73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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[いつもなら握るだけ、暖かいだけの手指が絡まり ぞくり、としたものが背を駆け上る。 カルヴィンは至って普通に見えた。 そう、カルヴィンは、普通なのだから、と 熱が溜まりそうなのを逃がすように一度首をゆるく振る。 卓上でついばむ鮮やかなほうは 一度不思議そうに周囲を見た。]
……俺、いつも冷めてから食べるから…… この方が、なじみ深い、かな。
[だから返す言葉も普通のそれ、を。 実際にはカルヴィンが床にあるスプーンを 拾う姿からも目を離せないのに。 そう、目を離さないでいたから見えてしまう。 屈んで下を向いたとき、白い項と自分がつけた傷の名残を。] [スプーンを持った手で両の目を追う。熱い。 今まで薔薇の香りにここまで翻弄されなかったのに。 どうして、今?]
(21) 2012/01/02(Mon) 02時半頃
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[薔薇について、耳にすることができる以上の意見はキャロルの顔からやはり読み取れなかった。俺はうやむやになった自説が何故か恥ずかしくなり、エリアスが倒れこんだことを歓迎すらしていただろう]
運んでやれ
[椅子に運ぶという意見には*快諾した*]
(22) 2012/01/02(Mon) 02時半頃
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それなら…やっぱり熱いまま食べて欲しかったな
[立ち上がり、スプーンをくるりと回して笑いかけた。 次は、きっと。思いはするけれど口に出せないのは、次がないかもしれない、とも思っているから。少なくとも同じものはもう作れない。 サイラスが眠っている限り]
(23) 2012/01/02(Mon) 02時半頃
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……じゃあ、次は、熱いうちに。
[和やかな日常的会話に視界を覆う手を退け 笑うカルヴィンに笑い返す。 次がない予感知る術もなく、 一緒にいる、のだから、次もあるのは当然と。
そんなことを考えながらも 無意識のうちに手を伸ばす。引き寄せたくて。]
(24) 2012/01/02(Mon) 02時半頃
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[首のスカーフを外し、額に浮かぶ汗を拭く]
私が自然体で居られる場所は、きっとあなたの傍だけでしょう。
…そうだ、ロバート殿。 咲く季節を間違えた『薔薇』の『望み』を、エリアスくんなら知っているそうで。
[逢い引きではないけれど。薄く笑い**]
…目覚めるまで、待ちましょうか。
(25) 2012/01/02(Mon) 03時頃
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うん、きっとね
[次こそは、と相槌をうてないことをすまなく思う。 伸ばされる手に座ろうよ、と促して。手を繋ぐのはいいけれど、今あまり近くに来られたら熱が移ってしまう。 足りない、足りないと叫ぶ棘が身体の中をぐずぐずに溶かしてしまいそうで]
ん、どした――?
[浮かべる笑みは常と同じになっただろうか。サイラスが、倒れたのに、それはいっそ異常なほどで]
(26) 2012/01/02(Mon) 03時頃
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…………?
[なんとなく、言葉の使い方が引っかかった。 きっと、って? 促されれば、自分が手を伸ばしていたことに気づき あわてて頷きながら席に着く。 ただ。]
…………ずっと、一緒、だよ……ね?
[言葉の引っかかりに翠に不安の色が滲んだ。 例え、気持ちが叶わなくても。 それでも、ずっと一緒に、手を繋いで…… それは、子供じみた願望だろうけれど、 フィリップには切実で。 カルヴィンはいつものように笑うけど……]
(27) 2012/01/02(Mon) 03時頃
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うん、一緒…だよ
[フィリップと一緒にいるならば、いるためには、この棘をさらけ出さなければならないだろうか。一度触れてしまえば戻れない]
一緒にいてくれるんでしょ なら…
[言葉を飲み込んで、オムライスを口に運ぶ。裡にこもる薔薇の香りのせいか味なんてほとんどわからなかったけれど、何かの境目のように、きっかけのように大事にゆっくりと咀嚼する]
(28) 2012/01/02(Mon) 03時頃
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…………良かった。
[返事が返れば安堵した。 サイラスが眠ってしまったから、 サイラスと同じように寝てしまいたい、 そう思っている様子は見えなくて。 その瞬間は薔薇の香りよりも、熱よりも 嬉しさが上回って笑う。]
…………なら? うん、俺も、カルヴィンとずっと一緒にいるよ。 例え何があっても…… [慣れた冷めた食事を口に運びながら 飲み込まれた言葉にゆるく首をかしげるけれど、 カルヴィンからも確かめるように 尋ねられたのが何か嬉しかった。 自分ばかり一緒にいたいんじゃない気がして。]
(29) 2012/01/02(Mon) 03時半頃
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[空になった皿にスプーンを置き、フィリップを、人も鳥も両方見て]
あ……いや、片付けるね
[何があっても、その言葉の力強さと、恐ろしさに怖じ気ついた。 サイラスの分にラップをかけ、自分の使った皿とフィリップが食べ終わっていればそれも全部流しにいれて]
ね、ちょっと休もうよ。 お腹いっぱいになったら眠くなったしさ
[嘘でも本当でもない戯れの言葉に胸の棘のせいか一言*付け加えた*]
一緒に、寝る?
