7 百合心中
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―アパート― [日傘を畳んで、そっと手に抱え持つ。 花びらが一枚ひらりと落ちた。]
おじゃま、します。
[少しだけ首を傾いで、やわらかく笑みを浮かべた。]
おさそい、受けたの。
(233) 2010/03/24(Wed) 22時半頃
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―アパート>>237― [大きく見開かれた綺麗な色の眸を 懐かしそうに見遣る。]
げんきそう。よかった。 ね、ほんとうに。うれしいわ。
[逢えてうれしい。 世界の終わりが見えていて、 それでも懐かしい人たちや 新しい人たちに逢えるのは、うれしいのだった。]
わあ…!ご馳走ね。 手料理、うれしいわ。ほんとう、今日はいい日なの。
[ハグされれば、少し照れたように自分もそっと 腕を回してから離れた。]
(239) 2010/03/24(Wed) 23時半頃
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―アパート>>238―
ここでルームシェアしてるのね。 とってもたのしそう。
[胸の前で手を合わせ、 3人をそれぞれ見た。]
お家、近くだから、お休みの日に お菓子をもってくるわね。
(241) 2010/03/25(Thu) 00時頃
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ありがとう、ヨーランダさん。
[人には丁寧に、敬称をつけるのは常だった。 グラスを掲げたりもあっただろう。]
とってもおいしいわ。 料理上手なの。
[グロリアに寄り添うのを見れば首を傾けて微笑ましげに]
なかよしなのね、 金と銀で、太陽とお月様のようなのだわ。
(242) 2010/03/25(Thu) 00時頃
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―夕〜夜のこと:アパート― [>>244 コリーンの問い掛けに、首を傾いで]
わたしは、自宅でピアノの先生をしてるのよ。 あと、塾も、こどもたちむけで、少し。
[それももうきっと、できないかな――とは、 思いながら、食事に手を付ける。]
うん、とってもおいしいのだわ。
[表情も自然、ほころぶ。>>245>>252 ヨーランダとグロリアの言葉には、あら、と首を傾いで]
わたし、うそはいわないのよ。 本当にそう思ったの。
[真顔で答えるグロリアには頷いた。]
そうね、だからここも、とても居心地がよいのだわ。
(310) 2010/03/25(Thu) 09時半頃
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[コリーンが言葉を向けてくれる。>>246 ぱちりとひとつ瞬いて]
ありがとう…。なんだか照れるのよ。
[ちいさく、わらった。]
そう、金色。わたし、小さな頃あこがれたの。 金色の髪。いまは、自分の髪もすきだけれど。
[きれいなきれいな金色の太陽の光の下、 赤い花の咲く木を思い出す。]
(311) 2010/03/25(Thu) 09時半頃
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コリーンさんは、ピアノを弾くの? すてき。きかせてくれる?
[世間に疎いらしきマルグリットは、 コリーンが歌手であったころのことも、知らない。 奏でられるピアノの音に聞き入る。>>260
うたひめ、と夢見るように呟いた。
グロリアの表情がふと曇ったのには気遣わしげな眼を向けたが。>>265]
(312) 2010/03/25(Thu) 09時半頃
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[ピアノの音が途切れる。>>267
はっとしたように、窓の方を見る。 唄が風に流されて、遠くへ。 眉を哀しげに寄せて]
――…、…
[火の手が見えれば息を飲む。]
嗚呼、……
(313) 2010/03/25(Thu) 10時頃
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[グロリアが出て行こうとするのを見れば 手を伸ばして]
だめ、あぶないわ。
[ヨーランダも、コリーンも止めたけれど。 >>267グロリアが大丈夫と謂うのを聞いても不安げに]
……。もどって、きてね。
[太陽と月が約束を交わす。それを祈るように両手を組んで、見ていた。]
(314) 2010/03/25(Thu) 10時頃
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ニュース。 …そうね。
[マルグリットは、知っている。 きっと、此処は見捨てられる。 見捨てられても、世界が終わるのは、変わらないけれど。 父の最後の手紙を思い出す。
>>287コリーンには、見えないと知っているけれど 安心させるように笑みを浮かべて]
…いいの。きにしないで。
[ニュースが事を伝える。 嗚呼、と哀しげに眉を寄せて胸の前で両手を組んだ。]
(315) 2010/03/25(Thu) 10時頃
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……――。 …みんな、…いきたいのだわ
[見捨てられた都市も、見捨てた外も。 つぶやきはどう受け取られたか。 グロリアが帰ってきたならほっとしたように息を吐いて]
…――。 そと、危ないわ ね。
[微かに遠くから花の香り。 目を伏せて、それから顔をあげた。]
…ね。 わたし、明日、約束があるの。 ――朝には一度、家に、戻るわ。
だいじょうぶ、 そんなに はなれてないもの。
(316) 2010/03/25(Thu) 10時頃
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長老の孫 マーゴは、墓守 ヨーランダの方を、見て。
2010/03/25(Thu) 10時頃
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…公園でね、 お散歩しようっていう約束、 したのよ、今日。
大学の図書館の窓際の、 きれいな、赤い色の髪の子。 ケイトさん、っていうの。ひょっとしたら、知ってるかしら。
だからね、明日、公園にいくわ。
[こんなときだから、約束を守りたいのだと、そう。 たとえ誰も来なくても。]
(317) 2010/03/25(Thu) 10時頃
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―朝方:住宅地― [少し古い型の携帯電話は白い色。 ヨーランダの連絡先だけはしっかりと持つ。 他の設定は、きっとマルグリットには難しくて無理だった。 夜明けの空、まぶしくもないのに日傘をさす。 火の手が上がる、遠い街。 星は知らん顔で煌めいている。]
――ね。 世界は、きれいなのにね。
[哀しげにつぶやく。]
きっと、晴れるのよ、今日も。
(318) 2010/03/25(Thu) 10時頃
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[丘の上の家、その周りは奇妙に静かだ。 花の香りが漂う。]
…? ゾーイちゃん…?
