52 薔薇恋獄
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─ 自室 ─
[「好きですよ」と、言葉を紡いですぐだったろうか。 鳴瀬が目覚めたのに気付いたのは]
あぁ、すみません……。 ……起こしちゃいましたか。
───……。
[身体を押され、引き剥がされれば、一瞬瞬きはするものの、さして驚いた風もなく、素直に鳴瀬から身を離し]
…………聞こえちゃい、ましたか……。
[ばつが悪そうに、ぽつりと零す]
(113) 2011/05/22(Sun) 18時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/05/22(Sun) 18時頃
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日向(ひゅうが)も、すまん。 日向(ひなた)も……―――。
[彼女はきっと感受性が豊かな女性だったのだろう。 だから、暁を深く愛しすぎて、呪い殺したのかもしれない。 それを悔いる気持ちが強いから日向(ひなた)があるのだろう。
それとともに、自分が痛みを知っているから、知りすぎているから、痛みを覚えた人を殺そうとするのではないだろうか。日向(ひなた)は牙をむくと表現したけれど、ある種、それは優しさの裏返しともとれるから。
それ以上、傷つかないように。 煉獄(恋獄)の焔で浄化しようとするようにも見える。
でも、そんな風に忘れるのは……本当に幸せなのだろうかと、思う。自分は、例えば此処に残ることになったとしても、忘れずに願いたいから――愛する人の幸せを。]
(*2) 2011/05/22(Sun) 18時頃
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[鳴瀬に「すみません」と言われれば、静かに首を振り]
いえ……。
先生が、謝るような事じゃありません。
[常識的に考えれば、引かれるのは当然のこと。 鳴瀬の性癖など知るはずもないから、その、当然の反応をされたものだと思った]
すみません……。
やっぱり、そうでしょうね……。
[哀しげな笑顔を、鳴瀬に向ける。 立ち上がって手を伸ばせば、引き止められたかもしれないけれど。 そんなことは、する気もなかった]
(114) 2011/05/22(Sun) 18時頃
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…………。
[2度目の「すみません」に頷いて。 ドアの閉まる音を、静かに聞く]
……。
……フラれました、ね……。
[ぱたりと、仰向けに倒れ込んだ]
(115) 2011/05/22(Sun) 18時頃
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───。
[見上げた天井に、また、あの女の顔が見えた気がした。
けれど今は、何をする気にも、何を言う気にもなれず。 無言のままで、目を閉ざした**]
(116) 2011/05/22(Sun) 18時半頃
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― 自室の和室 ― [そして、漸く落ち着いてきてから、 文の哀しい笑顔を思い出していた。
もし、あの時、 少し文が強引に、キスでもしてたらどうだっただろう。 いや、文はそんなことは絶対しないだろう、それはわかっている。 だから、もしも だ。]
――……
(117) 2011/05/22(Sun) 18時半頃
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[考え込む。そう、もし、それでも強引に、 その感情をぶつけてきてくれてたら…。
ああ、そうだった。あの時も、
幼馴染がお互いを大事にしているから…。 だから、どちらも追いかけてはきてくれない、とわかっていたけれども。
でも、 もしかしたら、
その想いを踏みつけてでも、きてくれるんじゃないかと。 そう、それまでの己を変えてでも、 自分だけを愛してくれる、んじゃないかと…。]
(118) 2011/05/22(Sun) 18時半頃
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(いいや、そんなことはない。)
[そうつぶやいたのは、自分の中の理性の自分。 そんな恋情に人を巻き込んでどうなるのかと。
悲しんでいる、人を悲しませる。 そんなことができない、自分よりも他人を大事にする。
それが、本当は美しいでしょ?]
(119) 2011/05/22(Sun) 19時頃
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(――……うん)
[どこかが返事をする。]
(――…だから、甲斐は、 耀を救って、珀を愛すればいい。 珀への恋の代わりの恋なんて 捨てるべきだ。 それが正しい。)
(120) 2011/05/22(Sun) 19時頃
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――…日向、奴は助けろ。
[夢幻かもしれないあやかしに、 そう頼んだ。**]
(121) 2011/05/22(Sun) 19時頃
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―― 広間 ⇒ 和室 ――
………………。
[頑張って、1本吸いきった。ホント頑張った。超頑張った]
……最上の趣味、分からん。
[やがて、結論付けた。指の間をくるくるライター回して(本当はいけないのかもしれないが)、煙草の後始末。とりあえず、ただすぐ返す気にはなれなかった]
………………よし。
[頷いた。笑った。動ける。動こう。大丈夫。 言い聞かせる。やるべきことを考えて、立ち上がった]
[最上と同じ煙草の匂いを纏って、鳴瀬先生の部屋へと向かう]
…………。先生。いらっしゃいますか。
[以前教えられていた和室。扉をそっとノックして、そう声かけた]
(122) 2011/05/22(Sun) 19時半頃
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セシルは、ノックに気がつくと、起き上がる。ああ、いる、と答えつつ。
2011/05/22(Sun) 19時半頃
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―― 鳴瀬の部屋 ――
[中から声が聞こえた。 障子戸開け、スリッパ脱いで膝突いた]
……夜遅く、すみません。織部です。
[小さく軽く、深呼吸。 声が震えないよう、取り乱す熱が溢れないよう。 起き上がった相手に、軽く一つ謝罪して、目を合わせる]
……つい、さっき。 野久と、最上が、消えました。これで、6人消えました。
[それをもう彼が知ってるのか、知らないのか、知らない。 けれど、間近で消えるところを見たから。報告]
………朝。晴れても。 俺は帰りません。皆を、探しに行きます。
(123) 2011/05/22(Sun) 20時頃
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>>123 [ノックだけじゃ誰だかわからなくて、 障子があいて、誰だかわかった。]
織部か。 ああ、最上と野久だったんだな…。 さっき、連れていかれたのは。
[事情をまだ知らないだろう、織部に、まず、そう答えてから…。]
あいつら、好きあっていたのか?
