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[宵闇から次第に朝へと白くなっていく空をぼぅと眺めていた。 自宅のある雑貨屋には帰っていない。 考え事をしながら歩いていたら朝になってしまった。 膝が笑っていた。]
……。
[一寸遠くに墓地が見える。人影が見える。 ―――そうか。 納得したように瞬いて、墓地へと足を運んだ。]
(142) 2010/07/03(Sat) 12時半頃
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―― 墓地 ――
[ラルフはまだ其処に居ただろうか。 小屋の二人ではなく真新しい墓標の元に歩み寄る。]
…――
[リンダの名が刻まれた墓標に、静かに祈りを捧げて。]
リンダ……
[一瞬だけ複雑そうな表情が、浮かんだ。]
(144) 2010/07/03(Sat) 12時半頃
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リンダに罪は無い。
[只、結末が残酷すぎただけ]
……分かっている。
[半ば自分に言い聞かせるような響きを伴った]
貴女は何を望む。
[問いかけに答えは返らない]
(145) 2010/07/03(Sat) 12時半頃
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ラプンツェルね。
[長い髪を下ろして、青年を登らせ逢引した御伽噺の女性。]
失明した青年と、
[喪失は盲目を伴って]
私が魔女かしら。
[親から奪い、恋人からも奪おうとした悪い魔女]
(147) 2010/07/03(Sat) 12時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 12時半頃
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……。
[ラルフには背中を向けた儘、 仲が良かった、という言葉には曖昧に頷いた。]
本当に……どうしてリンダだったのかしらね。 こういう役目は、嫌われ者にこそよく似合う。
[振り向いて、悲しげに笑った。 自分だったら良かった、とは、言わないけれど。]
(157) 2010/07/03(Sat) 13時頃
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ラルフ……。
[自分が言葉にしなかったことを、あっさりと口にする彼に]
……。 莫迦ね。そんなこと思っても仕方が無いわ。 別の人だったら、とは、思うけれど 私はラルフに代わって欲しかったとは思わない。
代わりなんて誰にも出来ないんでしょうね。 それがその人の生であり、死なのだから。
……貴方はまだ生きている。
(159) 2010/07/03(Sat) 13時頃
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コリーンさん……
[何かを察したように此方へと訪れた彼女に、小さな会釈。 誰か――と途切れる言葉。 墓標を見れば、そう、死んだ人物は明らかで]
……今、村を襲う病気とは関係ないと思うわ。 リンダは…持病を隠して、笑って、た。
(166) 2010/07/03(Sat) 13時半頃
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ラルフはどうしてそうも卑屈なのかしら。
[ふ、と呆れたような苦い笑みを零し]
失敗も多いしドジで不器用。 ……だけど、そんなの愛嬌の内だもの。
それよりもあなたの魅力をなくしているのはその態度。
[はっきりと告げる。 そう簡単に治るものではないのは十も承知で]
もう少し顔を上げて世界を見たら、 きっとあなたの目に映る世界はもっと綺麗なのに。
(167) 2010/07/03(Sat) 13時半頃
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羨ましいくらい、
幸せに、……ね
[リンダの最期を間接的に知っているソフィアは そう告げては、こうべを垂れた。
幸せ者だったと思う。 ほんとうに、ほんとうに。
―――…]
(171) 2010/07/03(Sat) 13時半頃
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そうよ。
[彼の曖昧な笑みには、少しだけ悲しげに目を細めて]
ラルフという一個人が存在していることは 誰もが認める当たり前のことだもの…。 唯、ラルフは、自信がないのかしら、ね。
砕けた言い方をすれば、 もっと胸を張った方がいい男なのに、ってこと。
[彼の心中までは察せない。 けれど、くよくよしている姿は 見てて気持ちの良いものではないから。 そう、背を叩くような勢いで告げた。
それから暫しは、リンダの墓前に居るか 両親の墓前に向かうかで墓地に滞在するだろう**]
(176) 2010/07/03(Sat) 13時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 14時頃
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これは私の進化の過程の一頁です。
(*21) 2010/07/03(Sat) 17時頃
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生まれてから、23年。 私は初めて自分の足で立っている感覚に気づきました。
(*22) 2010/07/03(Sat) 17時頃
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ねぇパパ、ねぇママ。 私は恋をしたんだよ。
(*23) 2010/07/03(Sat) 17時頃
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一人で息をするのがつらいから、 あの人と一緒に呼吸をしたいと思う。
(*24) 2010/07/03(Sat) 17時頃
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手が生えました。 人に触れたいと思う手です。
すっと伸ばすと、あの人に触れられそうだった。 なのに何故だろう。
この手はあの人を包みたいのに、 傷つけるナイフに変わってしまうんです。
(*25) 2010/07/03(Sat) 17時頃
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触れれば触れるほどに傷を付けて、 あの人を殺してしまいそうだ。
じゃあナイフを放つその前に あの人を殺してしまおうか。 それがあの人の心を傷つけずに済む方法じゃない?