[自分の家の前で泣いているこども。 ピアノを習いに来ていた子だった。 どうしたの、と屈んで尋ねる。 ――おかあさんもおとうさんもいないの、 と泣きじゃくる。 その子からも、 濃い、 花の、 香り。
濃緑の眸が一度だけ大きく揺れた]
(319) 2010/03/25(Thu) 10時半頃
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[けれど、それはどうにか笑みにかえて]
…――そう、…きっと外が騒がしいから 見に行っているだけよ。
だいじょうぶ。
[落ち着かせるように抱いて、 背中をさすった。
――せんせい、こわいよ。
泣くこどもの体が、不意に 崩れて]
(320) 2010/03/25(Thu) 10時半頃
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ぁ
[風にさらわれて、――ほどけて、消えた。]
…、――ゾーイちゃ ん
[暫くその場から動けずに 声を押し殺して
――泣いた。]
(321) 2010/03/25(Thu) 10時半頃
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[ややあって、ゆっくり立ち上がり]
…、――… ……、……――だめ
いかなくちゃ
ごめんね 新しい楽譜 渡せなかったわ…
[花びらになってしまったこどもに言葉を向けて。 焼き菓子と、それからいくらかの荷物を持って 家を出たのは、すっかり明るくなってから。]
(322) 2010/03/25(Thu) 10時半頃
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―桜並木の公園―
[――日も高くなった頃
公園の、桜並木で 日傘をさし、 終りを運ぶ花の香りを乗せた春の風に ワンピースの裾を揺らしながら、
マルグリットは、約束を果たすために佇む。]
――…いいお天気。
[呟き。このような事態だけれど このような事態だからこそ。 約束をした、ケイトの姿を*探していた*]
(323) 2010/03/25(Thu) 10時半頃
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長老の孫 マーゴは、空を見上げた。公園は、なんだかとても静かだった。
2010/03/25(Thu) 10時半頃
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―桜並木の公園― [自分の手を見下ろす。 出て行く間際、握手をしてくれたグロリアを思う。>>325]
…――…だいじょうぶ。 …ちゃんと、また逢うのよ。
[あたたかな食事の風景は とても大切なものとして心の中に沁みた。 花の香りができれば彼女たちには 遠くありますようにと願う。
風に、髪が遊ぶ。]
(329) 2010/03/25(Thu) 11時頃
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―公園―
[足音がした。 ベンチに座り、日傘をさしたまま、顔をあげる。 探している、待っている子では無かったけれど――]
こんにちは。
[至近距離で見つめてくる少女 ―幼く見えたゆえそう思ったのだ―へ 笑みを浮かべ、言葉を向けた]
どうしたの? 迷子さん、かしら。
(339) 2010/03/25(Thu) 11時半頃
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―公園>>341―
……?
[小首を傾げて]
わたしも、迷子? …どうかしら、道には 迷ってないのよ。
[曖昧に濁すような言葉に返す言葉は やはり少し曖昧か。 じっと猫のような大きな眸が見つめてくるのに 不思議そうに見つめ返した]
なあに? わたしの顔、なにかついてる?
[少し、子供に語りかけるような調子なのは 実際年齢よりも幼く見ているからだろう。]
(342) 2010/03/25(Thu) 11時半頃
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―公園>>345― …そう思ってるわ。
[琥珀の色の眸は空へ。 横顔を見ていたが、つられたように マルグリットも空を見た。]
いいお天気ね。 ……「ついてる」 って なあに?
[不思議そうにまた小首を傾げた。]
ええと。待ち合わせ、かしら。 約束 したの。お散歩の約束。 こんな状況だけど…約束って、まもりたいの。
今日は、こんなにいい天気なのだもの。
あなたも、お散歩?