[そう、日向が連れていく条件を知ってたから。 でも、織部は吃驚しただろうか。]
とりあえず、信じられないかもしれないが、消えた奴は無事らしい。
女の霊が、この屋敷にはいて…。
[そして、甲斐から聞いた話>>4:215を話すだろう。]
(124) 2011/05/22(Sun) 20時頃
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どっちにしろ、俺らは、 もう、自分ひとりじゃ抜け出せない恋獄にいる。
[それから、ふと、織部をじっと見て…。]
織部、 お前、吸ってたか?
[煙草のにおい]
(125) 2011/05/22(Sun) 20時頃
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セシルは、ベネットから薫る煙草の煙、それは最上を思い起こさせた。
2011/05/22(Sun) 20時頃
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………?
[前回、話したときと雰囲気が違う気がした。 前は、一刻も早く帰ろうって言ってたのに]
―――は? あ、あー……ええ、まぁ
[今は関係ないと思われる、彼らの……いや、自分たちの恋情。 踏み込まれたみたいで、ちょっと眉をひそめた。 最初の一言は、きっとかなりとげとげしたもの]
……………………。
[無言で、鳴瀬の話を聞いた]
それ。どうして、先生が?
[目を閉じて、情報を制限して、考える。 今まで頭の中に叩き込んできた情報の、かけら]
(126) 2011/05/22(Sun) 20時半頃
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[般若のおんな、小面のおんな] [確認するように尋ねたが、状況とマッチしていたのもあって、結構はやめに信じてた。口元に、押さえきれない笑みが乗る]
[心の底から、胸の奥底から、湧き出てくる真情に彩られて]
………つまり、俺は、死ぬわけだ。
[台詞のわりに、歓びの色が声に乗っていた]
……いいえ? これは、最上のです。
[ことん、と彼の前に置くのは、最上の煙草とライター]
……最上の匂いに、近づきたくなったから。変態なので。
(127) 2011/05/22(Sun) 20時半頃
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>>127 […まともに、その、日向(ひゅうが)の恋獄の焔に焼かれること、つまりは、死。 それに織部は喜色を乗せているように思えた。 それは、どこか、
昔の、あの頃の自分の声にも似ているなどと…。]
変態?
[言った言葉には問い直して…。]
最上、好きだったのか?
(128) 2011/05/22(Sun) 20時半頃
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―1階・廊下・階段―
追いかけなかったらそれはそれで、拗ねるだろうが!
[がぁっ、と、百瀬に向かって声を上げた。 あれで手を出すなといわれても、多分困っただろう。
桂馬センパイ>>94の言葉に、センパイはそんな事があったのだろうか、 と、思いながら一度振り返って手を振って答え。
そして、階段の踊り場でちらと見えたモノ。>>92 明らかに異質なものだと分かり、首筋が泡立つのを感じた。
ソレが百瀬が振った手に当たって、 霧散したのを確認しつつ、百瀬が部屋の扉を閉めようとするのを邪魔をする。>>93]
一人になんて、できるわけ、ないだろっ…!
