202 月刊少女忍崎くん
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…何故、俺なんかを。
[実力がそこそこあるとは言っても 地味な競技であり独占取材されるようなものではないと 駿本人でさえ、いや本人だからこそ思っている。]
訳がわからない。
[疑問だった。 あれから半年ほどたった今も 相変わらず訳の分からないまま彼女は、気づけば隣に居る。
もっと記事になりそうな奴を、部を取材すればいいのに。
そんな思いを抱いて、知らぬうちに眉をしかめる。]
(22) seseri 2014/11/20(Thu) 22時半頃
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………他の部の奴らの苦労を想像するだけでも心労が…。
[何故か他人が追いかけられる様を 思い浮かべるだけで胃が痛くなった。白銀パワーすさまじき。]
(23) seseri 2014/11/20(Thu) 22時半頃
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…まあ。それならこのままが一番被害が少ないか。
あ、しまった。そろそろ文芸部に。
[きっと他人が追われていても俺の胃は痛むのだろう。 そっと一人苦笑をこぼす。
そうしていれば、賑わいを見せていた体育館からは 人影がずいぶん減っていたか。 ようやく思い出した今日一番の楽しみに 思わず出た声は重なった>>17]
(24) seseri 2014/11/20(Thu) 22時半頃
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…………はいはい。約束でしたね。
[だがそれよりたこ焼きだと主張する白銀>>18 には至極適当に頷く。 とつとつと語る白銀に相槌は聞こえていないようだ。 今のうち、と"珠玉"の元へ馳せ参じようとした駿は 後ろから降ってくる白銀の声に、 悲劇のヒロインごっごを毎日白銀にされるのと "珠玉"を心の中で天秤にかけながら足を運び、胃をさすった。*]
(25) seseri 2014/11/20(Thu) 22時半頃
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― パフォーマンス後 第二体育館 ―
[身体の墨を洗って、書道道具を片付け終え、毛氈やらを片付けて、壁に墨が飛散ってないか確認して、最後に体育館の床に敷いたビニールをみんなで小さくまとめる作業。こういう時、ゴロウ先輩や栗栖が率先して指揮を取ってくれるので助かる。 保はビニールを一回折れば、道具を運んで着替えようとそそくさと第二体育館を後にした。]
(26) wallace 2014/11/20(Thu) 23時半頃
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― 書道部 ―
[部室の端の方で男の部員は着替える手軽さ。一緒に戻って来てた1年の猫集世喜(ねこつどい せき:グラはクシャミで宜しく)も道具を片付け終えれば一緒に着替える。]
『そういえば、栗栖先輩って結構デカいっすよね』
……、……?
[突然の話題に、ゆっくり顔を猫集に向け、]
(27) wallace 2014/11/20(Thu) 23時半頃
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態度がでかい奴は、字もでかい。
『……。』
[沈黙が返ってきた。]
『……やっぱ、 いや、なんでも ないっす』
[ぱさ、と黒のフードを目深にかぶって視線をそらされた。 こちらも適当に制服を着終えれば、ビニールも片付け終えたのか、わらわらと部員が集う。]
(28) wallace 2014/11/20(Thu) 23時半頃
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『じゃ、次は文化祭終ったら教室展示の片付けな。 各自クラスの方もあるだろうから手が空いたやつから来てくれ。』
[ゴロウが部員に連絡事項を言い終えれば、解散の流れ。]
さてと、一旦教室戻るかな。 栗栖も行くか?
[ちゃんと並んでお化け屋敷に入ると言っていたのを思い出して普通に誘う。
まあ返事はどうあれ、教室には戻るつもりで。 その様子を、猫集やゴロウが見てどう思っているかには本人は気付いていない。]
(29) wallace 2014/11/20(Thu) 23時半頃
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― お化け屋敷 ―
[時間を見れば、榊原からのメールから随分と時間は経っていた。まあ、ちょっとサボってた時間でお化け役の時間は終わってたから大丈夫だとは思うけれどと、思いつつ。 人ごみを縫ってお化け屋敷へ辿り着けば、メイド姿で花園が写真撮影をしている姿も見えた。>>19 栗栖が一緒に来ていれば、はすぐ戻ると言って中へ。
お化け屋敷の中は相変わらずの熱気と、いろんな匂いが充満していた。 そして自分の担当の井戸の所に行けば、お化け担当のクラスメイトがなぜか手をズボッと出して脅かす位置にスタンバイしていた。]
…、何かあったか?
