3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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――…
……なら俺にも気をつけるんだな。
……もう、 血、… を 飲んで、しまった。
[これは、意志の脆弱さの差か。]
…… 忠告は、ありがたく受け取るさ。
(*149) 2010/02/27(Sat) 23時半頃
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―南棟2階― [上からも、下からも、人の気配。 姿の見えない《もの》を探すのは、骨が折れそうだ。]
……――楽譜……
[はた、と思い出したように階段下を振り返る。 けれど、戻る気にはなれず。 結局そのまま、歩いていく。
闇が、蠢いていた。
音楽。ピアノを“弾かないといけない”。でも。 顔を上向けて、3階を見る。]
(556) 2010/02/27(Sat) 23時半頃
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っ、…しまっ…
[失言だった。]
――おい、…正気を保て。 ……――…、だめだ。
[――自分は、堪えられずに啜ったというのに?]
(*153) 2010/02/27(Sat) 23時半頃
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―南棟2F⇔3F階段―
う、わッ…!?
[呆っとしていたのだろうか。 駆け上がってくる足音に気づくのが遅れた。 どすん、と肩をぶつけて走っていく黒髪の男。]
…… 、…さ、サイモン、…?
[購買部に居たのではなかったか。 後ろから追ってきたのは、腐れかけた圧死体]
ッ …!!
[是も非も無い。逃げるように駆け上がった。]
(565) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/02/28(Sun) 00時頃
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……おい!
[ 鬼は、
捕まえる ものだ
けれど、 その、悲鳴は。]
(*156) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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―南棟3F― [死体の足は、さほど早くは無いが 自身の体力も高いわけではなく]
ッ…… う、わ!?
[すごい速さで掛けていく黒髪の少女が見えた。 それを追うクラスメイト――オスカーの姿も。]
……、な、に。
[しまった。人が多い。 そうは思ったが、ディーンと――そしてドナルドから血を飲んだ所為で、今は衝動が抑えられているらしく。 走り去った2人とは逆のほうを見れば、うずくまる科学教師の姿があった]
(569) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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……先生?
[距離をとって、呼びかけた。 走り去る2人を見るに、ただ事ではないか。]
(570) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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……――。
[帰れない。 帰りたくない。 帰りたくないから、此処にいたのに。
何処へ、行けばいい。]
……わからない
[消されたくない。 それは、本当なの、だろう、けれど。]
(*161) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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―南棟3F― [マーゴとオスカーが走り去ったほうをもう一度見る。 もう、すっかり姿は見えなくなって、 足音は遠く]
……、
[一歩、スティーブンへ距離を詰めた。]
…――先生?
[――お節介。 恐らくは、赤毛の莫迦が伝染ったのだ、と なぜか思いながら。]
(576) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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―南棟3F― ……。……
[スティーブンスはただの頭痛だというが、 焦点が合っていない、と思う。もう一歩、前に]
――……この異常事態に… みっともないも、なにも、…無いでしょう。
[あかが、 ない から、まだ、平静を。 けれど、彼は自分の異常な状態を見ているはずだった。 大丈夫か、とは訊かない。 大丈夫、と答えるに、決まっている。]
…――今、マーゴット、走っていきましたけど。
[だから、違うことを訊いた。薄紫の眸を一度瞬かせる。丈が合わず、長い袖を少し片手で上げた。]
(585) 2010/02/28(Sun) 00時半頃
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―南棟3階>>592― [矢張り、気づかれるだろう。 僅かに血を残す唇をちらりと舐め。]
…、――…拝借しました。 でも、…渇いたままです。……近づかないでください。
[――それ以上は距離を詰めない。]
――…………、…見栄ですね。 嗚呼…でも。
[見栄っ張りは、同じか。と。ピアノを弾き続けることを思う。 スティーブンスの声が常より大きい。まさか声が聞こえにくくなっているとは気づかず]
……――“好かれた”?…まさか、…
[自分と同じか、と表情が苦いものになる。]
(597) 2010/02/28(Sun) 00時半頃
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奏者 セシルは、……――先生?と。もう一度怪訝そうに訊いた。
2010/02/28(Sun) 00時半頃
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―南棟3F―
――……、――
[唇を引き結ぶ。 首筋に歯を立てた、鼻腔を擽った煙草のにおい。 咽喉に、手を当てた。スティーブンを睨みすえる]
…――っ…
[欲しい。赤が欲しかった。 身体が勝手に。拒否されなくて、戸惑いながらも、 血の味に酔った。――酔って、 でも。
澱のように沈んでいた、心に広がった闇色が 薄紫を、揺らした。揺らした――]
(617) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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なんですか それ
[戻らなかったら、抑えられなかったら。 血を吸うような衝動はいつまで]、
戻らなければ いつまでも 戻らなければ
[帰れない。帰りたくない。 なら何処に行けばいい。 (お兄ちゃんは上手なのに、セシルは――) (――居なくても)]
死ねって謂うんですか
[絞り出すような声が、出た]
(618) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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――っ
[違うそうじゃない。きっとそうじゃない。 スティーブンが謂おうとしているのは、 だけど止められなかった。 サイズの合わないシャツの、咽喉元を握り締める。]
ドナルドは一人じゃない。 ひとが、いた 。 ひとといたら、 血が欲しくて、たまらなくなって。
今だって!!