[純粋な力勝負なら、こちらの方に分がある。 そうして、半ば無理やりに室内へ入っただろう。]
(129) 2011/05/22(Sun) 20時半頃
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[鳴瀬の目が、こちらを通してどこか遠くを見ている気がした]
………ええ。好きでした。 だけど、振りました。
――それが、本当なら。自分で自分を、褒めてやりたい。
[大きく呼吸して、胸を貼る。 瞬きするたび、フラッシュバックみたいにあの選択の時が見える。 今、このときからは、もう後悔なんてしないと思った]
(130) 2011/05/22(Sun) 20時半頃
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スティーブンは、セシル(鳴瀬)のことを、仰向けに寝転んだままぼんやりと考えている。
2011/05/22(Sun) 20時半頃
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>>130 [好きだった、だけど、振った、という織部をそのまま見ていたが、 事情は深く聞かずとも、わかってしまう。 そして、おそらくは最上と野久を救う形になった、織部は。]
――……そうか。 お前………… 強いな。
[胸を張る奴にそう言って…。]
ともかく、日向が俺らを助けてくれる条件が、 そうらしい、けど、
だからって、みんないきなり両想いになれ、とか むつかしいよな。
[笑い話にもならない。]
(131) 2011/05/22(Sun) 21時頃
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[目を細めて、かすかに視線を畳に落とした]
………強く、ないです。 ただ、野久が死んだら、俺も、最上も、もう続かない。
[上手くいえない。 自己犠牲じゃなくて、多分どこまでも利己的で。 けれど、まあ、分かってもらうことが本意ではないから]
………単純計算、1人、余りますね。
[残りの人数を頭で数えた。 畳の上に並べたライターをくるりと回転させる]
……先生。鳴瀬先生、帰れますか。
(132) 2011/05/22(Sun) 21時頃
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>>132
単純計算ならな。 まぁ、結構この部活、男同士でも気にしない多いみたいだし。 土橋と百瀬とかも、実は、かもな。 百瀬必死に探してたんだろ、土橋。
[さっき、百瀬を抱えて風呂を探しにきた土橋を思い出す。 それから、織部がくるりと回るライター見ていると、ふと、訊かれた。]
先生は、生徒をおいて帰ったりしないよ。 そんなのカッコ悪いだろ?
(133) 2011/05/22(Sun) 21時頃
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………なるほど。
[2人が消えたあの時みた、1年生コンビの姿。 その後に起きた出来事は知らないけれど、頷いた。 すると、残りは]
……………。 ――つまり、帰ろうと思えば、帰れる、ってことですね。
[ライターに落としていた視線。 膝をついたままふっと上げる]
………先生と、心中。 嫌だなぁ
特に、帰れる、なら。 ………先生の、想い人、文先生?
(134) 2011/05/22(Sun) 21時頃
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>>134
帰らないよ。
[帰ろうと思えば、帰れる。 その言葉を否定する。]
先生と心中はャかもしんないけど、 まぁ、しょうがないんだから、ぶちぶち言うな。
[願わくば、その日向(ひゅうが)の呪いが消せればいい。だけど、消えないから、こういうことになったのだろう。 雨風はそれでも続く。]
――……? なんで文先生なんだ?
[織部の指名に、少し、胸を傷めて、聞き返す。]
(135) 2011/05/22(Sun) 21時半頃
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………帰らない、と、帰れない、は、違う。
[あまり自由に操れないからこだわるのかもしれないが]
――――。
[ぶちぶち言うな、といわれれば、肩を竦める]
だって、一人じゃ帰れない、から。 相手が生徒なら、その人、救われないな、て。 全員助けられないから、助けられる一人も、置いてくみたい。
[現状を言葉と推測だけでしか知らないから、薄っぺらな論理]
(136) 2011/05/22(Sun) 21時半頃
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博徒 プリシラは、メモを貼った。
2011/05/22(Sun) 21時半頃
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>>136 ああ、そういうことか。 そうだな、しかし、揚げ足取りも上手だな。
[それはいろんな技術も前提に。]
助けられる一人か…。 でも、そいつのことは、
俺が先生とかそういうのなしで。 助かればいいとは思う。
[うまく乗せられて、生徒の誰かということはばれたかもしれないけど、 でもだから、どうだというんだろう。]
まぁ、大須や珀の例があるからな。 日向にお願いすれば、死なせたくない相手を助けることは可能かもしれない。 もしくは……
[他の誰かと、そいつが幸せになれば…といいたかったけど。]
(137) 2011/05/22(Sun) 21時半頃
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―雨降りしきる薔薇庭園の中で―
[ あなたってほんとうにばかね ] [ やさしすぎるのよ、あなたは ]
[ そしてやさしすぎるときっと ] [ ほんとうにたいせつなものを ] [ あなたはうしなうでしょうね ]
[ いいえ、きっとあなたはそう ] [ ほんとうにたいせつなものに ] [ てをのばすゆうきがないだけ ] [ こうかいするのがこわいだけ ]
[ だからいま、くるしんでいる ]
(138) 2011/05/22(Sun) 21時半頃
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[ 女の声は届かない ] [ 唇の動きだけで、独り言 ]
『 』 『 』
[ それは寧人>>28に掛けた筈の言葉 ] [ 届かない、届かない、伝わらない ]
(139) 2011/05/22(Sun) 21時半頃
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『残念だけど、ワルツの踊り方は知らないの』 『わたし、使用人だから』
(*3) 2011/05/22(Sun) 21時半頃
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[ 悠里>>90に睨まれるように見上げられて ] [ 告げた筈の言葉 ]
『 』 『 』 『 』 『 』
[ 届かない、伝わらない、女の声は音にはならないから ]
(140) 2011/05/22(Sun) 21時半頃
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