[小声で問えば、顎で井戸を見て来いと言われ、何だと思いつつ人が通った後を狙って、暗幕を捲って井戸を見た。そこには、 「 成仏 」 と書かれていた。]
(30) wallace 2014/11/20(Thu) 23時半頃
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これは…榊原の字!
[保は、クラスメイトの文字は見ればだいたい誰が書いたか解る。]
榊原があれ程愛情を込めて作った井戸。 それをもう使わないとさせるほどの出来事があったと言う事か? 成仏と言う事は幽霊を説得なり連れ出した也した奴がいたと言う事になる。
あの榊原をそこまでさせられるやつなんて……
[客はそんな事をしにやってくるはずがない。と、思う。 お化け屋敷をお化け屋敷として入って来てない…人物。 なんとなく栗栖の元ヤンメンバーが、お化けをノックアウトしたのかと思ったが、パフォーマンスに榊原の姿があったからそれはないかと 可能性を消去。
となると―――]
取材…
[もう1人、思い当たった。 そこで思考は一度止まって、文字を見る。]
(*3) wallace 2014/11/20(Thu) 23時半頃
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…だめだ。
[ぽつ、と小さく震え声。]
この字では成仏してない。
[スチャッ、と筆ペンを急いで取り出せば、自分の鞄から半紙(なぜか入っていた)を取り出して、さららさらさらっっ、と隷書調で仕上げた。完成した書を手に持って、よし、と言ってから井戸に貼っていた紙を剥がして、新たに貼り直した。 それを終えれば、とても満足した様子でお化け屋敷から出て行った**]
(31) wallace 2014/11/20(Thu) 23時半頃
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えっ、そうなんですか…。
[なんとか榊原を確保して、たこ焼き屋まで引っ張っていったが、 肝心のタコを切らしてしまったとかで、販売停止状態だとか。]
いえ、商売繁盛でなによりです。お疲れ様でした。
[買いそびれた客に謝罪をしつつも、何かを成し遂げたオーラ出してるたこ焼き屋を後にして、せかせかと歩く榊原の後をとぼとぼとついていく。]
せっかく…だったのに…。
[屋台から離れれば、未練がましくぶつぶつと呟きはじめる。]
(32) utatane 2014/11/21(Fri) 00時半頃
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[どこか焦った様子の榊原に、そんなにたこ焼きが好きなのか、とか尋ねられれば。]
いえ、はい、もちろん好きですけど、 大事なのは、榊原選手がご馳走してくれる、なとこで。
いえ、おごりだったら誰でも何でもいいってわけじゃなくて、私は…!
[不意に先を急ぐ榊原が立ち止まり、振り返った。 彼からこうして真正面に見られるのは珍しいから、つい固まってしまって、目が…………。]
(33) utatane 2014/11/21(Fri) 00時半頃
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『白銀ちゃーん、やっほー♪』
[本人にとっては長い、けれど多分大して長くはない沈黙を破るかのように振ってきたのは文芸部の先輩の声。]
(34) utatane 2014/11/21(Fri) 00時半頃
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あ、先輩。
『おかげさまで、「珠玉」完売ー! ぎりぎりまで製本作業で疲れたよー。
はいっ、これ、白銀ちゃんの分。』
[頭ぼさぼさ目の下にクマくっきりだけど、やたらと良い笑顔の先輩が、茶封筒を、白銀に差し出してきた。]
えっ、すみません。全然お手伝いしにいけずに。
『いやいやいや、展示はまだしてるから、遊びにきてー。 って、片づけ手伝わせてしまうかもだけど。』
[最後まで朗らかなまま、先輩はよろよろと立ち去っていった。西日が眩しい、と呟きながら。]
(35) utatane 2014/11/21(Fri) 00時半頃
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あ、先輩!たこ焼きは売り切れですよーーー!
[最重要情報をその背中に叫んでいる白銀の側で、 今度は榊原がかたまっていた**]
(36) utatane 2014/11/21(Fri) 00時半頃
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マユミは、では、しばし離席です。念のため、おやすみなさいです**
utatane 2014/11/21(Fri) 00時半頃
マユミは、そろそろ寝ますよといいつつ*
utatane 2014/11/21(Fri) 01時半頃
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―人楼高校 校庭―
[天秤をぐらぐらと傾けながら、 校庭をつっきろうとした駿であったが
うっ、足がというわざとらしい叫びと 湿布が貼られた膝を手で押さえてしゃがみ 周りの視線を集めるという白銀のコンボ技にあえなく敗北した。]
あー、そうですか。 まあ無いもんは仕方ない、な?
