキなんだな。
[何処となくそうした印象を抱いてしまったことには変わりなく。 不躾な感想を零しながら、己の席に着いた。]
(146) 2013/12/04(Wed) 21時頃
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[己の舌で味を知れないなりに、口に含んだものの感触や香りを確かめ、喉に通していく。
こうして幾らかグラスを傾けた頃に席を立ち、座っていた椅子を入口扉の方へ引き寄せた。 それからギターケースの許に戻り、持ち上げた。]
――なあ、サイラスさん。 此処でも良かったら、聴いていってくれるかい。
[指先や喉に都合の良い温かい部屋に留まったまま。 扉側に椅子を移したのは、歌曲で周囲の会話を妨げぬ為。 そして少しでも、グロリアの部屋に音が届きやすくしようとした故。 先ずは誘いの言葉だけを、時計屋の男に向けて投げかける。**]
(147) 2013/12/04(Wed) 21時頃
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うにゃは、怒ってないのは判るよー。 でも、『女の子』としての部分が納得いってないとあたしは見てるよ。 おうおう、愛い子め。
[分別のあるオトナと言ったクラリッサ>>118に、最後に落とした言葉通りの感情を抱いた。 見た目よりも遥かに歳を喰った心じゃ、どうにもクラリッサみたいな可愛い反応は出来ない。 そんな自分との対比が、今は何となく愛しく思えたのだ]
ふふっ、させません。
[指先でそのなだらかな白い頬をつんつんと遊ぶ私への逆襲を試みるクラリッサの片手を掴み、にぃっと口許に色のある笑みを浮かべた。そのまま、私の頬をつつこうとしたであろう指先を口に軽く含み、指先に舌をごく軽く絡める。
───…… …、 ここ暫く、忌まわしき身体を維持する為の捕食をしていないからか、不意に口に含んだその指先に歯を…牙を立て、皮膚を破り、真紅であろう血を舐めたい衝動が湧いてくる]
イタズラっ子にはイタズラで返す、よ?
[含んだ人差し指の腹を舌先でつつき、湧いた情動に蓋をする為に慌てて口を離す。 そうして浮かべたのは、いつも通りのゆるい笑み]
(148) 2013/12/04(Wed) 21時半頃
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[そうして片手を解放したクラリッサの反応次第では笑って誤魔化しもしただろうし、素直に謝罪したかもしれない。 >>121ワインを楽しんでいるかと問われれば、湧いた情動から思考を散らせる材料を貰えた気がして、小さく安堵した]
これから楽しむつもり。 手伝いに関しては気にしなくていいよ、あたしがしたくてしてるだけだし。手癖、みたいなモンかなぁ。
[つい人の集まる様な場所で職を得たがるのは、我ながらどうかとは思っていた。子供の頃からのおさんどんと、職としてやってきたいくつかの事もあり、手慣れている事には自負がある。それに、私自身も嫌いではなかった。 決して生きる上では糧にならないものを、人だった頃の味覚のままに求めるのは]
ん、でもお言葉に甘えようかな。
[待っててねと言うクラリッサには素直に頷き、そうして彼女が座っていた場所へと腰をお下ろした]
(149) 2013/12/04(Wed) 21時半頃
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[そうして腰を下ろしたのと同時、シーシャの乾杯の音頭が耳に届いた>>100]
かんぱい。
[持ったワイングラスをシャンデリアが輝く天井に僅かに掲げ、呟いた*]
(150) 2013/12/04(Wed) 21時半頃
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─少し前の事─
[フィリップへの問いの答えから、望んだものは得られなかった>>142]
ん、そっか。フィリップはあれだねー、第二の人生楽しんでるカンジなんだね。
[割と長く生きている方だと思いながらも、人でない自分を割り切る事だけは上手く出来ずにいる。 それは多分私が吸血鬼として目覚めた時、 人として死ぬ前に、 自分が生きる為に『あの場』にいた男達を殺した事、無意識の吸血衝動で最後の一人も失血死させた事が記憶として脳裏にこべりついているからだろう]
えっ、あたしだってジュース飲むよ、ワインも飲むけどオレンジジュースも飲むよ! だって(推定)高級品だろうから!
[なんて叫んでも、フィリップの耳には届いていなかった事を、私はシーシャの乾杯のコールの後の彼の行動で知る事になる]
(151) 2013/12/04(Wed) 22時頃
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―少し前・マドカと―
もう、コドモ扱いしないでよー!遺憾の意を表明するんだよ!