(348) 2010/03/25(Thu) 12時頃
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―公園>>350― … 別の?…ひあっ
[くすぐられてびくりとする。 首筋を押さえて声を上げたことを恥ずかしそうにした。]
もう、いたずらはだめよ。
[め、と人差し指を立てて見せた。 続く言葉には居住まいを正し]
来てくれると、いいけれど。 でもね、来てくれなくてもいいのよ。 わたしが約束を守りたくてここにいるだけなのだもの。
…そう、…会いたい人がいるなら…しかたない わね。
[彼女が義肢なのには、気づいていない様子で。]
おうちには、かえらなくて…大丈夫?
(354) 2010/03/25(Thu) 12時頃
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―公園>>358― [素直な侘びには頷いて、 手を握り締められれば少しだけ目を丸くする]
…、……あなた、手…。
[聞いていいものかと琥珀色の眼を見た。]
待ってるのは―― 昨日会ったばかりの子なの。 来てくれると、うれしいけれど。
[待っているのもきっと悪くないことなのだ。 やわらかく笑った。]
…ひとりぐらし?そんなに、ちいさいのに? あ、…ひょっとして、…
[年齢を、勘違いしていたのだろうか、と申し訳なさそうな表情を浮かべる。]
(364) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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―公園>>368―
…足も、なの。――そう。 いたくは、ないの?
[傘は腕に凭せ掛け、 開いた方の手で、手をそっと撫ぜた]
…、昨日でも、約束は、約束なのよ。
[と、笑みのまま謂う。]
…14歳?中学生でひとりぐらしなの…?
[いたずらっぽい言葉を真に受けて、そんな風に返した。]
(376) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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―公園>>379― …、――。 …… つらかったの、ね。
[痛ましげに、眉を寄せた。 どこか不器用な握手のような仕草を見せる手を包む。 続く言葉には眼を一度瞬かせて]
… そう かしら。 そうなら、うれしいわ。
[少女が零す笑みに、 なにかおかしなことを謂ってしまったろうかと おろ、とした仕草を見せるが、凭掛られればそっと肩を撫ぜて]
わたしでよければ、お話し相手には、なれるのよ。 …今日はいい天気だもの。
[お菓子も在るの、とケイトに約束した分から 少しだけ差し出せる。]
(385) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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―公園>>388―
…――、… ――…そうね。
[無邪気な笑みを、何処か哀しげに見つめる。 死が間近に迫るなか、 胸中に訪れるものはそれぞれだろうが。]
…――木。そう在れるなら、うれしいのだわ。
いいのよ、お話は好きだし、 お菓子はたくさんあるもの。
[小首を傾げば肩から黒髪が流れ落ちた。 息を吹きかけられ、くすぐったそうに目を細める。]
あなたはなんだか猫さんみたいね。 まあるい眼の、チェシャ猫かしら。
(391) 2010/03/25(Thu) 13時半頃
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―公園>>393― …――。…そうね。 うん。わたし、最後までいつもどおりにいられたらいいな、 って思ってるの。
こんなときだからこそ。 だって…世界は、こんなに綺麗なのに。
[見上げた先、桜の花が咲き誇る。 この花が終わって仕舞う前に 世界はきっと、終わるのだ。]
…――わたし、ともだちや、父にも のんびりやさんね、っていわれるのよ。
[冗談めかして小さく笑い]
ちがうのよ。わたし、チェシャ猫すきなの。 チェシャ猫は、いたずらずきで、でもきっと、とってもやさしいの。
[ハンカチを膝に広げて置くのは、クッキーやサブレ。それから、小分けにしたパウンドケーキ。]
(395) 2010/03/25(Thu) 14時頃
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長老の孫 マーゴは、ふと、震えた携帯を見て、あまり慣れない手つきで確認する。
2010/03/25(Thu) 14時頃
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―公園>>396― …そうかもしれないわ。 でもね、…それでも世界は、きっと まだ、あいしてくれていると 信じたいの。 わたし、臆病なのよ。 怒ったり、憎んだりするのは、こわいの。
[何処か静かに、笑みを浮かべ。桜の花びらを受け止める。]
ふふ、でもね、ゆっくりも、すてきなのよ。 …うん、楽しんでくれるとうれしいわ。
[紅茶のクッキーと、これはココア、それから、と指し示す。]
わがままも、かわいいとおもうの。 偶然でも、いいの。わたしには「本当」になるのよ。
…?結婚? いいえ、していないわ。でも、どうして?
[唐突な問にはきょとんとしたあと、ゆったりとそう答えた。]
(398) 2010/03/25(Thu) 14時半頃
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―公園― ごめんなさいね、後輩からなの。 おたがい無事ね、って。
[えっと、とキーをゆっくり押した後 携帯電話をそっと閉じる。]
こういう機械、 つかうのあんまり得意じゃないのだけれど、 そう謂ったらね こうすればっ、て簡単に使えるようにしてくれたから、 あのことは連絡がとれるのよ。
連絡があると、やっぱりほっとするのね。
[ひらり、桜の花びらが舞落ちた。]
(400) 2010/03/25(Thu) 14時半頃
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