[連行されたたこ焼き屋には適当に声をかけ 白銀にもそう言い置いて足を進めるが 後ろから聞こえてくる声>>32はやまない。]
(37) seseri 2014/11/21(Fri) 01時半頃
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[もしや既に悲劇のヒロインごっこを始めてるのか?! 先ほども集めた視線を思い出して焦って振り返る。]
そんなにたこ焼きが好きなのか?
[それとも腹が減ってる? 女子って小さいけど思ったより食べるんだな、 なんていつぞやの忍崎宅でぶたまんがいくつも 鷹野の口に消えていったことを思い出す。]
(38) seseri 2014/11/21(Fri) 01時半頃
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………どうしても俺におごらせたいと?
[その小さな体のどこに吸収されてるんだ、女子は。と 見詰めていれば、返ってきた言葉にやはり嫌がらせか?と 盛大に眉を寄せた。相変わらずのわけのわからなさである。]
(39) seseri 2014/11/21(Fri) 01時半頃
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[その時、横から白銀に声がかかる>>34。 ちらりと伺うに、どうやらずいぶん仲の良い先輩のようだ。
邪魔しない方がいいだろうし、この隙に、と そそくさとまだやっていた近くの屋台に寄って注文をする。 文化祭終盤とはいえ、未だ屋台が並ぶ校庭には活気があふれ 少し離れただけで会話は聞こえない。]
(40) seseri 2014/11/21(Fri) 01時半頃
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……あれ、もう先輩とは話し終わったのか? ほら。とりあえず今はこれで勘べ……って、白銀、それ。
[悲劇のヒロインごっこをされては適わない。 今はこれで収めようと、2人が会話している間に購入した できたてほやほやトッピング増し増しの大盛りお好み焼きを 手に戻ってきた駿の目が、彼女の手元に留まる。]
(41) seseri 2014/11/21(Fri) 01時半頃
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"珠玉"?!
[今号は季節に合わせたのだろうか。 臙脂色の表紙のそれをいつのまにやら手にしている 白銀に驚きの目を向けた。**]
(*4) seseri 2014/11/21(Fri) 01時半頃
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[文芸部の先輩と別れて、さっそく“珠玉”を封筒から取り出す。]
ああ、表紙の色、臙脂にしたのですねー…。
[ほくほくと眺めていれば、驚愕の声があがって>>*4]
(*5) utatane 2014/11/21(Fri) 23時半頃
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…どうしたんです、榊原選手…ぁ、お好み焼き!
[不思議そうに向けた視線はすぐに、榊原の手元に落ち、 ぱぁっと花が飛ぶ勢いの笑顔になった。]
これは、二人で食べる分、ですよね。
えっ、私一人じゃそんなに食べれませんよー。 あちらで食べましょう、あちらで。
[驚いた表情のまま、口をぱくぱくさせてる榊原を 強引にテーブルのある方へ押して、座らせる。]
(42) utatane 2014/11/21(Fri) 23時半頃
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飲み物、買ってきますね。 榊原選手はこちらで待っていてください。
あ、その間に、読みますか?もう完売したみたいですよ。
[さらっと衝撃発言を残して、二人分のお茶を調達するため、席を離れる。
榊原は“珠玉”を手に取っただろうか?]
(43) utatane 2014/11/21(Fri) 23時半頃
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(…それにしても、榊原先輩が“珠玉”に興味があるのは、 なんだか意外です。あまり本は読まないイメージだったけれど。
もしかしたら、お友達が文芸部に…?)
[まさか自分の作品が好まれてるとは思いもせずに自販機の前に立った。]
(44) utatane 2014/11/21(Fri) 23時半頃
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[それから。]
(45) utatane 2014/11/21(Fri) 23時半頃
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お待たせしました!では、冷めない内にいただきましょう!
[なんとかお茶を調達してきて、榊原の向かいに座る。 離れる前よりハイテンションだ。ほんのりと頬そめながら、 瞳きらきらさせて、お好み焼きつつく様子は、 周囲を誤解させるのに十分だった。 榊原には違う感想を抱かせただろうけれど。
彼女が浮かれている理由あれこれを、呆れ顔でその食べっぷりを眺めている彼が知るのは、まだ先のお話…?**]
(46) utatane 2014/11/21(Fri) 23時半頃
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──後日談──
[──とん。とリビングに置いた机の上で原稿の端を揃える。]
(47) miseki 2014/11/22(Sat) 16時半頃
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