[>>148彼女と自分の年の差は知らない。 そういった事には敢えて触れないのは人間の感覚と一緒だった。けれど今の状況では自分の方が年下のように思えてきて。 口ではそう言うが、言葉遊びのようなものだと伝わるだろうか。]
あっ。
[逆襲しようとしていた片手を掴まれれば、短く声をあげて。口許に艶のある笑みを浮かべられれば、女は捕らわれた小動物の如く瞳を揺らし。 そのまま指先はマドカの口に含まれ、舌が絡められる。 ――噛まれる、とそう思った。 自分が捕食される側になるなど想定外なので、若干の動揺が見られたか。]
…まだしてないじゃないか。
[結局人差し指は噛まれる事なく、腹を舌先で突かれた後に解放された。いつも通りの笑みに返すのは膨れ面。]
(152) 2013/12/04(Wed) 22時頃
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─少し前/シーシャと会話─
ごほーびにはならないと思いますよ。あたし、結構おばさんなんで。 うへへー、でも取り合えずは素直に受け取っておきますよ。 あたしが今まで見てきた商売人さんは皆、営業時間外でも営業トークしてたりはしたけど。
[どうにもシーシャという男の言葉は悪い意味でくすぐったい>>111 振る舞い通り素直に受け取れればいいのだが、重ねた歳のせいと、それなりに見てきた人々のせいかそれをさせてはくれない。
立てたジャージと垂れた髪の隙間からシーシャがこちらの項を見れば、もしかしたら古い二本の牙の痕が覗けたかもしれない。ずっと消えないでと、私自身が願っているとある吸血鬼が生きていた痕跡が] ま、そういうコトですかね。いっそもっと、化物みたいな見た目に生まれ変われたら良かったのにね。そうしたら、下手に人の中に紛れて生きる事もしないでいいのに…さ。
[『人の世にいきることに必要』という男の言葉には頷きつつ、ゆるく笑うのに失敗した苦笑が浮かんだ]
(153) 2013/12/04(Wed) 22時頃
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[>>149これから、という言葉には笑みを浮かべ。 女は誰かが動けばそれを見守るが、自分の事は自分で出来る。]
じゃあ腰を落ち着けて楽しむといい。 でも……じゃあ、機会があれば次は手伝いたいな。
[自分の希望を告げつつ、マドカが良かったらだけどね?と付け足して。 人間の中で生きていくのに不自然でないよう、女は自分の糧にはならない食事を作る。あまり食が細いと職場の人間に指摘されるからでもあった。
住所を変えて幾つかの店を渡り歩き、以前の知り合いに会えばよく似た親戚を通す。 人間の中に上手く溶け込めるように…グロリアに出会ってから始めた事だ。それまでは気にもしなかった。 何処までが擬態で、何処までが真実か、分からないくらいの時が過ぎていた。 別れた兄はもう自分の祖父と言っても違和感がないくらいにはなっているだろうか。失踪してからは一度も会っていない。…もしかしたらもう生きていないかもしれない。]
うん、待っててー。
[甘えようか、と聞けば笑みを深くし。自分の座っていた場所に座った彼女にそう言い置くとワゴンの方へと向かう。]
(154) 2013/12/04(Wed) 22時頃
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[>>100ワゴンに向かう途中、シーシャの乾杯、という言葉に目を細め。]
…乾杯。
[グラスはテーブルの上に置いて来てしまった。 自室に戻ってしまったホスト役を想いながら、そっと呟いた。*]
(155) 2013/12/04(Wed) 22時頃
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─少し前/サイラスと─
[男の顔からニヤついた笑みが消えた>>112 そうして落とされた言葉は、自分でも予期せぬ言葉だった]
みせ……、店?