(30) 2012/01/02(Mon) 03時半頃
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…………?
[鮮やかなほうと視線を合わせる。 幼い願望がカルヴィンに どういう印象を与えているか知らないまま。 片付けるという言葉に、食べ終わった皿を渡した。 「美味しかった、ありがとう」と、告げながら。 ……いつも食事は空腹だから無理やり食べるだけ。 そう思っていたから、この食事が酷く新鮮だった。] [ただ、その思考は次いだ言葉 ……正確には最後の言葉にに硬直する。]
…………う、ん
[とっさに頷いてしまった。 ただ、うなずいた後、この薔薇の香りの中で、と 自問自答する。 きっと、寝台が一つしかないことから 親切で誘ってくれたであろうカルヴィンの その気持ちを裏切らないですむのだろうか?……と。]
(31) 2012/01/02(Mon) 04時頃
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[けれど、誘い自体がとても甘美で、 それを改めて拒むことはできなくて。]
……一日をどこで区切って良いかわからない、ね……
[鮮やかな方はいつものように寝台脇のテーブルに乗せる。 そうしてから、ぬいぐるみがある寝台へ。 できる限り、日常的な語句を口にしながら横たわる。 睡眠導入剤もなければ 酷く香る薔薇と、暑い熱と、渇く喉。 はたして*眠ることはできるだろうかと思いながら*]
(32) 2012/01/02(Mon) 04時頃
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サイラスは…眠ったんだ、ね。
ごめんね…。君達に…… こんな思いさせたかった訳じゃ……
[薔薇の声は切れ切れ]
僕は……
(*4) 2012/01/02(Mon) 08時頃
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お願い、したいんだ 君は、僕の願い、叶えてくれる……? 棘を渡したい人が、いて……
咲きたいんだ。 白薔薇、もう少し……で……
[熱に浮かされた体は薔薇にも酷い不調をもたらした]
(*5) 2012/01/02(Mon) 08時頃
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[額に汗を浮かべながら目を開く。 呼吸は浅く、熱に浮かされたようで]
先、輩……ロバート、君……
[サイラスの行き場のなかった熱が苦しい。 かといって精気が得られた訳でもなく]
(33) 2012/01/02(Mon) 10時頃
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[二人を見て、苦笑すら浮かべる]
不思議、だね。 まるで平気そう……
貴方なんて…望みをきいたくせに…… 叶えようともしてくれないなんて、 酷いよ、ね
[その声に批難なんて勿論含まれないないけれど]
(34) 2012/01/02(Mon) 10時半頃
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[薔薇は熱に浮かされたままに言葉を紡ぐ。 花咲くだけが望みだと。 その為に必要なものは精気であり。 自分の香は、その為に秘めたものを呼び起こすものだとも]
君達には…大事な人は、いないのかな…… 触れたいと思う人も、いない…?
[そろりと伸ばす指が触れるのは誰の頬か。
薔薇の言葉は、熱に浮かされた戯れ事にも聞こえただろう
信じるかどうかは彼ら次第。
また壊れそうな笑みを浮かべると、 目を閉じる*]
(35) 2012/01/02(Mon) 11時頃
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もうずっと、夜なんだよ
[会話しながら、フィリップの隣に滑り込んだ。サイラスの眠るベッドには背を向けて、いつもぬいぐるみにするようにフィリップに抱きついた。熊狐はテーブルに居座った紅い姿に好きにさせて]
ずっと、こうしてようよ
[フィリップの首のあたりに頭を押し付けて、何処かから聞こえる声に耳を澄ませた]
(36) 2012/01/02(Mon) 15時半頃
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白、薔薇…
[想像すれば、紅い赤い姿とは異なる静謐なものに思えて、咲かせてあげたい、そう願ったけれど]
誰に渡すの…?
