88 吸血鬼の城 殲滅篇
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遊んでやるさ。
気の済むまで、たっぷりと。
泣き喚いて這い蹲って許しを請うまで、
ここに来たことを、永劫に後悔するように、
たぁっぷりとな。
(*9) 2012/04/29(Sun) 22時半頃
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ハッ。
[細剣に手を掛けた人間(>>250)にむけて、鼻を鳴らす。]
ままごと遊びが聞いて呆れる。 無抵抗な女を貫いて、楽しかったか?
[黒犬の唇がまくれ上がり、 笑みを模して、牙が剥き出される。]
所詮、おまえたちに殺されてくれるのは、 優しいあいつくらいだろうよ。
討伐隊が、聞いて呆れる。 オレを殺りにきた連中は、もうちっとはマシだったぜ?
(254) 2012/04/29(Sun) 23時頃
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[身構えた人間の後ろから現れたのは、 片目を塞いだ男。
手にしたクロスボウをみとめて、牙がかつりと鳴った。
声に出してはなにも言わず、 じわりと床から立ちのぼる闇をまとわりつかせ、 黒犬は、徐々に輪郭を崩していく。]
(257) 2012/04/29(Sun) 23時頃
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おれの"娘"を殺した男。
[黒い力が、身体の中で水位を増す。 あのクロスボウから放たれた杭が、娘を貫いた。 そのさまが、未だ視界から消えぬ。]
あれが、殺せなかった男。 ああ、そうか。そうだな。
あいつには、相応しい行く末を与えてやるとしようか。
(*10) 2012/04/29(Sun) 23時頃
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見ていたさ。 ああ。見ていたとも。
だからオレは―――
[渦巻く闇を吸い込んで、黒犬の姿が膨れあがる。 塔を満たすほどに膨れあがった闇は、 一転して凝縮し、男の姿を象った。
己の肉体を見せつけるように、 黒の衣をゆるく肩に羽織った巨漢が、犬のいた場所に立つ]
(264) 2012/04/29(Sun) 23時頃
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―――貴様らを、狩る。
[犬と同じ牙を剥いて、嗤った。]
(265) 2012/04/29(Sun) 23時頃
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[闇の眷属を退治するのは当然と、 理を語る相手に、一瞥をくれる。]
――― なら、オレたちが獲物を狩るのも、 当然だよなぁ?
[人間を獲物と言って憚らず、 続々と現れる人間たちが身構えるのを、鷹揚に眺めている。]
いっぱしの魔物狩人なら遊び相手だが、 貴様ら程度は、ただの獲物だな。
(270) 2012/04/29(Sun) 23時頃
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ああ、そうだな。 あいつとの約束、守ってやれなかったな。
[名を呼べば、力を送ると約束したものの、 最後のときに側にいることさえしなかった。
自覚は、じわりと心を蝕む。]
(*11) 2012/04/29(Sun) 23時半頃
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それもこれも、オレを封印した人間共と、 あれを殺したこいつらのせいだな。
[歪んだ自我に方向を与えて、牙を噛む。]
だから。
報いを。
[表には出されぬ、苦く熱い意志。]
(*12) 2012/04/29(Sun) 23時半頃
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[アヴィロン伯が待っていた(>>271) 『領主さま』(>>274)
ふたつの言葉に、唇が歪む。]
オレが、昔々、このアヴァロンを支配していた ヘクター・ロックウェルだ。
別に、覚えなくても構わんぜ。 貴様らの身体に、刻み込んでやるからな。
[片手を挙げれば、闇が黒々と渦を巻いて集まってくる]
(278) 2012/04/29(Sun) 23時半頃
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それと、ひとつ教えておいてやる。
[剣に手を添えた男(>>271)へと視線を向け、牙を剥く。]
正義なんてものはな、 人間が好き放題するための、 おためごかしに過ぎねぇんだよ。
なんなら、その正義とやらでこいつを止めてみるがいいさ。
[渦巻く闇を掴んだまま、嘲笑を叩きつけた。]
(279) 2012/04/29(Sun) 23時半頃
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[目の前で武器を構える剣士ども。 後ろでこちらを睨みつけている魔術師。 ごちゃごちゃ話している、学者風の相手と、 小癪にも聖属性を操る修道士。
束になって掛かられれば、さすがに面倒だ。 だいいち、こっちは目覚めたばかりで、まだなにも食べていない。 腹が減ってはなんとやら、である。]
(283) 2012/04/29(Sun) 23時半頃
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そう焦るなよ、餓鬼共。
[武器を手にし、向かって来ようとする連中の機先を制し くつり、と嗤って掲げた手を握る。 魔術師から放たれた風が服を裂き、肌を裂いたが 動じることさえしなかった。
いくつも開いた傷口が、見ている間にも癒えていく。]
(294) 2012/04/30(Mon) 00時頃
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お楽しみがここで終わったら、つまらないだろ?
そら。狩りの始まりだ。 精々逃げ回って、オレを楽しませろよ。
[闇を握り込んだ腕を一振りする。 途端、闇色の風が塔の中を吹き荒れた。
闇は人間共に絡みつき、覆い尽くし、 その身体を城のどこかへと投げ出して消える。]
(295) 2012/04/30(Mon) 00時頃
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だいたい、人間どもは一人ずつ恐怖に落としこんでから 喰らったほうがうまいからな。
[考えた拍子に空腹を思い出して、 ひそかに眉を下げる。]
――― あー。 腹減った。
[呟きを声に漏らすようなヘマは、さすがにしなかった。]
(*13) 2012/04/30(Mon) 00時頃
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