[思わずサイラスの言葉をオウム返しに呟いてみる。 彼がどんな気持ちでそんな事を告げたかは知らないが、ぽつぽつと繋がっていく言葉>>114を黙って耳にした]
うん、商売はカンタンじゃないよね。判ってるよ。でも、そうだな……悪くない……かも。 あはは、ちょっと昔のツレと店持ちたいねって話してたの思い出したじゃない、もー。
[見た目通りの少女になら似合う痛みが、胸を締め付ける。 それを振り払う様に力なく笑い、グラスを持っていない方のサイラスの腕に拳をぽふりと入れた*]
(156) 2013/12/04(Wed) 22時半頃
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マドカは、クラリッサに>>152を返されれば、再度膨れた頬つんつんした。
2013/12/04(Wed) 22時半頃
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[戻ってきたサミュエル>>124にはおかえりなさい、と告げて、男性陣が彼を囲むのを眺めていた。 グロリアの事を聞こうと思ったが、シーシャが尋ねて>>130。それに対するサミュエルの返答>>144を黙ってそれを聞いていた女の表情は沈む。
けれどマドカのおつまみを口に運べば思わず笑みが浮かんだ。>>132 おいしいものの力というのは素晴らしい。]
そうだよー。 美味しいからお勧めさっ。
[カナッペを手に取るサミュエルににこりと笑ってみせて、マドカと自分の分を皿に取り分け始める。]
(157) 2013/12/04(Wed) 22時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2013/12/04(Wed) 22時半頃
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─少し前/クラリッサと─
[膨れた頬にはもう一度、軽くつんと指先で触れ、返ってきた言葉>>152には]
おや、イタズラ成分が足りていないと。よーし、この夜に何かもっととびっきりなのを考えてみようじゃないか!
[なんて笑ってみせた。 >>154の次は手伝いたいという言葉にも、待っててと言うのにも素直に頷く。
未だにクラリッサの指先を舐めた時に湧いた情動がくすぶっている事に、誰にも気づかれない様に苦笑をこぼしながら、彼女の背中を見送った*]
(158) 2013/12/04(Wed) 22時半頃
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―回想―
[マドカの応え>>153には不思議そうに首を傾げた。]
――…こうなってからの歳月なんて数えたら 俺はおじさんじゃ足りないかな。
[年齢的なものは気にしていない。 気にするのを止めて久しい。 そんなニュアンスで口の端をあげる。]
マドカ嬢の知る商売人は熱心なんだね。
[営業トークには必要な場面ですれば良いと思っていた。 甘い言葉を吐くのも血を頂く時くらい。 細く白い彼女のうなじに牙の痕がちらと覗く。 一瞬、そこに噛み付く己の姿を想像し、眸が揺れた。 ちらと、苦笑じみた笑みを彼女が形作るのが視界の端に映り込む。*]
(159) 2013/12/04(Wed) 23時頃
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[すれ違いざま囁かれたのには>>*8、]
あぁ、……どーぞどーぞ。
[すっと身を翻して、 飲み物を取りに来た「オナカマ」に道を譲るようにしながら 言葉短かに返した。
血の気の多そうと印象は、 あながち間違っていなかったようだ。
今は口元が緩んでも不自然ではないだろうから、 ふっと笑みを向ける。
最初くらい秩序立てて事を運ぶのも悪くない。
――そのうち、 どうせ互いに理性など飛んでしまうだろうから。]
(*9) 2013/12/04(Wed) 23時頃
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[フィリップがジュースを飲んでいるのに口は挟まないが、酒盛りをする男性陣に向かって腰に手を当てながら女は口を開き。]
あんまり飲みすぎないようにねー。 自分の世話は自分でするんだよっ。 ボクは悪いオトナの介抱はしないから。
[冷やかすようにそう言い置いて、女は褐色を細める。 父母は進んで酒を飲まなかったが、都会で世間に揉まれた兄はいける口だった。 家では父の友人を呼んで酒盛りをする事もあって…。]
……。 あぁ。
[女はそっと息をつく。 何故そちらを思い出したのだろう。 家族で過ごした団欒よりも、薄暗い塒で男達の酌をしていた頃の記憶の方が新しいのに。 前者は女に大切なものを失った時の絶望や痛みを思い出させ、後者は昏い願いに縋って生きていた時の事を思い出させる。 女はそれらを吹き飛ばそうとふるふると首を振った。]
(160) 2013/12/04(Wed) 23時頃
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[やがて顔を上げて、ある事に思い至る。]
―あれ。
[―そう言えば、ジリヤの姿が見えない。 室内を見回したが、其処に姿はなく。]
…散歩でも行っているのかな?
[ゆるりと首を傾げて女は呟く。 この別邸の中は一通り把握している。
彼女は此処に来るのは初めてだろうから、あちこち見て回っているのだろう。 女はそう考えると、再びワゴンに向かっておつまみを皿に乗せた。]
(161) 2013/12/04(Wed) 23時頃
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