(*26) 2010/07/03(Sat) 17時頃
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そんなの厭だ。
(*27) 2010/07/03(Sat) 17時頃
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一層、二人息絶えて。 何もかもを失ってしまうべきなのでしょうか。
だけど、私は進化する。 私はまだ、進んでいく。
あの人を失っても、私は未だ終わらない。
(*28) 2010/07/03(Sat) 17時頃
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>>*20 だから 私は生きたい。
(*29) 2010/07/03(Sat) 17時頃
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だけれど、
もしも、
(*31) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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"その時" が 在るならば
私など切り捨てて下さい。
(*32) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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それも、私の、願いです――――
(*33) 2010/07/03(Sat) 18時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 02時頃
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―― 回想・墓地 ――
[訪れたペラジーは、何処か様子がおかしかった]
……?
[突然駆け出すペラジーに掛ける言葉もなく、 ぼぅやりと見送るだけ]
……私、両親のところに。
[コリーンとラルフにそう言い残し、 墓地の中を移動する]
(325) 2010/07/04(Sun) 02時頃
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―― 現在・墓地 ――
[両親の墓前でどれ程佇んでいたか。 色んなことを考えた。 自分も両親の元へ逝ってしまうのか。 再会したら両親はどんな言葉を掛けてくれるのか。
ほめてくれるだろうか。 おこられてしまうだろうか。
――それは多分、残された人生の生き方で決まるんじゃないか]
(327) 2010/07/04(Sun) 02時頃
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[ぴちゃ、と微かに水音が聞こえて顔を上げた。 視線を移す。
墓石に水を掛ける、ピッパの姿。 瞬く。
もう家路につくなり、していると思っていたから。]
……ピッパさん
[呟く声は相手に届かない声量で。 ゆらり、自然と彼女の方へ足が向いた]
ピッパさん!
[今度は確りと名を呼んだ]
(336) 2010/07/04(Sun) 02時半頃
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[ピッパに名を呼ばれると、深くお辞儀をして。]
こんにちは。
[彼女が逃げなかったことについては触れる気は無い。 きっと彼女は置いてはいけないだろうと、予測は容易だから。]
墓守、をしているの……?
[それよりも彼女が此処で墓を守る行動を、不思議に思って そう、柔らかく問いかけた]
(341) 2010/07/04(Sun) 02時半頃
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…そう。
[お手伝い。彼女が買って出たのだろう。 淡々とした声色は、何処か静けさを伴って。]
『物語はいつだって墓場から始まるものさ』
……私の好きな詩人の一節。
[彼女が視線を向ける墓標へと目を遣った。 静寂が平穏にすら思えるこの一時。]
物語が始まるのも終わるのも此処なのだと詩人は云うわ。 本当なのかしらね――。
[ふわふわとした口調で紡ぐ。 ゆぅらりとピッパへ視線を戻せば、僅かに小首を傾いだ]
(347) 2010/07/04(Sun) 03時頃
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終わり、か。 でもきっと貴女は覚えていないだけ。
自宅か、病院か――― 貴女が生まれた時のことを、覚えていないだけ。
[物語《人生》の始まりは、此処ではない、と笑った]
ええ。 リンダと。両親の。
[簡素に告げては、緩く視線を落とし]
……私、ピッパさんに伝えたいことがあったのだわ。
(351) 2010/07/04(Sun) 03時頃
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[こく、と頷く。 思い出した様に謂った言の葉だったけれど 本当は此れが心を占めていたのが事実。]
私と。ピッパさんは。 仕事上の付き合いくらいしかなかった。
それなのにこんなことを謂ったら、 可笑しいかもしれないし、信じ難いかもしれないけれど。
[一度だけ振り向いた。リンダの墓標がある方向へ。 静かにピッパに視線を戻し]
……あの子が逝った時に私は、 とても悔しい思いをしたの。
貴女の心を奪われるのが、悔しくて、くやしくて。 自覚なんて無かったけれど、ね。 ある人の言葉で、真実に近づいたかもしれないわ。 私は、嫉妬をしていたの、ね。
(354) 2010/07/04(Sun) 03時半頃
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つまり、その―――
私は、貴女のことが、…好き。 [真っ直ぐに、告げる、言葉。 心臓が、痛くて、せつなくて。]
(356) 2010/07/04(Sun) 03時半頃
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