[激昂した。鋭い犬歯が覗く。 要らない。違う。そうじゃない]
俺だって好きで血なんか吸ってるんじゃない!!
(622) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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ッ…、
――、… 知らない。そんなのは、知らない。
[首を横に振った。 次いで襲ってくるのは自己嫌悪だ。 薄紫の眸が大きく揺れた。]
じゃあどうすればいいんですか。 解らない。…解りません。
[詰めた距離を、後ずさって、離していく。]
俺にはわからない…!!
(624) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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―南棟3F― っ――、…どうしようもないなら、 治らなければ 何処にも行けなければ ……死ぬしかないじゃないですか 違いますか
[薄紫の双眸が揺れる。 距離を詰められるのを怖れるように、後ずさる。]
――っ、……厭だ、 …近づかないで ください
[首を横に振る。]
襲うんですよ 誰かが居ると ――ばけものだそんなの …分からない。分かりません。分からない!!
(632) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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―南棟3F― [後ずさって、背は階段の手摺にぶつかる。]
ッ、だから、 誰かと居たら、襲うのに。 居られない。どうしようもないじゃないか!!
[逃げなければ。 階段を降りていこうと、手摺に手を掛け、 ――…駆け下りるのが一瞬遅い。 右の手を、掴まれる。びくりとひるむ。]
近づくな…! 襲われたいのか!!
(636) 2010/02/28(Sun) 01時半頃
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―南棟3F>>635―
っ、どうして……
[滔々と語られる言葉に首を横に振る。]
どうして、なんて、 だって、……そうなんだろう…!!
化け物は俺のことだ、 ……セシルだし、化け物、なんだ …
[段々と語尾が弱くなっていった。 俯いて、前髪が表情を隠す。]
(640) 2010/02/28(Sun) 01時半頃
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……なんで
[赤毛の、男といい この、教師といい]
…… …おせっかい め
[力なく、消え入りそうな声が、落ちた。]
(641) 2010/02/28(Sun) 01時半頃
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[――黙していた、気配が。]
――ばけもの …
[ただひとこと、己に刺すように、 小さく、呟いた。]
(*167) 2010/02/28(Sun) 01時半頃
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―南棟3F >>646― [く、と自分のほうに腕を引き戻そうとして、 叶わなかった。]
……――、
[前髪の間から、薄紫の眼が覗く。 眉が、少し情けなく下がっている。]
…――勝手なこと、謂って ……先生だからって…… ――
[また、俯いた。酷く沁みる。 裡を満たすのは自己嫌悪。顔を逸らす。]
…はな、して… …ください。 ……――咽喉が、渇いたら、本当に……
(650) 2010/02/28(Sun) 01時半頃
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―南棟3F>>654―
[びくりと顔を上げた。]
…バーニィ…? …… アトラナート先生…… どうして、
[どういう状況なのか分からない、といった様子で。 少し眼を見開いた後、問う様に見た。]
(656) 2010/02/28(Sun) 02時頃
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――…、
[まだ、少し]
……―ーいまは、…まだ。
[罵って、だとか。莫迦だ、だとか聞こえて。 ただそこまでは、上手く頭が回らないでいた。]
(*177) 2010/02/28(Sun) 02時頃
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―南棟3F >>655― …、……
[困ったような表情を浮かべ、 眼を逸らした。]
…歯を立てられる献血なんか、 ない、でしょう……。
[ドナルドも、こうやって なんでもないように、謂ったのを思い出す。]
……――ドナルドも、…先生も、 …なんだって…そんな、…お人よしが、過ぎる。
(660) 2010/02/28(Sun) 02時頃
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奏者 セシルは、用務員 バーナバスのほうを、見遣る。
2010/02/28(Sun) 02時頃
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――…。
…、バーニィ
[酷く、困ったような顔を、した。 嗚呼。自分は、鬼だから。]
(*181) 2010/02/28(Sun) 02時頃
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―南棟3F >>662―
…――……、…
[どうして、と声にならないままで、 唇だけが動いた。 自己犠牲。バーナバスの言葉がふと棘のように刺さる。
結局
己が、犠牲を強いているのではないかと、そう]
(667) 2010/02/28(Sun) 02時半頃
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――血なんか
吸いたくない、んだ
身体――勝手に、……
[唇を、噛む。]
(*183) 2010/02/28(Sun) 02時半頃
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わか
ら、ない。
なんで、お人よし、 …ばっかり
(*184) 2010/02/28(Sun) 02時半頃
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――……、
……嗚呼、
[そうだ。 そうなのだ。
酩酊の後の、――自己嫌悪は]
……、…―― でも、…どうするんだ。 …血なら、…やるって、謂っても。
(*187) 2010/02/28(Sun) 03時頃
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―南棟3F―
… ――。
…衝動は、一回じゃ、 ないかもしれないんだ。
[いつでも飲みに来い、と謂ったのは、 ドナルドだった。でも、それでは、――あいつが]
……、…それは、… 難しい、話 …です。
[緩やかに、手を下ろした。 自由なほうの手は、咽喉へ。]
(672) 2010/02/28(Sun) 03時頃
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