[目の前にいる彼ならいいのに。そうでなければ…我慢できるか、わからないから]
(*6) 2012/01/02(Mon) 15時半頃
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…セレストに……
[君が望む人ではないかもしれない それが、今の薔薇には痛く思う]
(*7) 2012/01/02(Mon) 16時頃
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[最後に花咲かせるなら彼のキスがいい。 エリアスの思慕にあてられたのかも知れない。
棘を移すには情を交わすなりしないといけない
薔薇の声は僅かに震えて]
(*8) 2012/01/02(Mon) 16時頃
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セレスト先輩、に…キスするの
[出来るか、と問われれば頷く。したいか、と問われれば―― けれど、薔薇の、エリアスの声はあまりに弱弱しくて叶えてあげたい気持ちはあって。
フィリップに移せば、彼が…とも考えたけれど フィリップがセレストとキスするのは、なんだか、とても嫌だった]
どうしよ、何処に、いるの?
(*9) 2012/01/02(Mon) 16時頃
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…わかんない ごめん……
(*10) 2012/01/02(Mon) 16時頃
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そっか… 探してみるよ
後で、だけど
(*11) 2012/01/02(Mon) 16時半頃
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ありがとう
君は、辛くない?
(*12) 2012/01/02(Mon) 16時半頃
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[鮮やかなほうは、同じ卓上に置かれたぬいぐるみを 興味津々という風に嘴で突付く。 ただ、どうして動かないのだろう?と、訝しげにもしたが。] [フィリップは驚いていた。酷く薔薇の香りがする中で。 カルヴィンから回された腕が温かいを通り越して熱い。 カルヴィンが言葉を紡ぐと、息さえかかる近さに眩暈がする。]
うん……夜も終わらない、なら…… ずっと、寝なくちゃいけない、よね。
[自分の鼓動がうるさくて、 何かに耳を済ますことは到底無理だったけど キスした後内と外の境ではしゃいだ、 あの時間は終わってしまったのだと、なぜか思って。 静かに息を吐き、少しだけ身体をずらしながら、 そっとカルヴィンの頭を撫でた。ゆっくり眠れるようにと。 ……下げたくなるのを抑えようとしながらも 時折堪えきれず、今は噛み痕も薄れた白い項に触れたけど。]
(37) 2012/01/02(Mon) 16時半頃
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何処に、いるのかな…
[不安が混じる声で呟いて、回した腕に力を込めた。したいこと、してあげたいこと、されたくないこと。全てが絡み合ってどうすればいいのかわからなくて]
ねえ、フィリップ どうしよう
[項に触れる手に吐息を更に熱くしながら、混乱したまま言葉にする]
俺とキス、してくれる…?
(38) 2012/01/02(Mon) 16時半頃
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辛い、のかな
痛いよ、痛い…
[うわごとのように返す言葉はどちらで呟いたのかもわからず]
(*13) 2012/01/02(Mon) 16時半頃
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カルヴィンは、フィリップに、「痛い…」と呟いて
2012/01/02(Mon) 16時半頃
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ご、め……
[泣きそうな薔薇は何に対して詫びるのだろう
気が遠くなりそうなほどに渇いた感情は狂おしいほどの愛おしさを覚えさせて*]
(*14) 2012/01/02(Mon) 17時頃
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……………?
[呟きの意味がわからない。 ただ首筋を擽る息に微か震えながらも 腕の力や声色に滲むものに、 その髪撫で安心させたかった。]
[ただ、息の熱さに熱いのは自分だけじゃない ように感じるのは願望か、事実か。]
………それは、嬉しいけど……
[たずねられた言葉に、思わずこくり、と頷いた。 只でさえ戦っている最中に、その誘惑は抗えなくて。 が、何か抱えている様子、不安げな様子、それに……]
カルヴィンが、それで痛くないなら……
[痛みをこぼす様子が心配で、少しだけ身体を離し表情を覗き込もうと]
(39) 2012/01/02(Mon) 17時頃
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